ASUS TUF Gaming A15の実機レビュー

更新日:2020年6月25日
CPU Ryzen 7 4800H
Ryzen 5 4600H
GPU GeForce GTX 1660Ti
GeForce GTX 1650Ti
GeForce GTX 1650
メモリ 8GB / 16GB
ストレージ 512GB PCIe SSD
液晶サイズ 15.6インチ
液晶種類 FHD 144Hz
質量 約2.3kg
バッテリー 最大 約6.6時間
価格[税込] 10万円台~
Ryzen 4000搭載でコスパの高いゲーミングノートPC

TUF Gaming A15は、Ryzen 4000シリーズのプロセッサーを搭載し、コストパフォーマンが抜群に高いゲーミングノートPCです。

特にGeForce GTX 1660Ti搭載モデルのコスパが高く、ミドルスペックのゲーミングPCが12万円台(税別)で購入できます。

また、実際にゲームをしてみると、パームレストおよびWASDキーの表面温度が低く、長時間ゲームをしていても手が熱くなりにくいのもメリットです。

製品名の通り、タフさも売りで、アクシデントにも強く、ゲーミングPCを持ち歩きたい方にもいいと思います。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Ryzen 5 4600H、GeForce GTX 1650、8GBメモリ、512GB PCIe SSD

※一部のテストではメモリを32GBへ換装しています。

 

目次

お忙しい方は、「ASUS TUF Gaming A15の特徴」のみお読みください。

 

TUF Gaming A15の特徴

AMD Ryzen 4000 Hシリーズ搭載

TUF Gaming A15は、AMDの最新プロセッサーとなるRyzen 4000 Hシリーズを搭載したゲーミングノートPCです。搭載するのは、Ryzen 5 4600HもしくはRyzen 7 4800Hです。主流となるのは、より性能の高いRyzen 7 4800Hだと思われます。

CINEBENCH R20のベンチマークスコアは、下のようになっています。Ryzen 5 4600Hでも、現在のゲーミングノートの主流のCore i7-10750Hを軽く超える性能です。また、Ryzen 7 4800Hだと、インテルノート用CPU最高峰のCore i9-10980HKよりも高スコアです。

CINEBENCH R20
Ryzen 9 4900HS 4250
Ryzen 7 4800H 3847
Core i9-10980HK 3713
Core i7-10875H 3557
Ryzen 5 4600H 3260
Core i7-10750H 2965
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです

 

これまでも、AMD Ryzenプロセッサーを搭載したゲーミングノートPCはありましたが、種類が少なく、メジャーではありませんでした。しかし、今回インテルCPUの処理性能を超えるようなプロセッサーが出たことで、これからRyzenを搭載したゲーミングノートPCも増えてくるでしょう。

 

価格が安い!特にGeForce GTX 1660Tiモデル

TUF Gaming A15は、価格も安いです。

特にGeForce GTX 1660Ti搭載モデルが安く、レノボとデルの安いゲーミングノートよりも安価でした(下表)。しかも、この中ではCPU性能が高い点もメリットです。

ただ、劣っている点があるとすると、液晶の色域です。Legion 550PiはsRGBカバー率が100%であったのに対し、本製品は63.2%でした。残念ながらクリエイター向きではありません。

GeForce GTX 1660Tiモデルの価格比較
  TUF Gaming A15 レノボ
Legion 550Pi
デル
Dell G3 15
画像
CPU Ryzen 7 4800H Core i7-10750H Core i7-10750H
メモリ 16GB 16GB 16GB
ストレージ 512GB PCIe SSD 512GB PCIe SSD 512GB PCIe SSD
液晶種類 FHD 144Hz FHD 144Hz FHD 144Hz
sRGBカバー率 63.2% 100% 63.4%
質量 約2.3kg 約2.3kg 約2.34kg
価格[税別] 126,182円 133,080円 136,933円
※sRGBカバー率は当サイトの計測値

 

際立つタフさ

TUF Gaming A15は、その名の通り、タフさも大きな特徴となっています。

米国国防総省の調達基準であるMIL-STD-810Hに準拠した、耐久性の高い作りゆえに、日常生活で直面する様々なアクシデントでも壊れにくいです。

例えば、落下試験、振動試験、高温試験、低温試験、高湿度試験などの過酷なテストをクリアしています。極端な環境で使用することはなくても、安定して動作し、場所を選ばずに使用でき、過度に神経質にならずに持ち運ぶこともできるというのは、大きなメリットです。

ミル規格 MIL-STD-810H準拠

 

表面温度が低い

TUF Gaming A15は表面温度が低いのもメリットです。ゲーミングノートはボディが熱くなりやすく、ゲームをしていると手が熱くなって不快に感じるケースが多いですが、本製品はパームレストが低い温度で維持されており、さらにゲーム時によく使うWASDキーおよびその周辺のキーもあまり熱くなりません。2時間ほどゲームをしてみましたが、不快感がなく快適に楽しむことができました。

ただ、今回は、GeForce GTX 1650のローエンドグラフィックスであっため、より性能の高いGTX 1660Tiではまた変わってくるかもしれません。

FF14ベンチマーク実行中の表面温度

 

高い冷却性能

TUF Gaming A15は、高い冷却性能を備えているので、タフに使える、つまり高負荷での長時間の使用が可能です。高冷却性能を支えているのは、以下のような特徴です。

・セルフクリーニング:冷却ファンにはアンチダストトンネルが備えられており、ファンにほこりなどのごみが付着することを防いでくれます。高い冷却性能を維持することができ、ハードの寿命の向上にもつながっています。

・ハニカム構造の排気口:この構造により、強度を確保しつつ、効率的に排熱を行うことができます。また、ディスプレイを開いたときに、排気口がふさがれないデザインとなっており、これも冷却性能の向上につながっています。

ディスプレイを開いたときに排気口を塞がない

 

ストレージやメモリの増設が容易

TUF Gaming A15は、内部へのアクセスがしやすくなっています。

メモリの増設・換装だけでなく、機種によっては、M.2 SSDやHDDの増設といったことも可能です。

なお、追加のM.2 SSDスロットは、GTX 1660Ti以上の機種でのみ使用可能なようです。

当サイトでは、増設や換装による破損や故障に関して責任を負いかねますので、増設・換装は自己責任でご判断ください。

アップグレードしやすい構造

 

安心保証

ASUSでは、「ASUSのあんしん保証」というサービスを展開しています。この保証の特徴は、どんな理由の故障であれ部品代の20%のみで製品を修理してくれるという点です。もちろん、メーカー責任の自然故障については、保証期間内であれば、無償で修理してくれます。

例えば、PCパーツを交換する際にミスをしてPCが起動しなくなった場合、他社では保証対象外となるところですが、ASUSなら部品代の20%で修理してくれます。パーツの換装、増設を行おうと思っている方には心強いと思います。

なお、有効期限は1年ですが、有償で保証期限を3年に伸ばす「ASUSのあんしん保証 Premium 3年パック」 も用意されています。詳細はメーカーサイトをご確認下さい。

ASUSのあんしん保証

 

異なる2つのデザイン

TUF Gaming A15には、天板が異なる2種類のデザインモデルがあります。

フォートレス・グレイは、サンドブラスト加工が施されたメタル素材の天板となっており、高級感と重厚感があります。

ボンファイヤ・ブラックは、マット加工のプラスチック筐体です。横から見ると、赤のラインが入っており、シックなデザインです。

フォートレス・グレイ
ボンファイヤ・ブラック

 

Wi-Fi 6には非対応

細かい点にはなりますが、TUF Gaming A15の無線機能は、Wi-Fi 5となっており、最近増えてきたWi-Fi 6には対応していません。

ゲームをする方は有線LANで接続する方が多いかとは思いますが、処理性能の高いプロセッサーや、高性能メモリにも対応しているので、より高速通信が可能なWi-Fi 6に対応していないのは、少し残念です。

 

17.3型のTUF Gaming A17もあり

兄弟機種として、17.3インチのTUF Gaming A17という製品もあります。基本的な設計は同じですが、ラインナップは少なく、GTX 1660Tiモデルのみとなっています。液晶サイズは大きくなりますが、価格はあまり変わらないのでお得だと思います。

TUF Gaming A15/A17の比較
  TUF Gaming A15 TUF Gaming A17
CPU AMD Ryzen 7 4800H
AMD Ryzen 5 4600H
AMD Ryzen 7 4800H
GPU GeForce GTX 1660Ti
GeForce GTX 1650Ti
GeForce GTX 1650
GeForce GTX 1660Ti
液晶サイズ 15.6インチ 17.3インチ
液晶種類 FHD 144Hz FHD 120Hz
質量 約2.3kg 約2.6kg
価格 [GTX 1660Tiモデル]
126,182円
127,091円

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
十分なスペックで、快適に動きます。
動画鑑賞 問題ないスペックです。
RAW現像
画像編集
色域が狭いので画像編集などには向いていません。また、Lightroomに限っては、思ったほど現像時間が速くありませんでした。
動画編集 高速CPUに、外部グラフィックスを搭載し、動画編集も的快適に出来るスペックです。ただし、液晶の色域が狭いので、色調整までする方にはあまり適しません。
ゲーム GTX 1660Tiなどの外部グラフィックスに、144Hz駆動のディスプレイを搭載し、快適にゲームができるでしょう。ゲーム中でもパームレストやWASDキーの表面温度が低かったのも、良かった点です。

 

ゲームベンチマーク&フレームレート

ゲームのベンチマークスコアを下の表に掲載します。

なお、本製品は、いくつか動作モードを選択できますが、ここでは「Turbo」モードにして計測しています。動作モードを変更するには、Fn+F5を押すか、「ARMOURY CRATE」のソフトを起動し、ここから変更します。

モードを変更するボタン
ARMOURY CRATE
動作モード

 

ここでは、GeForce GTX 1650で計測したベンチマークスコアを掲載します。目安として、おおよそ60 fpsを超えていれば、快適に動作すると思って下さい。

フォートナイトやApex Legendsのような軽いゲームなら、エントリークラスのGTX 1650でも60 fpsを超えてきます。ただ、144Hzのディスプレイを活かすために、144fps近いフレームレートを出したいなら、GeForce GTX 1660Tiのモデルがいいと思います。

なお、今回、マルチコア性能の高いRyzen 5 4600Hを搭載していますが、シングルコア性能はそれほどでもないため、ゲーム時のフレームレートは特別高くはありませんでした。

重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
1920x1080 軽量品質 6930 / 69 fps
標準品質 5410 / 54 fps
高品質 3968 / 39 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、高品質)
RTX 2080 Max-Q 83 fps
RTX 2070 80 fps
RTX 2070 Max-Q 70 fps
RTX 2060 65 fps
GTX1660Ti 63 fps
RTX 2060 Max-Q 62 fps
GTX1660Ti Max-Q 50 fps
GTX 1650Ti 43 fps
GTX 1650 40 fps
39 fps [レビュー機で計測]
GTX1050Ti 26 fps
重い部類のゲーム
ボーダーランズ3
1920x1080 70 fps
39 fps
バッドアス 29 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、バッドアス)
RTX 2080 SUPER Max-Q 59 fps
RTX 2060 48 fps
GTX1650Ti 29 fps
GTX 1650 29 fps [レビュー機で計測]
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
1920x1080 標準(ノート) 11807 / 98 fps
高(ノート) 10783 / 82 fps
最高品質 9353 / 65 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高品質)
RTX 2080 Max-Q 117 fps
RTX 2070 114 fps
RTX 2070 Max-Q 98 fps
RTX 2060 98 fps
GTX 1660Ti 95 fps
RTX 2060 Max-Q 91 fps
GTX 1660Ti Max-Q 80 fps
GTX1650Ti 73 fps
GTX1650 65 fps [レビュー機で計測]
64 fps
中程度の重さのゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
1920x1080 非常に低い 112 fps
94 fps
ウルトラ 67 fps
他のグラフィックスとの比較(解像度:1920×1080、ウルトラ)
RTX 2080 160 fps
RTX 2080 Max-Q 145 fps
RTX 2070 134 fps
RTX 2060 Max-Q 120 fps
RTX 2060 116 fps
GTX 1660Ti 110 fps
GTX 1650Ti 82 fps
GTX 1660Ti Max-Q 74
GTX 1650 69 fps
67 fps [レビュー機で計測]
※トレーニングモードで計測
軽い部類のゲーム
フォートナイト
1920x1080 低設定 151 fps
高設定 95 fps
最高設定 70 fps
他のグラフィックスとの比較(解像度:1920×1080、最高設定)
RTX 2060 119 fps
GTX 1650Ti 78 fps
GTX 1650 74 fps
70 fps [レビュー機で計測]
※バトルラボで計測
軽い部類のゲーム
Apex Legends
1920x1080 高設定 69 fps
他のグラフィックスとの比較(解像度:1920×1080、高設定)
RTX 2080 190 fps
RTX 2080 Max-Q 148 fps
RTX 2070 138 fps
RTX 2070 Max-Q 120 fps
RTX 2060 116 fps
RTX 2060 Max-Q 113 fps
GTX 1660Ti 113 fps
GTX 1660Ti Max-Q 89 fps
GTX 1650Ti 76 fps
GTX 1650 70 fps
69 fps [レビュー機で計測]
※トレーニングモードで計測
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
1920x1080 最高品質 14119(すごく快適)
※約5500で60fps
[以上のゲームのベンチマークスコアおよびフレームレートについて]
※表示しているのは平均フレームレートです
※グラフは、ノート用グラフィックスのみで比較しています
※緑色のバーが、本製品で選べるグラフィックスです
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です

 

他のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。

 

ディスプレイのチェック

ディスプレイのチェックです。

144Hz駆動の液晶を搭載しておりゲーム向けのディスプレイです。ただし、色域はそれほど広くないため、クリエイターには向きません。最大輝度は、当サイトの計測では283cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

色域はやや狭いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は63.2%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、やや青色が強く発色していますが、色域の狭い液晶は黄ばんで見えやすいので、このくらいの設定のほうがいいと思います。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

画素形状です。ギラつきはそれほどありません。

画面拡大

非光沢液晶であるため、画面への映り込みは抑えられています。

画面への映り込み

正確な確認方法ではありませんが、輝度を下げてもフリッカーは確認できませんでした。

フリッカーのテスト
※カメラのシャッタースピードを1/2000秒にして撮影したときの画面

 

遅延

キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間(表示遅延)をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約28msでした。他の一般的なノートPCで計測したところ80ms前後が多かったので、遅延は少ないです。なおこれは、ディスプレイだけでなくPC全体の遅延となります。

 

残像

本製品の液晶パネル(144Hz)について「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、4~5フレーム前まで残像が映っていました。一般的な液晶パネルは、60Hz駆動で2フレーム前くらいまで残像が表示されていたので、残像感は普通かなと思います。

「UFO Test」のサイトのGhosting Testを実行( 画面のリフレッシュレートに合わせてUFOが左から右へ移動)し、速いシャッタースピード(1/2000)で撮影したときの画像。

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

ASUS TUF Gaming A15のキーボードのチェックです。

実測で、キーピッチは横:19mm、縦:19mmです。キーストロークは約1.8mmです。十分なキーストロークがあり、キートップもやや湾曲しているの、キーは打ちやすいです。やや「Backspace」と「\」キーがやや小さいものの、この2つのキーの間が、他よりも広く取られているため、タイプミスは少なかったです。矢印キーも逆T字で少し下がった位置にあるため、見なくても押しやすいです。また、WASDキーはスケルトンなので、視認性が高く、FPS系のゲームなどがしやすくなっています。

タッチパッドについても、クリックボタンが独立しているため押しやすいです。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しおり、カラーを変えることもできます。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

本製品は、以下のように動作モードを変更できますが、ここでは、最も高い性能が出る「Turbo」と、デフォルト設定の「パフォーマンス」で計測した結果を掲載します。

動作モード

 

CPU

Ryzen 5 4600HまたはRyzen 7 4800Hを搭載しており、高いベンチマークスコアです。なお、「Turbo」モードと「パフォーマンス」モードでは、スコアはほとんど変わりませんでした。

マルチコアのスコアは非常に高いです。一方、シングルコア性能はそれほどでもなかったです。

CINEBENCH R20
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen 5 4600H(Turbo)
Ryzen 5 4600H(パフォーマンス)
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 4900HS 4250
Ryzen 7 4800H 3847
Core i9-10980HK 3713
Core i7-10875H 3557
Ryzen 5 4600H 3260 [パフォーマンス]
3225 [Turbo]
Core i7-10750H 2965
Core i7-10710U 2211
Core i5-10300H 2113
Core i7-1065G7 1484
Core i7-10510U 1459
Core i5-1035G1 1424
Core i5-10210U 1418
Core i3-10110U 922
Celeron N4100 459
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-10980HK 507
Core i7-10875H 495
Ryzen 9 4900HS 488
Core i7-10750H 482
Core i9-10980HK 476
Ryzen 5 4600H 452 [Turbo & パフォーマンス]
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※[Turbo]、[パフォーマンス]と書かれていないCPUは、他のPCで計測した代表値です

 

メモリ

メモリは、DDR4-3200に対応しています。Core i7-10750HなどのComet LakeはDDR4-2933までの対応なので、高速なメモリに対応しています(ちなみに、Ice LakeはDDR4-3200まで対応)。

ただし、8GBメモリ搭載のモデルは、メモリの1枚挿し(シングルチャネル)であったためご注意下さい。

 

グラフィックス

グラフィックスについては、ミドルスペックのGeForce GTX 1660Ti、エントリースペックのGTX 1650Ti、GTX1650を選択できます。今回は、GTX 1650を搭載していますが、「Turbo」モードにすることで、ややベンチマークスコアが上がりました。

3DMark Time Spy
~ グラフィックス性能の評価 ~
GeForce GTX 1650(Turbo)
GeForce GTX 1650(パフォーマンス)
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
デスクトップ用
RTX 2080Ti
12388
デスクトップ用
RTX 2080 SUPER
10674
デスクトップ用
RTX 2070 SUPER
9583
RTX 2080 9456
RTX 2080
Max-Q
8068
RTX 2070 7778
RTX 2070 SUPER Max-Q 7425
RTX 2070
Max-Q
7216
RTX 2060 6004
RTX 2060 Max-Q 5676
GTX 1660Ti 5667
GTX 1650Ti 3700
GTX 1650 3532 [Turbo]
3405 [パフォーマンス]
GTX 1050Ti 2201
GTX 1050 1689
※緑色のバーが、本製品で選べるグラフィックスです
※[Turbo]、[パフォーマンス]と書かれていないグラフィックスは、他のPCで計測した代表値です

 

GPU-Zで確認したGeForce GTX 1650の情報は次の通りです。Shaders(コア数)が896とやや少なめ(通常は1024であることが多い)ですが、最近試したGTX 1650搭載ノートPCはこのコア数が多いです。

本製品のグラフィックカードのスペック

 

ストレージ

ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しており高速です。ただ、PCIe SSDにしてはそこまで速くはありません。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
512GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe-NVMe SSD 1989 [レビュー機で計測]
SATA-AHCI SSD 550
HDD 140
※緑色のバーが、本製品で選べるストレージです
※[レビュー機で計測]と書かれていないストレージは、他のPCで計測した代表値です

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。以下のグラフでは、レビュー機で計測したもののみ緑色にしています。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

RAW現像時間については、メモリを8GBから32GB(デュアルチャネル)へ換装して計測しています。ただ、現像速度は思ったほど速くはありませんでした。以前、Ryzen 9 4900HSをテストしたときも同様なので、ソフトとの相性が悪そうです。

Core i9-10980HK
32GBメモリ
68秒
Core i7-10875H
16GBメモリ
70秒
Core i9-9980HK
16GBメモリ
79秒
Core i7-10750H
16GBメモリ
80秒
Core i7-9750H
16GBメモリ
85秒
Ryzen 9 4900HS
16GBメモリ
87秒
Ryzen 5 4600H
32GBメモリ
89秒 [レビュー機で計測]
Core i7-10710U
16GBメモリ
96秒
Core i7-10510U
16GBメモリ
109秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
※[レビュー機で計測]と書かれていないものは、他のPCで計測した代表値です
※「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

こちらも、メモリを8GBから32GB(デュアルチャネル)へ換装して計測しています。グラフィックスはエントリースペックですが、CPU性能が高いため、Premiere Proの書き出しは高速でした。

Core i7-9750H/16GB
GeForce RTX2070 Max-Q
3分57秒
Core i7-10750H/16GB
GeForce RTX 2060
4分51秒
Core i5-10300H/16GB
GeForce GTX 1650Ti
5分18秒
Ryzen 5 4600H/32GB
GeForce GTX 1650
5分48秒 [レビュー機で計測]
Core i7-10750H/16GB
GeForce GTX 1650
6分34秒
Core i9-9980HK/16GB
Radeon Pro 5500M(8GB)
8分15秒 (MacBook Pro 16インチ)
Core i5-10300H/8GB
GeForce GTX 1650
8分21秒
Core i7-1068NG7/32GB
Intel Iris Plus
19分35秒
Core i7-1060NG7/16GB
Intel Iris Plus
26分57秒
Core i7-10510U/16GB
Intel UHD
49分32秒
※テストに使う元動画およびエフェクト内容を変更しました
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
※[レビュー機で計測]と書かれていないものは、他のPCで計測した代表値です
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるエンコード時間

こちらも、メモリを8GBから32GB(デュアルチャネル)へ換装して計測しています。非常に速いです。

  エンコード時間
x265でエンコード (※1) 12分50秒
VCEでエンコード (※2) 1分31秒
NVENCでエンコード (※3) 1分9秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 AMD APU内蔵のハードウェアエンコーダー(AMD Media SDK)
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
x265でのエンコード時間
Core i7-10875H 11分54秒
Core i9-9980HK 12分25秒
Ryzen 5 4600H 12分50秒 [レビュー機で計測]
Core i7-10750H 13分29秒
Core i7-9750H 15分37秒
Core i5-10300H 18分13秒
Core i7-10710U 19分05秒
Core i7-10510U 28分32秒
Core i5-10210U 28分53秒
Core i7-8565U 31分50秒
Core i5-8265U 32分07秒
Core i3-10110U 42分20秒
Core i3-8130U 45分24秒
※[レビュー機で計測]と書かれていないものは、他のPCで計測した代表値です
x265でエンコード時間中のCPUクロック

CPUクロックは上下しており、あまり安定しません。

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は約48Whでした。

バッテリー容量

 

バッテリー駆動時間は下の通りで、やや短いです。

バッテリー駆動時間の計測結果(当サイトによる実測値)
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0測定方法 最大約6.6時間
(2) 動画再生時 4時間53分
(3) PCMark 8 Work テスト
(4) PCMark 10 Battery (Gaming) 59分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
(4) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限

 

 


 

 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。また、以下のチェックでは全て「Turbo」で計測しています。

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

動作音は高めです。なお、「Turbo」モードから「パフォーマンス」モードへ変更すると、FF14ベンチ(fps制限なし)の場合、48dBまで騒音値は下がります。なお、その際、フレームレートは3%前後落ちる程度なので、音が気になるなら「パフォーマンス」モードにするのがいいと思います。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
左から3番目:FF14 紅蓮ベンチマーク ループ実行 60fpsに制限(標準品質(デスク)、1920x1080)
左から4番目:FF14 紅蓮ベンチマーク ループ実行 60fps制限なし(最高品質、1920x1080)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

エンコード時の温度の詳細

下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。約90℃~100℃の間を上下しており、高めのCPU温度ではありますが、別のRyzen 5 4600H搭載ノートPCで計測したときよりは低めの温度です。

CPU温度
x265でエンコード中のCPU温度

 

FF XIVベンチ(fps制限なし)実行時の温度の詳細

下図は、FF XIVベンチマーク(fps制限なし)実行時のGPU温度の詳細です。CPU温度はやや高めですが、GPU温度は70℃前後で推移しており、問題ありません。

CPU温度
FF XIVベンチ(最高品質、fps制限なし)実行中のCPU温度
GPU(グラフィックス)温度
FF XIVベンチ(最高品質、fps制限なし)実行中のGPU温度

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

前述の通り、表面温度はあまり熱くなりません。優秀です。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。

ゲーミングノートであるため、普通のノートPCよりも高い消費電力ですが、エントリー向けのGTX 1650を搭載していたこともあり、ゲーミングノートの中では低めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

ASUS TUF Gaming A15の外観のチェックです。

パームレストやボトムカバーの素材はおそらく樹脂製で、ゴツゴツした感じのあるデザインです。

 

天板は、メタル素材のフォートレス・グレイのカラーです。

 

スピーカーは底面側にあります。ややこもった感じはしますが、音質はやや良いと思います。ノートPC基準で、10点満点で採点すると5~6点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

 

ゲーミングノートとしては一般的な厚さだと思います。

 

側面のポート類です。DisplayPortに対応したUSB Type-Cポートを備えています(USB PDには非対応)。G-SYNC対応の外部ディスプレイを接続すると、より大きな画面で、ティアリングやカクつきのないスムーズなゲームプレイも可能となります。また、HDMI端子からの4K UHDでの出力も可能です。

 

液晶が開く最大の角度です。

 

底面です。

 

底面カバーの外しやすさは普通です。ねじを外して、隙間にオープナーなどの薄くて固めのものを刺し、側面を1周させるとツメが外れます。

 

メモリスロットは2つです。試しに16GB(DDR4-3200)x2枚に換装してみましたが、問題なく認識されました。

 

M.2 SSDも換装できると思います(未検証)。

 

ACアダプターは、150Wです。薄型であるため、カバンに入れやすいでしょう。

 

まとめ

以上がTUF Gaming A15のレビューです。

高い処理性能を誇るAMD Ryzen 4000 Hシリーズを搭載しており、価格も安い点が特徴です。特にGeForce GTX 1660Ti搭載モデルは、競合の他社PCと比べて、安くしかもCPU性能が高いです。

ディスプレイも、144Hzに対応しており、人気のバトルロワイヤルゲームなどを有利に進められるでしょう。

ゲーム中でも、パームレストなどの表面温度があまり上がらない点も良かったです。手が熱くならずにゲームに集中できます。

また、ミリタリーグレードの耐久性を備えた耐久性も特徴的です。PCを外出先へ持ち運ぼうと考えている方は安心なのではないかと思います。

ただし、ディスプレイの色域があまり広くなく、クリエイターにはおすすめできません。ゲームや、仕事で資料を作る程度の用途なら、問題ないでしょう。

Ryzen 4000搭載でコスパの高いゲーミングノートPC

TUF Gaming A15

特徴

  • AMD Ryzen 4000 Hシリーズ搭載
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