※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

HP Pavilion Desktop PC p7-1040jpのレビュー - THE比較

更新日:2011年6月21日
HP Pavilion Desktop PC p7-1040jp の概要

独立グラボを搭載しないならコレ

HP Pavilion Desktop PC p7-1040jp(以下、p7-1040jp)は、Core i7まで搭載できるエントリー向けデスクトップPCです。

H67チップセットを搭載しているため、6Gb/sのSATAに対応し、メモリスロットも4つ搭載し、後々スペックアップするときに困りません。※ちなみに、H61チップセットの場合は3Gb/sのSATA、メモリスロットは2つ

価格は5万円台から購入可能で安価です。デザインは価格のわりには安っぽくなく、高級感さえあります。

電源が300Wと小さめであるため、独立したグラフィックカードを搭載しない方におすすめのPCです。独立グラフィックカードを搭載したいなら、600W電源のHPのp8-1080jpをお勧めします。

メーカーHPはこちら:p7-1040jp

目次

p7-1040jp の基本スペック

本機の基本スペックを紹介します。※2011年6月20日現在の情報です。BTOパソコンという特性上、時期が経つと選択できるパーツは異なります。

CPU
第2世代インテルCPUのCore i3-2100からCore i7-2600まで幅広く選択可能です。本機は、Core i5-2310です。
マザーボード
本機のマザーボードはPEGATRON 2AB6、チップセットはH67です。
グラフィックカード
CPU内蔵(インテルHDグラフィックス)またはGT530などのエントリークラスのカードを選択可能です。本機はCPU内蔵です。
メモリ
PC3-10600のメモリを搭載可能です。本機は4GBです。
ハードディスク
最大2TBまでのHDDを搭載可能です。本機は500GBです。中身はSeagate製でした。
光学ドライブ
DVDスーパーマルチまたはブルーレイドライブを選択可能です。本機はDVDスーパーマルチです。
テレビチューナー
地デジ/BS/110度CSダブルチューナーを選択可能です。ただし、6/20現在、在庫切れのようでしばらく選択できません。
電源
300W電源です。


拡張性
PCI Express x16が1ポート、PCI Express x1が3ポート空いています。
 
※パーツの中身はロットによって変更されますのでご注意ください

特徴1 - 安価でも高級感のあるデザイン

p7-1040jpは、5万円台から購入できる安価なデスクトップPCです。このくらい安価なデスクトップPCになると、デザインは割り切って作られるPCが多いのですが、本機は、シンプルではあるものの、光沢のある曲線状のフロントパネルになっており、安っぽさを感じません。

 

特徴2 - 高い拡張性

本機は、安価ですがH67チップセットを採用しており、メモリスロットを4つ搭載し、SATAも6Gb/sに対応しています。将来メモリの増設や、6Gb/s対応の高速SSDに換装する場合に役立ちます。また、PCI Express x16が1ポート、PCI Express x1が3ポート空いているため、テレビチューナーやUSB3.0インターフェースカードなどの増設も可能です。

特徴3 - エントリーモデルでもCore i7やSSDを搭載可能

p7-1040jpは、HP社のデスクトップPCの中では、どちらかと言うとエントリーモデルという扱いですが、CPUはCore i7-2600まで選択可能ですし、SSDドライブを選択することも可能です。また、SSDとハードディスクを2台搭載することも可能です。グラフィックス以外は高性能なスペックに構成することが可能です。


※2011年6月19日時点の情報です。選択できるパーツや価格は時期によって変動します。 予めご了承ください。

総合ベンチマーク

Core i5-2310を搭載したp7-1040jpの各種ベンチマーク結果です。

プロセッサ関連のスコアは非常に高いです。

プロセッサ以外の本機の構成は、グラフィックスがインテルHDグラフィックス、ストレージはハードディスクであるため、これらに関するスコアはそれほど高くはないです。

Windows エクスペリエンス インデックス

CrystalMark 2004R3 ベンチ & PassMark Performance Test ベンチ

動画のエンコード時間のチェック


ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5

Core i5-2310を搭載したp7-1040jpで、動画のエンコード時間を計測しました。使用ソフトは、 TMPGEnc Video Mastering Works 5 です。

クイック・シンク・ビデオに対応したCPUであるため、このときのエンコード時間も計測しました。

テストの結果は、x264でエンコードしたときが20分26秒、クイック・シンク・ビデオでエンコードしたときが8分37秒でした。

エンコードに関しては、独立グラフィックカードによるGPGPUでなくても、CPU内蔵グラフィックスによるクイック・シンク・ビデオで十分速いです。ローエンドのGPUを搭載するくらいなら、クイック・シンク・ビデオのほうが速いと思います。

TMPGEnc Video Mastering Works 5 によるエンコード時間
エンコード方法 本機
x264でエンコード 20分26秒
GPGPU(クイック・シンク・ビデオ)でエンコード 8分37秒
AVCHDの動画(ファイルサイズ:1.54GB、再生時間:約13分、解像度:1920x1080)を、
iPhone 4で視聴可能なMPEG-4 AVC(解像度:1280x720)へ変換

静音性をチェック

動作音の静かさ(静音性)のチェック結果です。

テストは下記の3つの状態のときに、騒音値を測定しました。

(1)アイドル時
(2)バイオハザード5ベンチマーク実行時(解像度:1280x720、テストA)
(3)TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時(x264、解像度1280x720でエンコード)

テストの結果は、独立グラフィックスを搭載していないこともあり、どの状態でも静かです。

計測した騒音値は次の図の通りです。私の部屋を極力無音にしても40.4dBあり、この値を基準にすると(1)で+1.3dB、(2)で+1.5dB、(3)で+1.9dBでした。尚、無反響室で測定したわけではないので、騒音値は正確な値ではありません。値は参考程度にしてください。


p7-1040jpの騒音値

パーツの温度のチェック

パーツの内部温度の計測結果です。あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

テストは上と同じ3つの状態で計測しました。

今回測定したのはCPUとハードディスクでしたが、両方とも正常に冷えています。


p7-1040jp の内部温度。HWMonitorで測定

消費電力のチェック

Core i5-2310搭載の本機の消費電力の測定結果です。

テストの結果は、独立グラフィックカードを搭載していないため、やや低めの消費電力でした。


p7-1040jpの消費電力。各状態においてワットチェッカーで測定

外観をチェック

p7-1040jpの外観です。前面(フロントパネル)の上部には、メモリカードスロットがあります。机の上に置いても下に置いてもカードを挿入しやすい位置です。

右側に電源ボタンがあります。曲面にボタンがあるせいか、斜め上から押したらボタンが一瞬戻ってこなくなりました。まっすぐ水平に押しましょう。


前面のドアを下へ開くと、USB2.0が4ポート、およびマイク、ヘッドホンが出てきます。USB機器を前面に接続する機会は多いと思うので、4つのUSBポートがあるのは嬉しいです。

 

背面と側面です(下図)。

変わっているのが映像出力です。通常はVGA(ミニD-Sub15)ポートを搭載している場合が多いですが、本機は、HDMIポートを搭載している代わりにVGAポートがありません。古いタイプの液晶ディスプレイはVGAポートしか無い場合も多いので事前にご確認ください。

また、背面にはUSB2.0ポートが4つありますが、USB3.0は搭載されていません。

 

ケースの内部のチェック

p7-1040jpのケース内部です。

 

背面の排気ファンでエアフローを作ります。排気のファンが本体の下側にあるのが特徴的です。

 

電源は最大300Wでした(下図)。それほど多くないです。

 

エアフローのチェック

エアフローは下図のようになっています。先ほども書きましたが背面の排気ファンでエアフローを作っています。前面の下、フロントパネルの側面、および本体側面から給気しています。上でパーツの温度を計測した限りでは正常に冷えていました。

パーツの選び方

ここでは、2011/6/20の時点で選択できるパーツの選び方を考察します。ただし、時期が経つと選択できるパーツは異なります。

CPU

CPUは下記を選択可能です。面白いのは、Core i5-2405Sです。CPUの性能はCore i7-2600や、Core i5-2310より落ちますが、グラフィックスの性能はインテルHDグラフィックス 3000を搭載したCore i5-2405Sのほうが良いです。消費電力も少ないです。全体的なバランスを考えるなら、Core i5-2405Sがいいと思います。

CPUに負荷のかかる処理が主なら、処理性能重視ならCore i7-2600がいいです。

ネット、メールなど負荷の少ない処理が主なら、Core i3-2100で十分です。ただ、ネット、メールが主な用途でも、今後、動画編集や、エンコード等をやってみようと思っている人は、もう少し良いCPUが良いと思います。

2011/6/20時点で選択可能なCPU
仕様 Core i7-2600 Core i5-2405S Core i5-2310 Core i3-2100
コア数 4 4 4 2
スレッド数 8 4 4 4
動作周波数 3.4GHz 2.5GHz 2.9GHz 3.1GHz
Turbo Boost時周波数 3.8GHz 3.3GHz 3.2GHz
キャッシュ 8MB 6MB 6MB 3MB
消費電力 95W 65W 95W 65W
グラフィックス インテル HD
グラフィックス
2000
インテル HD
グラフィックス
3000
インテル HD
グラフィックス
2000
インテル HD
グラフィックス
2000
PassMark CPU ベンチ 8,909 6,170 3,830
※ベンチの値は日々更新されています

グラフィックス

グラフィックスは、GeForce GT420(2G)や、GeForce GT530(2G)等々を選択できます。選択できるグラフィックスはそれほど性能が良くなく、3Dゲームのプレイは難しいです。Sandy BrdgeになってインテルHDグラフィックスの性能は上がっており、中途半端なGPUを搭載してもあまり性能向上にはならないので、インテルHDグラフィックス(何も搭載しない)で十分だと思います。また、電源も300Wと低いため、別途グラフィックカードを購入して搭載するのにも適しません。性能の良いグラフィックカードを搭載したいなら、600W電源のp8-1080jpをお勧めします。

まとめ

以上が、HP Pavillion Desktop PC p7-1040jp のレビューでした。

H67チップセットを搭載し、将来的なメモリ増設やSSD搭載に便利で、PCI Expressの空きスロットも多く拡張性に優れたPCです。尚、似たような機種としてp7-1020jpがありますが、こちらはH61チップセットとなるためご注意ください。ただし価格はもっと安いです。

また本機は、エントリーモデルでありながら、高性能なCPUを搭載可能で、デザインも良いです。

電源が300Wと小さいため、高性能な独立グラフィックカードを搭載することはできません。しかし、独立グラフィックカードを搭載しないのであれば、性能、価格、デザイン面でおすすめのデスクトップPCです。

詳細はこちら
p7-1040jp(HP ダイレクト)