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デル Inspiron 24 5000 (5475) の実機レビュー
CPU | A10-9700E A12-9800E |
---|---|
GPU | APU内蔵 Radeon RX560 |
メモリ | 8 / 16GB |
ストレージ | HDD / SSD |
液晶サイズ | 23.8型ワイド |
液晶種類 | FHD 広視野角 非光沢 |
価格 | 9万円台~ |
10万円以下でも性能十分
Inspiron 24 5000は、AMD APUを搭載し、最小構成ならば10万円以下で購入可能な液晶一体型PCです。
安いにも関わらず、23.8型の広視野角な非光沢液晶を搭載し、メモリは8GB、ストレージは1TBと十分なスペックです。
また、安価なPCの割には、音質も良く、Waves MaxxAudio Proと合わせて、バランスの良い音を奏でます。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
A10-9700E、8GBメモリ、1TB HDD
目次
特徴1 - 10万円以下の液晶一体型PC
Inspiron 24 5000は、最小構成時なら10万円以下(税抜)で購入できる液晶一体型PCです。
最小構成時でも、A10-9700E、8GBメモリ、1TB HDDというパーツに、23.8型広視野角液晶を搭載しており、一般的なユーザーの用途なら十分使えるスペックです。
なお、デルはクーポンが発行されていることが多く、クーポンを使用すれば、税込みでも10万円以下で購入できることもあります。
特徴2 - 液晶フレームが狭く省スペース
Inspiron 24 5000は、流行りの幅の狭い液晶フレームを採用しており、見た目がスタイリッシュで、省スペースです。
最近発売される液晶ディスプレイおよび液晶一体型PCは、ほとんどが狭い液晶フレームで、このフレームじゃない製品は古臭さを感じるまでになりました。本製品は安価でも、新しさを感じるデザインです。
スタンドや、付属のキーボード、マウスはホワイトのカラーで清潔感があり、リビングなどに置いても良いと思います。
狭い液晶フレーム液晶でスタイリッシュな見た目
特徴3 - タッチ液晶あり
Inspiron 24 5000は、タッチ対応液晶と、非タッチ液晶があります。
タッチ液晶を搭載したモデルの場合、下図のように液晶をかなり傾けることが可能で、タッチしやすくなります。
非タッチ液晶を搭載したモデルは、このようには傾きません。スタンドは固定されており、チルトが少しできる程度です。非タッチ液晶のスタンドの画像については、このページの後半をご覧ください。
タッチ液晶モデルの場合のみ、上図のように傾けられる
特徴4 - インテルCPUではなく、AMD APU を搭載
Inspiron 24 5000は、インテルCPUではなく、AMD APUを搭載しています。
具体的には、A10-9700E または A12-9800E を搭載しており、インテルCPUと性能を比較すると、ノートパソコン用のCore i5と同等適度の性能です。デスクトップPCとしてはそこまで高い性能ではありませんが、ネット閲覧やOfficeの作業、動画鑑賞などをする程度なら快適に行えます。ただし、編集系の作業をする場合は性能不足に感じるかもしれません。
A12-9800EのほうがA10-9700Eより上位のCPUなのですが、なぜかPassMarkのCPU Mark スコアはA10-9700Eのほうが良かったです。たまたまかもしれませんが、どちらもそれほど差はないと思っていいでしょう。
CPU性能の比較と選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
特徴5 - Radeon RX 560を搭載可能
Inspiron 24 5000のグラフィックスは、APU内蔵グラフィックス(Radeon R7)か、外部GPUのRadeon RX 560となります。
Radeon RX 560の場合、低めのグラフィック性能にすれば、ゲームもできる性能ではありますが、A12-9800EのCPU性能だと、Radeon RX 560を積んでも、その性能を十分に発揮できない可能性があります(今回、RX 560は非搭載であるため未検証)。
APU内蔵のグラフィックスはゲーム向きではありません。
グラフィックスの性能と選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
特徴6 - 音質もなかなかいい
Inspiron 24 5000は、音質はなかなか良いです。
まず、スピーカーはフロント側に配置され、顔に正対しており、音が直接耳に届きます。
フロント側の下部に配置されたスピーカー
また、デルのパソコンには、「Waves MaxxAudio Pro」がインストールされており、スピーカーの性能任せに音を出しっぱなしにするのではなく、「聞きやすい音」に調整されて音声が出力されています。具体的には、PC内蔵マイクで環境ノイズを捕捉し、ノイズキャンセリング調整をリアルタイムで行うなどしています。
また、Inspiron 24 5000は、Inspiron 27 7000のようにサブウーファーを搭載してはいません。しかし、「Waves MaxxAudio Pro」によって、一般的なパソコン内蔵スピーカーでは再生できない低音域を、あたかも鳴っているかのようにすることが可能です。
なお、デルの個人向けパソコンのほとんどに、この「Waves MaxxAudio Pro」がインストールされていますが、このような調整を、製品ごとに一つ一つ個別に、最適に施しています。
音を最適に調整して出力するWAVES MaxxAudio Pro
実際に好きな楽曲を聞いてみると、重低音が効いたロックの場合、Inspiron 27 7000ほど体の底に響くような迫力はありませんが、サブウーファーが無い割にはベースやドラム音が聞こえ迫力がありました。また、全体的にバランスが取れており、豊かな表現力のあるサウンドだと感じました。ただし、音に関しては感じ方に個人差があるため、人によっては重低音がうるさい、高音の伸びが足りないなど、感じる方もいると思います。「Waves MaxxAudio Pro」はイコライザーも用意されているため、自分好みに音を調整することも可能です。
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
視野角は広いです。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、明部になるに従い赤と緑がやや強めの画面(やや暖かい印象の発色)になっていることがわかります。ただし、強く協調されているわけではないため、十分見やすい液晶だと思います。
色域は、24型クラスの液晶としては普通だと思います。一般的なノートパソコンの色域よりは広いため、普段安いノートPCを使っている方は鮮やかに見えると思います。
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
非光沢液晶ですので、画面への映り込みは低減されています。
画面の映り込み
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
十分なキーピッチ、ストロークがあり、打ちやすいキーボードです。
キーボード全体図
キーの拡大図1
キーの拡大図2
キーの拡大図3
マウスの操作性は普通です。
マウス
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
前述の通りで、A10-9700EまたはA12-9800Eを選択可能で、インテルのノートPC用のCore i5(Uシリーズ)と同等性能です。
グラフィックス
前述の通りで、APU内蔵グラフィックスまたはRadeon RX 560です。RX 560であれば低グラフィック品質でゲームもできますが、CPUがボトルネックになって、高いフレームレートは出ないかもしれません。
ストレージ
HDDを搭載したモデルと、SSD+HDDのモデルがあります。HDDはノートPC用なので遅いです。できればSSD+HDDのモデルをおすすめします。
SSD+HDDのモデルにすると、CPUが上位のA12-9800Eになり、グラフィクスも上位のRadeon RX 560になってしまいます。もう少し柔軟にカスタマイズできると良かったと思います。ただ、SSD+HDDのモデルにしても、価格差は15,000円なので、SSDとRX 560が追加され、CPUも上位モデルになるなら、安いかなと思います。
ストレージの性能と選び方(筆者の独自判断)
本製品で計測したベンチマーク
本製品でのベンチマーク結果です。
(CPU性能の評価)
A10-9700E
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)
A10-9700E、APU内蔵グラフィックス
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)
A10-9700E、APU内蔵グラフィックス
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
A10-9700E | |
---|---|
x265でエンコード (※1) | 1時間1分51秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― |
QSVでエンコード (※3) | ― |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
(ストレージの評価)
1TB HDD
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
本機の動作音(静音性)のチェック結果です。
やや低めの動作音です。少し動作音はしますが、気になる方は少ないでしょう。
騒音値の計測結果
計測機器:リオン NL-42K、部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
普段は、HWMonitorのソフトで計測していますが、今回このソフトではCPU温度を取得できなかったため、Core Tempのソフトで計測しています。
CPU温度はやや低めで、安心して使えます。
各パーツの温度の計測結果
測定環境:室内温度 約26℃、 測定ソフト:Core Temp
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※選択したCPUやGPUが異なるとパーツの温度は変わってきます
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
23.8型の液晶を搭載していることを考えると、やや低めの消費電力です。
外観のチェック
外観のチェックです。
下図の角度でチルト可能です。
背面です。スタンドには穴が開いており、ケーブル類を、ここに通して、まとめることができます。
背面のポート類です。HDMIは、入力と出力ポートを搭載しており、別のディスプレイをつなげてマルチ画面にすることもできますし、ゲーム機などをつなげてゲーム映像を出力することもできます。
USBは、USB3.1 x3、USB2.0 x2の他にUSB Type-Cポートも搭載されています。なお、付属の無線キーボードとマウスを使うために、PC本体に無線アダプターを接続する必要があるため、USBポートが1つ埋まります。
スタンドの内側には、オーディオライン出力、LAN、電源などがあります。LANは筆者が確認した限りでは、最大1Gbpsでした。
左側面には、SDカードスロット、USB3.1、ヘッドホン/マイクポートがあります。右側面には何もポート類はありません。光学ドライブが搭載されていない点は残念です。
電源ボタンは、液晶底面にあり見にくいです。手探りで押すことになると思いますが、慣れれば問題なく押せます。
本体下部に赤外線カメラが搭載されており、Windows Helloによる顔認証も可能です。
液晶の天面には排気口があります。塞がないように注意しましょう。
キーボードは本体下のスペースに収納することが可能です。
まとめ
以上が、Inspiron 24 5000 (5475)のレビューです。
AMD APUを搭載し、10万円以下(税抜)で購入可能なコストパフォーマンスの高い液晶一体型PCです。クーポンが発行されていれば、税込みで10万円以下で購入できることもあります。
安くても、23.8型の広視野角な非光沢液晶を搭載しており、画面が見やすいです。液晶フレームが狭く、省スペースで見た目もスッキリしています。
搭載されているAMD APUは、インテルのノートパソコン用のCore i5(Uシリーズ)と同じくらいの性能で、デスクトップPCとしては高い性能ではありませんが、ネット閲覧、Office作業、動画鑑賞程度の用途なら十分快適に動作します。
グラフィックスには、Radeon RX 560を搭載可能ですが、CPUがボトルネックになるかもしれません。
安価なPCでも音質はバランスが良く、聞き心地が良いです。
ただし、光学ドライブが搭載されていませんのでご注意下さい。
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