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デル Inspiron 620 の実機レビュー

更新日:2011年6月5日
デル Inspiron 620 の概要

拡張性たっぷりのエントリーモデル

Inspiron 620は、カードの拡張性が高く、価格が安いエントリー向けデスクトップPCです。

PCI Express x16が1つ、PCI Express x1が3つと拡張性は十分で、後から地デジチューナーやUSB3.0ポートなどを増設することが可能です。

価格も他社より安く、とにかく安いPCが欲しい方におすすめです。

欠点は、高性能なCPUやGPU、SSDを選択できない点です。CPUはCore i5までしか選択できません。電源容量が少ないため高性能なGPUの増設にも限界があります。SSDは後からでも換装できますが、購入時は選択することができません。

ゲームや動画編集はせず、ネットやオフィス程度の用途にちょうど良いPCです。

メーカーHPはこちら:デル公式サイト

目次

Inspiron 620 の基本スペック

本機の基本スペックを紹介します。※2011年6月4日現在の情報です。BTOパソコンという特性上、時期が経つと選択できるパーツは異なります。

CPU
第2世代インテルCPUのCore i3-2100またはCore i5-2300を選択可能です。本機は、Core i3-2100です。

マザーボード
OEM製のマザーボードです。
チップセットはH61です。
グラフィックカード
CPU内蔵(インテルHDグラフィックス 3000)またはNVIDIA GeForce GT 420(1GB)を選択可能です。本機はCPU内蔵です。
メモリ
PC3-10600のメモリを搭載可能です。本機は4GBです。
ハードディスク
500GB~1.5GBまでのHDDを搭載可能です。本機は500GBです。中身はWD5000AAKX-753CA1でした。
光学ドライブ
DVDスーパーマルチを搭載しています。それ以外の光学ドライブは選択できません。
電源
300W電源です。


拡張性
PCI Express x16が1ポート、PCI Express x1が3ポート空いています。

※パーツの中身はロットによって変更されますのでご注意ください

特徴1 - 価格が安い

Inspiron 620は、非常に価格の安いパソコンです。

Core i3-2100、4Gメモリ、500GBハードディスクという構成で、他社のエントリー向けPCと比較してみたところ、本機が最も安かったです。ただし、構成や時期によって価格は変わりますのでご注意ください。

また、これらの性能・価格以外にも、各PCはそれぞれメリット・デメリットがあることもご了承ください。例えば、HPとマウスはCore i7やSSDを選択できます。マウスはUSB3.0ポートも標準搭載です。

各メーカーのCore i3-2100モデルの 価格比較(2011/6/4調査)
仕様 DELL
Inspiron 620
HP
Pavilion Desktop PC
p7-1020jp/CT
マウスコンピューター
LUV MACHINES
Lm-i733E
CPU Core i3-2100 Core i3-2100 Core i3-2100
チップセット H61 H61 H61
メモリ 4GB 4GB 4GB
ハードディスク 500GB 500GB 500GB
電源 300W 300W 350W
PCI Express x16スロット 1つ 1つ 1つ
PCI Express x1スロット 3つ 3つ 3つ
価格 49,800円 63,945円 52,080円
※価格や構成は日々変動します

特徴2 - 高い拡張性

Inspiron 620は、PCI Express x16が1ポート、PCI Express x1が3ポート搭載しており、拡張性は高いです。また増設も簡単でネジを使わずに作業できます。ただし、電源が300Wと高いわけではないので、高性能なグラフィックカードは搭載できません。

総合ベンチマーク - 普通

Core i3-2100を搭載したInspiron 620の各種ベンチマーク結果です。

Core i3-2100は、デスクトップ向け第2世代インテルCPUの中ではローエンドのモデルです。ローエンドでのCPUでも、Windowsエクスペリエンスインデックスのプロセッサのスコアは7.1、Passmark のCPUのスコアも4173と高い数値が出ています。Core i5やCore i7よりは性能がかなり落ちますが、このCPUでも大抵の作業は問題ないと思います。

Windows エクスペリエンス インデックス

CrystalMark 2004R3 ベンチ & PassMark Performance Test ベンチ

動画のエンコード時間のチェック - 普通


ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5

Core i3-2100を搭載したInspiron 620で、動画のエンコード時間を計測しました。使用ソフトは、 TMPGEnc Video Mastering Works 5 です。

クイック・シンク・ビデオに対応したCPUであるため、このときのエンコード時間も計測しました。

テストの結果は、x264でエンコードしたときが31分53秒、クイック・シンク・ビデオでエンコードしたときが11分46秒でした。

参考までに、Core i7-2600搭載のPCのエンコード時間も掲載します。

エントリー向けCPUのCore i3-2100でも十分速い時間でエンコードできますが、Core i7-2600と比較すると見劣りします。動画編集・エンコードをするなら、Core i7を選択できるXPS 8300のほうがいいと思います。

TMPGEnc Video Mastering Works 5 によるエンコード時間
エンコード方法 デル
Inspiron 620
Core i3-2100
x264でエンコード 31分53秒
GPGPU(クイック・シンク・ビデオ)でエンコード 11分46秒
AVCHDの動画(ファイルサイズ:1.54GB、再生時間:約13分、解像度:1920x1080)を、
iPhone 4で視聴可能なMPEG-4 AVC(解像度:1280x720)へ変換

静音性のチェック

次は、本機の動作音の静かさ(静音性)をチェック結果です。

テストは下記の3つの状態のときに、騒音値を測定しました。

(1)アイドル時
(2)バイオハザード5ベンチマーク実行時(解像度:1280x720、テストA)
(3)TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時(x264、解像度1280x720でエンコード)

テストの結果は、(1)のアイドル状態のときは静かでしたが、(3)のエンコード時はややうるさかったです。

計測した騒音値は次の図の通りです。私の部屋を極力無音にしても40.4dBあり、この値を基準にすると(1)で+1.9dB、(2)で+3.7dB、(3)で+6.3dBでした。尚、無反響室で測定したわけではないので、騒音値は正確な値ではありません。値は参考程度にしてください。


Inspiron 620の騒音値

パーツの温度のチェック

CPUの温度を計測し、パーツが冷却できているかをチェックしました。あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。テストは上と同様に行いました。

テストの結果は、CPU温度はいずれの状態でも低い値でした。CPUはきちんと冷えていると思います。ただし、ケース本体を見るとフロントからの給気がほとんどないので、ハードディスクの冷却性はやや悪いと感じます。実際にハードディスクの温度も計測してみたところ、他のデスクトップPCは30~35℃くらいですが、本機は40℃以上ありました。

Inspiron 620 の内部温度。HWMonitorで測定

消費電力のチェック

Core i3-2100搭載の本機の消費電力をチェックしました。

テストの結果は、低い消費電力でした。Core i3-2100の消費電力は最大65Wであり、他のデスクトップ用CPUと比較すると消費電力が低いです。そのためPC全体の消費電力をワットチェッカーで計測した値も低かったです。尚、Inspiron 620はCore i5-2300も選択できますが、こちらのCPUは95Wであるため、消費電力はもっと高くなると思います。


Inspiron 620の消費電力。各状態においてワットチェッカーで測定

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