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ASUS ZenBook 13 UX331UALの実機レビュー
CPU | Core i5-8250U |
---|---|
メモリ | 8GB |
ストレージ | 512GB SSD |
液晶サイズ | 13.3型 |
液晶種類 | フルHD 非光沢 |
質量 | 約985g |
バッテリー | 約9.6時間 (50Wh) |
価格 | 約150,000円(税込) |
ZenBook 13 UX331UALは、1kgを切る質量の超軽量モバイルPCです。
軽いだけでなく、バッテリー容量も比較的多く、駆動時間も十分にあります。
MIL規格に準拠したテストをクリアしており、信頼できる作りとなっています。軽量化に力が入れられていますが、性能や堅牢性も犠牲になっていません。
CPUは、第8世代Core i5-8250Uと十分なスペックですが、他のPCに比べてやや安定時のCPUクロックが低めで推移していました(後述)。
構成のバリエーションがないので、512GBも容量は要らない、という方にとっては割高になってしまいます。256GBモデルなど、幾つかの構成があればよかったです。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i5-8250U、8GBメモリ、512GB SSD
目次
お忙しい方は、「ZenBook 13 UX331UALの特徴」のみお読みください。
ZenBook 13 UX331UALの特徴
約985gの超軽量PC
ZenBook 13 UX331UALの最大の特徴は、質量が約985gと非常に軽量なことです。13インチクラスで最軽量とまではいきませんが、十分軽量な部類に入ります。片手で楽に持つことができますし、カバンに入れてもそれほど負担とならず、どこにでも持ち運ぶことができます。
1kgを切る軽さ
50Whの大きめのバッテリー容量
軽いPCはバッテリー容量が小さいケースも多いですが、ZenBook 13 UX331UALは、50Whの大きめのバッテリー容量を搭載しており、バッテリー駆動時間も比較的長めです(実測値はこちら)。
また、従来のリチウムイオンバッテリーよりも約3倍寿命が長いリチウムポリマーバッテリーを搭載しています。経年によりバッテリーはへたっていきますが、このバッテリーは購入時とほとんど変わらない駆動時間を長く維持することができます。
マグネシウムアルミ合金ボディ
ZenBook 13 UX331UALのボディは、マグネシウムアルミ合金製です。そのため、耐久性と堅牢性に優れています。加えて、米国国防総省のMIL規格に準拠したテストをクリアしており、その耐久性は折り紙付きと言えるでしょう。軽いだけでなく、堅牢性に優れているため、気軽にどこにでも持ち運ぶことができます。
ただ、天板は曲がりやすく出来ており、剛性はそれほど高くありません(壊れやすいということではありません)。
指紋認証装置を搭載
ZenBook 13 UX331UALは、指紋認証装置も搭載しています。外出先でパスワードでログインをすると、キーを見られているような気がしてしまう場合もありますが、指紋認証装置が付いていれば、そのようなことを気にしなくてもいいです。
指紋認証センサーも搭載
USB Type-CはPower Delivery非対応
ZenBook 13 UX331UALは、USB Type-Cポートを搭載していますが、Power Deliveryや、Alt Modeには対応していません。他社製のPower Delivery対応の充電器などは使えないためご注意下さい。
CPUクロックはやや低めに推移
ZenBook 13 UX331UALに、CPU使用率が100%近くになる負荷をかけたときのCPUクロックは下の通りです。最初のターボブーストが効いているときは十分なクロックが出ていますが、約8分経過後の落ち着いたときのクロック周波数が低めです。他社のCore i5-8250U搭載製品は、2.2GHz前後で推移するPCが多い中、本製品は1.9GHz前後で推移しています。
この影響でCPU温度は低めに抑えられていますが、長時間かかる処理はやや遅いです。
エンコード時のCPUクロック
ライバル機種との比較
ZenBook 13 UX331UALのライバル機種と言える超軽量な富士通のLIFEBOOK WU2/B3とスペックなどを比較します(下表参照)。LIFEBOOK WU2/B3は25Whと50Whのバッテリーを選べますが、ここでは50Whを搭載したときのスペックを掲載します。
LIFEBOOK WU2/B3の方が、質量がやや軽く、メモリカードもフルサイズSDカードが使え、他のパーツ(CPUなど)も選べます。また、512GBのSSDはPCIe接続で、USB Type-CはPower Deliveryにも対応しています。個人的にはキーボードもLIFEBOOK WU2/B3の方が打ちやすいと思います。
LIFEBOOK WU2/B3は、こちらのクーポンを使うことで、ZenBook 13 UX331UALとほぼ同等の価格になります(メーカー直販サイトの価格を比較)。ただし、ZenBook 13 UX331UALは量販店でも販売しており、13万円台で売られているケースもあります。価格で選ぶなら、ZenBook 13 UX331UALがいいでしょう。
ZenBook 13 UX331UAL |
LIFEBOOK WU2/B3 |
|
---|---|---|
CPU | Core i5-8250U | |
メモリ | 8GB | |
ディスプレイ | 13.3型 フルHD 非光沢 | |
バッテリー容量 | 50Wh | |
ストレージ | 512GB SATA SSD | 512GB PCIe SSD |
インターフェイス | USB Type-C USB3.0 x2 HDMI microSDカード |
USB Type-C USB3.0 x2 HDMI LAN SDカード |
PC本体の質量 | 約985g | 約916g |
ACアダプター | 148g | 199g |
サイズ(mm) | 313[幅] 216[奥行] 13.9[高さ] |
309[幅] 212.5[奥行] 15.5[高さ] |
保証 | 標準1年 | 標準3年 |
価格(税込) | 150,984円 | 156,471円 |
※価格は、メーカー直販サイトでの価格です
液晶ディスプレイのチェック
ZenBook 13 UX331UALの液晶ディスプレイのチェックです。
見やすい液晶だと思います。
液晶型番は「AUO B133HAN04.9」でした。最大輝度は、当サイトによる計測で、274cd/m2で、やや低めです。
視野角は広いです。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。どの色もほぼ直線的で、自然な発色であることが分かります。
色域は普通です。
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
画素形状は下図の通りです。ギラつきは感じません。
画素の拡大図
表面は、ハーフグレア寄りの非光沢液晶で、映り込みが低減されています。
画面への映り込み
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
普通の打ちやすさです。
キーピッチは、横:約18mm、縦:約19mmとなっており、十分な広さです。キーストロークは、メーカーサイトには約1.4mmと記載されていますが、実測すると1mmちょっとしかなく浅いです。実際に打ってみても、キーストロークの浅さはやや気になります。キートップはほぼフラットですが、底付きの衝撃は低減されています。
キーボードバックライトも搭載しています。
キーボードバックライト
タッチパッドの指の動かしやすさは普通です。クリックボタンも普通の力で押せますが、クリック音はやや大きめです。
タッチパッド
パフォーマンスのチェック
ZenBook 13 UX331UALのパフォーマンスのチェックです。
CPU
最近の標準的なCPU、第8世代インテルCoreプロセッサーのCore i5-8250Uを搭載しています。
CPU性能の目安
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
ストレージ
ストレージは、SATA SSDです。
ストレージ性能の目安
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
本製品で計測したベンチマーク
以下、実機で計測したベンチマークスコアを掲載します。
「特徴」の見出しの部分でも書きましたが、ターボブースト時は十分なクロック周波数が出ていますが、数分後の落ち着いたときのクロック周波数が低めです。
そのため、短時間で終わるベンチマークソフトのスコアは一般的な数値が出ていますが、エンコードのように時間のかかるような処理は長めになっています。
(CPU性能の評価)
Core i5-8250U
(CPU性能の評価)
Core i5-8250U
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)
Core i5-8250U、インテル UHD グラフィックス 620
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
Core i5-8250U | |
---|---|
x265でエンコード (※1) | 34分42秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― |
QSVでエンコード (※3) | 3分37秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
(ストレージの評価)
512GB SATA SSD
上でも記載しましたが、エンコード中のCPUクロックです。
エンコード時のCPUクロック
カードリーダー/ライターのチェック
内蔵カードリーダー/ライターのチェックです。
SDカード挿入後の出っ張りは少ないです。
SDカードスロット
速度は普通です。
SDカードのベンチマーク(UHS-Ⅰのカードで測定)
質量のチェック
ZenBook 13 UX331UALの質量のチェックです。
メーカー仕様表では、約985gとなっています。当サイトによる計測値はそれよりも軽い970gでした。
また、ACアダプターの容量も軽く148gしかありませんでした。
質量の計測結果
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は約50Whと多めです。
当サイトで計測したバッテリー駆動時間は、下の表の通りです。一般的なモバイルノートPCよりも、長い駆動時間です。※OSを最新にし計測しなおしました。
バッテリー駆動時間 | |
---|---|
PCMark 8 Work テスト ※1 | 6時間32分 |
動画再生時 ※2 | 8時間41分 |
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※2 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。うるさいと図書館や講義室などで使うときに、周りの人の迷惑になります。
動作音は低いです。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
20dB |
ほぼ無音 |
21~25dB |
PCに近づかないと音が聞こえないレベル |
26~30dB | PCから少し離れても音が聞こえるレベル |
31~35dB | 静かな扇風機くらいの音 |
36~40dB | PCの近くにいると、ややうるさく感じるレベル |
41~45dB | 風量を上げた扇風機くらいの音。一般的なデスクトップPC音 |
46~50dB | 一般的なエアコン音くらい。うるさい |
50dB以上 | エアコンをハイパワー運転にしたような音。とてもうるさい |
パーツの温度のチェック
温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
普通の温度です。
エンコード時の温度の詳細
エンコード時のCPU温度の詳細です。前述した通り、約8分後のCPUクロックが低めになっています。その影響でCPU温度は、65℃前後と低めで推移しています。
エンコード中のCPU温度
表面温度のチェック
表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
低めの温度です。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
低めの消費電力です。
外観のチェック
外観のチェックです。
深みのあるブルーで、ブラックにかなり近い色です。落ち着いた色なので、派手なデザインが苦手な方にもいいと思います。
ボディ素材にはマグネシウム-アルミニウム合金を採用しています。
天板です。
液晶のフレームは一応狭額縁となっていますが、画面占有率は約75%とそこまで高いわけではありません。
液晶周りはボディとは異なるブラックのカラーで、ややチープさを感じます。
液晶はひねると曲がるタイプで、壊れにくさは別として、剛性は高くなさそうです。
スピーカーは底面に配置されています。Harman Kardonのスピーカーを搭載しており、比較的音は良いですが、最大音量がそれほど高くありません。勝手に点数をつけると、総合的に見て、10点満点で5~6点の音質です(普通が5点で、筆者の独断の評価です)。
液晶が開く最大の角度です。
左側面には、電源、HDMI、USB、USB Type-Cがあります。
右側面には、micro SDカードスロット、ヘッドホン、USBポートがあります。
ACアダプターは45Wの容量です。サイズは小さく、質量も軽いです。ケーブルも細くて持ち運びに便利です。
まとめ
以上が、ZenBook 13 UX331UALのレビューです。
質量が1kgを切る軽さで、バッテリー駆動時間も比較的長く、モバイルノートパソコンとして優秀なスペックです。
エンコードなど、長時間、CPU使用率が100%近くになる負荷を加えると、CPUクロックが他のPCより低めに推移する特徴があります。処理時間が長めになる点はデメリットですが、CPU温度、表面温度が低めなのはメリットです。負荷のかかる処理をしないのであれば、むしろ安心できるのではないかと思います。
ただ、最新のモバイルPCなのに、USB Type-CがPower Deliveryに対応していないのは残念です。また、メモリカードスロットは、フルサイズのSDカードが使用できると良かったです。
詳細・購入はこちら
ASUS(ZenBook 13 UX331UALページ)
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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