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富士通 LIFEBOOK GH77/Tの実機レビュー(2)

更新日:2015年2月27日
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  目次  

 

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイのチェックです。

本製品は、本体部からディスプレイ部へ「Cavium」の無線技術を使って、映像を転送しています。このとき、おそらく映像を圧縮して転送しているため、実際の映像とはやや異なる色が液晶ディスプレイに表示されます。ほぼ気にならない程度ですが、画像編集などを行う用途には不向きかなと思います。


やや色が変わる

 

ただし、「Cavium」で映像を転送していても、マウス操作、キーボード入力、画面遷移時の"表示遅延"はほぼ感じません。この点は素晴らしいと思います。普通の作業なら全く問題ないでしょう。

 

以下、ガンマ補正曲線や色域などを掲載していますが、「Cavium」によって転送された映像でキャリブレーションしているため、液晶ディスプレイ本来の特性とはやや異なりますので、ご注意ください。

視野角は良いです。


視野角(斜めから見たときの見やすさ)

 

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、やや暖色系の画面であることが分かります。



※見方の詳細については、miyahan.com様、DOS/V Power Report様のページをご確認ください

 

色域は、ノートパソコンの液晶と比較した場合は普通です。ただし、単体で売られている液晶ディスプレイと比較すると狭いです。


ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

 

画素形状は下図の通りです。ギラつきはそれほどありません。


パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

4コアのCore i7-4712HQを搭載しているため、CPUの処理性能は良いです。ただしCPUはノート用です。

ベンチマーク結果は次の通りです。

PassMark Performance Test 8.0

3DMark


※ FIRE STRIKE:高性能GPU向け、SKY DIVER:ミドルレンジGPU向け、
CLOUD GATE:一般ノート向け、ICE STORM:タブレットやスマホ等のモバイル向け

PCMark 8 - Home ccelerated

動画のエンコード時間

TMPGEnc Video Mastering Works 5 によるエンコード時間
  Core i7-4712HQ
x264でエンコード 16分11秒
クイック・シンク・ビデオでエンコード 8分14秒
AVCHDの動画(ファイルサイズ:1.54GB、再生時間:約13分、解像度:1920x1080)を、
iPhone 4で視聴可能なMPEG-4 AVC(解像度:1280x720)へ変換

ストレージのベンチマーク


2TB HDD

SDカードのベンチマーク


UHS-Ⅱ対応カード

ゲームベンチマークのチェック

艦これ

艦これを実際にプレイし、CPU使用率を計測してみましたが、低いCPU使用率でした。AtomのCPUを搭載したタブレットは動作が多少モッサリするときもありますが、本製品なら非常にサクサク動いて快適です。


IEの拡大率:125%

ドラゴンクエスト X

ドラクエXは、グラフィック品質:低品質、解像度:1280x720の設定なら、高いスコアが出て、フレームレートも60 fpsを超えていました。ただ、これ以上設定を上げると、60 fpsを切り快適度も下がります。

ファイナルファンタジー XIV

グラフィック品質:標準品質(ノートPC)、解像度:1280x720の設定の場合、評価は「快適」と出ましたが、フレームレートは37 fps程度でした。ややカクつくときもあると思います。

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

メーカーの仕様表には約4時間と書かれており、また実測値でも約4時間です。

なお、本体部で処理をし、ディスプレイ部は転送されてきた映像を表示しているだけなので、アイドル時でも負荷の高い時でも、ディスプレイ部のバッテリー駆動時間は、それほど変わりません。

静音性のチェック

本機の動作音(静音性)のチェック結果です。もし動作音が大きいと、気になって作業に集中できなかったり、周りの人に迷惑になったりします。

本体部の騒音値は下の通りです。ノートパソコンと比較すると、低負荷時の騒音値がやや高めです。デスクトップパソコンと比較すると、"やや静か~普通"の動作音です。

なお、ディスプレイ部はほぼ無音です。そのため、本体部が別室にあり、ディスプレイ部のみ部屋にある場合は、とても静かです。


パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

高負荷時のCPU温度が高めです。


表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

ここでは、ディスプレイ部の裏面の温度をチェックしています。

右上の部分がやや熱いですが、それ以外は問題ありません。膝の上に置いても、熱い部分は膝からはみ出すことが多いため、それほど熱さは感じません。

また、エンコードなど高い負荷をかけても、ディスプレイ部で処理しているわけではないため、ディスプレイ部の表面温度は上昇しません。



消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

本体部の消費電力を計測しています。ノートパソコンと比較すると高い消費電力です。(専用グラフィックスを搭載していない)デスクトップパソコン並みの消費電力です。


まとめ

以上が、LIFEBOOK GH77/Tのレビューです。

本体は別のところにあって、ディスプレイのみを持ち歩いて操作できるというアイディアは面白いです。重い処理は本体に任せることにより、ディスプレイ部は最低限のパーツで済むため軽量化、低価格化できます。発熱も少なく動作音も静かです。

ただし、15.6型のディスプレイだと用途が限られるので、8型、10.1型のディスプレイ部や、ノートパソコン型の端末など、色々なバリエーションのディスプレイ部があると良いと感じます。また、ディスプレイ部に自立スタンドや壁掛けスタンドがあると、使用できる場所が増えるなと感じました。

また、ファイルサーバーや、テレビサーバー(ネットワーク配信TVチューナー)などのサーバー機能を、オプションで持たせることができても面白いと思いました。

"高性能CPU"であるという点が、他のタブレットにはない大きな強みだと思うので、CPUだけでなくGPUもGeForceなどを搭載して強化し、3Dゲームも出来るようになると良いとも思います。Caviumは、遅延時間を16ms以下で、3Dゲームを無線伝送する技術も持っているようです(詳細:日経テクノロジーオンライン)。

新しいジャンルの製品であるため、富士通もまだ手探り状態ではないかと思います。そのため、「こんな使い方がある」といった要望を富士通へ送れば、次期モデルで対応してくれるかもしれません。

詳細はこちら
メーカーサイト:富士通WEB MART(LIFEBOOK GH77/T)