※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
レノボ ideapad S145(15,Intel,AMD)の実機レビュー
更新日:2020年7月12日
CPU | Core i7-1065G7 Core i5-1035G1 Core i3-1005G1 Ryzen 7 3700U Ryzen 5 3500U Ryzen 3 3200U Athlon 300U |
---|---|
メモリ | 4GB / 8GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 15.6インチ |
液晶種類 | FHD TN 非光沢 |
質量 | 約1.85kg |
バッテリー | 最大 約6.3時間 |
価格[税込] | 3万円台~ |
ideapad S145は、しっかり快適に使える処理能力を持ちつつ、格安を超えた激安価格を実現した15型のノートPCです。
3万円台でも、Athlon 300U、Ryzen 3 3200U、さらに、第10世代Core i3搭載モデルまで選択できます。
また、Ryzen 7や、第10世代Core i7搭載モデルでも、5~6万円台と破格です。同価格帯で、同じような処理性能を備えた他機種はなかなか見つからないでしょう。
ただし、液晶がTNパネルなので、視野角が狭く、視認性にもやや劣ります。その他、最近の新しいノートPCと比較すると、見劣りする部分もいくつかあります。
レビュー機は、1台が当サイトの購入品、1台がメーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 3 3200U、4GBメモリ、128GB PCIe SSD
Ryzen 5 3500U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD NEW!
目次
お忙しい方は、「ideapad S145の特徴」のみお読みください。
ideapad S145の特徴
Core i3 + SSDで3万円台の激安PC
ideapad S145は、第10世代Core i3-1005G1、4GBメモリ、128GB SSDの構成が、3万円台後半(税別)で購入できる激安の15型ノートPCです。また、AMD Athlon 300U搭載であれば、3万円台前半(税別)と、さらに安く購入できるモデルもあります。
一般的に、格安PCと言われる2~3万円台のノートPCは、CeleronやAMD Aシリーズプロセッサーを搭載し、スペックがかなり低めで、快適な動作を期待することは難しいです。
しかし、ideapad S145は、3万円台(税別)のCore i3、AMD Athlon、Ryzen 3 3200Uを搭載したモデルでも、軽作業であれば十分快適に使用できます。
エントリーからハイスペックまで幅広いCPU構成
ideapad S145には、Intel Coreプロセッサー搭載モデルと、AMDのプロセッサーを搭載したモデルがあります。各CPUの性能は下図の通りです。ideapad S145で選択できる最も低い性能のAthlon 300Uでも、Celeron 3867Uよりはるかに性能が高いです。Core i5-1035G1や、Ryzen 5 3500U程度の性能があれば、一般的な作業であれば、かなり快適だと思います。
デュアルストレージが可能
ideapad S145は、基本的にはM.2 SSDしか搭載していませんが、2.5インチベイが空いているので、自分で増設することが可能です。試しに底面カバーを空けて2.5インチSSDを増設してみましたが、問題なく認識されました。
ただし、増設は自己責任でお願いします。「故障した」、「2.5インチベイが無い」ということがあっても、当サイトでは責任を負えませんのでご了承下さい。
メモリは空きスロットあり
今回、Ryzen 3 3200Uモデルを購入しましたが、メーカー仕様表を確認すると、メモリスロットは「0」となっています。しかし、内部を確認すると、メモリスロットが1つ空いていました。試しに、16GBのメモリを増設してみましたが、問題なく認識されました。
⇒追記:Ryzen 5 3500Uモデルもメモリスロットが1つありました。
なお、インテルモデルなど他のモデルではどうなのかは不明です。増設に関するトラブルの責任は一切負えませんので、ご了承ください。
液晶がウィークポイント
ideapad S145は、TNパネルのフルHD液晶を搭載しています。この価格帯でも、HDではなく、フルHD液晶を搭載しているので、広い画面を有効に活用できる点は評価できます。
ただし、視野角が狭く、視認性に劣るTNパネル液晶であることが最大のウィークポイントです。さらに色域が狭いことも影響し、全体的に色が薄く白っぽく感じます。長時間の作業であれば、目が疲れやすくなるなど、ストレスを感じる可能性があります。
低価格のメリットを活かして、子供用のパソコンにしたいところではありますが、オンライン学習などで長時間画面を見る場合、目を悪くしないか心配になります。
見やすい外部ディスプレイを接続し、本機の液晶をサブとして使用する使い方だといいかもしれません。
インテルモデルの各構成比較
ideapad S145のインテルモデルの各構成を比較しました。
Core i3搭載モデルは、メモリ、ストレージ容量ともに実用面では最小構成とはなりますが、価格が安いです。
Core i7-1065G7は、グラフィックス性能が少し高めのIris Plusを内蔵し、高めのスペックでも、6万円台で購入できます。軽いゲームをライトにプレイしたい場合や、QSVによる動画変換なども行いたい場合に、おすすめです。Core i7-1065G7の詳細については、こちらをご確認ください。
バランスがよく、一般用途におすすめなのは、Core i5搭載モデルです。メモリ容量も8GBありますし、人気のある鉄板構成となっています。
Core i5モデルやCore i7モデルでは、ストレージ容量が2種類ありますが、256GBと512GBとの差額が小さく、512GB SSDを搭載したモデルの方がコスパが高い気がします。
エントリースペック | ミドルスペック | ハイスペック | |||
CPU | Core i3-1005G1 | Core i5-1035G1 | Core i7-1065G7 | ||
メモリ | 4GB | 8GB | |||
ストレージ | 128GB SSD | 256GB SSD | 512GB SSD | 256GB SSD | 512GB SSD |
価格[税別] | 37,179円 | 52,668円 | 57,130円 | 63,450円 | 66,690円 |
AMDモデルの各構成比較
ideapad S145には、AMDモデルもあり、各構成は、下表のようなラインナップになっています。
Athlon 300Uや、Ryzen 3 3200U搭載モデルであれば、インテルモデルよりもさらに安いです。Celeronなどを搭載した別機種よりも、処理性能だけであれば断然有利でしょう。価格を出来るだけ抑えたい場合におすすめです。
Ryzen 5が4万円台、Ryzen 7でも5万円台と非常にコスパが高いです。
AMD系のプロセッサーと相性があまりよくないアプリもあるので、使うアプリや用途によっては、インテルモデルの方が適している場合がありますが、ブラウザ、Officeソフトなど一般向けソフトなら問題ないでしょう。
エントリー | ベーシック | ミドルスペック | ハイスペック | |||
CPU | Athlon 300U | Ryzen 3 3200U | Ryzen 5 3500U | Ryzen 7 3700U | ||
メモリ | 4GB | 8GB | ||||
ストレージ | 128GB SSD | 256GB SSD | 512GB SSD | 256GB SSD | 512GB SSD | |
価格[税別] | 30,942円 | 34,614円 | 42,579円 | 45,999円 | 50,858円 | 54,457円 |
その他、残念なところ
ideapad S145は、その他にも、格安PCとして、最新のPCと比べると異なる部分がいくつかあります。
最近増えてきたUSB Type-Cポートはありませんし、最新のWi-Fi 6にも対応していません。また、指紋センサーやIRカメラも搭載していないので、Windows Helloを使用したセキュアで簡単な指紋や顔認証でのログインは行えません。バッテリー駆動時間は短めで、さらに、高速充電に対応していないためか、充電にも時間がかかります。
このように、著しく欠けた部分とはならないかもしれませんが、利便性のある幾つかの機能は諦める必要があります。
ライバル機種との比較
レノボには、コスパが非常に高いideapad S540(15)という機種があるので、ideapad S145との比較を行いました。両機は搭載するCPUは多少異なるものの、カバーする使用範囲はほぼ重なっていると言えるでしょう。
ideapad S540(15)は、広視野角のIPS液晶を搭載しており、見やすいです。また、バッテリー駆動時間も長く、宅内モバイルのような用途にはより適しています。PCを使用する時間が長いのであれば、こちらがおすすめです。
ideapad S145は、搭載するプロセッサーの幅が広く、作業により適した性能を選択することができます。また、似たようなスペックで比較してみても、ideapad S540(15)よりもかなり安いです。液晶にこだわらない方や、外部ディスプレイを使用する方、一日の使用時間が短い方などを含め、できるだけ安く、快適に使用できる処理性能を持ったノートPCが欲しい方の強い味方となりそうです。
[本製品] ideapad S145 |
[ライバル機種] ideapad S540(15) |
|
画像 | ||
CPU | 第10世代Core(U) Ryzen 3000シリーズ Athlon 300U |
第10,8世代Core(U) |
メモリ | 4GB /8GB | |
ストレージ | PCIe SSD | |
液晶サイズ | 15.6型 | |
液晶種類 | FHD TN 非光沢 | FHD IPS 非光沢 |
質量 | 約1.85kg | 約1.8kg |
バッテリー | 最大 約6.3時間 | 最大 約20時間 |
価格[税別] | 3万円台~ | 5万円台~ |
[本製品] ideapad S145 |
[ライバル機種] ideapad S540 (15) |
[本製品] ideapad S145 |
[ライバル機種] ideapad S540 (15) |
|
CPU | Core i3-1005G1 | Core i3-10110U | Core i5-1035G1 | Core i5-10210U |
メモリ | 4GB | 8GB | ||
ストレージ | 128GB SSD | 256GB SSD | 512GB SSD | |
価格[税別] | 37,179円 | 50,400円 | 57,130円 | 70,680円 |
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
〇 | 十分なスペックです。ただし、液晶の視野角が悪いので、画面の端のほうが見にくく、眼が疲れやすいです。さらに視野角も狭いので、画面全体が薄く感じます。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | 〇 | スペックは十分ですが、やはり液晶が見にくいです。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | 液晶の品質が悪いので、RAW現像や画像編集向きの製品ではありません。 |
動画編集 | △ | 簡易的な動画編集ならできますが、外部グラフィックスを搭載していないため、本格的な動画編集は難しいです。 |
ゲーム | △ | Ryzen 5以上やCore i7であれば、高めの内蔵グラフィックス性能なので、ややゲームのフレームレートは上がりますが、ゲーム向きのノートPCではありません。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイのチェックです。
前述の通り見やすいディスプレイではありません。長時間使用する方は別の機種をおすすめします。最大輝度は、当サイトの計測では221cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
ideapad S145のキーボードのチェックです。
実測で、キーピッチは横:19x19mm、キーストロークは約1.5mmと標準的な数値です。ただし、テンキーのキーピッチは狭くなっています。キー配列は標準的ですが、「\」のキーが小さいです。押しやすさは普通で、問題なくタイピングできると思います。キーボードバックライトはありません。
タッチパッドの操作性は普通です。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
前述した通り、安いPCの割には、スタンダードなCPUを搭載しています。
~ CPU性能の評価 ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しており高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
SDカードスロット
SDカードスロットを搭載していますが、速度はやや遅いです。
実施のソフトウェアの処理時間
以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。
Ryzen 3 3200Uだと、エンコードは少し時間がかかります。
Ryzen 5 3500U | Ryzen 3 3200U | |
x265でエンコード (※1) | 31分45秒 | 1時間03分59秒 |
QSVでエンコード (※2) | 1分56秒 | 3分16秒 |
NVENCでエンコード (※3) | ― |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトには「約1.85kg」とあり普通です。当サイトの計測値は、メーカー仕様値よりもずっと軽く、1.686kgしかありませんでした。ちょっとした移動や、収納も楽だと思います。
質量 | |
PC本体 | 1.686kg |
ACアダプター | 201g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量を確認すると、約30Whと少なめでした。当サイトによるバッテリー駆動時間の計測結果は下の通りです。今回、Ryzen 3のやや低めの性能のプロセッサーであったため、普通の駆動時間はありました。
Ryzen 3 3200U | |
(1) JEITA2.0 | 約6.3時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | ― |
(3) 動画再生時 | 5時間15分 |
(4) PCMark 8 Work | 5時間06分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は大きく変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。Ryzen 3 3200Uの場合、高い負荷がかかっても、比較的低めの騒音値です。Ryezn 5 3500Uの場合は高い負荷がかかると普通の騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
ここでは、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時の温度のみを掲載します。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
Ryzen 3 3200Uの場合は50℃台、Ryezn 5 3500Uの場合でも60℃台で推移しており低めの温度です。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
Ryzen 3 3200Uの場合、低めの温度で問題ありません。Ryezn 5 3500Uモデルの場合はやや温度は上がりますが、それでもそれほど熱くは感じません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
Ryzen 3 3200Uの場合は低めの消費電力です。Ryzen 5 3500Uの場合はやや消費電力が上がりますが、それでも一般的なノートPCと同等レベルです。
外観のチェック
ideapad S145の外観のチェックです。
ボディカラーはグレーで、デザインもシンプルなので、仕事でもプライベートでも使いやすそうです。
天板にはヘラアイン加工が施されています。
スピーカーは正面側に2つあります。ノートPC基準で、10点満点で採点すると4点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
Webカメラおよびマイクが内蔵されているので、オンライン会議などにも使えます。
側面のポート類です。USB Type-C、LAN、光学ドライブはありません。
液晶が開く最大の角度です。結構開きます。
底面です。
Ryzen 3 および Ryzen 5の底面カバーを外したときの画像です。なお、他のモデルの内部は異なるかもしれません。
4GBのオンボードメモリが搭載されています。隣の黒いカバーを外すと、空きのメモリスロットが1つありました。前述の通りメモリ増設してみましたが、問題なく認識されました。
M.2 SSDは換装できると思います。
空きの2.5インチベイです。試しに増設してみましたが、問題なく認識されました。
ACアダプターは、小さいです。
外観などは動画にもまとめています。
まとめ
以上が、ideapad S145のレビューです。
第10世代Core i3搭載モデルだと3万円台、第10世代Core i7搭載モデルでも6万台と、他に類を見ないほど価格が安い15型のノートPCです。さらに、AMDモデルもあり、こちらも、十分なスペックでありながら、インテルモデルよりもさらに安く購入できます。
今回レビューしたRyzen 3 3200UおよびRyzen 5 3500Uモデルでは、メモリおよびストレージの増設も出来たので、自分でスペックアップしてみたい方にも面白いと思います(メーカー保証外となるので注意)。
ただし、液晶はTNパネルのみなので、視認性に劣り、目が疲れやすくなる可能性が高いです。長時間の使用にはあまり適していません。最近では、1万円前後でIPSパネルの外部ディスプレイを購入できるので、このような外部ディスプレイを接続して、メインPCとして使うというのも手だと思います。
その他、いくつか機能の面で最新機種に及ばない部分がありますが、この価格は最強の武器です。
ただし、最近は、ThinkPad E15 Gen 2や、14型ですがIdeaPad Slim 350 14など、Ryzen 4000 Uシリーズ搭載モデルが発売され、非常に高いコスアです。こちらも合わせてご検討下さい。
しっかり使える3万円台からの激安ノートPC
ideapad S145
特徴
- 3万円台前半から購入可能
- 処理性能は十分
- TN液晶を採用し視野角は悪い
こんなあなたに
- 液晶の品質は気にしない
- とにかく安く、快適に動作するPCが欲しい
- 価格3万円台[税込]~
- 一言液晶にこだわりがなければ買い
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ
レノボのパソコンの一覧ページです。売れ筋のThinkPadや、コストパフォーマンスの高いideapadなど掲載し、おすすめのPCも書き込んでいます。
約15年間にわたり、年間100機種以上、パソコンを細かくチェックしている筆者がおすすめするノートパソコン。