Core i7-1065G7のベンチマーク

更新日:2019年9月22日

 

第10世代Coreプロセッサー「Core i7-1065G7」のベンチマークスコアを掲載します。

結果概要

結果の概要だけ先に記載します。

CPU性能については、CINEBENCH R20のベンチマークスコアを確認すると、従来のCore i5-8265UやCore i7-8565Uより約2割ほどスコアがアップしていました。ただし、Core i5-9300Hよりは低いスコアでした。

CINEBENCH R20 (マルチコア)
Core i7-9750H 2640
Core i5-9300H 1921
Core i7-1065G7 1484
Core i7-8565U 1268
Core i5-8265U 1252

 

グラフィック性能については、下表のように、第8世代Coreプロセッサー(U)に搭載されているIntel UHD Graphics 620とGeForce MX250の中間くらいのスコアでした。

ドラゴンクエスト 10
GeForce MX250 11900
Intel Iris Plus 7968
Radeon RX Vega 10
(Ryzen 7 3700U)
7373
Intel UHD 620 4655

 

また、内蔵GPUによるエンコード(H.265/HEVCへの変換)が、約半分の時間で処理が完了しました。

TMPGEnc 7によるエンコード時間(内蔵GPUによるエンコード)
Intel Iris Plus 1分43秒
Intel UHD 620 3分17秒

 

Core i7-1065G7の仕様

Core i7-1065G7は、開発コードネーム「Ice Lake」と呼ばれる10nmプロセス製造の第10世代Coreプロセッサーとなります。第10世代Coreプロセッサーには14nmプロセス製造の「Comet Lake」もありますが、今回レビューする「Ice Lake」は、内蔵グラフィックスが強化されたモデルとなります。

2019年9月21日現在、発表されているUシリーズの「Ice Lake」は次の6種類です。

プロセッサーナンバーの最後に「G○」という文字が付きますが、この○の数字が大きいほど、より内蔵グラフィックスの性能が高いことを意味し、今回のCore i7-1065G7は、より性能の高い「G7」となっています。せっかく「Ice Lake」のプロセッサーを選ぶのであれば、G7またはG4が付いたIntel Iris Plus グラフィックスが搭載されたモデルを選びたいところです。

「Ice Lake」についての詳細は、4Gamer.netなどのメディアサイトをご覧ください。

インテル第10世代Coreプロセッサー「Ice Lake-U」
  Core i7-1068G7 Core i7-1065G7 Core i5-1035G7
開発コード名 Ice Lake
製造プロセス 10nm
コア / スレッド数 4 / 8
ベースクロック 2.3 GHz 1.3 GHz 1.2 GHz
ターボブースト時 4.1 GHz 3.9 GHz 3.7 GHz
キャッシュ 8MB 8MB 6MB
TDP 28W 15W 15W
内蔵GPU Intel Iris Plus
  Core i5-1035G4 Core i5-1035G1 Core i3-1005G1
開発コード名 Ice Lake
製造プロセス 10nm
コア / スレッド数 4 / 8 4 / 8 2 / 4
ベースクロック 1.1 GHz 1.0 GHz 1.2 GHz
ターボブースト時 3.7 GHz 3.6 GHz 3.4 GHz
キャッシュ 6MB 6MB 4MB
TDP 15W 15W 15W
内蔵GPU Intel Iris Plus Intel UHD Intel UHD

 

GPU-Zで確認したCore i7-1065G7内蔵のIntel Iris Plusの仕様は次のようになっています。

GPU-Z

 

CPU関連のベンチマークスコア

まずは、Core i7-1065G7のCPU関連のベンチマークスコアを掲載します。

計測に用いたノートPCは次の通りです。本製品以外のPCで計測した場合、ベンチマークスコアが大きく異なる可能性もありますのでご了承下さい。

 

CINEBENCH R20

まずは、上で掲載したCINEBENCH R20の結果です。従来のCore i7-8565UやCore i5-8265Uよりも順当にスコアアップしています。

CINEBENCH R20
Core i7-1065G7
他CPUとの比較(マルチコア)
Core i9-9980HK 3405
Core i7-9750H 2640
Core i5-9300H 1921
Core i7-1065G7 1484
Core i7-8565U 1268
Core i5-8265U 1252
Core i3-8145U 952
他CPUとの比較(シングルコア)
Core i9-9980HK 456
Core i7-9750H 448
Core i7-1065G7 446
Core i5-9300H 430
Core i7-8565U 413
Core i5-8265U 399
Core i3-8145U 374

 

CINEBENCH R15

次はCINEBENCH R15の結果です。従来CPUよりも微増といったところです。

CINEBENCH R15
Core i7-1065G7
他CPUとの比較(マルチコア)
Core i7-9750H 1212
Core i5-9300H 757
Core i7-1065G7 617
Core i7-8565U 602
Core i5-8265U 542
Core i3-8145U 333

 

PassMark Performance Test 9.0

PassMark Performance Test 9.0のCPU Markのスコアは「10483」と割と高めです。

PassMark Performance Test 9.0(CPU MARK)
Core i7-1065G7
他CPUとの比較
Core i7-9750H 13476
Core i5-9300H 11295
Core i7-1065G7 10483
Core i7-8565U 8939
Core i5-8265U 8552
Core i3-8145U 6052

 

TMPGEnc Video Mastering Works 7によるエンコード時間

次は、「TMPGEnc Video Mastering Works 7」を使ってエンコードにかかった時間を掲載します。ここでは、x265エンコーダーを用い、4KのXAVC Sの動画をH.265/HEVCへ変換する処理を実行しています。

CPUを使ったエンコードは少し速くなった程度です。ただ、後述しますが、内蔵GPUによるエンコードはかなり速くなっています。

TMPGEnc Video Mastering Works 7によるエンコード時間 (x265)
Core i7-1065G7
※XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間(x265のエンコーダーを使用)
他CPUとの比較
Core i9-9980HK 11分37秒
Core i7-9750H 15分37秒
Core i5-9300H 20分46秒
Core i7-1065G7 28分26秒
Core i7-8565U 31分50秒
Core i5-8265U 32分07秒
Core i3-8130U 45分24秒

 

Geekbench 5

Geekbench 5のスコアです。

Geekbench 5
Core i7-1065G7
他CPUとの比較(Mulit-Core)
Core i7-9750H 5784
Core i7-1065G7 4019
Core i5-8265U 3546

 

Geekbench 4

Geekbench 4のスコアです。

Geekbench 4
Core i7-1065G7
他CPUとの比較(Mulit-Core)
Core i7-9750H 20808
Core i7-1065G7 15783
Core i5-8265U 13663

 

グラフィックス関連のベンチマークスコア

次はグラフィックス関連のベンチマークスコアを掲載します。

 

ドラゴンクエスト 10

CPU負荷がそれほど高くなく、主にグラフィックスのパワーを使うドラゴンクエスト 10のスコアです。Intel UHD Graphics 620とGeForce MX250の中間位のスコアで、Ryzen 5 3500UやRyzen 7 3700Uの内蔵GPUよりも高いスコアでした。

ドラゴンクエスト 10
Intel Iris Plus Graphics(Core i7-1065G7)
他のグラフィックスとの比較
GTX 1650 19246
GeForce MX250 11900
Intel Iris Plus 7968
Radeon RX Vega 10
(Ryzen 7 3700U)
7373
Radeon Vega 8
(Ryzen 5 3500U)
6368
Intel UHD 620 4655

 

3DMark Night Raid

3DMark Night Raidのスコアです。こちらは、Ryzen 5 3500Uに搭載されたRadeon Vega 8よりも低いスコアでしたが、Radeonは3DMarkのスコアが高めに出る傾向があり、他のテストでは、Intel Iris Plus Graphicsのほうが高いスコアです。

Cloud Gateなどもテストしたかったのですが、正常に動きませんでした。ソフトやドライバーのアップデートを待ちたいと思います。

3DMark Night Raid
Intel Iris Plus Graphics(Core i7-1065G7)
他のグラフィックスとの比較
GeForce MX250 15406
Radeon Vega 8
(Ryzen 5 3500U)
10014
Intel Iris Plus 9530
Intel UHD 620 5274

 

内蔵GPUによるエンコード時間

次は、「TMPGEnc Video Mastering Works 7」にて、QSVのハードウェアエンコードで、4KのXAVC Sの動画をH.265/HEVCへ変換する処理を実行したときの時間です。

Intel UHD Graphics 620よりも非常に高速化し、半分近くの時間で処理が完了しています。

また、Ryzen 7 3700UのRadeon RX Vega 10でエンコードしたときより、Core i7-1065G7のほうが高速でした。

TMPGEnc 7によるエンコード時間(内蔵GPUによるエンコード)
Intel Iris Plus Graphics(Core i7-1065G7)
※XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間(CPU内蔵のハードウェアのエンコーダーを使用)
他のグラフィックスとの比較
Intel Iris Plus 1分43秒
Radeon RX Vega 10
(Ryzen 7 3700U)
1分51秒
Radeon Vega 8
(Ryzen 5 3500U)
1分54秒
Intel UHD 620 3分17秒

 

その他

その他のグラフィックスに関するベンチマークスコアです。

CINEBENCH R15(Open GL)
GeForce MX250 103.11 fps
Intel Iris Plus 64.97 fps
Intel UHD 620 52.63 fps
Radeon Vega 8
(Ryzen 5 3500U)
39.60 fps
PassMark Performance Test 9.0(3D MARK)
GeForce MX250 2972
Intel Iris Plus 2223
Radeon Vega 8
(Ryzen 5 3500U)
1892
Intel UHD 620 1248
Geekbenck 5(Open CL)
GeForce MX250 11550
Intel Iris Plus 10214
Intel UHD 620 5547

 

Ice Lake-Uを搭載したノートPC

2019年9月22日現在、第10世代Coreプロセッサー「Ice Lake-U」を搭載しているノートパソコンは次の通りです。今後は、他のメーカーからも随時発表されていくと思います。

New Inspiron 15 3000 (3593)

15.6型 FHD 非光沢

第10世代Core (Ice Lake)

光学ドライブ あり

約2.13kg~

5万円台~

Ice Lakeの第10世代インテルCPUを搭載し高性能。価格も比較的安くコスパが高い。液晶の視野角は悪い。

Inspiron 15 5000 (5593)

15.6型 FHD 広視野角 非光沢

第10世代Core (Ice Lake)

光学ドライブ なし

約1.83kg

7万円台~

Iris Plus グラフィックスを内蔵したCore i7-1065G7を選択可能で高性能。液晶も見やすい。

 

随時、製品をレビューしていきますので、TOPページもチェックしてみてください。

パソコンの比較TOP

 

まとめ

下表は、各ベンチマークスコアにおいて、Core i5-8265Uに対してCore i7-1065G7がどのくらいスコアアップしたかを示した表です。Core i5-8265Uと比較すると、Core i7-1065G7は、CPU性能は平均で約17%UPグラフィックス性能は平均で約67%UPしていました。

CPU性能はそこまで多く性能が上がったわけではないですが、グラフィックス性能については割と向上しています。軽いゲームをライトにプレイしたい方や、QSVを使った動画変換などを行っている方は、快適度が増すのではないかと思われます。

CPU関連のベンチマークスコア
  Core i7-1065G7 Core i5-8265U スコア上昇率
CINEBENCH R20 1484 cb 1252 cb 19%
CINEBENCH R15 617 cb 542 cb 13%
Passmark(CPU Mark) 10483 8552 23%
Geekbench 5 4019 3546 13%
Geekbench 4 15783 13663 16%
平均 17%
※エンコード時間は含めていません
グラフィックス関連のベンチマークスコア
  Intel Iris Plus Intel UHD 620 スコア上昇率
ドラクエ 10 7968 4655 71%
3DMark Night Raid 9530 5274 81%
CINEBENCH R15(Open GL) 64.97 fps 52.63 fps 23%
Passmark(3D Mark) 2223 1248 78%
Geekbenck 5(Open CL) 10214 5547 84%
平均 67%
※エンコード時間は含めていません

 

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