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レノボ Ideapad S540(15) の実機レビュー
CPU | Core i7-10510U Core i5-10210U Core i3-10110U Core i7-8565U Core i5-8265U Core i3-8145U |
---|---|
メモリ | 4GB / 8GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 15.6型 |
液晶種類 | FHD IPS 非光沢 |
質量 | 約1.8kg |
バッテリー | 約17.3時間 |
価格[税別] | 4万円台~ |
すごい製品が登場しました。
Ideapad S540(15)は、とにかくコストパフォーマンスが高い15.6型のノートPCです。
Core i5、フルHD IPS液晶、8GBメモリ、256GB SSDという鉄板構成で、税込み7万円台と、他にはない安さです。Core i3モデルなら税込み5万円台から購入できます。
安いだけでなく、IPSパネルを搭載し、15型としてはコンパクトで軽量、ボディにはアルミ素材を採用しています。
実際に使ってみても欠点が少なく、非常に満足度の高いPCとして、人気が出そうです。
レビュー機は、当サイトの購入品です。
レビュー機の構成
Core i5-8265U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「Ideapad S540(15)の特徴」のみお読みください。
Ideapad S540(15) の特徴
類を見ないコスパの高さ
Ideapad S540(15)は、スペックの割に価格が非常に安いノートPCです。
第10世代Core i5、256GB SSD、フルHDのIPS液晶の構成で約6万円(税込)と、コスパ最強といってもいいでしょう。
また、もう少し価格を抑えたければ、Core i3、256GB SSDの構成で5万円台前半(税込)のモデルもあります。一般的な軽作業であれば、こちらでも十分のスペックで、こちらも驚きのコスパの高さです。
価格の割に性能が高く、お得なPCを探しているのであれば、これ以上のPCはなかなか見つからないと思います。
フルHDのIPS液晶搭載
価格を抑えたPCは、HD液晶だったり、フルHDであっても視野角の狭い液晶を搭載することで、コストダウンが図られていることが多いです。しかし、Ideapad S540(15)は、価格がぐっと抑えられたPCなのに、フルHDのIPS液晶を搭載しています。とにかく、この価格でフルHDのIPS液晶を搭載しているのは、セールスポイントの一つです。液晶の詳細については、「液晶ディスプレイのチェック」をご覧ください。
15型でも2kgを切る軽量さ
Ideapad S540(15)の質量は、約1.8kgと15型PCとしては軽量です。モバイルに特化したノートPCよりは重いですが、室内での移動や、主に車での移動であれば、本製品でも十分に対応できます。もちろん、軽量であれば取り回しがしやすくなるので、持ち運びしない場合でもメリットがあります。
バッテリー駆動時間が長い
Ideapad S540(15)は、バッテリー駆動時間が約17.3時間と長いです。容量を確認したところ70Whものバッテリーを搭載していました。通常は50Wh前後であることが多いので、いかに大容量なのかが分かると思います。別の部屋で、バッテリー駆動状態で作業をよくする方や、外で使用する方に適しています。
さらに、高速充電にも対応しており、約1時間で80%まで充電することが可能です。
光学ドライブは非搭載
Ideapad S540(15)は15型のノートPCですが、光学ドライブは搭載していません。光学ドライブを使うことがある方は、外付けの光学ドライブを用意しておくといいでしょう。
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
色域は狭いものの、視野角はよく、一般ユーザーが使うのであれば、十分な品質ではないかと思います。ただし、色にこだわるなら、もう少し色域の広い液晶がいいと思います。最大輝度は、当サイトの計測では245cd/m2と普通、もしくはやや低めです。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Ideapad S540(15)のキーボードは普通の打ち心地です。
実測で、キーピッチは約19 x 19mm、キーストロークは約1.2mmです。キートップがほぼフラットである点と、キーストロークが浅い点が気になりますが、慣れれば普通に打てる範囲のキーボードです。
キー配列は普通ですが、「\」および「Backspace」のキーがやや小さく、これらのキーを押すときは隣のキーも誤って押してしまうことがあります。また、一部のキーが1つのフレーム内に2つ入っている点は、見た目の面でやや残念です。
タッチパッドは、手のホームポジションに合わせて左寄りに配置されている点は良いと思います。操作性は普通です。
バックライトが付いているので、薄暗い場所でもキー入力がしやすいです。
パフォーマンスのチェック
Ideapad S540(15)のパフォーマンスのチェックです。
CPU
第10世代および第8世代のCoreプロセッサーを選択できます。
Core i5-10210Uは、オフィスワークのような作業に加えて、趣味で行う写真や動画のライトな編集作業であっても十分に対応できます。いろいろやってみたい場合は、Core i5搭載モデルがいいでしょう。
Core i3-10110Uも処理能力は決して悪くないです。オフィスソフトの使用やWeb閲覧、動画の再生などであれば、十分快適に使用できます。軽めの作業しかしなければCore i3がおすすめです。
以下、各CPUのベンチマークスコアを掲載します。基本的には第8世代Coreよりも第10世代Coreのほうがスコアが高いですが、第10世代Coreはまだサンプル数が少なく、第8世代Coreよりもスコアが低いケースもあります。
~ CINEBENCH R20 ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
ストレージ
ストレージは、PCIe SSDを搭載していて高速です。5万円から買えるノートパソコンに、3,000MB/sを超えるPCIe SSDが搭載されているのは驚きです。
~ CrystalDiskMark ~
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
SDカードスロット
SDカードスロットの速度は普通です。
実際のソフトで計測した処理時間
次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。Core i5-8265Uにしてはやや時間がかかっています。
エンコード時間 | |
x265でエンコード (※1) | 32分05秒 |
QSVでエンコード (※2) | 3分17秒 |
NVENCでエンコード (※3) | ― |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
質量のチェック
メーカー仕様表では約1.8kgとなっていますが、今回、それよりもやや軽い質量でした。他の一般的な15.6型ノートPCと比較して、軽いほうです。
ACアダプターも200gを切っており軽いです。
質量 | |
PC本体 | 1.774kg |
ACアダプター | 196g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
前述しましたが、70Whものバッテリーが搭載されていました。バッテリー駆動時間は次のようになっており、非常に長いです。
駆動時間 | |
(1) JEITA2.0測定方法 ※1 | 最大約17.3時間 |
(2) 動画再生時 ※1 | 12時間05分 |
(3) PCMark 8 Work テスト ※2 | 7時間23分 |
※1 メーカー公表値
※2 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※3 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。なお、今回はCore i5-8265Uでの計測結果を掲載します。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。それ以外の状態の動作音も、他のノートと比較して低めです。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
普通の温度です。
エンコード時の温度の詳細
下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。ターボブースト時を除けば、60~70℃台で推移しており、問題ないと思います。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
負荷が低いときは気になりませんが、負荷が高くなると、左パームレストがやや暖かくなります。この真下にPCIe SSDが搭載されているためだと思います。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
やや低めの消費電力です。
外観のチェック
Ideapad S540(15)は、薄型のアルミボディで、カラーはミネラル グレーです。
この価格帯のPCでアルミボディというのはポイントが高いと思います。狭額ベゼルを採用しモダンな見た目です。全体的に派手ではありませんが、チープさは感じません。
天板です。Lenovoのロゴも端にあって控えめなのが好印象です。
スピーカーは、側面の斜めになっている部分にあります。音質は比較的良く、勝手に点数をつけると、10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
指紋認証装置も搭載しています。
電源ボタンです。安いモデルはキーボードの1つに、電源ボタンが組み込まれているケースもありますが、本製品はそうではありません。
液晶には段差があります。
液晶を閉じたときの画像です。薄いボディです。
液晶は約180度傾けることができます。
側面のインターフェースは次の通りです。USB Type-Cは、PowerDeliveryや映像出力には対応していません。光学ドライブは非搭載です。
底面です。
底面カバーを外したときの画像です。海外では外部グラフィックスを搭載できるモデルがあるのか、冷却ファンが2つ搭載できるようになっています。本機のファンは1つです。
8GBのメモリのモデルの場合、1つはオンボード(4GB)で、残りの4GBはメモリスロットに接続されています。メモリスロットに接続されているほうは換装できそうです。
M.2 SSDも換装できると思います。
底面カバーの裏側は、ハニカムリブ構造による補強がなされています。
ACアダプターは、ケーブル一体型でコンセントに接続しにくいケースもあるかもしれませんが、小型で持ち運びやすいです。容量は65Wです。
まとめ
Ideapad S540(15)は、驚くほどコストパフォーマンスが高い15型のノートPCです。
ただ価格が安いだけでなく、CPU、ストレージ、液晶といった基本的な構成のスペックが高いです。さらに、比較的コンパクトで軽量なボディなのに、バッテリー駆動時間がとても長く、隙が見当たりません。
実際に使ってみても、液晶の品質、キーの打ちやすさ、パーツ温度など、特別気になる部分もありません。
メーカーにこだわりがなければ、非常におすすめです。
価格の割には非常に高い品質の製品ですが、あえて欠点を絞りだして書くと、最大輝度がやや低めである点、色域が狭い点、「Backspace」と「\」キーがタイプミスしやすい点、高い負荷をかけると左パームレストがやや暖かくなる点などが挙げられます。ただ、多くの方はそれほど気になる部分ではないと思います。
コスパ最強の15.6型ノートPC
Ideapad S540(15)
特徴
- 他に類を見ないコスパの高さ
- IPS液晶搭載
- 15型の割にコンパクトで軽量
- 長いバッテリー駆動時間
こんなあなたに
- コスパの高い15型ノートが欲しい
- 別の部屋へ移動して使うことがある方
- 価格4万円台~(税別)
- 一言一般ユーザーは
これでいいんじゃない?
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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