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インテル Arc A730M搭載!サードウェーブ GALLERIA UL7C-AA2の実機レビュー
CPU | Core i7-12700H |
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GPU | インテル Arc A730M |
メモリ | 16GB(DDR5-4800) |
ストレージ | 1TB PCIe Gen4 SSD |
液晶サイズ | 15.6インチ |
液晶種類 | FHD 非光沢 144Hz |
質量 | 約2.0kg |
バッテリー | 約6.1時間 (62Wh) |
価格[税込] | 18万円台~ |
GALLERIA UL7C-AA2は、「インテル Core i7-12700H」の
CPUに、「インテル Arc A730M」のグラフィックスを搭載した、CPUとGPUがインテル製で統一されたゲーミングノートPCです。
実際にインテル Arc A730Mを使ってみて、まだゲームへの最適化は進んでいない印象でしたが、動画や画像の書き出しなどが速く、VRAMが12GBもあり、クリエイティブワークは快適でした。
デザインもスマートで、場所を選ばず使いやすいです。
※上のリンク先はUSキーボードのモデルです
レビュー機は、メーカーからの提供品です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-12700H、16GBメモリ、インテル Arc A730M、1920×1080液晶
目次
お忙しい方は、「GALLERIA UL7C-AA2の特徴」のみお読みください。
GALLERIA UL7C-AA2の特徴
スマートなゲーミングノート
GALLERIA UL7C-AA2は、インテル製の高性能CPU「Core i7-12700H」に、市場に投入されて間もないインテル製の最新GPU「インテル Arc A730M」を搭載し、有線LANには最大2.5Gbpsに対応するインテル製LANチップ「I225-V」を採用と、インテルづくしの贅沢なゲーミングノートPCです。
最薄部はわずか約22mm、重量2.0kgの一見ゲーミングノートには見えないスマートなデザインも本製品の特徴で、天板のエッジ部分は、ダイヤモンドカット加工にブルーのアルマイト処理が施され、高級感もあります。
モビリティ性もあるので、オフィスやカフェなどに持っていって作業をしたり、普段使いにも使用できます。
ノートPC向けグラフィックス「インテル Arc A730M」搭載
インテルとの共同設計から生まれた、上位モデルのIntel Arc 7を搭載した「GALLERIA UL7C-AA2」と、下位モデルのIntel Ark 5を搭載した「GALLERIA UL7C-AA3」の2モデルがあり、今回レビューするモデルは「GALLERIA UL7C-AA2」となります。
下記の2モデルの違いは次の通りで、グラフィックスの他に、ストレージ容量が1TBと512GBで異なります。なお、ストレージ容量はカスタマイズできないのでご注意ください。
GALLERIA UL7C-AA2 | GALLERIA UL7C-AA3 | |
CPU | Core i7-12700H | |
グラフィックス | Ark A730M | Ark A550M |
メモリ | 16GB(DDR5-4800MHz) | |
液晶 | 15.6インチ / FHD / 非光沢 / 144Hz | |
ストレージ | 1TB PCIe Gen4 SSD | 512GB PCIe Gen4 SSD |
価格[税込] | 185,980 円 | 172,980 円 |
ノートPC向け「Intel Ark Aシリーズ」は、Arc 3シリーズ、Ark 5シリーズ、Ark 7シリーズの3つのクラスで性能が分かれています。
今回レビューした上位クラスとなる「インテル Arc A730M」は、24基のXeコアと、レイトレーシングユニットを搭載し、メモリバス幅は192 bit、ビデオメモリにはノートPC向けにしては大容量の12GBを搭載しています。
グラフィックス・クロックは1100MHzとありますが、インテルでは最大クロックと最低クロックの中間値をグラフィックス・クロックと定義しているそうで、クロック値だけでは一概に性能を測り切れません。
ただ、グラフィックス電力80~120Wという仕様から見ると、グラフィックス性能はミドルクラス以上となりそうです。
A770M | A730M | A550M | |
Xe-core | 32 | 24 | 16 |
レイトレーシング・ユニット数 | 32 | 24 | 16 |
グラフィックス・クロック(中間値) | 1650 MHz | 1100 MHz | 900 MHz |
メモリバス幅 | 256 bit | 192 bit | 128 bit |
メモリタイプ | GDDR6 | ||
メモリ容量 | 16GB | 12GB | 8GB |
グラフィックス電力 | 120~150W | 80~120W | 60~80W |
ところが、3DMarkのベンチマーク「Time Spy」のグラフィックスコアでは5095と、上記のスペックにしては低めのスコアでした。NVIDIAのノートPC向けグラフィックスと比較すると、GeForce RTX 3050 Tiと同程度の性能となります。
なお、Intel Arkシリーズのドライバーはまだ成熟されておらず、その影響でスコアがあまり高くない可能性が高いです。レビュー時点(12月22日)でのグラフィックス ドライバー バージョンは、「31.0.101.3959」ですが、今後、ドライバーの最適化が進めば、さらにスコアが上がると思われます。
(グラフィックスドライバーバージョンは、31.0.1.1.3959)
144Hzの高リフレッシュレート液晶搭載
GALLERIA UL7C-AA2は、144Hzの高リフレッシュレート液晶を搭載しており、従来の液晶の2倍以上の速度で映像を描写するので、滑らかかつ少ない残像感でゲームをプレイすることができます。
グラフィックスドライバーがまだ未熟で、性能が十分発揮できず、ゲームによっては画質設定を落とす必要がありますが、フォートナイトやAPEX、PUBGやオーバーウォッチ2では、設定次第で、高いフレームレートでゲームをすることができました。詳細はフレームレートについては後述します。
隠された排気口
ゲーミングノートと言えば、内部の熱を吐き出すために側面や背面に大きめの排熱口が設けられているのが普通ですが、本製品はデザイン性重視なのか、本来あるはずの背面の排熱口を隠すデザインとなっています。
そのため、やや下に向けて排気されるので、従来のゲーミングノートよりは、やや内部に熱がこもりやすい仕様だと思います。
見やすい「インテル ソフトウェア・スタジオ」
プリインストールされている管理ツール「インテル ソフトウェア・スタジオ」からは、動作モードの変更やバッテリーの充電の設定、キーボードのLEDなどの総合的な調整が可能です。
他のメーカー製管理ツールと比べて、ユーザーインターフェースがわかりやすく、調整が行いやすいのが特徴です。
動画で特徴をチェック
製品の特徴をまとめた動画も作成しました。こちらも合わせてご覧ください。
各用途の快適度
GALLERIA UL7C-AA2の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 高めの性能のノートPCなので、このような軽めの負荷の作業であれば、快適に使うことができます。 |
---|---|---|
オンライン会議 | ○ | ウェブカメラ、マイク、スピーカーを備えており、オンライン会議も問題なくできます。 |
動画鑑賞 | ◎ | 比較的色鮮やかな映像で、スピーカー音もまずまずです。YouTubeやNetFlix、Abemaなどの動画を快適に楽しむことができるでしょう。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | Lightroom Classic CCを使用したRAW現像が速かったです。sRGBカバー率95%程度の色域で構わなければ、RAW現像などの用途で使うのもいいと思います。 |
動画編集 | ◎ | インテル Arc A730Mによる動画の書き出し速度が速く、編集作業も快適です。AV1エンコードにも対応し、YouTube投稿用動画の編集などにも適してます。 |
ゲーム | ○ | インテル Arc A730Mの外部グラフィックスを搭載していますが、ドライバーが未熟で性能が発揮できていません。レビュー時点ではRTX 3050 Tiほどの性能で、タイトルによっては画質をかなり落とす必要があります。ただ、軽めのゲームなら問題ありません。 |
ディスプレイのチェック
GALLERIA RL7C-R35Hのディスプレイのチェックです。
パネルは、「BOE NV156FHM-N4G」でした。
一般的な画面比16:9のFHD液晶です。最大輝度は、当サイトの計測では279cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
当サイトの測定結果は、以下のとおりです。色域はやや広めです。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 94.2% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 70.9% |
Adobe RGBカバー率 | 70.8% |
遅延
キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間(表示遅延)をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約45msでした。他の一般的なノートPCで計測したところ80ms前後が多かったので、遅延は少ないと思います。なおこれは、液晶だけでなくPC全体の遅延となります。
残像
「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを十分速い1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、2フレーム前くらいまで残像がありました。普通のノートPCは、60Hzで2フレーム前くらいまでの残像だったので、1秒間に2倍以上もフレームを表示する144Hzの本製品の液晶は、一般的なノートPCの液晶より、残像は抑えられていると言えます。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
※現在発売中もモデルはUSキーボードとなっています。
キーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18.5mm、キーストロークは約1.4mmでした。キートップはフラットです。キーの押しやすさは普通です。
タッチパッドは広めで操作がしやすいです。タイピング時にタッチパッドが反応してしまう場合は、タッチパッドの左上端をダブルタップすることによって、タッチパッドをオフにできます。
キーボードにはRGBバックライトが搭載されています。点灯パターンは単色かレインボーのみで、明るさの調整は4段階で調整できます。
キーボードのRGBバックライトの設定は「インテル ソフトウェア・スタジオ」から行います。
パフォーマンスのチェック
動作モード
GALLERIA UL7C-AA2では、下記の画像のように動作モードを変更することができます。デフォルトでは「バランス化」モードになっています。ここでは、「バランス化」モードと「パフォーマンス」モードでベンチマークを計測しています。
なお、外部GPUと映像ポートを直結する「ディスクリートモード」は搭載されていませんでした。
また、Core i7-12700HのP1の値は「バランス化」では35W、「パフォーマンス」では45Wでした。Core i7-12700Hのベースパワーは45Wなので、「パフォーマンス」であれば低い設定ではありませんが、通常のゲーミングノートPCはこれよりも高い設定値になっていることが多いので、相対的に見ると低めの設定値です。
CPU
プロセッサーにはインテル第12世代HシリーズのCore i7-12700Hを搭載しています。
PL1の値がやや低めに設定されているので、他のノートPCで計測したスコアよりやや低めですが、それでも上位のスコアです。マルチコア、シングルコアともに高いスコアで、ゲームだけでなく、クリエイティブな用途にも使えるでしょう。
なお、「バランス化」よりも「パフォーマンス」の方がスコアが高いです。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリは最新のDDR5-4800を搭載しています。帯域幅も十分です。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません
グラフィックス
ノートPC向け「Intel Ark Aシリーズ」の上位クラスとなる「インテル Arc A730M」を搭載しています。
前述の通り、グラフィックスドライバーが未成熟なためなのか、スコアが低く出ています。NVIDIAのノートPC向けグラフィックスと比較すると、RTX 3050 Tiと同程度の性能となります。
ただ今後、ドライバーの最適化が進めば、さらにスコアが上がる可能性があります。
なお、「バランス化」より「パフォーマンス」方がスコアが高いです。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー
GPU-Zで確認したインテル Arc A730Mの情報は次の通りです。なお、動作モードを変更しても、GPUクロックなどに変化はありませんでした。
ストレージ
ストレージは、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、非常に高速です。容量も1TBと、ゲームをするには十分だと思います。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ゲームベンチマーク&フレームレート
動作モード
ゲームに付属のベンチマーク機能のスコア、または実際にゲームをプレイし計測した平均フレームレートを掲載します。
ここでは、動作モードを「パフォーマンス」にして計測してます。
なお、計測時点(12月22日)でのグラフィックス ドライバー バージョンは、「31.0.1.1.3959」です。
各ゲームの平均フレームレート
Core i7-12700H+インテル Arc A730Mで計測した平均フレームレートを掲載します。
前述の通り、グラフィックス ドライバーが未成熟なのか、どのゲームもスコアは低めです。タイトルによっては、フレームレートが安定せず、カクツキが目立つのもありました。
3DMarkの結果ではGeForce RTX 3050 Tiと同等ですが、最適化がされていないのか、ゲームによってはフレームレートがRTX 3050 Tiよりもかなり低いケースもありました。
また、フォートナイトの場合だと、グラフィック設定を、DirectX 12でグラフィック設定を高以上にすると、マッチゲームが開始する前にクラッシュしてしまうという現象が起こっていました。
一方、PUBGやオーバーウォッチ2では、最高設定でも高めのフレームレートが出ていました。
現状では、あまり高いフレームレートは出ませんが、今後、ドライバーのアップデートやゲーム側の最適化が進み、ゲームパフォーマンスも改善されていくと思われます。
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12、Patch 1.61)
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解像度 | 品質 | Core i7-12700H インテル Arc A730M |
1920x1080 | 低 | 60 fps |
高 | 43 fps | |
ウルトラ | 38 fps | |
レイトレ:低 | 33 fps |
重い部類のゲーム
Forza Horizon 5(DX12)
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---|---|---|
解像度 | 品質 | Core i7-12700H インテル Arc A730M |
1920x1080 | 低 | 104 fps |
高 | 74 fps | |
エクストリーム | 50 fps |
重い部類のゲーム
ボーダーランズ3(DX12)
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解像度 | 品質 | Core i7-12700H インテル Arc A730M |
1920x1080 | 低 | 92 fps |
高 | 49 fps | |
ウルトラ | 40 ps |
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
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解像度 | 品質 | Core i7-12700H インテル Arc A730M |
1920x1080 | 軽量品質 | 67 fps |
標準品質 | 52 fps | |
高品質 | 34 fps |
中程度の重さのゲーム
PSO2 ニュージェネシス
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---|---|---|
解像度 | 品質 | Core i7-12700H インテル Arc A730M |
1920x1080 | 低 | 24830 / 116 fps |
高 | 16692 / 96 fps | |
ウルトラ | 6298 / 51 fps |
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
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---|---|---|
解像度 | 品質 | Core i7-12700H インテル Arc A730M |
1920 x 1080 |
最低 | 93 fps |
中 | 59 fps | |
最高 | 52 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ(DX11)
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解像度 | 品質 | Core i7-12700H インテル Arc A730M |
1920x1080 | 標準(ノート) | 111 fps |
高(ノート) | 86 fps | |
最高品質 | 75 fps |
中程度の重さのゲーム
フォートナイト (チャプター4 シーズン1)
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フォートナイトについては、レンダリングモードを「DirectX 11」、「DirectX 12」「パフォーマンス - 低グラフィック忠実度」にしたときの、通常マッチでの平均フレームレートを掲載します。
「パフォーマンス - 低グラフィック忠実度」にすれば、快適にゲームができるでしょう。
解像度 | 品質 | Core i7-12700H インテル Arc A730M |
1920x1080 | 低設定 | 107 fps |
中設定 | 70 fps | |
高設定 | 51 fps | |
最高設定 | 36 fps |
解像度 | 品質 | Core i7-12700H インテル Arc A730M |
1920x1080 | 低設定 | 120 fps |
中設定 | 87 fps | |
高設定 | クラッシュ | |
最高設定 | クラッシュ |
解像度 | 3D解像度 メッシュ |
Core i7-12700H インテル Arc A730M |
1920x1080 | 100% 高 |
170 fps |
軽い部類のゲーム
Apex Legends(DX11)
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | Core i7-12700H インテル Arc A730M |
1920x1080 | 低設定 | 173 fps |
高設定 | 80 fps |
軽い部類のゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | Core i7-12700H インテル Arc A730M |
1920x1080 | 非常に低い | 193 fps |
中型 | 140 fps | |
ウルトラ | 114 fps |
軽い部類のゲーム
オーバーウォッチ2(DX11)
|
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---|---|---|
解像度 | 品質 | Core i7-12700H インテル Arc A730M |
1920x1080 | 低 | 224 fps |
高 | 175 fps | |
エピック | 146 fps |
クリエイターソフトの処理時間
以下、各クリエイターソフトの処理時間を掲載します。ここでも、動作モードは「パフォーマンス」で計測しています。ゲームのパフォーマンスでは最大限発揮できていませんでしたが、クリエイターソフトでは非常に高いパフォーマンスでした。
Core i7-12700Hでの書き出しは64秒とまずまずの速さで、インテル Arc A730MによるGPU支援を使った書き出しでは48秒と非常に高速です。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
4K動画の書き出しは速かったです。VRAMも12GBと多く、動画編集に適したノートPCだと思います。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
DaVinci Resolove Studio 18による、「AV1 Intel」での書き出し時間はこちらです。こちらも書き出しにかかる時間は短かったです。
CPUのみで実行するx265エンコードです。比較的速かったですが、PL1がそこまで高くなかったこともあり、思ったほどの速度ではありませんでした。
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトには「約2.0kg」と記載されています。実測値は、以下の通りで、仕様値とほぼ同じ結果でした。ACアダプターも小型で軽いので、持ち運びしやすい方だと思います。
質量 | |
PC本体 | 1.996kg |
ACアダプター | 656g |
バッテリー駆動時間のチェック
GALLERIA UL7C-AA2のバッテリー駆動時間をチェックします。
本機のバッテリー容量は62Whと、ゲーミングノートとしては普通の容量です。
動画の連続再生時のバッテリー駆動時間は、4時間42分でした。このような軽い負荷であれば、ある程度はバッテリー状態で駆動できます。
FF14のベンチマークをループ再生させたときのバッテリー駆動時間は48分と、1時間も持ちません。また、バッテリー駆動状態にするとフレームレートが制限されるため、ゲームをするときは、ACアダプターに繋だほうがいいです。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約6.1時間 |
(2) 動画再生時 | 4時間42分 |
(3) FF14ベンチマーク(ループ再生) | 48分 |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) FF14ベンチをループ実行
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
液晶上部には、HD(720p)画質のWebカメラがあり、画素数は低いですが、色合いは割と自然だと思います。
スピーカー
スピーカーは背面にあります。最大音量は大きめで、音質も薄型ゲーミングノートPCにしてはそこそこ良いいです。ノートPC基準で10点満点で採点すると、6点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。なお、動作モードは「バランス化」と「パフォーマンス」で計測しています。
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
「バランス化」ではCPU電力は35Wで推移し、CPU温度は72℃前後と問題ない温度です。
「パフォーマンス」でのCPU電力は45Wまで上がり、CPU温度は80℃辺りで推移し、やや高めですが、問題ない温度です。スリムデザインですが、温度が高くなり過ぎない程度にCPU電力は制限されており、冷却面では問題なさそうです。
- バランス化
- パフォーマンス
FF15ベンチ実行時の温度
下図は、ゲーム時のCPU温度、GPU温度の詳細です。
「バランス化」ではCPU温度は80℃から90℃後半を行き来し、やや高めの温度です。GPU温度は最大でも70℃と問題ない温度です。
「パフォーマンス」でのCPU温度は90℃後半で推移し、GPU温度は89℃と高めです。スリムデザインなのでゲーム中のCPUとGPU温度は高めのようです。
- バランスモード
- パフォーマンス
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時は比較的静かです。「バランス化」でもやや高めの騒音値ですが、「パフォーマンス」だとさらに高くなります。ゲーミングノートとしてもやや高めの騒音値です。音が気になる方はヘッドホンの着用をおすすめします。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。
高負荷時はキーボード中央周辺の温度が上がります。ただし、パームレスト周辺はそれほど温度が高くないので、ゲーム中は気にならないと思います。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。
一般的なノートPCよりは高めの消費電力ですが、ゲーミングノートとしては普通の消費電力です。
外観のチェック
外観のチェックです。
ゲーミングノートにしては薄いボディで、液晶のベゼル枠も狭く、スマートでおしゃれなデザインです。オフィスやカフェなど普段使いでも違和感のない外観だと思います。
天板にはGALLERIAのロゴマークが印字されています。
閉じた状態です。最薄部22mmの薄型ボディです。
天板のエッジ部分にはダイヤモンドカット加工に、ブルーのアルマイト処理が施され、高級感があります。
側面のポート類です。左側面には、有線LANポート、USB3.2×2、マイク・ヘッドホン端子、右側面には、HDMI2.1、USB3.2、Thunderbolt4 Type-C(PD非対応)を備えています。
液晶が開く最大の角度は、ご覧の通りです。
底面です。
底面カバーを外したときの内部の画像です。
2つの冷却ファンと、4本のヒートパイプでCPUとGPUを冷却します。2方向のみから排気します。
M.2 SSDが1つ搭載されています。
本体の左側にも、空いているM.2スロットがあります。メーカー直販サイトからは、ストレージのカスタマイズができないので、底面カバーを外せる方なら後で自分で増設してもいいと思います。ただし、パーツの増設・換装は自己責任でお願いします。
メモリスロットが2つあります。メモリの換装は可能です。
ACアダプターは小型で、持ち運びしやすいサイズです。
電源コネクタは左側面に配置されています。排気口を避けて接続することができます。
ACアダプターの容量は230Wです。
まとめ
以上が、GALLERIA UL7C-AA2のレビューです。
高品質でスマートなボディに、「Core i7-12700H」+「インテル Arc A730M」というインテル製CPUおよびGPUを搭載したゲーミングノートPCです。
一見ゲーミングノートPCには見えないスタイリッシュなデザインで、ダイヤモンドカット加工に、ブルーのアルマイト処理が施されたエッジ部分は、美しく高級感があります。
最薄部約22mm、重量2.0kgの薄型軽量設計で持ち運びもしやすく、オフィスやカフェなどに持っていって作業をしたり、普段使いにも使用できます。
ただし、グラフィック ドライバーがまだ未成熟からか、今回のレビューではインテル Arc A730Mの性能がイマイチ発揮できず、GeForce RTX 3050 Tiと同程度の性能にとどまっていました。
それでも、ゲームによっては、画質設定を落とすことで、高いフレームレートで144Hzの高リフレッシュレート液晶を活かした優位なゲームプレイが可能です。
現状では問題を抱えたインテル Arc A730Mですが、今後、ドライバーのアップデートやゲーム側の最適化が進み、ゲームパフォーマンスも改善されていくと思われます。
一方、クリエイターソフトでの性能は優秀で、画像や動画の書き出しが速く、VRAMが12GBもあることから、複数のクリエイターソフトを起動してもVRAM不足になりにくいです。また、AV1エンコードにも対応しています。現段階では、どちらかと言えば、動画編集などを行うクリエイターの方におすすめのノートPCです。
インテル Arc A730M搭載のゲーミングノート
サードウェーブ GALLERIA UL7C-AA2
特徴
- Core i7-12700H + インテル Arc A730M
- 144Hz液晶の高リフレッシュレート液晶搭載
- 薄型軽量で持ち運びやすいスマートデザイン
こんなあなたに
- クリエイター
- 普段使いもできる高性能ゲーミングノートが欲しい方
- 価格18万円台[税込]~
三度の飯よりゲームが好き。 面白ければどんなゲームもプレイするが、中でも好きなジャンルは2D格闘ゲーム。2009年からSteamでPCゲーム漁りを始めてからゲーミングPCに興味を持ち、ライター業を経てレビュアーへ。これまで300台以上のゲーミングPCを実機でテストし、レビュー記事を執筆。おじいちゃんになってもPCゲーマーでありたい。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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