※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
レノボ ThinkPad X1 Foldの実機レビュー
CPU | Core i5-L16G7 |
---|---|
メモリ | 8GB |
ストレージ | 最大512GB PCIe SSD |
液晶サイズ | 13.3型(4:3) |
液晶種類 | QXGA(2048x1536) 折りたたみ式有機EL |
質量 | 本体:約973g~ キーボード:178g |
バッテリー | 最大 約 11.7時間 |
WWAN | 5G対応 |
価格[税込] | 32万円台~ |
ThinkPad X1 Foldは、折りたたみ可能な有機ELを搭載したタブレットPCです。
折りたたむことで、非常にコンパクトになり、小さなカバンへも入れられます。
液晶を開けば、4:3の大きなディスプレイで作業することができます。縦長表示にすることも可能です。液晶の上の物理キーボードを載せれば、小型PCとして使うこともできます。
今までにないPCで、アイディア次第で、新しい使い方が発見できそうです。
ただし、価格は32万円からとかなり高めです。
ThinkPad X1 Fold の良い点
折りたたんで小さくなる
ThinkPad X1 Foldは、折りたたみ可能な有機ELを搭載したPCです。折りたためるメリットとしては、「手で持ち運びやすい」、「小さいカバンに入る」、「液晶が割れないように保護できる」といったことがあります。
個人的には、ボディバッグなどの小さなカバンで出かけたいときに便利だと思います。ビジネスバッグやメッセンジャーバッグなどを持って行くような用事ではなく、ちょっとした外出や荷物を減らしたい外出だと、ボディバッグのような小さなバッグで出かけたくなりますが、そんな時でもThinkPad X1 Foldならカバンに収納できて便利です。
4:3の大画面で使える
液晶を開くと、広大な作業領域が広がります。13.3インチと対角の長さは、一般的なモバイルノートと変わらないものの、画面比が4:3と一般的なディスプレイよりも縦の比率がかなり高くなっており、とても仕事がしやすいです。また、QXGA(2048x1536)の有機ELということで、色鮮やかで画面も見やすいです。
ディスプレイの湾曲する部分は、開くとほとんど気にならず、見づらく感じることもありません。
縦長表示ができる
画面を縦長表示することができるのもメリットです。WebページやWordファイルをこういった縦長の画面に表示すると非常に見やすく、一度この表示に慣れると16:9の横長の画面が見づらく感じてしまいます。外出先でも、この縦長表示で作業できるのはとても嬉しいです。
狭いスペースで使える
キーボードを画面の半分に載せると、ノートPCのような形状で使用することができます。ロングシートの電車の中でノートパソコンを広げようとすると、隣の人の邪魔になってしまうので出しづらいですが、ThinkPad X1 Foldを、このような形状で使えば、とても小さいPCになるので、邪魔にならず使えます。
イラスト制作時などに便利
CLIPSTUDIOなどを使って、イラストを描くときも便利です。ヒンジが360度回転する2 in 1 PCの場合、タブレット形状にするとキーボードが隠れてしまって、ショートカットキーが使えなくなってしまいますが、ThinkPad X1 Foldであれば、キーボードを分離できるため、ペンでイラストを描きながら、ショートカットキーを使うことが出来ます。なかなかこのタイプの製品は無いため、面白いと思います。
まるで本のように読める
見開きのような形状にすれば、紙の書籍の本を読んでいるような雰囲気で、読書することができます。
タスクバーが湾曲部分が何かかっこいい
ちょっとしたことですが、タスクバーが湾曲している部分に表示されるため、近未来的デバイスを使っているような感じがして、ワクワクします。
Windows 10Xが提供されればもっと便利に
1年前のCES発表時では、Windows 10Xのモデルも提供されるようなことが言われていましたが、Windows 10Xの提供が遅れが出ており、未だ発売されていません。2021年の4月か5月頃から提供を開始するという情報もあります(参考ページ)。
なお、Windows 10Xとは、2019年10月に発表されたデュアルスクリーン向けのOSで、デュアルスクリーンで使いやすいように設計され、バッテリーの消費も抑えられています。もし、ThinkPad X1 FoldのOSをWindows 10Xにアップグレードできるなら、さらに使いやすくなるのではないかと思います。
ThinkPad X1 Foldの残念な点
Enterキーが空振りしやすい
続いて、ThinkPad X1 Foldの残念に感じた点を紹介します。まず、キーボードのEnterキーの左側の2列のキーが省略されている点です。この省略されているキーがあることで、ブラインドタッチをしていると、Enterキーの位置が思ったよりも左側にあるので、空振りしやすくなります。
省略されているキーは、Fnキーを押しながら他のキーを押しますが、これが結構面倒で、ブラインドタッチしにくいので、これらのキーを打つ時に時間がかかってしまいます。普通のノートパソコンよりも操作性は下がってしまうかなと思います。
とにかく高い
また、価格がとにかく高いです。初めて湾曲ディスプレイを搭載したパソコンで、プロトタイプ的な製品であるため高いというのは理解できますが、最低でも32万円(税込)という価格は、一般のユーザーにはなかなか手が出ません。20台限定の快適スタートセットがまだ売り切れにならないことからも、購入者は少ないのだと思います。第2弾、第3弾の製品に期待です。
パフォーマンスのチェック
CPUには2つのチップを搭載
ThinkPad X1 FoldのCPUには、Intel Core processor with Intel Hybrid Technology(コードネーム:Lakefield)が搭載されます。
このCPUは、10nm世代で製造されるCPUとGPU、22nm世代で製造される低消費電力CPUとPCHの2つのチップが搭載されており、高負荷時は10nmチップが、スタンバイ時などは22nmチップが動作するようです(参考)。
では、実際のベンチマークスコアを見てみましょう。ベンチマークスコアは低いです。実際に使っていても、動作がややモッサリしていると感じるときがあります。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
グラフィックス
グラフィックスも高くはありませんが、第10世代インテルCoreプロセッサーのComet Lakeくらいの性能はあるようです。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しており十分な速度です。ただし、PCIe SSDの割にはそこまで速くはありません。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー容量は、約50Whでした。
キーボードをディスプレイに載せて、半面だけ画面を表示させた状態でのバッテリー駆動時間は下の通りです。普通のバッテリー駆動時間だと思います。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 最大 約 11.7時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 8時間16分 |
(3) 動画再生時 | ― |
(4) PCMark 8 Work | ― |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
まとめ
ThinkPad X1 Foldは、折りたたみ可能な有機ELを搭載した最先端のPCです。
折りたたんで、小さなカバンへ入れられることが大きな魅力です。画面を広げれば、4:3の大きな画面で作業したり、縦長の表示で作業したりすることができます。キーボードと画面が分離できるので、イラストを描くときなどにショートカットが使えて便利です。
ただし、キーボードの一部のキーが省略されている点、折りたたむと割と分厚くなる点、価格が高い点は残念です。
この製品は、次世代製品のプロトタイプのような製品であるため、今後の第2弾、第3弾の製品に期待です。
折りたたんでコンパクトにできる最先端PC
ThinkPad X1 Fold
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ
約907g~と、ThinkPad史上最も軽いモバイルノート。軽いだけでなく、アスペクト比16:10の2K(2160x1350)液晶を搭載しているのも特徴で、仕事がしやすい。
近流行りつつある16:10の画面比で、しかも2560x1600と高い解像度のディスプレイを搭載したモバイルノートPC。さらに、質量が1kgを切っており、非常に軽く持ち運びやすい。
レノボのパソコンの一覧ページです。売れ筋のThinkPadや、コストパフォーマンスの高いideapadなど掲載し、おすすめのPCも書き込んでいます。
モバイルノートパソコンの比較ページ。ThinkPadやレッツノートなどの人気の製品をはじめ、多くの製品を用途別、性能別に掲載しています。