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デル ALIENWARE M17の実機レビュー

更新日:2019年4月1日
CPU Core i9-8950HK
Core i7-8750H
GPU RTX 2080 Max-Q
RTX 2070 Max-Q
RTX 2060 OC
RTX 2060
メモリ 8GB~32GB
ストレージ SSHD
PCIe SSD
PCIe SSD + SSHD
PCIe SSD x2 など
液晶サイズ 17.3型
液晶種類 FHD 非光沢
QHD 非光沢 120Hz
4K-UHD 非光沢 HDR
質量 約2.63kg
バッテリー 60Wh / 90Wh
価格[税別] 21万円台~
17.3型ゲーミングノートPCとしては薄型・軽量

ALIENWARE M17は、17.3型の大きな画面に、高性能グラフィックスを搭載可能なゲーミングノートPCです。

17.3型のゲーミングノートの割には、比較的薄型・軽量で、大画面高性能ノートPCを持ち運びたい方にもいい製品だと思います。

グラフィックスには、最大で「GeForce RTX 2080 Max-Q Design」を選択でき、CPUにも「Core i9」を選択可能。負荷の高いゲームだけでなく、動画編集ソフトや、DirectXを使った3D CGソフトを使う場合も、快適に作業できるでしょう。

また、液晶にはQHD 120Hz駆動パネルや、sRGBカバー率100%の4K UHDパネルを選択することができ、ゲーマーだけでなく、クリエイターにも適した液晶を選択可能です。

ただし、ALIENWAREシリーズとしては、キーストロークが浅く、nキーロールオーバーにも対応していないようです。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i9-8950HK、16GBメモリ、GeForce RTX 2080 Max-Q、256GB PCIe M.2 SSD、1TB SSHD

目次

お忙しい方は、「ALIENWARE M17の特徴」のみお読みください。

ALIENWARE M17の特徴

軽量・薄型で持ち運びが可能

ALIENWARE M17は、質量が約2.63kg、薄さが18.5~23.0mmと、17.3型液晶搭載の高性能ゲーミングノートPCとしては比較的軽量かつ薄型です。

15.6型のゲーミングノートなら2kgを切るような製品もあり、それと比較すると約2.63kgという質量は重いようにも感じますが、17.3型の液晶を搭載している点と、GeForce RTXシリーズのような、かなり性能の高いグラフィックスを搭載している点を考慮すれば、十分軽量化されていると思います。

大画面液晶に高性能グラフィックスを搭載したノートPCを持ち歩きたいという方には、ベストな製品でしょう。

軽量・薄型で持ち運びも十分視野に入れることができる

 

最大で、GeForce RTX 2080 Max-Q を選択可能

ALIENWARE M17は、最大で「GeForce RTX 2080 Max-Q Design」の高性能グラフィックスを選択することが可能です。18.5~23.0mmの薄さの筐体に、このグラフィックスを搭載できるのは優秀です。

GeForce GTX 10シリーズ世代のグラフィックスは、ノート用とデスクトップ用とで、性能はほとんど変わりませんでしたが、GeForce RTX 20シリーズ世代のグラフィックスは、ノート用のほうがクロックが低く、性能が低下します。さらに、今回は、電圧効率を抑えて動作する「Max-Q Design」仕様なので、Max-Q無しのノート用グラフィックスよりも性能が落ちます(下表参照)。

ノート用とデスクトップ用の比較
  [本製品]
ノート用
GeForce RTX 2080
Max-Q
ノート用
GeForce RTX 2080
デスクトップ用
GeForce RTX 2080
GPUアーキテクチャ Turing
CUDAコア 2944
定格クロック 990 MHz 1380 MHz 1515 MHz
ブーストクロック 1230 MHz 1590 MHz 1710 MHz
メモリタイプ GDDR6
メモリ容量 8GB
参照URL 参照URL 参照URL

 

どのくらい性能が違うかというと、本機に搭載されていたノート用GeForce RTX 2080 Max-Qは、デスクトップ用GeForce RTX 2080の7割程度の性能でした。ノート用RTX 2070と同程度の性能です。なお、他のRTX 2080 Max-Q搭載ゲーミングノートで計測した場合、スコアは大きく変わってくる可能性もある点は、ご了承下さい。

グラフィックス性能の比較
~ 3DMark Time Spy - Graphics score ~
デスクトップ用RTX 2080 10203
ノート用RTX 2080 9655
ノート用RTX 2080 Max-Q
[レビュー機で計測]
7594

 

最新の映像技術、リアルタイムレイトレーシングとDLSSに対応

RTX 20シリーズは高い性能のグラフィックスですが、その他の大きな特徴として、最新のグラフィックス技術の「リアルタイムレイトレーシング」と「DLSS」に対応している点も挙げられます。

リアルタイムレイトレーシングとは

車のボディや眼球、水面に映り込む炎や光の反射の映像表現

DLSS(Deep Learning Super-Sampling)とは

アンチエイリアス処理の1つで、Tensorコアによりディープラーニングを利用して処理実行。従来のTAAに比べ、効率良くジャギーを処理できる上、フレームレートも向上。

 

ここでは、「バトルフィールドV」をプレイし、リアルタイムレイトレーシングとDLSS機能を試して、平均フレームレートを計測してみました。計測方法にはシングルプレイヤーの「旗なき戦い」をプレイし、「低」「高」「最高」それぞれのプリセット設定でテストを行っています。

なお、バトルフィールドVのDirectX Raytracing(DXR)向けPC最低動作環境のメモリ欄には、12GBのRAMと記載されています。そのため、リアルタイムレイトレーシングを有効にしたいなら、これ以上(実質16GB以上)のメインメモリを搭載することをおすすめします。

テストを行ったグラフィックドライバのバージョンは「419.67」となります。バトルフィールドVにおいて、DXRとDLSSのパフォーマンス向上が見込める最新のドライバーとなっています。

GeForce RTX 2080 Max-Qでのフレームレート
中程度の重さのゲーム
バトルフィールドV
1920x1080 DXR オフ
150 fps
105 fps
最高 99 fps
DXR オン
93 fps (96 fps)
59 fps (62 fps)
最高 56 fps (58 fps)
3840×2160 DXR オフ
61 fps
47 fps
最高 45 fps
DXR オン 42 fps (49 fps)
17 fps (32 fps)
最高 16 fps (30 fps)
※ DXRはリアルタイムレイトレーシングのことです
※ 括弧内はDLSS有効時のフレームレートです

 

リアルタイムレイトレーシング無効でのフレームレートはかなり高いです。DXRを有効にするとフレームレートは半分以下になってしまいますが、それでもフルHD(1920x1080)解像度の「高」設定でも59fpsは出ます。ただ、他のRTXグラフィックスに比べて、DLSSを有効にした時のフレームレートの伸びが悪いのが気になります。4K(3840×2160)解像度では低設定でも平均フレームレートが60 fpsを超えないため、フルHD解像度でプレイするのがベストだと思います。

 

120Hz駆動液晶や4K液晶も選択可能、HDRにも対応

ALIENWARE M17は、フルHD液晶の他に、120HzのQHD液晶や4K UHD液晶も選択することができます。

QHD液晶は120HzのTNパネルなので、滑らかな映像で応答速度が速く、残像も少ないので、シューティングゲーム向けです。その分視野角は悪いです。

4K-UHDの場合は60Hz駆動ですが、視野角の良いIPSパネルで、sRGBカバー率が100%となっており、クリエイティブな仕事をする方におすすめです。

ALIENWARE M17で選べる液晶

フルHD(1920x1080) 60Hz 非光沢 IPS

QHD(2560x1440) 120Hz 非光沢 TN

4K-UHD(3840x2160) 60Hz 非光沢 IPS sRGB 100%色域 400 nit

 

また、4K-UHDの場合は、(メーカーサイトに記載はされていませんが)HDR(ハイダイナミックレンジ)にも対応していました。

4K UHD IPS液晶はHDRにも対応
バトルフィールドVのグラフィック設定画面

 

2方向から吸気/2方向へ排気し、強力にシステムを冷却

ALIENWARE M17は、底面と上部のベントから冷気を吸気し、背面と側面から排気をするデュアルインテーク、デュアルエキゾーストエアフロー設計になっています。また、ALIENWARE M17のグラフィックファンは、ALIENWARE M15のそれよりも、60%も大きいファンブレードを搭載しています。さらに、ヒートパイプは、8mmおよび6mmの専用/共有の銅混合ヒートパイプを配置しています。これらの工夫で、高い冷却性能を実現し、CPUのオーバークロックも可能にしています。

2方向から吸気し、2方向へ排気

 

キーボードはALIENWAREシリーズとしては安っぽい

ALIENWARE M17は、薄型・軽量をコンセプトに設計された製品であるため、キーボードの打ちやすさがやや犠牲になっています。

ストロークが約1.4mmと浅く、従来のALIENWAREの打ち心地の良さはありません。ごく普通のキーボードです。また、nキーロールオーバー(複数のキーを同時に押しても認識する機能)に対応しているといった記述もないので、あまりゲームには適していないキーボードです。

ALIENWARE M17のキーボード

 

PCIe M.2 SSDを2台搭載可能

ALIENWARE M17は、PCIe M.2 SSDを2台まで搭載することができます。データ用としても、ゲーム用としても、高速で優秀なのでおすすめです。後で増設することも可能です。

PCIe M.2 SSDは2台まで搭載可能

 

ゲームベンチマーク

GeForce RTX2080 Max-Qを搭載したALIENWARE M17で計測したゲームのベンチマークスコアを下の表に掲載します。4K解像度でも計測しています。目安として、おおよそ60 fpsを超えていれば、快適に動作すると思って下さい。

高性能なグラフィックスを搭載しているだけあって、フルHDなら、重い部類のゲームでも最高設定で60fpsをほぼ超えています。

ただし本機は、電圧効率を抑えて動作するMax-Qデザインなので、通常のグラフィックスと比較するとややスコアは低くなります。結果を見ると、通常のノート用GeForce RTX 2070と同程度のスコアでした。

4K液晶を搭載した本機ではなぜか、QHD (2560x1440)ではなく、2560x1600解像度しか選択できないゲームがほとんどで、ベンチマークは計測していませんが、QHD (2560x1440)でも、中程度の重さのゲームなら、快適に動作すると思います。

重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
1920x1080 軽量品質 12677 / 126 fps
標準品質 10407 / 104 fps
高品質 7901 / 79 fps
2560x1440 軽量品質 8965 / 90 fps
標準品質 7005 / 70 fps
高品質 5722 / 57 fps
3840×2160 軽量品質 5542 / 54 fps
標準品質 3966 / 39 fps
高品質 3368 / 33 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、高品質)
デスクトップ用RTX 2080Ti 120 fps
デスクトップ用RTX 2080 109 fps
デスクトップ用RTX 2070 94 fps
ノート用RTX 2080 93 fps
ノート用RTX 2070 80 fps
ノート用RTX 2080 Max-Q
[レビュー機で計測]
79 fps
デスクトップ用RTX 2060 79 fps
ノート用RTX 2060
64 fps
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
1920x1080 最低 109 fps
98 fps
最高 85 fps
3840×2160 最低 58 fps
39 fps
最高 30 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高)
デスクトップ用RTX 2080Ti 120 fps
デスクトップ用RTX 2080 113 fps
ノート用RTX 2080 100 fps
デスクトップ用RTX 2070 95 fps
ノート用RTX 2070 87 fps
ノート用RTX 2080 Max-Q
[レビュー機で計測]
85 fps
デスクトップ用RTX 2060 85 fps
ノート用RTX 2060 70 fps
重い部類のゲーム
ゴーストリコン ワイルドランズ
1920x1080 141 fps
99 fps
ウルトラ 58 fps
3840×2160 64 fps
43 fps
ウルトラ 28 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、ウルトラ)
デスクトップ用RTX 2080Ti 87 fps
デスクトップ用RTX 2080 77 fps
ノート用RTX 2080 70 fps
デスクトップ用RTX 2070 66 fps
ノート用RTX 2070 59 fps
ノート用RTX 2080 Max-Q
[レビュー機で計測]
58 fps
デスクトップ用RTX 2060 58 fps
ノート用RTX 2060 49 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 紅蓮のリベレーター
1920x1080 標準(ノート) 16008 / 120 fps
高(ノート) 15220 / 112 fps
最高品質 14314 / 102 fps
3840×2160 標準(ノート) 11601 / 80 fps
高(ノート) 9277 / 62 fps
最高品質 6250 / 41 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高品質)
デスクトップ用RTX 2080Ti 140 fps
デスクトップ用RTX 2080 131 fps
デスクトップ用RTX 2070 120 fps
ノート用RTX 2080 113 fps
デスクトップ用RTX 2060 111 fps
ノート用RTX 2070 103 fps
ノート用RTX 2080 Max-Q
[レビュー機で計測]
102 fps
ノート用RTX 2060 94 fps
中程度の重さのゲーム
ファークライ 5
1920x1080 低品質 111 fps
高品質 98 fps
最高品質 91 fps
3840×2160 低品質 52 fps
高品質 43 fps
最高品質 41 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高品質)
デスクトップ用RTX 2080Ti 117 fps
デスクトップ用RTX 2080 116 fps
デスクトップ用RTX 2070 112 fps
デスクトップ用RTX 2060 100 fps
ノート用RTX 2080 96 fps
ノート用RTX 2080 Max-Q
[レビュー機で計測]
91 fps
ノート用RTX 2070 88 fps
ノート用RTX 2060 82 fps
中程度の重さのゲーム
ファークライ ニュードーン
1920x1080 低品質 100 fps
高品質 89 fps
最高品質 81 fps
3840×2160 低品質 52 fps
高品質 45 fps
最高品質 43 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高品質)
デスクトップ用RTX 2080Ti 100 fps
デスクトップ用RTX 2080 100 fps
デスクトップ用RTX 2070 98 fps
デスクトップ用RTX 2060 94 fps
ノート用RTX 2080 83 fps
ノート用RTX 2080 Max-Q
[レビュー機で計測]
81 fps
ノート用RTX 2070 78 fps
ノート用RTX 2060 74 fps
軽い部類のゲーム
モンスターハンターフロンティア 第三弾(大討伐)
1920x1080 46222
3840×2160 14137
※約6000で60fps
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
1920x1080 最高品質 20654(すごく快適)
3840×2160 最高品質 14603(すごく快適)
※約5500で60fps

 

本製品のGeForce RTX2080 Max-Qのスペックは次の通りです。通常のノート用GeForce RTX2080と比較すると、GPU ClockやBoost Clockがやや低めになっています。そのため、スコアもやや低めになります。

本製品のグラフィックカードのスペック
GeForce RTX2080 Max-Q
[参考]ノート用GeForce RTX2080

 

上に掲載した以外のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。

 

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイの詳細なチェックです。

液晶はいくつか選択肢がありますが、今回は、4K-UHD液晶の特性を掲載します。

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

 

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、中間部がやや盛り上がっています。このことから、中間部がやや暗めの発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

 

色域はノートパソコンとしては広めです。メーカー仕様値ではAdobe RGBカバー率が100%となっており、当サイトの計測でも100%ありました。またAdobe RGB比は142%もありました。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

 

画素形状です。ギラつきは特に感じません。

画面拡大

 

非光沢液晶ですので、映り込みは低減されています。

画面への映り込み

 

少し輝度を下げて(正確には覚えておらず申し訳ないですが輝度設定60%くらい)撮影した限りでは、フリッカーはありませんでした。

フリッカーのテスト
※カメラのシャッタースピードを1/800秒にして撮影したときの画面

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

上でも記載しましたが、従来のALIENWAREシリーズのキーボードは打ちやすかったですが、本製品は普通の打ち心地です。ボディを薄型化するためだと思いますが、キーストロークが浅くなり、キートップもほぼフラットになっています。薄型化に対応するとしても、宇宙最強を名乗るALIENWAREシリーズであれば、このInspironのようなキーボードではなく、もう少し工夫されたキーボードにして欲しかったです。

実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:18mmです。キーストロークはメーカー公表値では約1.4mmとなっています。

「Enter」と「Backspace」キーの幅が狭いのも気になります。

パームレストが柔らかみのあるマットな素材である点はいいと思います。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

タッチパッドの操作性は普通です。

タッチパッド

 

プリインストールされている「Alienware Command Center」からゾーンごとに色を変えたり、パターンで点灯させることができます。輝度は100段階で細かい調整ができます。

キーボードバックライト
キーボードバックライト

 

プリインストールされている「Alienware Command Center」から、キーボードバックライトや天板とキーボードの上のALIENWAREのロゴマークの色を変更できます。マクロ設定機能も備わっています。

Alienware Command Center

 

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

CPU

CPUには、ゲーミングノートPCとしては主流のCore i7-8750Hと、より高性能なCore i9-8950HKを搭載できます。

CPU性能の目安
~ CINEBENCH R15 マルチコア ~
Core i9-8950HK
[レビュー機で計測]
1231
Core i7-8750H
[他のPCで計測]
1100
Core i5-8300H 830
Core i7-8565U 602
Core i7-8550U 580
Core i5-8265U 542
Core i5-8250U 536
Core i3-8145U 340
Core i3-8130U 313
Celeron N4100 229
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です

 

グラフィックス

グラフィックスにはRTX 2080 Max-Q、RTX 2070 Max-Q、RTX 2060 OC、RTX 2060の4種類の中から選択可能です。RTX 2060 OC(オーバークロック)は、他の機種を含めて使ったことがないので、予想値を掲載しています。

グラフィックス性能の目安
~ 3DMark Time Spy - Graphics score ~
RTX 2080Ti 12388
RTX 2080 10230
ノート用RTX 2080 9655
RTX 2070 8605
ノート用RTX 2070 7596
ノート用RTX 2080 Max-Q
[レビュー機で計測]
7594
RTX 2060 7417
ノート用RTX 2070 Max-Q 6533
ノート用RTX 2060 OC 5900くらい (予想)
ノート用RTX 2060 5789
ノート用GTX 1070 5521
ノート用GTX 1060 3633
ノート用GTX 1050Ti 2201
ノート用GTX 1050 1689
※緑色のバーが、本製品で選べるグラフィックスです
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
※「ノート用」と書かれていないものはデスクトップPCで計測したスコアです

 

ストレージ

ストレージは、下図のように、様々なものを選択可能です。512GB PCIe SSD等を搭載し、空きスロットには自分で増設するのもいいと思います。

選択できるストレージ

 

本機で計測したベンチマーク

以下、レビュー機で計測したベンチマーク結果を掲載します。

CINEBENCH R15
~ CPU性能の評価 ~
Core i9-8950HK
CINEBENCH R20
~ CPU性能の評価 ~
Core i9-8950HK
PassMark Performance Test 9.0
~ CPU性能の評価 ~
Core i9-8950HK
3DMark
~ グラフィックス(ゲーム向け)の評価 ~



GeForce RTX 2080 Max-Q
3DMark
~ グラフィックス(DirectX Raytracing)の評価 ~
GeForce RTX 2080 Max-Q
SPECviewperf 13
~ グラフィック(プロフェッショナル向け)性能の評価 ~
GeForce RTX 2080 Max-Q
CrystalDiskMark 6(SSD)
~ 内蔵ストレージ性能の評価 ~
256GB PCIe M.2 SSD

 

実際のソフトで計測した処理時間

次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。いずれも高速です。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間
Core i7-8700
32GBメモリ
71秒
Core i9-8950HK
16GBメモリ
[レビュー機で計測]
83秒
Core i7-8750H
16GBメモリ
94秒
Core i7-8650U
16GBメモリ
129秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測。
※「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください。
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間
Core i7-8750H
RTX 2060
76秒
Core i9-8950HK
RTX 2080 Max-Q
[レビュー機で計測]
77秒
Core i7-8750H
GTX 1070
91秒
Core i7-8750H
GTX 1060
122秒
Core i7-8750H
GTX 1050Ti Max-Q
135秒
Core i7-8750H
GeForce MX150
195秒
Core i7-8650U
Intel UHD 620
593秒
※ 4K動画(約2分)に、「テキスト(ブラー付)」+「RGBカーブ補正」+「シャープ」+「自然な彩度」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 1080p HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるエンコード時間
  エンコード時間
x265でエンコード (※1) 14分38秒
NVENCでエンコード (※2) 1分00秒
QSVでエンコード (※3) 2分58秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
x265でのエンコード時間
Core i7-8700 12分27秒
Core i9-8950HK
[レビュー機で計測]
14分38秒
Core i7-8750H 16分40秒
Core i5-8265U 32分07秒
Core i3-8130U 45分24秒
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
x265でエンコード時間中のCPUクロック

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーサイトには「約2.63kg」とあります。当サイトで計測した質量は2.798kgでメーカー仕様値よりも少し重い数値でした。ACアダプターは約1kgあるので重いです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 2.798kg
ACアダプター 1.005kg

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

本機のバッテリー容量は60Whです。普通の容量だと思います。

バッテリー容量

 

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。高性能な分、GPUの消費電力がかなり大きいので、ゲームをした場合の駆動時間は1時間ほどです。

バッテリー駆動時間の計測結果(当サイトによる実測値)
  駆動時間
動画再生時 ※1 3時間22分
PCMark 8 Work テスト ※2 1時間53分
FF14 ベンチ ループ実行 ※3 1時間00分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
※1 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 標準設定・フルHDで実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限

 

 


 

 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時は普通の動作音です。それ以外はやや高めです。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
左から3番目:FF14 紅蓮ベンチマーク ループ実行 60fpsに制限(標準品質(デスク)、1920x1080)
左から4番目:FF14 紅蓮ベンチマーク ループ実行 60fps制限なし(最高品質、1920x1080)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

CPU温度は、エンコード時がやや高めです。GPU温度に関しては普通です。

各パーツの温度
測定環境:室内温度 約26℃、 測定ソフト:HWMonitor
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※FF14ベンチ実行時の温度は、温度が高めになる最後のシーン

 

エンコード時の温度の詳細

下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。ターボブースト時は100℃近く、ターボブースト後の持続可能状態では90度前後で推移しています。

CPU温度
x265でエンコード中のCPU温度

 

FF XIVベンチ(fps制限なし)実行時の温度の詳細

下図は、グラフィックスに負荷がかかるFF XIVベンチマーク(fps制限なし)実行時のGPU温度の詳細です。

負荷が高くなるベンチマークの後半でも、70℃台に収まっており、問題ない温度です。

GPU(グラフィックス)温度
FF XIVベンチ(最高品質、fps制限なし)実行中のGPU温度

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

表面温度はそれほど上がりません。ゲーム中は、キーボード中央部分がやや熱いですが、常時手が触れるパームレスト部分は熱くないので、それほど気にはなりません。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

高性能グラフィックス&CPU、17.3型の大きめの液晶を搭載していることで、消費電力は高めです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

外観のチェック

ALIENWARE M17の外観のチェックです。

全体的にマットなブラックでボディのLEDも減り、スリムで落ち着いたデザインになりました。ボディにはマグネシウム合金を採用し軽量化しつつ、高級感のある見た目です。


 

天板です。「エピックシルバー」と「ネビュラレッド」のカラーが用意されていますが、今回掲載しているのは後者のカラーです。なお、「ネビュラレッド」は4K液晶を搭載した場合のみ選択可能です。

 

天板のALIENWAREマークはLEDが点灯し、「Alienware Command Center」から色を変更することができます。

 

電源ボタンであるALIENWAREマークもLEDが点灯し、色を変更することができます。

 

スピーカーは底面にあり、ややこもった感じはするものの、音質は比較的良く、勝手に点数をつけると、10点満点で6~7点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。ただし、タイピング中は、腕がスピーカーを覆ってしまうため、よりこもった音になってしまいます。

 

インターフェースは、次の通りです。映像出力ポートは揃っていますが、光学ドライブやSDカードリーダーなどは搭載していません。背面には、HDMI、Mini-Display Port、Thunderbolt 3を備えており、いずれも外部ディスプレイへの出力が可能です。有線LANは、Killer ギガビット・イーサネット E2500です。

 

液晶が開く最大の角度です。割と開きます。

 

底面です。

 

底面カバーを開けたときの画像です。大きい2つのファンが高い冷却性能を実現しています。

 

今回搭載されていたPCIe M.2 SSDです。2台まで搭載できます。

 

今回搭載されていたメモリです。2スロットあります。

 

今回搭載されていたSSHDです。

 

ACアダプターは大きいですが、薄いです。重量はあるものの、鞄には入れやすいと思います。


 

ACアダプターの詳細は以下の通りで、240Wです。

 

まとめ

以上が、ALIENWARE M17のレビューです。

17.3型のゲーミングノートPCとしては薄型・軽量のボディです。約2.63kgの質量は非常に軽いとは言いませんが、大画面液晶に高性能グラフィックスを搭載していることを考慮すると、軽量化されていると思います。ACアダプターも薄いので、持ち運ぶことも視野に入れることのできる製品です。

グラフィックスについては最大で「GeForce RTX 2080 Max-Q」を選択でき、CPUについては最大でCore i9、ストレージについてはPCIe SSD x2を選択でき、高速で、処理性能は非常に高いです。

液晶はQHD 120Hz駆動パネルや、sRGBカバー率100%の4K液晶を選択できる点が特徴です。4K液晶はHDRにも対応していました。

キーボードについては、ゲーミングには不向きで、ALIENWAREシリーズとしては、物足りなさを感じます。

広色域の4K液晶を選択できる点や、キーボードにこだわっていない点を見ると、クリエイターへの適性が高い製品かなと思います。

17.3型ゲーミングノートPCとしては薄型・軽量

デル ALIENWARE M17

特徴

  • 最大で「GeForce RTX 2080 Max-Q」を選択可能
  • 4K、sRGBカバー率100%、HDR対応パネルを選択可能
  • QHD 120Hz駆動の高リフレッシュレートパネルもあり
  • 17.3型のゲーミングノートPCとしては薄型・軽量

こんなあなたに

  • 持ち運びも可能な高性能ゲーミングノートPCが欲しい方
  • 動画編集、DirectXを使った3D CG制作などを行う方
  • 価格21万円台[税別]~
  • 一言キーボードだけ残念
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