レノボ ThinkPad P1 Gen 3 の特徴レビュー

更新日:2020年8月6日
CPU 8コアXeon Wシリーズ
Xeon W-10855M
第10世代Core i9 (H)
Core i7-10850H
Core i7-10750H
GPU Quadro T1000 / T2000
メモリ 最大 64GB
ストレージ PCIe SSD
液晶サイズ 15.6インチ
液晶種類 FHD IPS 非光沢 /
UHD IPS /
UHD OLED タッチ
質量 約1.7kg~
バッテリー 最大 約17.1時間
価格[税込] 23万円台~
モバイル出来るワークステーション

ThinkPad P1 Gen 3は、約1.7kgからと軽さが特徴的な、持ち運べるモバイルワークステーションです。

軽量ボディではありますが、8コアXeon Wプロセッサーや、第10世代Core i9 Hプロセッサーも搭載でき、処理性能は高いです。GPUには、Quadro T1000 / 2000を搭載できます。

また、ディスプレイとして10bitカラーに対応した4K UHD OLEDディスプレイも選択できますし、LTEにも対応しています。

ISV認証を取得しており、プロが安心して使用できる環境を手に入れることができるでしょう。

特に、写真や動画の編集作業などを快適に行うのに適した機種だと思います。

公式サイトはこちら

ThinkPad P1 Gen 3の特徴

約1.7kg~の軽量ワークステーション

ThinkPad P1 Gen 3は、15.6型のワークステーションでありながら、質量が約1.7kgからとなっています。約1.7kg~の質量は、一般的な15型ノートPCでも軽量な部類になるレベルです。そのため、この軽量さは、ThinkPad P1 Gen 3の大きな特徴となっています。頻繁に外に持ち出す方や、テレワークなどに適したモバイルワークステーションと言えるでしょう。

下表では、同じようなスペック構成(Core (H)+Quadro T1000 / T2000)が選択できる他機種とのサイズ・質量の比較を行いましたが、チェックした機種の中ではThinkPad P1 Gen 3が最軽量でした。ただし、コンパクトさを求めるなら、デルのPrecision 5550の方が有利なようです。

なお、FHD液晶搭載モデルが約1.7kgで、UHD OLED搭載モデルは約1.8kgとなります。

15型ワークステーションのサイズ・質量比較
  奥行 高さ 質量
ThinkPad P1 Gen 3 [本機機] 361.8 245.7 18.4~ 約1.7kg~
HP ZBook 15 G6 376 264 26 約2.6kg
デル Precision 5550 344.4 230.3 11.65 約1.84kg
※ 単位はmm

 

高性能CUP搭載

ThinkPad P1 Gen 3は、軽さが売りとなっていますが、ワークステーションらしく、高処理性能のCPUを搭載できます。メーカーサイトでは、8コアのXeon Wプロセッサーや、第10世代Core i9/i7 Hプロセッサーを搭載可能と紹介されています。

なお、販売代理店モデルには、Core i7-10750H、Core i7-10850H、Xeon W-10855Mを搭載したモデルがありますが、上記のプロセッサーに関する記載からすると、直販モデルではさらに高性能のCPUを選択できるのではないかと思われます。あくまで予想ですが、8コアのXeonとしてはXeon W-10885M、第10世代Core i9としてはCore i9-10885H、もしくはCore i9-10980HKなどが候補にあがります。(Xeon W-10885M、Core i9-10885H、Core i9-10980HKの基本的な仕様は同等です)

下表では、搭載可能と思われるCPUの仕様を比較しました。

Core i7-10750H、Core i7-10850H、Xeon W-10855Mは、コア数、キャッシュなどが同じなので、処理性能差はそれほど大きくないと思います。一方、8コアのXeon W、もしくは第10世代Core i9 (H)になると、コア数、キャッシュが増えるため、処理性能が高まると考えられます。

搭載CPUの仕様比較
  Core i7-10750H Core i7-10850H Xeon W-10855M Core i9-10885H
Core i9-10980HK
Xeon W-10885M
開発コード名 Comet Lake
製造プロセス 14nm
コア / スレッド数 6 / 12 8 / 16
ベース動作周波数 2.6 GHz 2.7 GHz 2.8 GHz 2.4 GHz
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 5.0 GHz 5.1 GHz 5.1 GHz 5.3 GHz
インテル ターボ・ブースト・マックス・テクノロジー 3.0 の動作周波数 4.8 GHz 4.9 GHz 4.9 GHz 5.1 GHz
キャッシュ 12MB 16MB
TDP 45W
メモリ DDR4-2933
内蔵GPU UHD Graphics
※選択可能と予想されるCPU

 

下のグラフでは、CPUのベンチマークスコアを比較しています。

8コア代表としてCore i9-10980HK、6コア代表としてCore i7-10750Hを載せていますが、処理性能には大きな差があります。

特に高処理性能のCPUを必要とする場合は8コアCPUを、そうでなければ6コアのCPUを選択するといいでしょう。

CPUの性能比較 ~ CINEBENCH R20(マルチコア) ~
Ryzen 9 4900HS 4250
Core i9-10980HK 3990
Ryzen 7 4800H 3944
Ryzen 5 4600H 3260
Core i7-10750H 2965
Ryzen 7 4700U 2585
Core i7-10710U 2211
Ryzen 5 4500U 2180
Ryzen 3 4300U 1558
Ryzen 7 3700U 1526
Core i7-1065G7 1484
Core i7-10510U 1459
スコアは他のノートPCで測定した代表値です

 

Quadroの性能はエントリーレベル

ThinkPad P1 Gen 3は、外部GPUとしてQuadro T1000、もしくはT2000を搭載します。これは、Quadroシリーズの中ではエントリークラスの性能となります。

ゲーミングPCに搭載されることが多いGeForce GTXシリーズと厳密に比較することはできませんが、簡易的な比較として、CUDAコア数と、GPUメモリを見てみると、Quadro T1000はGTX 1050Ti、Quadro T2000はGTX 1650Tiと同等です。

また、nVIDIAのサイトでも、Quadro T1000 / T2000はロークラスに分類されています。

写真や動画の編集などの作業であれば、快適に使用できるでしょう。ライトな作業であれば、3DCG作成用としても使用できるとは思います。

GPUの簡易比較
  Quadro
T1000
GTX 1050Ti
[参考]
Quadro
T2000
GTX 1650Ti
[参考]
CUDAコア 768 768 1024 1024
GPU Memory 4 GB

 

4K UHDディスプレイを搭載可能

ThinkPad P1 Gen 3は、通常のFHD IPS液晶に加えて、4K UHD DOLBY Vision IPS液晶、4K UHD OLED DOLBY Vision タッチディスプレイを選択することができます。

なお、販売代理店モデルの仕様を見ると、FHD液晶は8bitカラーですが、4K UHD OLEDディスプレイは10bitカラーに対応しているようです。また、ファクトリー・カラー・キャリブレーションにも対応しています。より厳密な色表現が必要な場合は、4K UHD OLEDディスプレイを選択するといいでしょう。

ディスプレイ構成からみても、高精細な写真や、4K動画の編集などに適した機種だと思います。

なお、下の画像のように、ディスプレイは180度開くことができ、フラットになります。対面する相手にも見せやすく、使いやすいです。

180度開けるディスプレイ

 

長めのバッテリー駆動時間

ThinkPad P1 Gen 3は、高スペック、かつ、軽量でありながらも、最大約17.1時間のバッテリー駆動が可能です。ただし、Core i7-10750H、Quadro T1000、FHD液晶の構成となります。

一方、Xeon-W10855M、Quadro T2000、4K UHD OLEDディスプレイの構成だと、約7.7時間まで短くなります。8コアCPUを選択すると、さらに短くなるでしょう。

バッテリー駆動時間を優先するならばスペックを抑えめに、処理性能を優先するなら、電源の確保できる場所での使用を想定しておいた方がいいでしょう。

 

LTE対応

ThinkPad P1 Gen 3は、LTEを選択可能です。

外出先でもインターネット接続を多用する場合は、直販モデルのカスタマイズ画面でLTEを選択するといいでしょう。

 

テンキー無しキーボード

ThinkPad P1 Gen 3は、15.6型のノートPCですが、キーボードにはテンキーはありません。

クリエイティブなソフトによっては、テンキーを多用することがあります。テンキー必須の場合は、別途用意する必要があるので、ご注意ください。

キーボードにはテンキー無し

 

SDカードリーダーも搭載

ThinkPad P1 Gen 3は、SDカードリーダーも搭載しています。デジタル一眼レフなどで撮った写真や動画を取り込みやすく、ThinkPad P1 Gen 3の用途に合った構成だと思います。

その他、USB 3.1 x2、USB-C 3.1(Thunderbolt 3対応)x2、HDMI出力を備えています。なお、USB-Cを使用した外部ディスプレイへの接続も可能です。

インターフェイス

 

ISV認証取得

ThinkPad P1 Gen 3は、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)による、アプリケーションの互換性、安定動作などのテストが行われており、ISV認証を取得した機種です。

そのため、プロ用途においても、より安心して使用することができます。

 

堅牢性の高いカーボーンボディ

ThinkPad P1 Gen 3の質量は、カーボンファイバーを使用したボディとなっており、軽量でありながらも、高い耐久性を備えています。

MIL-SPECテストもクリアしており、持ち運びの多い使用スタイルでも、安心して使うことができるでしょう。

カーボンファイバー製ボディ

 

従来機種からマイナーチェンジ

ThinkPad P1 Gen 3は、従来機種のThinkPad P1 Gen 2からサイズ、質量、GPUに変化はありません。

変化したのは、第9世代から第10世代へとCPUがアップした部分です。また、Xeonにおいても、6コアのXeon E-2276Mから8コアのXeon Wシリーズにアップしています。また、ついにLTEにも対応となりました。インターフェイス部分も少し変化しています。

処理性能がアップし、機能が追加されたマイナーチェンジモデルと言えるでしょう。

CPUの処理性能にそこまでこだわらない場合や、LTEを必要としない場合は、現在も販売が行われているThinkPad P1 Gen 2もチェックしてみるといいと思います。

 

まとめ

ThinkPad P1 Gen 3は、プロフェッショナルな用途に耐える、モバイルワークステーションです。

約1.7kgからと軽量でありながら、Xeon Wシリーズや、第10世代Core i9/i7 (H)、Quadro T1000 / T2000を搭載でき、高い性能を持ち運ぶことができます。

また、ディスプレイとしては、10bitカラーに対応した4K OLEDディスプレイも選択できます。ただし、その場合バッテリー駆動時間がかなり短くなるので、使用する環境に注意が必要でしょう。

旧モデルでは未対応だった、LTEにも対応しており、外での使用がよりしやすくなっています。

プロのフォトグラファーや、ビデオエディターへの適性が高く、使い勝手が向上した新機種です。

持ち運びできる軽量なモバイルワークステーション

ThinkPad P1 Gen 3

特徴

  • 約1.7kgからと軽量
  • 8コアプロセッサーも選択可能
  • 10bit対応の4K OLEDディスプレイを選択可能

こんなあなたに

  • 外での作業が多い方
  • プロ用の画像・動画編集作業
  • 価格23万円台(税込)~
  • 一言ついにLTEに対応
公式サイトはこちら

 

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