※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
GeForce GTX 1650 SUPER のベンチマーク
NVIDIAから発表された新ミドルクラスグラフィックス「GeForce GTX 1650 SUPER」が2019年11月22日より発売となりました。ここでは、ZOTAC製の「GAMING GeForce GTX 1650 SUPER Twin Fan」のグラフィックカードを用いて、ゲームのベンチマーク(フレームレート)などを計測した結果を掲載します。
目次
GeForce GTX 1650 SUPERのスコア結果【概要】
GTX 1650より約35%スコアが上昇
お忙しい方のために、3DMark Time Spyのベンチマークスコア結果を先に掲載します。
無印GTX 1650より35%ほどスコアが上昇しており、旧ミドルクラスGPUであるGTX 1060 6GBより、ほんの少しスコアが高くなっています。
ただし、エントリークラスである補助電源のいらないGTX 1650やGTX 1050Tiに対して、GTX 1650 SUPERでは100Wの補助電源を必要とするためご注意下さい。
GeForce GTX 1650 SUPER の仕様
エントリークラスの域を超えたミドルレンジGPU
10月29日に、NVIDIAから新たなミドルレンジGPUとなる「GeForce GTX 1660 SUPER」と
「GeForce GTX 1650 SUPER」の2モデルが発表され、「GeForce GTX 1650 SUPER」は、11月22日より発売となりました。
注意すべきなのは、GTX 1650 SUPERは、これまでのGTX 1050やGTX 1650などのエントリークラスと違って、6ピンの補助電源を必要とする、ミドルレンジGPUということです。そのため、エントリークラスのGPUだけでなく、ミドルクラスのGPUとも比較します。
エントリークラスGPUと比較すると、メモリ容量は同じ4GBですが、CUDAコア数からベースクロックなど、すべてのスペックで優れています。
GeForce GTX 1650 SUPER |
GeForce GTX 1650 |
GeForce GTX 1050Ti |
|
コードネーム | TU116 | TU117 | GP107 |
GPUアーキテクチャ | Turing | Turing | Pascal |
CUDAコア | 1280 基 | 896 基 | 768 基 |
ベースクロック | 1530 MHz | 1485 MHz | 1290 MHz |
ブーストクロック | 1725 MHz | 1665 MHz | 1392 MHz |
メモリ容量 | 4GB | 4GB | 4GB |
メモリタイプ | GDDR6 | GDDR5 | GDDR5 |
メモリ速度 | 12Gbps | 8Gbps | 7Gbps |
メモリ帯域 | 192GB/s | 128GB/s | 112GB/s |
TDP | 100W | 75W | 75W |
PCIe 外部電源 | 6ピン×1 | ー | ー |
価格(税込)※ | 約 21,000円台~ | 約 15,000円台~ | 約 12,000円台~ |
ミドルクラスGPUと比較すると、メモリ容量は4GBと劣るものの、メモリタイプが12GbpsのGDDR6という点と、メモリ帯域が192GB/sまで引き上げられています。価格も約 21,000円台~と比較的安価で、グラフィックメモリが4GBということを妥協すれば、ミドルレンジグラフィックスのエントリーモデルとして、人気が出ると思われます。
GeForce GTX 1660 |
GeForce GTX 1650 SUPER |
GeForce GTX 1060 6GB |
|
コードネーム | TU116 | TU116 | GP106 |
GPUアーキテクチャ | Turing | Turing | Pascal |
CUDAコア | 1408 基 | 1280 基 | 1280 基 |
ベースクロック | 1530 MHz | 1530 MHz | 1506 MHz |
ブーストクロック | 1785 MHz | 1725 MHz | 1708 MHz |
メモリ容量 | 6GB | 4GB | 6GB |
メモリタイプ | GDDR5 | GDDR6 | GDDR5 |
メモリ速度 | 8Gbps | 12Gbps | 8Gbps |
メモリ帯域 | 192GB/s | 192GB/s | 192GB/s |
TDP | 120W | 100W | 120W |
PCIe 外部電源 | 8ピン×1 | 6ピン×1 | 6ピン×1 |
価格(税込)※ | 約 25,000円台~ | 約 21,000円台~ | 約 29,000円台~ |
テストに使用したGeForce GTX 1650 SUPER
今回使用したグラフィックカードはZOTAC製の「GAMING GeForce GTX 1650 SUPER Twin Fan 」です。デュアルファン仕様のコンパクトモデルとなっており、グラフィックカードの全長は約158.5mm、高さは約35.3mmと小型です。また、「FireStorm」というソフトを使えば、オーバークロックやファンコントロールも可能となっています。
詳しくは下記をご覧ください。
使用したグラフィックカード
グラフィックカードの正面と背面です。デュアルファンの外装はおそらく樹脂製、背面の基板は保護されておらず、むき出しです。
映像出力端子はDisplayPort x 1 (v1.4) 、 HDMI 2.0b x 1 、DL-DVI-D×1となっています。
補助電源には6ピンコネクタを1本使用します。コネクタの向きがグラフィックカードと水平になっており、差しやすく目立ちにくい設計になっています。
コンパクト設計なので、小型で軽量です。
ファンのブレード部分です。
GPU-Zの結果は、次のようになっています。動作クロックは基本スペック通りです。
ゲームベンチマークスコア
GeForce GTX 1650 SUPERのゲームのベンチマークスコアを掲載します。
テストに使用したPCの環境は以下の通りです。
テスト機の構成
サイコム「G-Master Spear Z370」
Core i7-8700K、16GBメモリ、GeForce GTX 1650 SUPER (4GB)、500GB SATA SSD
重い部類のゲーム
重い部類のゲームでは、1920x1080の解像度の場合、中設定くらいなら、60 fps以上のスコアが出ます。ただし負荷が高い分、グラフィック設定を上げたら、メモリ容量不足になることがほとんどです。
スコアは、GTX 1060 6GBより高く、GTX 1660より低いです。
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 軽量品質 | 9327 / 93 fps |
標準品質 | 7177 / 71 fps | |
高品質 | 5347 / 53 fps |
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 最低 | 131 fps |
中 | 80 fps | |
最高 | 63 fps |
重い部類のゲーム
モンスターハンター ワールド
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 低 | 128 fps |
高 | 64 fps | |
最高 | 45 fps |
重い部類のゲーム
レッド・デッド・リデンプション2
|
||
---|---|---|
1920x1080 | パフォーマンス | 79 fps |
バランス | 51 fps | |
最大 | 39 fps |
中程度~軽いの重さのゲーム
中程度の重さ~軽い部類のゲームでは、1920x1080の解像度の場合、最高設定でも60 fps以上のスコアで快適に動作します。
高リフレッシュレート液晶を使っている場合でも、グラフィック設定を落とせば対応できるでしょう。
特に今流行りのバトルフィールドV、PUBG、APEX、フォートナイトなどの競技性の高いゲームにも十分対応できる性能です。
中程度の重さのゲーム
バトルフィールドV
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 低 | 124 fps |
高 | 80 fps | |
最高 | 70 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 標準(デスク) | 17849 / 139 fps |
高(デスク) | 14205 / 97 fps | |
最高品質 | 12956 / 87 fps |
中程度の重さのゲーム
ファークライ ニュードーン
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 低 | 98 fps |
高 | 82 fps | |
最高 | 76 fps |
中程度の重さのゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 非常に低い | 196 fps |
中 | 136 fps | |
ウルトラ | 96 fps |
軽い部類のゲーム
フォートナイト
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 低設定 | 245 fps |
高設定 | 127 fps | |
最高設定 | 92 fps |
軽い部類のゲーム
Apex Legends
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 高設定 | 120 fps |
3D Markのスコア
3DMarkのスコアです。Graphics scoreのみを記載しています。GTX 1660と比較すると差はそれなりにありますが、GTX 1060 6GBとではそれほど差はありません。
GeForce GTX 1660 |
GeForce GTX 1650 SUPER |
GeForce GTX 1650 |
|
DX12を使用するゲーム用 |
5431 | 4630 | 3336 |
マルチGPUとOCシステム用 |
6403 | 5247 | 3820 |
DX11を使用するゲーム用 |
14020 | 11839 | 8664 |
総評まとめ
ゲーミングPC初心者におすすめしたい安価なグラフィックカード
上記の通り、GeForce GTX 1650 SUPERは、グラフィックメモリは4GBとやや物足りなさも感じるものの、中程度の重さのゲームなら、フルHD/60Hz環境、最高設定でも快適に動作します。
高リフレッシュレート環境を目指すなら、GTX 1660 SUPER以上がおすすめですが、設定を落とすことで対応できるゲームもあります。
特に、PUBG、APEX、フォートナイトなどのeスポーツタイトルや、バトルフィールドVなどの競技性の高いタイトルなどを主にプレイしたい方におすすめです。価格も比較的安価で、ゲーミングPC初心者の方にも向いていると思います。
GTX 1050、GTX 1060からの買い替えにもおすすめですが、補助電源が必要な点は注意しましょう。
現在は「GeForce GTX 1650 SUPER」を搭載できるBTOパソコンはほとんどありませんが、そのうち発売されると思います。
三度の飯よりゲームが好き。 面白ければどんなゲームもプレイするが、中でも好きなジャンルは2D格闘ゲーム。2009年からSteamでPCゲーム漁りを始めてからゲーミングPCに興味を持ち、ライター業を経てレビュアーへ。これまで300台以上のゲーミングPCを実機でテストし、レビュー記事を執筆。おじいちゃんになってもPCゲーマーでありたい。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ
GeForce GTX 1660 SUPERについて、FF15、シャドウオブザトゥームレイダー、バトルフィールドVなどのベンチマークを計測。
GeForce GTX 1660Tiについて、FF15、シャドウオブザトゥームレイダー、ファークライ 5などのベンチマークを計測。
ゲーミングPCの比較ページ。各社のゲーミングデスクトップパソコンについて、カテゴリ、グラフィックス別におすすめの製品を紹介。
ゲーミングノートパソコンの比較ページ。ALIENWAREやGALLERIA、NEXTGEAR-NOTE、OMENといったゲームブランドノートPCの比較。