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富士通 LIFEBOOK U937/Pの実機レビュー
軽量でしかもLTE対応
LIFEBOOK U937/Pは、非常に軽量である上に、無線WAN(LTE)対応モデルもある13.3型モバイルノートPCです。
本製品は、標準バッテリーと大容量バッテリーを選択でき、標準バッテリーを搭載すると799gと非常に軽くなります。
また、大容量バッテリーを選択した場合、バッテリー容量は2倍になります。重量はやや重くなりますが、それでも1kgを切る軽さです。
カラーはブラックの他にレッドも選択でき、かっこいいです。
メーカー直販サイト:
富士通WEBMART(LIFEBOOK U937/P)
※リンク先は無線WANモデルです
※レビュー機は当サイトでの購入品です
目次
1 LIFEBOOK U937/P の基本スペック | 2 特徴1 - 799gと非常に軽量 |
3 特徴3 - 無線WAN(LTE)搭載モデルあり | 4 個人モデルとの比較 |
5 液晶ディスプレイのチェック | 6 キーボードおよびタッチパッドのチェック |
7 パフォーマンスのチェック | 8 バッテリー駆動時間のチェック |
9 静音性のチェック | 10 パーツの温度のチェック |
11 表面温度のチェック | 12 消費電力のチェック |
13 外観のチェック | 14 まとめ |
LIFEBOOK U937/Pの基本スペック
2017年1月発売の法人モデル「U937/P」のスペックです。個人モデルのLIFEBOOK UHシリーズとは異なりますのでご注意ください。
CPU 第7世代インテルCPUのCore i5-7300UまたはCeleron 3965Uです。本機は前者です。 |
グラフィックカード インテル HD グラフィックス 620です。 |
液晶ディスプレイ 13.3型ワイド、フルHD(1920x1080)、非光沢液晶です。 |
メモリ 4~12GBを選択可能です。本機は12GB メモリです。 |
ストレージ 128~512GBの暗号化機能付きSSDを選択可能です。本機は512GB SSDです。 |
光学ドライブ 内蔵光学ドライブは非搭載です。 |
バッテリー駆動時間 標準バッテリー搭載時は約8.3時間、大容量バッテリー搭載時は約17.0時間(JEITA2.0)です。 |
その他 薄さは15.5mm(突起物含まず)、重量は約799g~となっており、詳細は後述します。 |
特徴1 - 799gと非常に軽量
LIFEBOOK U937/Pは、他のモバイルノートPCと比べても、非常に重量が軽い製品です。最軽量構成の場合、約799gしかありません。展示会場で持ってみましたが、体感でも他のPCとの違いが分かるくらい軽量で、タブレットを持っているのかと思うくらいの重さです。
なお、本製品は容量の異なるバッテリーが2種類あり、搭載するバッテリーによって、重量が変わってきます。大容量バッテリー (50Wh)を選択すると少し重くなります。また、無線WAN搭載(LTE)搭載モデルもやや重くなります。詳細は下表の通りです。
標準バッテリー (25Wh) | 大容量バッテリー (50Wh) | |
---|---|---|
通常モデル | 約799g | 約944g |
無線WAN搭載モデル | 約819g | 約964g |
今回のレビュー機は、大容量バッテリーを搭載した無線WAN搭載モデルですが、当サイトにて計測した重量は次の通りでした。上のメーカー仕様値よりもやや軽く928gでした。標準バッテリー搭載時よりも重くなっているとは言え、この重量でも十分軽量です。799gのモデルもいいですが、50Whのバッテリーを搭載しながら1kgを切るモデルもバランスが良くかなり魅力的だと思います。
また、ACアダプターも200gと比較的軽量です。
当サイトでの重量の計測結果
特徴3 - 無線WAN(LTE)搭載モデルあり
本製品は、通常モデルの他に、LTEに対応した無線WAN搭載モデルが用意されています。
レビュー機も無線WAN搭載モデルであるため、外に持ち出して速度を計測してみました。
新幹線などでLIFEBOOK U937PのLTE速度を計測
パソコンのアンテナの位置やアンテナを覆うボディ素材によっては、速度が出にくい場合もあるので、同じ場所でiPhone 7でも速度を計測し比較して、速度が遅くないかを確認しました。
結果は下表の通りです。SIMは同じMVNOのものを用いて速度を計測しましたが、iPhone 7とほぼ同じような速度が出ていました。LIFEBOOK U937Pは十分な速度が出ていると思います。
なお、お昼頃と夜に速度が低下しているのは、MVNOの回線が混雑するためで、LIFEBOOK U937Pだから速度が低下しているわけではありません。iPhone 7も同様に速度は低下しています。
LIFEBOOK U937P | iPhone 7 | ||
---|---|---|---|
12:30頃 | 熊谷駅 新幹線ホーム | 0.64 Mbps | 0.53Mbps |
12:45頃 | 大宮駅 新幹線内 | 0.78Mbps | 0.69Mbps |
13:10頃 | 東京駅 新幹線内 | 16.15Mbps | 14.63Mbps |
14:00頃 | 秋葉原駅周辺のレストラン | 24.93Mbps | 18.83Mbps |
16:20頃 | 新橋駅周辺のカフェ | 15.13Mbps | 15.86Mbps |
22:00頃 | 上野駅ホーム | 3.68Mbps | 4.27Mbps |
※LIFEBOOK U937PもiPhone 7も、SIMカードのMVNOはIIJmio
また、スリープ状態から復帰後にLTEに接続されるまでの時間を計測したところ、約5秒と非常に速かったです。
個人モデルとの比較
次は、個人モデルとの比較です。
個人モデルは、パーツのカスタマイズが可能なカスタマイズモデル「WU2/B1」と、量販店向けのパーツが固定されたカタログモデルにわけられ、カタログモデルはさらに構成によって「UH90/B1」と「UH75/B1」に分けられます。
最も大きく異なるのは、法人モデルには無線WAN(LTE)に対応した搭載モデルがある点です。また、法人モデルは、手のひら静脈センサーを選べる点や、スマートカードスロットを追加できる点、暗号化機能付きSSDを選択できる点、vPro対応している点などセキュリティ面での機能が充実しています。
個人モデル | 法人モデル U937/P |
||||
カスタムメイドモデル WU2/B1 |
カタログモデル | ||||
---|---|---|---|---|---|
UH90/B1 | UH75/B1 | ||||
カラー | ピクトブラック サテンレッド |
ピクトブラック | ピクトブラック サテンレッド |
ブラック レッド |
|
OS | Windows 10 Home Windows 10 Pro |
Windows 10 Home | Windows 10 Pro | ||
液晶ディスプレイ | 13.3型ワイド フルHD ノングレア | ||||
CPU | Core i7-7500U Core i5-7200U |
Core i5-7200U | Core i5-7300U vPro Celeron 3965U |
||
メモリ | 4GB、8GB、12GB | 4GB | 4GB、8GB、12GB | ||
ストレージ | 約128GB SSD 約256GB SSD 約512GB SSD |
約256GB SSD | 約128GB SSD | 約128GB SSD 約256GB SSD 約512GB SSD ※暗号化機能付き |
|
光学ドライブ | なし | ||||
重量 | 25Wh バッテリー |
Core i7:約790g Core i5:約787g |
ー | ピクトブラック:約761g サテンレッド:約764g |
通常モデル:約799g WWANモデル:約819g |
50Wh バッテリー |
Core i7:約916g Core i5:約913g |
約913g | ー | 通常モデル:約944g WWANモデル:約964g |
|
無線WAN(LTE) | 非対応 | 非対応 | 非対応 | 対応 | |
セキュリティ | 指紋センサー | 指紋センサー | 指紋センサー | 指紋センサー スマートカードスロット 手のひら静脈センサー |
|
Office | なし H & B Premium |
H & B Premium | H & B Premium | なし Personal H & B Professional |
ただし、法人モデルはUSB Type-Cポートがありません。
個人モデルはUSB Type-Cポートあり
法人モデルはUSB Type-Cポートなし
また、個人モデルは筐体色が「サテンレッド」の場合、キー側面も赤色になりますが、法人モデルは筐体色を「レッド」にしてもキー側面は赤色になりません。
個人モデルのキー側面はレッド(筐体色にサテンレッド選択時)
法人モデルのキー側面はブラック(筐体色にレッド選択時)
なお、本製品を個人で購入する場合、技術サポートが受けられません。個人事業主が購入する場合は、サポートを受けられます。もし個人で購入するには、法人名に個人名を入力します。
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
見やすい液晶だと思います。以下詳細です。
まず、最大輝度は当サイトの計測では、308cd/m2でした。比較的高輝度です。
視野角は広いです。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、明部になるにつれ、青と緑がやや下げ調整ですが、調整幅はわずかです。比較的自然な発色だと思います。
色域は、ノートPCとしてはやや広めです。
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
画素形状などです。ギラつきはほぼ感じません。
非光沢液晶であるため、画面の映り込みも低減されています。
画面への映り込み
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
普通の打ちやすさです。
メーカーの仕様表を確認すると、キーピッチ(横)は約19mm、キーストローク約1.2mmとあります。縦のキーピッチは当サイトによる計測値で約18mmです。
キーストロークがやや浅い点と、キートップがフラットに近い点が気になりますが、キーピッチは十分はあり、キー配列も素直です。Enterキーや左Ctrlキー、半角/全角キーは大きく、また矢印キーは一段下がっていることにより、見なくても押しやすいです。
キーボード全体図
キーの拡大図1
キーの拡大図2
さらに、小指で打つキーは、弱い力で押せるようにするなど、各キーの重さが異なり、長時間の使用でも疲れにくくなっています。
2段階押下圧(メーカーサイトより抜粋)
タッチパッドの使いやすさは普通です。クリックボタンは独立しており、軽い力で押せて、クリック音も小さいです。
タッチパッド
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
Core i5-7300U選択時は、モバイルノートPCとして標準的な性能です。もう1つの選択肢のCeleron 3965Uは使ったことがないため、ベンチマークスコアは不明ですが、下図のCeleron 3855Uよりも少し良い程度のスコアだと思います。Windowsはバックグランドでよく処理が流れますが、こういったときにCeleron 3855Uの場合、やや重いと感じるかもしれません。
CPUの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
ストレージ
PCIe-NVMe SSDは選択できませんが、十分高速なSATA SSDを搭載しています。
ストレージの選び方(筆者の独自判断)
LIFEBOOK U937/Pで計測したベンチマーク
以下、本製品でのベンチマークスコアです。
(CPU性能の評価)
Core i5-7300U
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)
Core i5-7300U、インテル HD グラフィックス 620
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
Core i5-7300U | |
---|---|
x265でエンコード (※1) | 43分42秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― |
QSVでエンコード (※3) | 5分7秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
(ストレージの評価)
約512GB SSD
(SDカードスロットの評価)
UHS-Ⅱ対応カード
バッテリー駆動時間のチェック
LIFEBOOK U937/Pのバッテリー駆動時間チェックです。
この記事の上のほうで、本製品は2種類のバッテリーがあると記載しましたが、各バッテリー搭載時の駆動時間は下表のようになっています(メーカー仕様値、JEITA2.0計測)。
標準バッテリー (25Wh) | 大容量バッテリー (50Wh) | |
---|---|---|
通常モデル | 約8.3時間 | 約17.0時間 |
無線WAN搭載モデル | 非掲載 | 非掲載 |
次に、当サイトによる計測値を掲載しようと思いますが、その前に1つ注意点です。本製品は、バッテリー駆動時に、CPUの最大のパフォーマンスが通常時の50%しか出ないように設定されています。そのため、バッテリー駆動中にやや高めの負荷をかけるテストでは、駆動時間が長くなってしまいます(他のPCよりも良い結果になってしまいます)。
この設定は、バッテリー駆動時間を長くしたいとき等にたまに用いられますが、ここでは他のPCのテストと合わせるために、この項目を100%にして駆動時間を計測しました(また、50%のときも計測しました)。
電源オプション
デフォルトでは、「最大のプロセッサの状態」「バッテリ駆動」の設定が50%になっている
結果は下表の通りです。なお、大容量バッテリー&無線WAN搭載モデルでの計測結果となります。
動画再生時は、負荷が低いため、上の項目は50%にしても100%にしても、約9時間とほぼ駆動時間は変わりませんでした。
PCMark 8 Home および Work実行時は、やや負荷が高くなる時もあるので、上の項目を50%から100%に変更すると、バッテリー駆動時間が2~3割減りました。
上の項目を100%にしたときのバッテリー駆動時間と、他のモバイルノートPCのバッテリー駆動時間を比較すると、"普通~やや長い"駆動時間かなと思います。
大容量バッテリー 無線WAN搭載モデル |
||
---|---|---|
デフォルト 最大CPU:50% |
最大CPU:100% |
|
PCMark 8 Home のバッテリーライフテスト ※1 | 7時間41分 | 5時間58分 |
PCMark 8 Work のバッテリーライフテスト ※2 | 8時間06分 | 6時間16分 |
動画再生時 ※3 | 9時間05分 | 9時間09分 |
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生