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レノボ ThinkPad 13 の実機レビュー
6万円台からのThinkPadモバイルPC
ThinkPad 13は、価格が非常に安い13.3型のThinkPadシリーズ・モバイルノートパソコンです。
Celeronなら6万円台、Core i3でも7万円台から購入することが可能です。
安いからと言って、品質が悪いわけではありません。キーボードは打ちやすく、液晶もフルHD IPSパネルを選択できます。バッテリー駆動時間もほどほどあり、ボディも比較的薄いです。
フラグシップモデルのThinkPad X1 Carbonと比較しつつレビューします。
公式サイト:レノボ 公式サイト
※レビュー機は当サイトでの購入品です
目次
ThinkPad 13の基本スペック
ThinkPad 13の基本スペックをチェックします。特徴的な部分は赤字にしています。※2016年5月29日時点の情報です。時期が経つと選択できるパーツは異なる可能性があります。詳細はメーカーサイトでお確かめ下さい。
CPU Celeronまたは、Uシリーズの第6世代インテルCPUを選択可能。本機はCore i5-6200Uです。 |
グラフィックカード CPU内蔵のグラフィックスです。 |
液晶ディスプレイ 13.3型ワイド、非光沢液晶です。HD、FHDの解像度から選択可能。本機はFHD液晶です。 |
メモリ DDR4対応で2スロット、最大16GBです。本機は4GB x2の8GBです。 |
SSD SATA SSDです。PCIe - NVMe SSDは選択できません。本機は192GB SSDです。 |
光学ドライブ 内蔵していません。 |
バッテリー駆動時間 メーカー公表値で最大約11.1時間(JEITA2.0)です。 |
その他 薄さは19.8mm、重量は約1.44kgです。 |
特徴1- モバイル用ThinkPadが6万円台~
本製品は価格が安いThinkPadシリーズのモバイルノートパソコンです。
昔は、ThinkPad Edge 11"や、E130など、ThinkPadにも安いモバイルノートPCがありましたが、ここ2,3年は見かけなくなりました。今回レビューしているThinkPad 13は、久々に発売されたエントリーモデルのモバイルPCです。CPUにCeleronを搭載したモデルなら、6万円台から購入可能です。Core i3を搭載したモデルでも7万円台です。
他社のモバイルノートPCは13型クラスの製品が最も多いのですが、ThinkPadシリーズは、13型クラスの製品が抜けていました。今回、待望の13.3型液晶搭載のモバイルノートPCとなります。
6万円台から購入可能
特徴2 - ThinkPadキーボードにフルHD液晶で作業は快適
価格の安い製品ですが、キーボードは他のThinkPadシリーズと変わりありません。また液晶も、高視野角なIPSパネルのフルHD(1920x1080)を選択することが可能です。
キーボードが打ちやすく、液晶も見やすいため、作業がしやすいノートパソコンです。
作業を快適に行える
特徴3 - ThinkPad OneLink+ドック対応
ThinkPad OneLink+ドックにも対応しています。
ThinkPad OneLink+ドックは、USBポート、DisplayPort、LANポートなどを拡張する外付け機器です。パソコンへ電源供給もすることが出来ます。
外出先から帰ってきたとき、持ち出したThinkPad 13にケーブル1本を接続すれば、充電もできるし、有線LANにも接続できるし、ドックに接続してある周辺機器にも接続できます。
ThinkPad OneLink+ドック
正面のポート
背面のポート
ThinkPad X1 Carbon(2016)との比較
価格の高いThinkPad X1 Carbon(2016年モデル)とは何が違うのかを簡単に説明します。
まずボディ素材は、ThinkPad X1 Cabronはその名の通りカーボンです。一方、ThinkPad 13は明記はされていませんが、おそらく樹脂製です。
ThinkPad 13とThinkPad X1 Carbon
ThinkPad 13も割と薄いのですが、ゴム足が高いこともあり、横からみるとThinkPad X1 Carbonのほうがかなり薄く見えます。
薄さの比較
少し気になったのは電源ランプです。ThinkPad X1 Carbonは、電源を入れると、電源ボタンの真ん中が光るようになっています。一方、ThinkPad 13は、電源ボタンの真ん中は白く塗りつぶされており、光るようになっていません。電源ボタンを押したつもりでも、上手く押せていないときが割とあり、そんなときに電源ランプが光らないため、正常に押せているのか不安になります。
電源ボタンの比較
ThinkPad X1 Carbonのヒンジは金属製です。一方、ThinkPad 13は、おそらくボディと同じ素材のヒンジで、ヒンジ部分のみ銀色に塗装されているのですが、塗装がややはみ出ていて安っぽさを感じます。
ヒンジの比較
スペック面での違いは下表の通りです。大きく違うのは重量で、約260gの差があります。また、ThinkPad X1 Carbonは軽いのに、バッテリー容量が多いです。液晶は、両機種ともFHDのIPS液晶を選択できますが、ThinkPad X1 Carbonの液晶のほうが色域が広いです。
ただし、ThinkPad 13は、USB Type-CポートとフルサイズのSDカードスロットを搭載しています。またメモリも自分で換装可能です。
ThinkPad 13 | ThinkPad X1 Carbon | |
---|---|---|
液晶 | 13.3型 FHD IPS 13.3型 HD TN |
14型 WQHD IPS 14型 FHD IPS |
プロセッサー | Celeron、Core i プロセッサー | Core i プロセッサー |
メモリ | 最大16GB (DDR4) | 最大16GB (LPDDR3) |
ストレージ | 最大 SATA SSD | 最大 PCIe NVMe SSD |
バッテリー容量 | 42Wh | 52Wh |
バッテリー駆動時間 ※1 (PCMark 8 - Home) |
4時間39分 | 5時間37分 |
重量 | 約 1.44kg | 約 1.18kg |
ポート類 | USB3.0 x3 USB Type-C HDMI OneLink+ フルサイズ SDカードスロット |
USB3.0 x3 HDMI miniDisplayPort OneLink+ micro SDカードスロット |
価格 | 約62,000円~ | 約145,000円~ |
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
今回搭載されていたパネルはLG製の「LP133WF2-SPL1」という型番でした。なお、ThinkPadは複数メーカーから部品を調達しており、必ず同じパネルが搭載されるとは限りません。
最大輝度は、当サイトによる計測では238cd/m2でした。
視野角は、IPSパネルを搭載しているため広いです。
視野角
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。やや寒色系の画面ですが、それほど強く強調されているわけではなく、比較的素直な発色です。
ガンマ補正曲線
※i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2
※見方の詳細については、miyahan.com様、DOS/V Power Report様のページをご確認ください
色域は、ノートパソコンとしてはやや狭いです。
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
画素形状です。ギラつきはほぼ感じません。
画素の拡大図
液晶は非光沢となっており、映り込みは少ないです。
画面への映り込み
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
当サイトの計測で、キーピッチは19x19mm、キーストロークは約2mmです。他のThinkPadシリーズと同様にタイピングしやすいキーボードです。
キーボード全体図
キーの拡大図1
キーの拡大図2
トラックポイントも搭載しています。タッチパッドも操作しやすいです。
トラックポイント&タッチパッド
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
ThinkPad 13で選択できる主なCPUは下表の通りです。Celeron 3855Uは安いですが性能はそれほど良くないです。Core i3-6100Uは、Celeron 3855Uの2倍以上のスコアですが、価格はそれほど上昇しないため、コストパフォーマンスは高いです。モバイルノートパソコンの中で人気なのはCore i5-6200Uです。
Celeron 3855U | Core i3-6100U | Core i5-6200U | Core i7-6500U | |
---|---|---|---|---|
PassMark - CPU Mark | 1599 | 3518 | 4336 | 4482 |
メモリはDDR4に対応しています。2スロットあり、自分で交換することも可能です。ストレージはM.2のフォームファクターで、SATA SSDのみ選択可能です。超高速なPCIe-NVMe SSDは選択できません。
各種ベンチマークスコアは下の通りです。
PassMark Performance Test 8.0
3DMark
※SKY DIVER:ミドルレンジ・ゲーミングPC向けのテスト
※CLOUD GATE:一般的なパソコン向けのテスト
PCMark 8 - Home accelerated
動画のエンコード時間
Core i5-6200U | |
---|---|
x265でエンコード (※1) | 41分57秒 |
x264でエンコード (※2) | 20分28秒 |
NVENCでエンコード (※3) | ― |
QSVでエンコード (※4) | 10分29秒 |
ストレージのベンチマーク
SSDの割には、ライト(書き込み)速度があまり速くないです。ただし、体感ではそれほど違いは分からないと思います。
192GB SSD (SAMSUNG MZNLF192HCGS-000L1) |
重量のチェック
ThinkPad 13は、メーカー公表値で約1.44kgと、最新のモバイルノートパソコンとしてはやや重いです。
ただし、2~3年前のモバイルノートパソコンは、このくらいの重量でしたので、極端に重いわけではなく、十分に持ち運べる範囲の重量です。
重量の実測結果
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
本製品のバッテリー容量は42Whと、普通の容量です。当サイトによるバッテリー駆動時間の計測結果は下表の通りで、モバイルノートPCとしては、普通の駆動時間です。
FHD(1920x1080)液晶 Core i5-6200U |
|
---|---|
動画再生時 ※1 | 7時間55分 |
PCMark 8 Home のバッテリーライフテスト ※2 | 4時間39分 |
PCMark 8 Work のバッテリーライフテスト ※3 | 5時間56分 |
※1 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※3 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
カードリーダー/ライターのチェック
内蔵SDカードリーダー/ライターのチェックです。
カード挿入後の出っ張りはほとんどありません。
micro SDカードスロット挿入後の画像
速度はやや遅いです。
SDカードのベンチマーク(UHS-Ⅰのカードで測定)