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デル Inspiron 620 の実機レビュー
拡張性たっぷりのエントリーモデル
Inspiron 620は、カードの拡張性が高く、価格が安いエントリー向けデスクトップPCです。
PCI Express x16が1つ、PCI Express x1が3つと拡張性は十分で、後から地デジチューナーやUSB3.0ポートなどを増設することが可能です。
価格も他社より安く、とにかく安いPCが欲しい方におすすめです。
欠点は、高性能なCPUやGPU、SSDを選択できない点です。CPUはCore i5までしか選択できません。電源容量が少ないため高性能なGPUの増設にも限界があります。SSDは後からでも換装できますが、購入時は選択することができません。
ゲームや動画編集はせず、ネットやオフィス程度の用途にちょうど良いPCです。
メーカーHPはこちら:デル公式サイト
目次
1 Inspiron 620 の基本スペック | 2 特徴1 - 価格が安い |
3 特徴2 - 高い拡張性 | 4 総合ベンチマーク |
5 動画のエンコード時間のチェック | 6 静音性のチェック |
7 パーツの温度のチェック | 8 消費電力のチェック |
9 外観のチェック | 10 ケースの内部のチェック |
11 エアフローのチェック | 12 パーツの選び方 |
13 まとめ |
Inspiron 620 の基本スペック
本機の基本スペックを紹介します。※2011年6月4日現在の情報です。BTOパソコンという特性上、時期が経つと選択できるパーツは異なります。
CPU |
マザーボード OEM製のマザーボードです。 チップセットはH61です。 |
グラフィックカード CPU内蔵(インテルHDグラフィックス 3000)またはNVIDIA GeForce GT 420(1GB)を選択可能です。本機はCPU内蔵です。 |
メモリ PC3-10600のメモリを搭載可能です。本機は4GBです。 |
ハードディスク 500GB~1.5GBまでのHDDを搭載可能です。本機は500GBです。中身はWD5000AAKX-753CA1でした。 |
光学ドライブ DVDスーパーマルチを搭載しています。それ以外の光学ドライブは選択できません。 |
電源 300W電源です。 |
拡張性 PCI Express x16が1ポート、PCI Express x1が3ポート空いています。 |
特徴1 - 価格が安い
Inspiron 620は、非常に価格の安いパソコンです。
Core i3-2100、4Gメモリ、500GBハードディスクという構成で、他社のエントリー向けPCと比較してみたところ、本機が最も安かったです。ただし、構成や時期によって価格は変わりますのでご注意ください。
また、これらの性能・価格以外にも、各PCはそれぞれメリット・デメリットがあることもご了承ください。例えば、HPとマウスはCore i7やSSDを選択できます。マウスはUSB3.0ポートも標準搭載です。
仕様 | DELL Inspiron 620 |
HP Pavilion Desktop PC p7-1020jp/CT |
マウスコンピューター LUV MACHINES Lm-i733E |
---|---|---|---|
CPU | Core i3-2100 | Core i3-2100 | Core i3-2100 |
チップセット | H61 | H61 | H61 |
メモリ | 4GB | 4GB | 4GB |
ハードディスク | 500GB | 500GB | 500GB |
電源 | 300W | 300W | 350W |
PCI Express x16スロット | 1つ | 1つ | 1つ |
PCI Express x1スロット | 3つ | 3つ | 3つ |
価格 | 49,800円 | 63,945円 | 52,080円 |
特徴2 - 高い拡張性
Inspiron 620は、PCI Express x16が1ポート、PCI Express x1が3ポート搭載しており、拡張性は高いです。また増設も簡単でネジを使わずに作業できます。ただし、電源が300Wと高いわけではないので、高性能なグラフィックカードは搭載できません。
総合ベンチマーク - 普通
Core i3-2100を搭載したInspiron 620の各種ベンチマーク結果です。
Core i3-2100は、デスクトップ向け第2世代インテルCPUの中ではローエンドのモデルです。ローエンドでのCPUでも、Windowsエクスペリエンスインデックスのプロセッサのスコアは7.1、Passmark のCPUのスコアも4173と高い数値が出ています。Core i5やCore i7よりは性能がかなり落ちますが、このCPUでも大抵の作業は問題ないと思います。
Windows エクスペリエンス インデックス
CrystalMark 2004R3 ベンチ & PassMark Performance Test ベンチ
動画のエンコード時間のチェック - 普通
ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5
Core i3-2100を搭載したInspiron 620で、動画のエンコード時間を計測しました。使用ソフトは、 TMPGEnc Video Mastering Works 5 です。
クイック・シンク・ビデオに対応したCPUであるため、このときのエンコード時間も計測しました。
テストの結果は、x264でエンコードしたときが31分53秒、クイック・シンク・ビデオでエンコードしたときが11分46秒でした。
参考までに、Core i7-2600搭載のPCのエンコード時間も掲載します。
エントリー向けCPUのCore i3-2100でも十分速い時間でエンコードできますが、Core i7-2600と比較すると見劣りします。動画編集・エンコードをするなら、Core i7を選択できるXPS 8300のほうがいいと思います。
エンコード方法 | デル Inspiron 620 |
---|---|
Core i3-2100 | |
x264でエンコード | 31分53秒 |
GPGPU(クイック・シンク・ビデオ)でエンコード | 11分46秒 |
iPhone 4で視聴可能なMPEG-4 AVC(解像度:1280x720)へ変換
静音性のチェック
次は、本機の動作音の静かさ(静音性)をチェック結果です。
テストは下記の3つの状態のときに、騒音値を測定しました。
(1)アイドル時
(2)バイオハザード5ベンチマーク実行時(解像度:1280x720、テストA)
(3)TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時(x264、解像度1280x720でエンコード)
テストの結果は、(1)のアイドル状態のときは静かでしたが、(3)のエンコード時はややうるさかったです。
計測した騒音値は次の図の通りです。私の部屋を極力無音にしても40.4dBあり、この値を基準にすると(1)で+1.9dB、(2)で+3.7dB、(3)で+6.3dBでした。尚、無反響室で測定したわけではないので、騒音値は正確な値ではありません。値は参考程度にしてください。
Inspiron 620の騒音値
パーツの温度のチェック
CPUの温度を計測し、パーツが冷却できているかをチェックしました。あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。テストは上と同様に行いました。
テストの結果は、CPU温度はいずれの状態でも低い値でした。CPUはきちんと冷えていると思います。ただし、ケース本体を見るとフロントからの給気がほとんどないので、ハードディスクの冷却性はやや悪いと感じます。実際にハードディスクの温度も計測してみたところ、他のデスクトップPCは30~35℃くらいですが、本機は40℃以上ありました。
Inspiron 620 の内部温度。HWMonitorで測定
消費電力のチェック
Core i3-2100搭載の本機の消費電力をチェックしました。
テストの結果は、低い消費電力でした。Core i3-2100の消費電力は最大65Wであり、他のデスクトップ用CPUと比較すると消費電力が低いです。そのためPC全体の消費電力をワットチェッカーで計測した値も低かったです。尚、Inspiron 620はCore i5-2300も選択できますが、こちらのCPUは95Wであるため、消費電力はもっと高くなると思います。
Inspiron 620の消費電力。各状態においてワットチェッカーで測定