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Dell G5 15 スペシャルエディション(SE)の実機レビュー

CPU | Ryzen 5 4600H Ryzen 7 4800H |
---|---|
GPU | Radeon RX 5600M |
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 15.6型 |
液晶種類 | FHD 非光沢 60Hz FHD 非光沢 144Hz |
質量 | 2.5 kg |
バッテリー | 51Wh |
価格[税込] | 12万円台~ |
New Dell G5 15 スペシャルエディション(以下SE)は、Ryzen 4000シリーズおよびRadeon RX 5600Mを搭載し、AMDプロセッサー&グラフィックスで揃えたゲーミングノートです。
特にプロセッサーについては非常に高い性能で、CPUに負荷のかかる処理をする方に最適でしょう。
ゲームをしていると、しばしばPCが落ちるため、サポートに連絡し修理してもらいました。マザーボード、CPUファン、VGAファン、ヒートシンクを交換してもらい、落ちなくなりましたが、CPU温度は以前として高いままでした。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 5 4600H、8GBメモリ、Radeon RX 5600M、512GB PCIe SSD
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目次
お忙しい方は、「Dell G5 15 SEの特徴」のみお読みください。
New Dell G5 15 SEの特徴
AMDパーツで固めたゲーミングPC
Dell G5 15 SEは、AMDのプロセッサーに、AMDのグラフィックスを搭載したゲーミングノートPCです。プロセッサーには最新の第3世代Ryzen 4000 Hシリーズを、グラフィックスにはRadeon RX 5600Mを搭載しています。

特にプロセッサーに関しては、Ryzen 5 4600HまたはRyzen 7 4800Hを搭載し、非常に高いパフォーマンスです。Ryzen 5 4600Hでも、マルチコアならCore i7-10750Hを超えるベンチマークスコアです。
ただし、シングルコアのベンチマークスコアについては、低くはないですが高いわけでもないため、ゲーム性能はそこまで高いわけでもありません。
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
高くはないが安くもない
本製品は、最も安いモデルの場合、Ryzen 5 4600H、8GBメモリ、512GB SSDの構成で、127,483円となっています。本製品よりもスペックの高いASUS TUF Gaming A15が、Ryzen 7 4800H、GeForce GTX 1660Tiの構成で、126,182円(税別)であることを考えると、それほど安くはありません。
ゲームベンチマーク
以下にゲームのベンチマークスコアおよびフレームレートを掲載します。目安として、おおよそ60 fpsを超えていれば、快適に動作すると思って下さい。
後述する3D Markのベンチマークスコアは、GeForce RTX 2060並みの性能がありますが、実際のゲームでは、GeForce GTX 1660Ti Max-QとGTX 1650Tiの間くらいの性能です。高めのグラフィック設定でも60fps出るゲームが多いでしょう。ただ、本製品は144Hz液晶のモデルもありますが、144 fps近く出すには、グラフィック設定を低めにしても難しいゲームが多いかなと思います。
![]() 重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
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1920x1080 | 軽量品質 | 9333 / 93 fps |
標準品質 | 7455 / 74 fps | |
高品質 | 4895 / 48 fps |
![]() 重い部類のゲーム
ボーダーランズ3
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1920x1080 | 低 | 101 fps |
高 | 56 fps | |
バッドアス | 40 fps |
![]() 中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
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1920x1080 | 標準(ノート) | 12941 / 107 fps |
高(ノート) | 11925 / 92 fps | |
最高品質 | 10695 / 77 fps |
![]() 中程度の重さのゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
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---|---|---|
1920x1080 | 非常に低い | 122 fps |
中 | 109 fps | |
ウルトラ | 89 fps |
![]() 軽い部類のゲーム
フォートナイト
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---|---|---|
1920x1080 | 低設定 | 122 fps |
高設定 | 98 fps | |
最高設定 | 78 fps |
![]() 軽い部類のゲーム
Apex Legends
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---|---|---|
1920x1080 | 高設定 | 88 fps |
![]() 軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
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---|---|---|
1920x1080 | 最高品質 | 7939(とても快適) |
※表示しているのは平均フレームレートです
※グラフは、ノート用グラフィックスのみで比較しています
※緑色のバーが、本製品で選べるグラフィックスです
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
ディスプレイのチェック
ディスプレイのチェックです。
パネルの型番は、Dell G3 15(3500)と同じ「T1WD3 NV15N3D」です。液晶の詳細は、下のリンク先をご覧ください。
Dell G3 15(3500) - ディスプレイのチェック
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、どの色も1:1の直線に近く、自然な発色であることが分かります。

視野角は良いです。

画素形状です。ギラつきはそれほど感じません。

非光沢液晶ですので、映り込みは低減されています。

下図のように輝度100%でもフリッカーが発生しています。肉眼ではわからないと思いますが、長時間画面を見続けていると、人によっては眼が疲れるかもしれません。

※カメラのシャッタースピードを1/2000秒にして撮影したときの画面
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
Dell Gシリーズのキーボードは、ゲーミングノートにしては簡素な作りになっています。
実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18mm、キーストロークは約1.5mmです。1つの枠に複数のキーが入っている箇所があり、見た目が悪く、一部のキーは一般的なノートPCよりもやや小さくなっています。実際に打つと、「Backspace」のタイプミスが多かったです。キーボードバックライトは搭載しています。


パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
Ryzen 4000シリーズを搭載しており、非常に高い性能です。
~ CPU性能の評価 ~

※[レビュー機で計測]と書かれていないCPUは、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
グラフィックスには、Radeon RX 5600Mを搭載しています。下のグラフの通り、3DMark Time Spyのスコアは、GeForce RTX 2060と同じくらいとなっています。ただし、前述したように実際のゲームでのフレームレートは、GTX 1660Ti Max-QとGTX 1650Tiの間くらいになります。
~ グラフィックス性能の評価 ~

※[レビュー機で計測]と書かれていないグラフィックスは、他のPCで計測した代表値です
本製品のRadeon RX 5600Mのスペックは次の通りです。

ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しています。両方搭載してデュアルストレージにすることも可能です。
~ ストレージ性能の評価 ~

※[レビュー機で計測]と書かれていないストレージは、他のPCで計測した代表値です
SDカードスロット
SDカードスロットの速度は遅いです。
~ SDカードスロット性能の評価 ~

クリエイターソフトの処理時間
以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。
遅くはないですが、GeForce GTXシリーズを搭載したノートPCと比べると、速くはないです。
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
※[レビュー機で計測]と書かれていないものは、他のPCで計測した代表値です
こちらは非常に速いです。
エンコード時間 | |
x265でエンコード (※1) | 13分31秒 |
QSVでエンコード (※2) | ― |
VCEでエンコード (※3) | 1分12秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※3 AMD APU内蔵のハードウェアエンコーダー(AMD Media SDK)
CPUクロックは安定しておらず、かなり上下しています。

バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は51Whです。当サイトの計測値は下表の通りで、やや短めの駆動時間です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0測定方法 | ― |
(2) 動画再生時 | 4時間36分 |
(3) PCMark 8 Work テスト | ― |
(4) PCMark 10 Battery (Gaming) | 1時間5分 |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
(4) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
"普通~やや高め"の動作音です。

部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
左から3番目:FF14 紅蓮ベンチマーク ループ実行 60fpsに制限(標準品質(デスク)、1920x1080)
左から4番目:FF14 紅蓮ベンチマーク ループ実行 60fps制限なし(最高品質、1920x1080)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。ここでは、エンコード時とFF XIVベンチ(fps制限なし)実行時の温度を掲載します。
エンコード時のCPU温度の詳細
CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時は、CPU温度が100℃まで達しており非常に高いです。

FF XIVベンチ(fps制限なし)実行時のGPU温度の詳細
下図は、FF XIVベンチマーク(fps制限なし)実行時のCPUおよびGPU温度の詳細です。GPU温度は80℃前後ですが、CPU温度は100℃を超えることがあり、高い温度です。


表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
キーボード面、右パームレスト部分が熱く感じます。ゲーム中はやや不快です。また、背面からの排気熱が、液晶部分に当たって、かなり熱くなっているのが分かります。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
一般向けのノートPCと比較すると、高い消費電力です。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
外観のチェックです。
液晶ベゼルやパームレスト部分はブラックのカラーです。

天板はシルバーっぽい色ですが、ラメっぽいものが入っており、光の加減で虹色に輝きます。特にロゴ部分が、角度によって色鮮やかに変化します。


スピーカーは、最大音量は大きいですが、音質は普通です。ノートPC基準で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

液晶が開く最大の角度です。

左右のインターフェースです。DP、HDMI、LAN、USB-C、フルサイズSDカードスロットなど主要なものは揃っています。


底面です。吸気口はゲーミングノートにしてはやや小さめです。

底面カバーを開けたときの画像です。カバーの開けやすさは普通です。2つのファンでCPUとGPUを冷却していますが、排気は背面からのみ行われます。

メモリスロットは2つあり、DDR4-3200のメモリが搭載されています。

搭載されたM.2 SSDは、長さが30mmですが、一般的な80mmのものへも換装できると思います。なお、シリコンパッドとヒートシンクも取り付けられていました。また、空きのM.2スロットがあるので、増設もできると思います。

ボディに「For 7mm HDD」という文字がありますが、マウンターもケーブルも付属していないので、増設は難しいかなと思います。

ACアダプターは大きいですが薄型なので収納はしやすいと思います。容量は240Wです。


まとめ
以上が、Dell G5 15 SEのレビューです。
Ryzen 4000シリーズのプロセッサーおよび、Radeon RX 5600Mを搭載し、AMDパーツで揃えたゲーミングノートです。プロセッサー性能の高い製品が欲しい方にいいでしょう。
グラフィックス性能は、3DMarkだとGeForce RTX 2060並みの性能がありますが、実際のゲームのフレームレートででは、GeForce GTX 1660Ti Max-QとGTX 1650Tiの間くらいの性能です。
デメリットとしては、Dell G5 15 SEの冷却性能ではRyzen 5 4600Hを冷やしきれず、エンコード処理を実行するとCPU温度が100℃に達します。
本製品よりもコスパの高いRyzen搭載ゲーミングノートはあるので、特にこの製品を選ぶ理由は見当たらないかなと思います。
AMDプロセッサー&グラフィックスのゲーミングノート
Dell G5 15 SE

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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