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デル Inspiron 24 5000 (5475) の実機レビュー

更新日:2017年8月2日
CPU A10-9700E
A12-9800E
GPU APU内蔵
Radeon RX560
メモリ 8 / 16GB
ストレージ HDD / SSD
液晶サイズ 23.8型ワイド
液晶種類 FHD 広視野角 非光沢
価格 9万円台~

10万円以下でも性能十分

Inspiron 24 5000は、AMD APUを搭載し、最小構成ならば10万円以下で購入可能な液晶一体型PCです。

安いにも関わらず、23.8型の広視野角な非光沢液晶を搭載し、メモリは8GB、ストレージは1TBと十分なスペックです。

また、安価なPCの割には、音質も良く、Waves MaxxAudio Proと合わせて、バランスの良い音を奏でます。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

A10-9700E、8GBメモリ、1TB HDD

目次

特徴1 - 10万円以下の液晶一体型PC

Inspiron 24 5000は、最小構成時なら10万円以下(税抜)で購入できる液晶一体型PCです。

最小構成時でも、A10-9700E、8GBメモリ、1TB HDDというパーツに、23.8型広視野角液晶を搭載しており、一般的なユーザーの用途なら十分使えるスペックです。

なお、デルはクーポンが発行されていることが多く、クーポンを使用すれば、税込みでも10万円以下で購入できることもあります。

特徴2 - 液晶フレームが狭く省スペース

Inspiron 24 5000は、流行りの幅の狭い液晶フレームを採用しており、見た目がスタイリッシュで、省スペースです。

最近発売される液晶ディスプレイおよび液晶一体型PCは、ほとんどが狭い液晶フレームで、このフレームじゃない製品は古臭さを感じるまでになりました。本製品は安価でも、新しさを感じるデザインです。

スタンドや、付属のキーボード、マウスはホワイトのカラーで清潔感があり、リビングなどに置いても良いと思います。


狭い液晶フレーム液晶でスタイリッシュな見た目

特徴3 - タッチ液晶あり

Inspiron 24 5000は、タッチ対応液晶と、非タッチ液晶があります。

タッチ液晶を搭載したモデルの場合、下図のように液晶をかなり傾けることが可能で、タッチしやすくなります。

非タッチ液晶を搭載したモデルは、このようには傾きません。スタンドは固定されており、チルトが少しできる程度です。非タッチ液晶のスタンドの画像については、このページの後半をご覧ください。


タッチ液晶モデルの場合のみ、上図のように傾けられる

特徴4 - インテルCPUではなく、AMD APU を搭載

Inspiron 24 5000は、インテルCPUではなく、AMD APUを搭載しています。

具体的には、A10-9700E または A12-9800E を搭載しており、インテルCPUと性能を比較すると、ノートパソコン用のCore i5と同等適度の性能です。デスクトップPCとしてはそこまで高い性能ではありませんが、ネット閲覧やOfficeの作業、動画鑑賞などをする程度なら快適に行えます。ただし、編集系の作業をする場合は性能不足に感じるかもしれません。

A12-9800EのほうがA10-9700Eより上位のCPUなのですが、なぜかPassMarkのCPU Mark スコアはA10-9700Eのほうが良かったです。たまたまかもしれませんが、どちらもそれほど差はないと思っていいでしょう。


CPU性能の比較と選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません

特徴5 - Radeon RX 560を搭載可能

Inspiron 24 5000のグラフィックスは、APU内蔵グラフィックス(Radeon R7)か、外部GPUのRadeon RX 560となります。

Radeon RX 560の場合、低めのグラフィック性能にすれば、ゲームもできる性能ではありますが、A12-9800EのCPU性能だと、Radeon RX 560を積んでも、その性能を十分に発揮できない可能性があります(今回、RX 560は非搭載であるため未検証)。

APU内蔵のグラフィックスはゲーム向きではありません。


グラフィックスの性能と選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません

特徴6 - 音質もなかなかいい

Inspiron 24 5000は、音質はなかなか良いです。

まず、スピーカーはフロント側に配置され、顔に正対しており、音が直接耳に届きます。


フロント側の下部に配置されたスピーカー

 

また、デルのパソコンには、「Waves MaxxAudio Pro」がインストールされており、スピーカーの性能任せに音を出しっぱなしにするのではなく、「聞きやすい音」に調整されて音声が出力されています。具体的には、PC内蔵マイクで環境ノイズを捕捉し、ノイズキャンセリング調整をリアルタイムで行うなどしています。

また、Inspiron 24 5000は、Inspiron 27 7000のようにサブウーファーを搭載してはいません。しかし、「Waves MaxxAudio Pro」によって、一般的なパソコン内蔵スピーカーでは再生できない低音域を、あたかも鳴っているかのようにすることが可能です。

なお、デルの個人向けパソコンのほとんどに、この「Waves MaxxAudio Pro」がインストールされていますが、このような調整を、製品ごとに一つ一つ個別に、最適に施しています。


音を最適に調整して出力するWAVES MaxxAudio Pro

 

実際に好きな楽曲を聞いてみると、重低音が効いたロックの場合、Inspiron 27 7000ほど体の底に響くような迫力はありませんが、サブウーファーが無い割にはベースやドラム音が聞こえ迫力がありました。また、全体的にバランスが取れており、豊かな表現力のあるサウンドだと感じました。ただし、音に関しては感じ方に個人差があるため、人によっては重低音がうるさい、高音の伸びが足りないなど、感じる方もいると思います。「Waves MaxxAudio Pro」はイコライザーも用意されているため、自分好みに音を調整することも可能です。

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイのチェックです。

視野角は広いです。


視野角(斜めから見たときの見やすさ)

 

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、明部になるに従い赤と緑がやや強めの画面(やや暖かい印象の発色)になっていることがわかります。ただし、強く協調されているわけではないため、十分見やすい液晶だと思います。



※見方の詳細については、miyahan.com様、DOS/V Power Report様のページをご確認ください

 

色域は、24型クラスの液晶としては普通だと思います。一般的なノートパソコンの色域よりは広いため、普段安いノートPCを使っている方は鮮やかに見えると思います。


ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

 

非光沢液晶ですので、画面への映り込みは低減されています。


画面の映り込み

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

十分なキーピッチ、ストロークがあり、打ちやすいキーボードです。


キーボード全体図


キーの拡大図1


キーの拡大図2


キーの拡大図3

 

マウスの操作性は普通です。


マウス

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

CPU

前述の通りで、A10-9700EまたはA12-9800Eを選択可能で、インテルのノートPC用のCore i5(Uシリーズ)と同等性能です。

グラフィックス

前述の通りで、APU内蔵グラフィックスまたはRadeon RX 560です。RX 560であれば低グラフィック品質でゲームもできますが、CPUがボトルネックになって、高いフレームレートは出ないかもしれません。

ストレージ

HDDを搭載したモデルと、SSD+HDDのモデルがあります。HDDはノートPC用なので遅いです。できればSSD+HDDのモデルをおすすめします。

SSD+HDDのモデルにすると、CPUが上位のA12-9800Eになり、グラフィクスも上位のRadeon RX 560になってしまいます。もう少し柔軟にカスタマイズできると良かったと思います。ただ、SSD+HDDのモデルにしても、価格差は15,000円なので、SSDとRX 560が追加され、CPUも上位モデルになるなら、安いかなと思います。


ストレージの性能と選び方(筆者の独自判断)

本製品で計測したベンチマーク

本製品でのベンチマーク結果です。

PassMark Performance Test 9.0 CPU MARK
(CPU性能の評価)

A10-9700E
CINEBENCH R15
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)

A10-9700E、APU内蔵グラフィックス
3DMark
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)

A10-9700E、APU内蔵グラフィックス
TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
  A10-9700E
x265でエンコード (※1) 1時間1分51秒
NVENCでエンコード (※2)
QSVでエンコード (※3)
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
CrystalDiskMark
(ストレージの評価)

1TB HDD

 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

静音性のチェック

本機の動作音(静音性)のチェック結果です。

やや低めの動作音です。少し動作音はしますが、気になる方は少ないでしょう。


騒音値の計測結果
計測機器:リオン NL-42K、部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB

騒音値の計測結果

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

普段は、HWMonitorのソフトで計測していますが、今回このソフトではCPU温度を取得できなかったため、Core Tempのソフトで計測しています。

CPU温度はやや低めで、安心して使えます。


各パーツの温度の計測結果

測定環境:室内温度 約26℃、 測定ソフト:Core Temp
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※選択したCPUやGPUが異なるとパーツの温度は変わってきます

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

23.8型の液晶を搭載していることを考えると、やや低めの消費電力です。


外観のチェック

外観のチェックです。

 

下図の角度でチルト可能です。

 

背面です。スタンドには穴が開いており、ケーブル類を、ここに通して、まとめることができます。

 

背面のポート類です。HDMIは、入力と出力ポートを搭載しており、別のディスプレイをつなげてマルチ画面にすることもできますし、ゲーム機などをつなげてゲーム映像を出力することもできます。

USBは、USB3.1 x3、USB2.0 x2の他にUSB Type-Cポートも搭載されています。なお、付属の無線キーボードとマウスを使うために、PC本体に無線アダプターを接続する必要があるため、USBポートが1つ埋まります。

 

スタンドの内側には、オーディオライン出力、LAN、電源などがあります。LANは筆者が確認した限りでは、最大1Gbpsでした。

 

左側面には、SDカードスロット、USB3.1、ヘッドホン/マイクポートがあります。右側面には何もポート類はありません。光学ドライブが搭載されていない点は残念です。

 

電源ボタンは、液晶底面にあり見にくいです。手探りで押すことになると思いますが、慣れれば問題なく押せます。

 

本体下部に赤外線カメラが搭載されており、Windows Helloによる顔認証も可能です。

 

液晶の天面には排気口があります。塞がないように注意しましょう。

 

キーボードは本体下のスペースに収納することが可能です。

まとめ

以上が、Inspiron 24 5000 (5475)のレビューです。

AMD APUを搭載し、10万円以下(税抜)で購入可能なコストパフォーマンスの高い液晶一体型PCです。クーポンが発行されていれば、税込みで10万円以下で購入できることもあります。

安くても、23.8型の広視野角な非光沢液晶を搭載しており、画面が見やすいです。液晶フレームが狭く、省スペースで見た目もスッキリしています。

搭載されているAMD APUは、インテルのノートパソコン用のCore i5(Uシリーズ)と同じくらいの性能で、デスクトップPCとしては高い性能ではありませんが、ネット閲覧、Office作業、動画鑑賞程度の用途なら十分快適に動作します。

グラフィックスには、Radeon RX 560を搭載可能ですが、CPUがボトルネックになるかもしれません。

安価なPCでも音質はバランスが良く、聞き心地が良いです。

ただし、光学ドライブが搭載されていませんのでご注意下さい。

詳細・購入はこちら

【公式サイトはこちら】
公式サイトこちら

 

 

 

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