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Core i7-1065G7のベンチマーク
第10世代Coreプロセッサー「Core i7-1065G7」のベンチマークスコアを掲載します。
結果概要
結果の概要だけ先に記載します。
CPU性能については、CINEBENCH R20のベンチマークスコアを確認すると、従来のCore i5-8265UやCore i7-8565Uより約2割ほどスコアがアップしていました。ただし、Core i5-9300Hよりは低いスコアでした。
グラフィック性能については、下表のように、第8世代Coreプロセッサー(U)に搭載されているIntel UHD Graphics 620とGeForce MX250の中間くらいのスコアでした。
また、内蔵GPUによるエンコード(H.265/HEVCへの変換)が、約半分の時間で処理が完了しました。
Core i7-1065G7の仕様
Core i7-1065G7は、開発コードネーム「Ice Lake」と呼ばれる10nmプロセス製造の第10世代Coreプロセッサーとなります。第10世代Coreプロセッサーには14nmプロセス製造の「Comet Lake」もありますが、今回レビューする「Ice Lake」は、内蔵グラフィックスが強化されたモデルとなります。
2019年9月21日現在、発表されているUシリーズの「Ice Lake」は次の6種類です。
プロセッサーナンバーの最後に「G○」という文字が付きますが、この○の数字が大きいほど、より内蔵グラフィックスの性能が高いことを意味し、今回のCore i7-1065G7は、より性能の高い「G7」となっています。せっかく「Ice Lake」のプロセッサーを選ぶのであれば、G7またはG4が付いたIntel Iris Plus グラフィックスが搭載されたモデルを選びたいところです。
「Ice Lake」についての詳細は、4Gamer.netなどのメディアサイトをご覧ください。
Core i7-1068G7 | Core i7-1065G7 | Core i5-1035G7 | |
開発コード名 | Ice Lake | ||
製造プロセス | 10nm | ||
コア / スレッド数 | 4 / 8 | ||
ベースクロック | 2.3 GHz | 1.3 GHz | 1.2 GHz |
ターボブースト時 | 4.1 GHz | 3.9 GHz | 3.7 GHz |
キャッシュ | 8MB | 8MB | 6MB |
TDP | 28W | 15W | 15W |
内蔵GPU | Intel Iris Plus |
Core i5-1035G4 | Core i5-1035G1 | Core i3-1005G1 | |
開発コード名 | Ice Lake | ||
製造プロセス | 10nm | ||
コア / スレッド数 | 4 / 8 | 4 / 8 | 2 / 4 |
ベースクロック | 1.1 GHz | 1.0 GHz | 1.2 GHz |
ターボブースト時 | 3.7 GHz | 3.6 GHz | 3.4 GHz |
キャッシュ | 6MB | 6MB | 4MB |
TDP | 15W | 15W | 15W |
内蔵GPU | Intel Iris Plus | Intel UHD | Intel UHD |
GPU-Zで確認したCore i7-1065G7内蔵のIntel Iris Plusの仕様は次のようになっています。
CPU関連のベンチマークスコア
まずは、Core i7-1065G7のCPU関連のベンチマークスコアを掲載します。
計測に用いたノートPCは次の通りです。本製品以外のPCで計測した場合、ベンチマークスコアが大きく異なる可能性もありますのでご了承下さい。
Intel Iris Plus グラフィックスを内蔵したCore i7-1065G7を選択可能で高性能。液晶も見やすい。
CINEBENCH R20
まずは、上で掲載したCINEBENCH R20の結果です。従来のCore i7-8565UやCore i5-8265Uよりも順当にスコアアップしています。
CINEBENCH R15
次はCINEBENCH R15の結果です。従来CPUよりも微増といったところです。
PassMark Performance Test 9.0
PassMark Performance Test 9.0のCPU Markのスコアは「10483」と割と高めです。
TMPGEnc Video Mastering Works 7によるエンコード時間
次は、「TMPGEnc Video Mastering Works 7」を使ってエンコードにかかった時間を掲載します。ここでは、x265エンコーダーを用い、4KのXAVC Sの動画をH.265/HEVCへ変換する処理を実行しています。
CPUを使ったエンコードは少し速くなった程度です。ただ、後述しますが、内蔵GPUによるエンコードはかなり速くなっています。
Geekbench 5
Geekbench 5のスコアです。
Geekbench 4
Geekbench 4のスコアです。
グラフィックス関連のベンチマークスコア
次はグラフィックス関連のベンチマークスコアを掲載します。
ドラゴンクエスト 10
CPU負荷がそれほど高くなく、主にグラフィックスのパワーを使うドラゴンクエスト 10のスコアです。Intel UHD Graphics 620とGeForce MX250の中間位のスコアで、Ryzen 5 3500UやRyzen 7 3700Uの内蔵GPUよりも高いスコアでした。
3DMark Night Raid
3DMark Night Raidのスコアです。こちらは、Ryzen 5 3500Uに搭載されたRadeon Vega 8よりも低いスコアでしたが、Radeonは3DMarkのスコアが高めに出る傾向があり、他のテストでは、Intel Iris Plus Graphicsのほうが高いスコアです。
Cloud Gateなどもテストしたかったのですが、正常に動きませんでした。ソフトやドライバーのアップデートを待ちたいと思います。
内蔵GPUによるエンコード時間
次は、「TMPGEnc Video Mastering Works 7」にて、QSVのハードウェアエンコードで、4KのXAVC Sの動画をH.265/HEVCへ変換する処理を実行したときの時間です。
Intel UHD Graphics 620よりも非常に高速化し、半分近くの時間で処理が完了しています。
また、Ryzen 7 3700UのRadeon RX Vega 10でエンコードしたときより、Core i7-1065G7のほうが高速でした。
その他
その他のグラフィックスに関するベンチマークスコアです。
Ice Lake-Uを搭載したノートPC
2019年9月22日現在、第10世代Coreプロセッサー「Ice Lake-U」を搭載しているノートパソコンは次の通りです。今後は、他のメーカーからも随時発表されていくと思います。
New Inspiron 15 3000 (3593)
15.6型 FHD 非光沢
第10世代Core (Ice Lake)
光学ドライブ あり
約2.13kg~
5万円台~
Ice Lakeの第10世代インテルCPUを搭載し高性能。価格も比較的安くコスパが高い。液晶の視野角は悪い。
Inspiron 15 5000 (5593)
15.6型 FHD 広視野角 非光沢
第10世代Core (Ice Lake)
光学ドライブ なし
約1.83kg
7万円台~
Iris Plus グラフィックスを内蔵したCore i7-1065G7を選択可能で高性能。液晶も見やすい。
随時、製品をレビューしていきますので、TOPページもチェックしてみてください。
パソコンの比較TOP
まとめ
下表は、各ベンチマークスコアにおいて、Core i5-8265Uに対してCore i7-1065G7がどのくらいスコアアップしたかを示した表です。Core i5-8265Uと比較すると、Core i7-1065G7は、CPU性能は平均で約17%UP、グラフィックス性能は平均で約67%UPしていました。
CPU性能はそこまで多く性能が上がったわけではないですが、グラフィックス性能については割と向上しています。軽いゲームをライトにプレイしたい方や、QSVを使った動画変換などを行っている方は、快適度が増すのではないかと思われます。
Core i7-1065G7 | Core i5-8265U | スコア上昇率 | |
CINEBENCH R20 | 1484 cb | 1252 cb | 19% |
CINEBENCH R15 | 617 cb | 542 cb | 13% |
Passmark(CPU Mark) | 10483 | 8552 | 23% |
Geekbench 5 | 4019 | 3546 | 13% |
Geekbench 4 | 15783 | 13663 | 16% |
平均 | 17% |
Intel Iris Plus | Intel UHD 620 | スコア上昇率 | |
ドラクエ 10 | 7968 | 4655 | 71% |
3DMark Night Raid | 9530 | 5274 | 81% |
CINEBENCH R15(Open GL) | 64.97 fps | 52.63 fps | 23% |
Passmark(3D Mark) | 2223 | 1248 | 78% |
Geekbenck 5(Open CL) | 10214 | 5547 | 84% |
平均 | 67% |
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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約15年間にわたり、年間100機種以上、パソコンを細かくチェックしている筆者がおすすめするノートパソコン。