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レノボ ThinkPad 13 の実機レビュー

更新日:2016年5月30日

6万円台からのThinkPadモバイルPC

ThinkPad 13は、価格が非常に安い13.3型のThinkPadシリーズ・モバイルノートパソコンです。

Celeronなら6万円台、Core i3でも7万円台から購入することが可能です。

安いからと言って、品質が悪いわけではありません。キーボードは打ちやすく、液晶もフルHD IPSパネルを選択できます。バッテリー駆動時間もほどほどあり、ボディも比較的薄いです。

フラグシップモデルのThinkPad X1 Carbonと比較しつつレビューします。

公式サイト:レノボ 公式サイト


※レビュー機は当サイトでの購入品です

目次

ThinkPad 13の基本スペック

ThinkPad 13の基本スペックをチェックします。特徴的な部分は赤字にしています。※2016年5月29日時点の情報です。時期が経つと選択できるパーツは異なる可能性があります。詳細はメーカーサイトでお確かめ下さい。

CPU
Celeronまたは、Uシリーズの第6世代インテルCPUを選択可能。本機はCore i5-6200Uです。
グラフィックカード
CPU内蔵のグラフィックスです。
 
液晶ディスプレイ
13.3型ワイド、非光沢液晶です。HD、FHDの解像度から選択可能。本機はFHD液晶です。
メモリ
DDR4対応で2スロット、最大16GBです。本機は4GB x2の8GBです。
SSD
SATA SSDです。PCIe - NVMe SSDは選択できません。本機は192GB SSDです。
光学ドライブ
内蔵していません。
 
バッテリー駆動時間
メーカー公表値で最大約11.1時間(JEITA2.0)です。
その他
薄さは19.8mm、重量は約1.44kgです。
 

特徴1- モバイル用ThinkPadが6万円台~

本製品は価格が安いThinkPadシリーズのモバイルノートパソコンです。

昔は、ThinkPad Edge 11"や、E130など、ThinkPadにも安いモバイルノートPCがありましたが、ここ2,3年は見かけなくなりました。今回レビューしているThinkPad 13は、久々に発売されたエントリーモデルのモバイルPCです。CPUにCeleronを搭載したモデルなら、6万円台から購入可能です。Core i3を搭載したモデルでも7万円台です。

他社のモバイルノートPCは13型クラスの製品が最も多いのですが、ThinkPadシリーズは、13型クラスの製品が抜けていました。今回、待望の13.3型液晶搭載のモバイルノートPCとなります。


6万円台から購入可能

特徴2 - ThinkPadキーボードにフルHD液晶で作業は快適

価格の安い製品ですが、キーボードは他のThinkPadシリーズと変わりありません。また液晶も、高視野角なIPSパネルのフルHD(1920x1080)を選択することが可能です。

キーボードが打ちやすく、液晶も見やすいため、作業がしやすいノートパソコンです。


作業を快適に行える

特徴3 - ThinkPad OneLink+ドック対応

ThinkPad OneLink+ドックにも対応しています。

ThinkPad OneLink+ドックは、USBポート、DisplayPort、LANポートなどを拡張する外付け機器です。パソコンへ電源供給もすることが出来ます。

外出先から帰ってきたとき、持ち出したThinkPad 13にケーブル1本を接続すれば、充電もできるし、有線LANにも接続できるし、ドックに接続してある周辺機器にも接続できます。


ThinkPad OneLink+ドック


正面のポート


背面のポート

ThinkPad X1 Carbon(2016)との比較

価格の高いThinkPad X1 Carbon(2016年モデル)とは何が違うのかを簡単に説明します。

まずボディ素材は、ThinkPad X1 Cabronはその名の通りカーボンです。一方、ThinkPad 13は明記はされていませんが、おそらく樹脂製です。


ThinkPad 13とThinkPad X1 Carbon

 

ThinkPad 13も割と薄いのですが、ゴム足が高いこともあり、横からみるとThinkPad X1 Carbonのほうがかなり薄く見えます。


薄さの比較

 

少し気になったのは電源ランプです。ThinkPad X1 Carbonは、電源を入れると、電源ボタンの真ん中が光るようになっています。一方、ThinkPad 13は、電源ボタンの真ん中は白く塗りつぶされており、光るようになっていません。電源ボタンを押したつもりでも、上手く押せていないときが割とあり、そんなときに電源ランプが光らないため、正常に押せているのか不安になります。


電源ボタンの比較

 

ThinkPad X1 Carbonのヒンジは金属製です。一方、ThinkPad 13は、おそらくボディと同じ素材のヒンジで、ヒンジ部分のみ銀色に塗装されているのですが、塗装がややはみ出ていて安っぽさを感じます。


ヒンジの比較

 

スペック面での違いは下表の通りです。大きく違うのは重量で、約260gの差があります。また、ThinkPad X1 Carbonは軽いのに、バッテリー容量が多いです。液晶は、両機種ともFHDのIPS液晶を選択できますが、ThinkPad X1 Carbonの液晶のほうが色域が広いです。

ただし、ThinkPad 13は、USB Type-CポートとフルサイズのSDカードスロットを搭載しています。またメモリも自分で換装可能です。

ThinkPad 13とThinkPad X1 Carbonとのスペック比較
  ThinkPad 13 ThinkPad X1 Carbon
液晶 13.3型 FHD IPS
13.3型 HD TN
14型 WQHD IPS
14型 FHD IPS
プロセッサー Celeron、Core i プロセッサー Core i プロセッサー
メモリ 最大16GB (DDR4) 最大16GB (LPDDR3)
ストレージ 最大 SATA SSD 最大 PCIe NVMe SSD
バッテリー容量 42Wh 52Wh
バッテリー駆動時間 ※1
(PCMark 8 - Home)
4時間39分 5時間37分
重量 約 1.44kg 約 1.18kg
ポート類 USB3.0 x3
USB Type-C
HDMI
OneLink+
フルサイズ SDカードスロット
USB3.0 x3
HDMI
miniDisplayPort
OneLink+
micro SDカードスロット
価格 約62,000円~ 約145,000円~
※1 当サイトによる計測値

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイのチェックです。

今回搭載されていたパネルはLG製の「LP133WF2-SPL1」という型番でした。なお、ThinkPadは複数メーカーから部品を調達しており、必ず同じパネルが搭載されるとは限りません。

最大輝度は、当サイトによる計測では238cd/m2でした。

視野角は、IPSパネルを搭載しているため広いです。


視野角

 

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。やや寒色系の画面ですが、それほど強く強調されているわけではなく、比較的素直な発色です。


ガンマ補正曲線
※i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2
※見方の詳細については、miyahan.com様、DOS/V Power Report様のページをご確認ください

 

色域は、ノートパソコンとしてはやや狭いです。


ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

 

画素形状です。ギラつきはほぼ感じません。


画素の拡大図

 

液晶は非光沢となっており、映り込みは少ないです。

画面への映り込み

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

当サイトの計測で、キーピッチは19x19mm、キーストロークは約2mmです。他のThinkPadシリーズと同様にタイピングしやすいキーボードです。


キーボード全体図


キーの拡大図1


キーの拡大図2

 

トラックポイントも搭載しています。タッチパッドも操作しやすいです。


トラックポイント&タッチパッド

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

ThinkPad 13で選択できる主なCPUは下表の通りです。Celeron 3855Uは安いですが性能はそれほど良くないです。Core i3-6100Uは、Celeron 3855Uの2倍以上のスコアですが、価格はそれほど上昇しないため、コストパフォーマンスは高いです。モバイルノートパソコンの中で人気なのはCore i5-6200Uです。

バッテリー駆動時間
  Celeron 3855U Core i3-6100U Core i5-6200U Core i7-6500U
PassMark - CPU Mark 1599 3518 4336 4482
※Core i5-6200U以外のスコアは、Passmark社のWebサイトからの引用です

 

メモリはDDR4に対応しています。2スロットあり、自分で交換することも可能です。ストレージはM.2のフォームファクターで、SATA SSDのみ選択可能です。超高速なPCIe-NVMe SSDは選択できません。

各種ベンチマークスコアは下の通りです。

PassMark Performance Test 8.0

3DMark



※SKY DIVER:ミドルレンジ・ゲーミングPC向けのテスト
※CLOUD GATE:一般的なパソコン向けのテスト

PCMark 8 - Home accelerated

動画のエンコード時間

TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間
  Core i5-6200U
x265でエンコード (※1) 41分57秒
x264でエンコード (※2) 20分28秒
NVENCでエンコード (※3)
QSVでエンコード (※4) 10分29秒

ストレージのベンチマーク

SSDの割には、ライト(書き込み)速度があまり速くないです。ただし、体感ではそれほど違いは分からないと思います。


192GB SSD
(SAMSUNG MZNLF192HCGS-000L1)

重量のチェック

ThinkPad 13は、メーカー公表値で約1.44kgと、最新のモバイルノートパソコンとしてはやや重いです。

ただし、2~3年前のモバイルノートパソコンは、このくらいの重量でしたので、極端に重いわけではなく、十分に持ち運べる範囲の重量です。


重量の実測結果

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

本製品のバッテリー容量は42Whと、普通の容量です。当サイトによるバッテリー駆動時間の計測結果は下表の通りで、モバイルノートPCとしては、普通の駆動時間です。

バッテリー駆動時間
  FHD(1920x1080)液晶
Core i5-6200U
動画再生時 ※1 7時間55分
PCMark 8 Home のバッテリーライフテスト ※2 4時間39分
PCMark 8 Work のバッテリーライフテスト ※3 5時間56分
※画面輝度を約120cd/m2に調整して計測
※1 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行

※3 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行

カードリーダー/ライターのチェック

内蔵SDカードリーダー/ライターのチェックです。

カード挿入後の出っ張りはほとんどありません。


micro SDカードスロット挿入後の画像

 

速度はやや遅いです。


SDカードのベンチマーク(UHS-Ⅰのカードで測定)

 

 

 


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