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ASUS Zenbook S 13 OLED UX5304MAの実機レビュー

更新日:
CPU Core Ultra 7 155U
メモリ 32GB LPDDR5x
ストレージ 1TB PCIe SSD
画面サイズ 13.3インチ
画面種類 2,880×1,800 OLED 光沢
質量 約1.0kg
バッテリー 最大 約19.0時間 (63Wh)
価格[税込] 23万円台
2.8K有機EL搭載の軽量・薄型ノートPC

Zenbook S 13 OLEDは、2.8K有機ELディスプレイを搭載したモバイルノートPCです。質量が約1.0kg、厚みが約11.8mmと軽くて薄いボディなので、とても持ち運びやすいです。

Core Ultra 7 155Uを搭載し、薄型ノートPCとしては十分な性能です。外出先で、美しい表示の有機ELディスプレイを生かして、ライトな画像・FHD動画の編集を行うこともできます。

公式サイト(購入ページ)はこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。一部部材は量産品と違う可能性があります。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core Ultra 7 155U、32GBメモリ、1TB SSD

 

目次

お忙しい方は、「ASUS Zenbook S 13 OLEDの特徴」のみお読みください。

 

製品の特徴

軽くて薄い13型モバイルノートPC

Zenbook S 13 OLEDは、質量が約1.0kg、ボディの厚みが約10.9~11.8mmと、軽くて薄いボディが特徴的な13.3型モバイルノートPCです。

約1.0kgと軽い
約10.9~11.8mmの薄型ボディ

 

最近のモバイルノートPCは薄型の物が多いですが、その中でも特に薄い方だと思います。メーカー調べですが、「13.3型有機ELディスプレイを搭載した同等機種としては世界最薄」というだけあります。

特に、ディスプレイ面を開いてみると、ボディの薄さが際立ちます。大きめのビジネスバックだけでなく、スリムタイプのカバンにもスッと入りますし、軽いので、カバンに入れて1日持ち運んでも苦にならないでしょう。

日常的に持ち歩きやすいモバイルノートPCが欲しい方に適した機種です。

ディスプレイ面を開くと薄さが際立つ

 

2.8Kの有機ELディスプレイを搭載

Zenbook S 13 OLEDは、画面比16:10、2.8K(2,880×1,800ドット)の13.3型有機ELディスプレイを搭載しています。有機ELが得意とする黒の表現力が高いことに加えて、色域が100% DCI-P3と広いので、画面の表示がとても美しいです。解像度も高く、一般のノートPCよりも、精細かつ、色鮮やかな表示で画像や動画を見たい方に適しています。

なお、光沢ディスプレイなので、周りの物や光が映り込みやすいです。非光沢ディスプレイが好みの方にとっては、やや残念な部分です。

2.8Kの有機ELディスプレイを搭載

 

安心して持ち出せる剛性の高いボディ

Zenbook S 13 OLEDは、上記のように軽くて薄いノートPCですが、シャーシにはアルミニウム素材、キーボード面にはマグネシウムアルミニウム合金素材を使用しており、剛性が高いです。米国軍用基準のMIL-STD-810Hに準拠したテストをクリアしており、耐久性にも優れているので、日常的に持ち運んで使うような用途でも安心です。

天板は、マットな感じで、手触りもいいです。また、ASUSのロゴマークのラインが入っており、見た目もかっこいいです。

剛性の高いボディ

 

ただし、ポンダーブルーという濃い色なので、手の皮脂や汚れなどがやや目立ってしまいます。人によっては、ここが少し気になるかもしれません。

手の皮脂や汚れがやや目立つ

 

Core Ultra 7 155Uを搭載

Zenbook S 13 OLEDは、インテル最新のCore Ultra 7 155Uを搭載しています。

PBP(プロセッサーベース電力):15Wのプロセッサーで、LP Eコアや、NPUを搭載することで、低負荷時の省電力性能や、AI処理性能がアップしています。

処理性能を測るベンチマークの結果は下のグラフの通りです。一般ノートPC向けのCore 5 120Uの代表的なスコアよりも少し低めの数値でした。Zenbook S 13 OLEDは薄型ノートPCなので、高めのCPU電力でパフォーマンスをぎりぎりまで引き出すような設定ではないようです。それでも、Core i7-1335Uを搭載した、Zenbook S 13 OLEDの別モデルの時よりも高いスコアが出ており、一般的な用途に快適に使用することができる処理性能を備えていることが分かります。

CINEBENCH R23(マルチコア)
Core Ultra 7 155H 14073
Core Ultra 5 125H 12239
Core i7-1360P 9720
Core Ultra 5 125U 9553
Core 5 120U 9317
Core Ultra 7 155U 8578 [本機器で計測]
Core i7-1355U 7577 [Zenbook S 13 OLED (UX5304VA)で計測]

 

次に、グラフィックス性能です。本機器のグラフィックスは、Core Ultra 7 155Uの内蔵グラフィックス「Intel Graphics」です。グラフィックス性能を測るベンチマークテストでは、Core Ultra 7 155Hの内蔵グラフィックス「Intel Arc GPU」ほどのスコアではありませんが、一般的なノートPCとしては十分な性能です。

3DMark Night Raid(Graphics score)
Core Ultra 7 155H
Intel Arc GPU
35888
Core Ultra 5 125H
Intel Arc GPU
35271
Core Ultra 7 155U
Intel Graphics
23114 [本機器で計測]
Core i7-1360P
メモリLPDDR5-4800
21897
Core i7-1355U
メモリLPDDR5-6400
20446 [Zenbook S 13 OLED (UX5304VA)で計測]
Core 5 120U
メモリLPDDR5X-5200
18333

 

さらに、LP Eコアを備えており、低負荷時の省電力性能がアップしていることもあり、バッテリー駆動時間も長めでした。また、NPUを搭載しているので、一般ノートPCよりもAI性能が高いです。今後、アプリ側の対応が進むと、AI機能を使った処理速度が速くなると思います。

 

Zenbook S 13 OLED UX5304VAとの比較

Zenbook S 13 OLED UX5304MAシリーズには、Core Ultra 7 155Uを搭載した本機器「Zenbook S 13 OLED UX5304MAと、第13世代Core搭載の「Zenbook S 13 OLED (UX5304VA)」というモデルがあります。

下表で、Zenbook S 13 OLED UX5304MAのそれぞれのモデルを簡単に比較しています。

第13世代Core搭載のZenbook S 13 OLED UX5304VAは、本機器と同じ2.8Kの有機ELディスプレイを搭載しながら、価格が安いです。もし、薄型のボディと、美しい表示の有機ELディスプレイに魅力を感じるものの、CPU性能にそれほどこだわらないのであれば、こちらのモデルを選んでもいいと思います。

一方、Core Ultra 7 155U搭載モデルは、薄型ノートPCの内蔵グラフィックスとしては少し高めの性能を備え、メモリやストレージの容量も大きいです。外出先でFHD動画のライトな編集を行いたい方や、AI性能が高い方が良い方は、こちらを選ぶといいです。

Zenbook S 13 OLED (UX5304VA)との比較
  Zenbook S 13 OLED
UX5304MA
Zenbook S 13 OLED
UX5304VA
CPU Core Ultra 7 155U Core i5-1335U
Core i7-1355U
GPU Intel Graphics Intel Iris Xe
メモリ 32GB 16GB
ストレージ 1TB SSD 512GB SSD
液晶 14型
2880x1800 OLED
価格[税込] 23万円台 15万円台~

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
十分な処理性能で、問題なく作業できます。
動画鑑賞 有機ELディスプレイを搭載し、色鮮やかな映像を楽しむことができます。スピーカーは最大音量が小さいですが、音質は普通です。
RAW現像
画像編集
100% DCI-P3の有機ELを搭載しており、画像編集系の作業にも使うことができます。ただし、処理速度はそれほど速くはありません。
動画編集 △~○ FHD動画の簡単な編集ならできますが、凝った編集や4K動画を編集する場合は、GeForce RTXシリーズを搭載したPCがいいと思います。
ゲーム 軽いゲームなら画質を落とせばできるものもあるとは思いますが、ゲームメインであればゲーミングノートPCの方がおすすめです。

 

ディスプレイのチェック

Zenbook S 13 OLEDのディスプレイのチェックです。

2,880×1,800ドットの有機ELディスプレイを搭載しています。高精細で、色域も広く、メリハリのある美しい表示が特徴的です。なお、(デフォルトの)HDRをオフにした状態の最大輝度は、362cd/m2とやや高めでした。その他については、以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は非常に広いです。

  カバー率
sRGBカバー率 100%
DCI-P3カバー率 100%
Adobe RGBカバー率 97.3%
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色もほぼ1:1の直線になっており、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角も広いです。ギラつきも感じません。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

光沢ディスプレイなので、画面への映り込みがあります。なお、タッチパネルには対応していません。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)の有無の確認結果です。下図のように多少波打っておりフリッカーはあるものの、輝度の変動は小さかったです。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

なお、輝度を下げる場合は、Windowsの輝度設定を100%にしつつ、MyASUSアプリのOLEDフリッカーフリーディミングという機能を使用して輝度を下げると、フリッカーを抑えることができます。

OLED フリッカーフリーディミング

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Zenbook S 13 OLEDのキーボードのチェックです。

実測で、キーピッチは、横:約19mm、縦:約18mm、キーストロークは約1.2mmでした。やや浅めのキーストロークです。キートップはほぼフラットで、指先にフィットするような感じはほとんどありませんでした。

主要なキーのサイズはほぼ揃っていますが、「半角/全角」キーや、「Backspace」キーなど一部小さいキーがあり、このようなキーは押し間違えてしまうことがあります。また、「Enter」キーもややスリムです。全体としては、普通の打ちやすさのキーボードだと思います。

タッチパッドは大きめのサイズで、使いやすさは普通です。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードはイルミネートキーボードです。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

Zenbook S 13 OLEDのパフォーマンスをチェックします。

Zenbook S 13 OLEDでは、MyASUSアプリで動作モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「スタンダードモード」と、高いパフォーマンスが出る「パフォーマンスモード」で計測した結果を掲載します。

MyASUSの設定画面

 

CPU

プロセッサーには、インテル最新のCore Ultra 7 155Uを搭載しています。PBP(プロセッサーベース電力):15Wのプロセッサーで、NPUを搭載しています。

ベンチマークの結果は以下の通りです。

マルチコア、シングルコアともに、一般ノートPC向けのCore 5 120Uを搭載した別機種で計測したスコアよりも少し低めの数値でした。薄型ノートPCなので、高めのCPU電力でパフォーマンスを引き出すような設定にはなっていません。それでも、Core i5-1335Uの代表的なマルチコアスコアを超える数値が出ており、薄型のノートPCとしては十分な性能です。一般的な用途に快適に使用することができるでしょう。

なお、「パフォーマンスモード」にすると、スコアが少しアップしています。少し重めの作業を行う場合は、「パフォーマンスモード」に切り替えるといいです。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core Ultra 7 155U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 7945HX 33229
Core i9-14900HX 29314
Core i9-13980HX 28398
Core i9-13950HX 27983
Core i9-13900HX 24314
Core i7-14700HX 21893
Core i9-13900H 19299
Core i7-13700HX 18283
Ryzen 7 7840HS 17922
Core i7-13700H 17622
Core i5-13500H 15302
Core i7-12700H 14546
Core Ultra 7 155H 14073
Ryzen 7 7735HS 14068
Ryzen 7 6800H 13999
Core i5-12500H 13213
Core Ultra 5 125H 12239
Ryzen 5 6600H 10470
Core i7-1370P 10449
Ryzen 5 7535HS 10356
Ryzen 7 7735U 10122
Ryzen 7 7730U 10051
Core i7-1360P 9720
Core i5-1340P 9688
Core Ultra 5 125U 9553
Core 5 120U 9317
Ryzen 5 7535U 8757
Core Ultra 7 155U 8578 [パフォーマンスモード]
7676 [スタンダードモード]
Ryzen 5 7530U 8403
Core i7-1255U 8300
Core i5-1335U 8249
Core i7-1250U 7435
Ryzen 3 7330U 5141
Core i3-1215U 4969
Core i7-1165G7 4720
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-14900HX 2196
Core i7-14700HX 2113
Core i9-13950HX 2097
Core i9-13980HX 2061
Core i9-13900H 2016
Core i9-13900HX 1968
Ryzen 9 7945HX 1951
Core i7-13700H 1898
Core 5 120U 1879
Core i7-13700HX 1868
Core i7-1360P 1826
Core i7-12700H 1823
Core Ultra 7 155H 1810
Core i5-13500H 1785
Core i7-1255U 1776
Ryzen 7 7840HS 1764
Core i5-12500H 1727
Core i5-1335U 1723
Core i5-1340P 1722
Core Ultra 5 125H 1712
Core i7-1370P 1707
Core Ultra 7 155U 1677 [スタンダードモード]
1634 [パフォーマンスモード]
Core i3-1215U 1592
Core Ultra 5 125U 1581
Ryzen 7 7735HS 1538
Ryzen 7 6800H 1522
Core i7-1250U 1495
Ryzen 7 7735U 1476
Ryzen 5 6600H 1476
Ryzen 5 7535U 1471
Ryzen 5 7535HS 1463
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 7730U 1440
Ryzen 5 7530U 1439
Ryzen 3 7330U 1358
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

CINEBENCH 2024
Core Ultra 7 155U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-14900HX 1748
Core i9-13900HX 1512
Core i7-14700HX 1280
Ryzen 9 8945HS 919
Core i7-13700H 855
Core Ultra 7 155H 825
Core i5-13500H 778
Core Ultra 5 125H 669
Core i7-1360P 664
Core i5-1340P 599
Ryzen 7 7730U 575
Core 5 120U 558
Core Ultra 7 155U 521 [パフォーマンスモード]
430 [スタンダードモード]
Ryzen 5 7530U 477
Core i5-1335U 435
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-14900HX 128
Core i7-14700HX 124
Core i9-13900HX 119
Core i7-13700H 114
Core 5 120U 110
Core i5-1335U 109
Ryzen 9 8945HS 106
Core i5-13500H 105
Core Ultra 7 155H 103
Core Ultra 5 125H 101
Core Ultra 7 155U 100 [パフォーマンスモード]
98 [スタンダードモード]
Ryzen 7 7730U 99
Core i7-1360P 99
Core i5-1340P 99
Ryzen 5 7530U 84

 

なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。

 

メモリ

メモリはLPDDR5x-7467で、仕様からするとメモリ帯域は広いはずです。なお、今回は、アプリが落ちるため、帯域の計測はしておりません。

 

グラフィックス

グラフィックスは、Core Ultra 7 155Uの内蔵グラフィックス「Intel Graphics」です。

ベンチマークの結果は以下の通りです。Core Ultra Hシリーズの「Intel Arc GPU」には及びませんが、一般的なノートPCとしては少し高めのスコアが出ていました。薄型ボディですが、CPU内蔵グラフィックスとしては少し高めの性能を備えていることが分かります。このぐらいのスコアが出ていれば、FHD動画の簡単な編集なども行えると思います。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Core Ultra 7 155U
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce RTX 3050 52196
GeForce RTX 2050 48410
GeForce GTX 1650 45149
Core Ultra 7 155H
Intel Arc GPU
35888
GeForce MX550 35717
Core Ultra 5 125H
Intel Arc GPU
35271
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
30319
Ryzen 7 7735U
メモリLPDDR5-6400
28714
Core Ultra 7 155U
Intel Graphics
23114 [スタンダードモード]
22975 [パフォーマンスモード]
Core i7-1360P
メモリLPDDR5-4800
21897
Core i7-1260P
メモリDDR5-4800
20478
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core 5 120U
メモリLPDDR5X-5200
18333
Core Ultra 5 125U
メモリDDR5-5600
18235
Core i7-1355U
メモリDDR4-3200
18235
Core i5-1340P
メモリLPDDR5-4800
17774
Ryzen 7 7730U
メモリLPDDR4X-4266
17524
Ryzen 5 7530U
メモリLPDDR4X-4266
16389
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
16093
Ryzen 7 5825U
メモリDDR4-3200
15728
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、高速です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
1TB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7300
4985
 PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

SDカードスロットはありません。

 

クリエイターソフトの処理時間

各クリエイターソフトの処理時間を下に掲載します。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

RAW現像には比較的長めの時間がかかります。ただし、外出先で一度に数十枚のRAW現像を行うのであれば、待てないことはありません。

Core i9-14900HX
RTX 4090 (175W)
34秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-13900H
RTX 4090 (150W)
38秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-13900HX
RTX 4080 (175W)
39秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-13900H
57秒
Core i7-13700H
RTX 4070 (140W)
60秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-13700H
RTX 4060 (140W)
63秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Ryzen 9 7940HS
RTX 4060 (60W)
66秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-13700H 68秒
Core Ultra 7 155H 72秒
Core Ultra 5 125H 77秒
Core i5-13500H 80秒
Ryzen 7 6800H 82秒
Core i7-1360P 88秒
Ryzen 7 6800U 89秒
Core i5-1340P 93秒
Core 5 120U 106秒
Ryzen 7 7730U 115秒
Core Ultra 7 155U 118秒
Core i5-1335U 128秒
※2022年6月より、GPUを使用した書き出しも出来るようになったので、この機能が使えるPCは、機能をONにしたときの書き出し時間も掲載しています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Photoshop CCによる各種処理時間

処理に時間のかかるニューラルフィルターを実行しましたが、Core i7-1360Pよりも長い時間がかかることがありました。このような重い処理をするのでなければ、普通の編集作業にはある程度快適に使うことができます。また、アプリ側がNPUに対応すると、AIを使った処理は速くなると思います。

  本製品 参考
Core i7-1360P
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) 約3秒 約3秒
ニューラルフィルター(スーパーズーム(x2)) 約6分10秒 約4分16秒
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) 約5分18秒 約2分41秒
※ 6000x4000のRAWデータを編集
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

FHD動画の書き出し速度は速かったです。FHD動画のカットやテロップ入れなど、ライトな編集であれば、ある程度快適に行えると思います。

FHD動画の書き出し
Core i7-12650H
GeForce MX550
2分01秒
Core i7-1185G7
GTX 1650 Max-Q
2分10秒
Core i7-1185G7
MX450
2分28秒
Core Ultra 7 155H
Intel Arc
2分29秒
Core Ultra 5 125H
Intel Arc
2分36秒
Core Ultra 7 155U
Intel Graphics
2分48秒
Core i7-1360P
Intel Iris Xe
2分49秒
Core 5 120U
Intel Graphics
3分02秒
Core i5-1340P
Intel Iris Xe
3分03秒
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
3分05秒
Ryzen 7 7735U
Radeon 680M
3分51秒
Ryzen 5 7530U
Radeon Graphics
4分31秒
※ FHD/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

Thunderbolt 4ポート(映像出力、本機への給電をサポート)を2つ備えており、テストした結果はご覧の通りです。今回試した全ての機器を使用することができました。

なお、本機への給電に関しては、45Wのような出力が低めのPD充電器でも充電できましたが、「低速ケーブル」の警告が表示されます。充電時間も長くかかるので、持ち出す場合は、付属のACアダプターと同じ65Wぐらいの出力があるものを選ぶといいと思います。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
140W アドテック PD3.1充電器
100W Anker PowerPort III
90W RAVPower GaN充電器
65W Lenovo GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル ○ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
(4Kモニター)
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速充電ケーブルであるとの警告が表示

 

HDMIの動作チェック

HDMI出力ポートは、仕様を確認すると、HDMI2.1となっており、4K出力に対応しているようです。

 

質量のチェック

Zenbook S 13 OLEDの質量のチェックです。

メーカー仕様値では「約1.0kg」となっています。当サイトの計測値は以下の通りで、仕様値とほぼ同じでした。ACアダプターも、小型で軽いです。どちらも持ち運びやすいです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.046kg
ACアダプター+電源ケーブル 179g

 

バッテリー駆動時間のチェック

Zenbook S 13 OLEDのバッテリー駆動時間のチェックです。

メーカー仕様では、バッテリー容量は63Whとなっています。13インチクラスのモバイルノートPCとしては、大きめの容量です。

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。大容量バッテリーを搭載していることに加えて、LP Eコアを搭載し、低負荷時の省電力性能が向上しているため、バッテリー駆動時間は長めでした。負荷の軽い動画再生ぐらいであれば、(2)のようにかなり長い時間の駆動が可能です。また、実際の使用に近い、少し負荷のかかる状態が連続するような場合でも、(4)のようにモバイルノートPCの中でも長めの駆動が可能でした。ただし、作業内容や使う場所などによってバッテリー駆動時間は大きく左右されるので、ご了承ください。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 約19.0時間
(2) JEITA3.0(アイドル時) 約15.3時間
(3) JEITA3.0(動画再生時) 約9.9時間
(4) CPU12%、iGPU45%の負荷 8時間20分
※画面輝度は約120cd/m2
(1)~(3) メーカー公表値
(4) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

207万画素のウェブカメラを搭載しています。画質は比較的よく、自然な映りだったので、ウェブミーティングなどにも使いやすいと思います。

また、IRカメラを搭載しており、Windows Helloの顔認証にも対応しています。ただし、カメラを物理的に隠すプライバシーシャッターなどはありません。

Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

スピーカー

スピーカーは、底面の左右サイドに1W x2のステレオスピーカーが配置されています。出力が高くないので、最大音量は低めです。音質は普通で、ノートPC基準で10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度などの推移を確認します。

スタンダードモードでは、CPU電力は18W前後ぐらいで動作しています。Core Ultra 7 155UのPBP(プロセッサーベース電力):15Wに近いCPU電力での動作となり、CPU温度は75℃ぐらいに落ち着いているので、問題のない温度です。

パフォーマンスモードでは、CPU電力が少し上がり、25W前後で動作しています。CPU温度は、80℃前後に落ち着いており、こちらも問題のない温度です。

どちらのモードでも、CPU温度を心配せずに使用することができそうです。少しでもパフォーマンスを高めたい場合は、「パフォーマンスモード」に切り替えるといいでしょう。

CPU電力
CPU温度

 

静音性のチェック

Zenbook S 13 OLEDの動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。負荷をかけると騒音値は高くなりますが、エンコードのような高い負荷がかかる場合でも、同じような構成の他のノートPCよりも騒音値は低めです。静かな環境でも使用しやすいと思います。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:PremiereProでプレビュー再生(320pの低画質動画)
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

エンコードのような高い負荷がかかると、キーボード部の温度が上がりますが、パームレスト部の温度は低く保たれているので、それほど不快に感じることなくタイピングを行えます。

ただし、高負荷作業を行うと底面の温度が上がります。ひざ置きで使用する場合は、低温やけどに注意しましょう。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

PBP:15WクラスのCPUを搭載しているので、消費電力は低めです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

Zenbook S 13 OLEDの外観のチェックです。

約1kgの軽さと、約1cmの薄さが特徴的なモバイルノートPCです。スリムなボディですが、キーボード面にはマグネシウムアルミニウム素材、シャーシにはアルミニウム素材が使用されており、剛性が高いです。また、米国軍用基準の複数の項目をクリアしており、耐久性も高く、安心して持ち出すことができます。

ボディカラーは、ポンダーブルーです。落ち着いた色で、ビジネスシーンでも使いやすいです。

 

天板には、ASUSのロゴを描くラインがひかれています。

 

ボディの高さは10.9~11.8mmとなっており、非常に薄いです。

 

インターフェースはご覧の通りです。USB3.2 Gen2 Type-A、Thunderbolt 4(映像出力、本機への給電をサポート)x2、HDMIを備えています。主要なポートは揃っていますが、SDカードスロットはありません。

 

ディスプレイは大きく開き、フラットに近くなります。

 

底面です。小さめの通気口があります。

 

ACアダプターは65Wです。小型で軽く、ケーブルもかさばらないので、運びがしやすいです。

 

まとめ

以上が、ASUS Zenbook S 13 OLEDのレビューです。

質量が約1.0kg、厚さが約10.9~11.8mmと、軽くて、薄いボディが特徴的な13.3型モバイルノートPCです。同サイズの有機ELを搭載したノートPCとしては、世界最薄となっており、スリムなカバンにも入れやすいです。ボディの堅牢性も高いので、1日中持ち歩くような使い方にも適しています。

広色域で、美しい表示が可能な2.8K有機ELディスプレイを搭載しているのも特徴的です。移動先でも、精細で色鮮やかな表示で画像や映像を見ることができます。出先で、画像やFHD動画の簡単な編集などを行うこともできるでしょう。

CPUには、インテル最新のCore Ultra 7 155Uを搭載しています。薄型ノートPCとしては十分な処理性能を備えており、内蔵グラフィックスの性能もやや高めでした。一般的な作業だけでなく、FHD動画のライトな編集などもある程度快適に行えるでしょう。NPUを搭載したCPUなので、アプリ側の対応が進めば、AIを活用した処理のスピードも上がると思います。

CPUが、LP Eコアを搭載するCore Ultra 7 155Uであることに加えて、大きめの63Whバッテリーを搭載しているので、バッテリー駆動時間も長めでした。外出先でも、バッテリー残量をそれほど気にせず、作業に集中することができます。

薄型ボディによるモビリティの高さと、有機ELによる美しい表示が気になる方は是非チェックしてみてください。

ただし、ディスプレイは光沢仕様なので、画面の映り込みがやや目立ちます。また、キーボードは、「半角/全角」、「Backspace」キーなどがやや小さかったです。メールやOfficeソフトでの作業など、一般的なビジネス用途で使う場合は、この辺りが少し気になるかもしれません。

 

軽量・薄型の有機EL搭載モバイルノートPC

ASUS Zenbook S 13 OLED

特徴

  • 約1.0kg、約11.8mmと軽くて薄いノートPC
  • 美しい表示の2.8K有機ELディスプレイを搭載
  • インテル最新のCore Ultra 7 155Uを搭載

こんなあなたに

  • 有機EL搭載のノートPCを日常的に持ち歩きたい方
  • 画像や動画を美しい画面で表示したい方
  • 価格23万円台[税込]~
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