Apple 10.5インチiPad Proの実機レビュー
ノートPC並みにハイスペック
Apple 10.5インチiPad Proは前モデルよりディスプレイが一回り大きくなったハイエンドなiOSタブレットです。
外観や機能に大幅な変更はありませんが、全体的にかなりスペックアップし、ノートPC代わりに使うことも想定した仕様になっています。iOSでおなじみの指紋認証センサー「Touch ID」や音声制御機能「Siri」などはもちろん、Apple PencilやSmart Keyboardにも対応しています。
Wi-FiモデルとSIMフリーモデルがあり、SIMフリーモデルは海外でも利用可能なApple SIM内蔵です。
公式販売サイト:Apple Store
※レビュー機は当サイトでの購入品です
目次
主な仕様
Apple 10.5インチiPad Proの主な仕様を、旧モデルの9.7インチiPad Pro、現行の無印iPadと比較しました。
Apple PencilやSmart Keyboardに対応しているのはiPad Proシリーズだけなので、この2つのアクセサリーを使いたい場合はiPad Proシリーズしか選択肢がありません。
新旧のiPad Pro同士で比較すると、機能面はほとんど差がありませんが、チップやメモリなどのスペックは9.7インチモデルよりもかなりスペックアップしています。いずれのモデルも次期iOS11にアップデート可能ですが、従来モデルでは一部機能が制限される可能性も高いです。公式ストアからはすでに9.7インチiPad Proは購入できなくなっています。
10.5インチiPad Pro | 9.7インチ iPad Pro | iPad | |
---|---|---|---|
OS ※1 | iOS 10 | iOS 9 | iOS 10 |
液晶 | 10.5インチ (2224x1668, 264ppi) TrueToneディスプレイ |
9.7インチ (2048x1536, 264ppi) TrueToneディスプレイ |
9.7インチ (2048x1536, 264ppi) |
チップ | A10Xチップ | A9Xチップ | A9チップ |
メモリ | 4GB | 2GB | 2GB |
内部ストレージ | 64, 256, 512GB | 32, 128, 256GB | 32, 128GB |
バッテリー | 約10時間 | 約10時間 | 約10時間 |
リアカメラ | 静止画:1200万画素 ビデオ:4K |
静止画:1200万画素 ビデオ:4K |
静止画:800万画素 ビデオ:fullHD |
フロントカメラ | 静止画:700万画素 ビデオ:fullHD |
静止画:500万画素 ビデオ:fullHD |
静止画:120万画素 ビデオ:HD |
主なスロット | Lightningコネクター ヘッドフォンミニジャック |
Lightningコネクター ヘッドフォンミニジャック |
Lightningコネクター ヘッドフォンミニジャック |
Smart Cover | 対応 | 対応 | 非対応 |
Apple Pencil | 対応 | 対応 | 非対応 |
その他 | Touch ID Siri Apple SIM内蔵 ※2 |
Touch ID Siri Apple SIM内蔵 ※2 |
Touch ID Siri Apple SIM対応 |
質量 | Wi-Fiモデル:約469g Wi-Fi+Cellularモデル:約477g |
Wi-Fiモデル:約437g Wi-Fi+Cellularモデル:約444g |
Wi-Fiモデル:約469g Wi-Fi+Cellularモデル:約478g |
※2 Wi-Fi+Cellular モデルのみ
特徴1 - 洗練された10.5インチディスプレイ
新型のiPad Proは、9.7インチから10.5インチにディスプレイサイズが大きくなっています。旧モデルとディスプレイサイズを比較してみました。
単純に大きくなっただけでなく、上下左右全てのベゼルの幅も狭くなっているので、見た目にもさらに洗練された印象です。ちなみに上下のベゼル幅は約20mm→17mm、左右のベゼル幅は約9mm→6mmの違いです。
9.7インチiPad Pro(左)と10.5インチiPad Pro (右)を比較
ベゼル幅を比較
ディスプレイサイズは大きくなりましたが、ボディは平均約6.9mmから6.1mmへとわずかに薄くなっています。そのため持ち比べてみると、10.5インチiPad Proのほうがホールドした印象はシャープな感じです。比べなければ、旧モデルの9.7インチiPad Proでも十分に薄型ですが、比べると明らかに違います。
ホールドした時の印象がさらにシャープになった
iPad Proシリーズのディスプレイは色再現性の高いP3広色域ディスプレイを採用し、反射防止コーティングや耐指紋性撥油コーティングを施しています。また環境光によって画面の色温度を自動調整してくれる「True Tone」機能も搭載していますが、このあたりの性能は旧モデルのiPad Proと同じ仕様です。
特徴2 - iOS11に備えたハイスペック仕様
2017年秋にリリース予定のiOS11では、複数のアプリを連携させたり、素早くファイルにアクセスしたりといったマルチタスク機能が強化されます。また最新技術のAR(拡張現実)に対応したアプリや機能も登場する予定になっているため、10.5インチiPad ProではOSアップデートに備えてチップやメモリが大幅にスペックアップしています。
2017年秋にリリース予定のiOS11
ベンチマークの数値をまとめて比較した結果が下表です。全てのベンチマークでiPad Air 2はもちろん、旧モデルの9.7インチiPad Proより高い数値を出しています。特に「Geekbench Score」のMulti-Coreスコアは倍近くに上がっています。
ちなみに比較した3機種の中では10.5インチiPad Proのみがメモリ4GB搭載で、他の2機種は2GBです。
10.5インチ iPad Pro |
9.7インチ iPad Pro |
iPad Air2 | ||
---|---|---|---|---|
総合ベンチマーク | PassMark PerformanceTest Mobile | 5927 | 5470 | 4806 |
AnTuTu Benchmark v6.1 | 210070 | 157403 | 104882 | |
CPUベンチマーク | Geekbench 3 Processor Multi-Core | 9851 | 5274 | 4534 |
PassMark PerformanceTest Mobile (CPU) | 82397 | 58469 | 73936 | |
GPUベンチマーク | 3D Mark ICE STORM UNLIMITED | 54328 | 32886 | 21785 |
3D Mark Sling Shot Extream | 3118 | 3061 | 2086 |
Webや動画視聴などだけではスペックの違いが出にくいかもしれませんが、iOS11で強化されると思われるノートパソコンと同じようなマルチタスクの動作や3Dゲーム・動画編集といった用途では差がはっきりすると思います。
通常のノートパソコンを超えるスペック
Appleの公式サイトにはiOS11にアップデート対応可能なiOS端末の一覧が公開されています。結構古いモデルまで対応するようですが、端末によって使える機能と使えない機能があると思われるので、あくまで参考程度にご覧ください。
iOS11にアップデート可能なiOS 端末
特徴3 - 120Hzのリフレッシュレート
新型10.5インチiPad Proのディスプレイは、ディスプレイのリフレッシュレートを従来比で2倍の120Hzに高速化した「ProMotion」テクノロジーを採用しています。リフレッシュレートは1秒間に画面表示を更新する回数なので、高速になるほど、画面の速い動きをスムーズに再現できます。
現時点で対応する動画やゲームアプリなどは発表されていませんが、理論的にはApple Pencilの描画速度やSafariでページをスクロールした時などの表示がよりスムーズになります。また3Dゲームなどではブロックノイズが出にくくなります。
120Hzのリフレッシュレートに対応
旧モデルの9.7インチiPad Proと画面表示を見比べてみましたが、正直なところ、Webブラウジングや動画視聴などではその違いはわかりませんでした。Appleによると、静止画ではリフレッシュレートは24Hzに下がり、必要に応じて120Hzに設定されるようです。
特徴4- Apple Pencil対応
iPad Proシリーズならではの特徴の一つが、Apple Pencilに対応している点です。無印のiPadやiPad mini 4でApple Pencilは使えません。
Apple Pencilに電源やボタンは一切なく、バッテリーインジケーターなどもありません。充電するにはiPad ProのLightning端子に差し込むか、付属の充電アダプターでLightning-USBケーブルを使って充電します。最初のペアリングもiPad Proに直接差し込んで行います。
Apple Pencil
Apple Pencilを10.5インチiPad Proに挿してペアリング
iPad ProよりもApple Pencilの方が厚みがあるので、iPad Proに差し込んだ状態では少しiPad Proが浮き上がってしまいます。端子に負荷がかかっていそうで、やや心配です。この問題点は旧モデルから改善されていません。
Apple Pencil接続時の問題点はそのまま
Apple Pencilの使用感や書き心地は12.9インチiPad Pro(第一世代)や9.7インチiPad Proのレビュー記事でも紹介していますので、Apple Pencilが気になる方はそちらも合わせてご確認ください。
特徴5 - Apple SIM内臓のSIMフリーモデル
10.5インチiPad ProにはWi-FiモデルとWi-Fi+Cellularモデル(SIMフリーモデル)があります。SIMフリーモデルなら格安SIMを使ってWi-Fiがない場所でもモバイル通信でインターネットに接続できます。ちなみにどのストレージ容量のモデルでもSIMフリーモデルはWi-Fiモデルにプラス15,000円した価格設定になっています。
MVNOのSIMがない場合でもSIMフリーモデルにはApple SIMが内蔵されています。そのため端末から直接キャリアを選択して、利用契約手続きをすれば、プリペイド式でモバイル通信を利用することも可能です。国内キャリアではauとsoftbankが選択できます。
SIMカードを交換する必要もなく、世界各国の通信業者やローミング業者に対応しているので、海外旅行先でも煩雑な手続きなしでモバイル通信が利用できます。ただし世界各国全ての通信業者が対応しているわけではなく、国によってサービスは異なります。
日本国内でApple SIMから選べる通信キャリア
利用契約は主にプリペイド方式
MVNOで契約したSIMカードを使う場合のカードサイズはnanoSIMです。LTE-Advancedに対応し、対応バンドは、1、2、3、4、5、7、8、11、12、13、17、18、19、20、21、25、26、27,28、29、30、38、39、40、41です。バンド11とバンド21が旧モデルより新たに追加され、全25バンドに対応しています。
SIMカードサイズはnanoSIM
実際にSIMカードを挿して、10.5インチiPad ProのLTE通信速度をチェックしました。
本サイトでは、SIMカードのレビューで時間帯別の通信速度を計測しましたが、その結果12時頃に極端な速度低下があり15時頃は比較的通信速度が安定していたため、今回はこの2つの時間帯で計測しました。
→時間帯別通信速度のテストを掲載したDMM mobile SIMのレビュー記事はこちら
詳細な測定環境は次のようにして計測しました。
測定場所:東京都江東区内・集合住宅室内
測定に使用したSIM:DMM mobile、mineo (au)
測定アプリ:OOKLA SPEEDTEST
計測日時:2017/6/20(火)、12:00頃および15:00頃(各時間帯で3回以上計測)
各時間帯の計測で得られた代表的な通信速度テストの結果を以下に掲載します。比較的回線が空いている15時台では下り40Mbps前後でした。
平日12時頃の通信速度測定結果 (DMM mobile)
平日15時頃の通信速度測定結果 (DMM mobile)
mineo(au)のnanoSIMカードでも同じように通信速度テストを行いました。各時間帯の計測で得られた代表的な結果を掲載します。
平日12時頃の通信速度測定結果 (mineo au)
平日15時頃の通信速度測定結果 (mineo au)
MVNOのSIMを利用する場合は、各MVNOメーカーからiOS用の構成プロファイルをインストールする必要があります。SIM カードを変える場合は、その都度、既存の構成プロファイルを削除して、新たな構成プロファイルをインストールしなければならないので、頻繁にSIMカードを差し替える場合は面倒だと思います。
mineo(au) の構成プロファイル
特徴6 - 豊富な純正アクセサリー
10.5インチiPad Proには純正アクセサリーが豊富に揃っています。Smart KeyboardやApple Pencil、AirPodsなどの実用的な機能を備えたものからファッショナブルなレザースリーブまで様々です。
豊富な純正アクセサリー
まだどのアクセサリーを買うか決めかねている場合の「とりあえず」のアクセサリーとしては「Smart Cover」がおすすめです。マグネット式で取り付けができて、かさばることなくディスプレイを保護してくれます。折り返して畳めばフラットに使うことも、折り込んでスタンド代わりにすることもできます。カラーバリエーションは全7色あります。
10.5インチ専用Smart Coverを装着した状態
折りたためば邪魔にならない
三角に折り込めばスタンドとしても使える
ちなみに筆者は普段使いのiPad Air 2 (9.7インチ)では、Smart Coverを愛用しています。試しに10.5インチiPad Proに9.7インチ用のSmart Coverを取り付けてみました。取り付けは問題なくできましたが、当然のように幅が足りませんでした。ただ大事な部分は守れている気はしますので、一時しのぎなら使えなくはないと思います。
特徴7 - Touch IDやSiriも使える
10.5インチiPad Proではおなじみの指紋認証機能「Touch ID」や音声認識機能「Siri」など、iOSの豊富な機能が一通り使えます。
「Touch ID」の指紋認証センサーはホームボタンを兼ねています。認証速度や認証精度はタブレットの中ではかなり優れています。iPhone 7とは異なり、ホームボタンは実際に押し込める物理ボタンです。指紋認証はロック画面の解除だけでなく、「Dropbox」や「AppStore」などの対応アプリを開くときにも利用できるので、重要な個人情報にはしっかりとセキュリティーをかけることができます。
Touch IDで使用する指紋を登録
「Siri」はiOSが搭載する音声認識機能で、声でアプリを起動したり、Webを検索したりすることができます。複雑で連続する操作は苦手ですが、天気予報を調べたり、連絡先の相手にメッセージを送ったりといったワンアクションであれば、高い精度で処理してくれます。
「Siri」を起動するときはホームボタンを長押しします。ユーザーの声を登録すれば「Siri」自体を音声で起動することもできます。そのときは「Hey, Siri」と発声した後に用件や指示内容を話しかけます。筆者は普段はあまり使っていませんが、試して見るほどに、使い勝手がわかってきて色々と便利な使い方ができそうです。
Siriにユーザーの音声を覚えさせることもできる
Webや電子書籍の閲覧をチェック
Webページや電子書籍を閲覧した時の使い心地を検証しました。iOSの標準Webブラウザは"Safari"です。画面サイズが広く、解像度も264ppiあるので画像や細かな文字もくっきりと表示されます。
同じWebサイトを表示して旧モデルと比較しました。同じ解像度でピクセル数が大きい分、10.5インチiPad Proの方がわずかに広い範囲を表示することができます。
当サイト「the比較」を縦位置で表示
当サイト「the比較」の一部を拡大
液晶画面はiPadシリーズ共通のアスペクト比4:3です。紙媒体の比率に近いので雑誌や書籍を縦位置で表示したときには見やすいです。また横位置でコミック本を表示したときにも、ちょうど読みやすいサイズになります。
雑誌PDF を縦位置で表示
「iBooks」でコミック本を横位置で表示
ブラウザのベンチマーク結果を掲載します。
JetStreamとOctaneのWebブラウザベンチマークを測定しました。タブレットとしてはダントツで高いスコアです。
JetStream 1.1 | Octane 2.0 | |
---|---|---|
Safari | 201.17 | 31433 |
TVや動画配信を観る
テレビのライブ視聴や動画配信サービスを試しました。
nasneを使ってテレビ視聴
アプリ"TV SideView"を使ってソニー製「nasne」でテレビのライブ視聴を試してみましたが、問題なく視聴できました。
動画配信サービスを確認
動画配信サービスは、月額500円や1,000円程度で過去の多くのテレビ番組や映画、アニメを視聴できるオンラインサービスです。中にはAbemaTVのように無料で視聴できる配信サービスもあります。今回はHulu、dTV、AbemaTV、Amazonビデオ、NETFLIXを試してみました。いずれも問題なく視聴できました。
液晶ディスプレイのチェック
10.5インチiPad Proの液晶ディスプレイをチェックしました。
画面サイズは10.5インチ(2224×1668px、264dpi)、アスペクト比は4:3のRetinaディスプレイです。Android端末と比べるとピクセル解像度はやや変則的です。ベゼル幅は縦位置での左右の横幅が約6mm、上下部分が約17mmとなっています。
ディスプレイの全体像
各アングルから見たときの見やすさをチェックしました。ほぼ真横のアングルからみてもはっきりと表示内容を確認することができます。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
画素の拡大図です。画面のギラつきはありません。
画面表面の拡大図
パフォーマンスのチェック
10.5インチiPad ProのCPU、メモリ、GPUのベンチマーク結果を以下に掲載します。いずれもタブレットとしては圧倒的に高いスコアです。
3Dmark Sling Shot
3Dmark Ice Storm
3Dmark API Overhead
PassMark PerformanceTest Mobile
Geekbench 4 (CPU)
Geekbench 4 (Compute)
Geekbench 3
カメラのチェック
10.5インチiPad Proはリアカメラとフロントカメラを搭載しています。各カメラのスペックは次の通りです。4K動画にも対応しています。
スペック※ | フロントカメラ | リアカメラ |
---|---|---|
ファイル形式 | jpeg | jpeg |
画像サイズ | 3088×2320px | 4032×3024px |
画素数 | 700万画素 | 1200万画素 |
最小絞り値 | f2.2 | f1.8 |
35mm換算焦点距離 | 32mm | 28mm |
内蔵フラッシュ | あり** | あり |
動画サイズ | 1920×1080 | 4K (3840×2160) |
その他撮影機能 | LivePhotos タイムラプス パノラマなど |
LivePhotos タイムラプス パノラマなど |
※※液晶画面が発光するRetinaフラッシュ
旧モデルの9.7インチiPad Proに比べて、リアカメラの最小絞り値が小さくなり、さらに暗い場所での撮影に強くなっています。リアカメラを比べると、10.5インチiPad Proのカメラの方がレンズ部分が一回り大きくなっています。ただしどちらも出っ張っています。
リアカメラ部分を比較
標準カメラアプリでリアカメラを横位置で構えたときの撮影画面です。
リアカメラ使用時は右側のシャッターボタンの上側にLivePhotos、HDR、セルフタイマー、フラッシュ、カメラ切替ボタンが並び、下側にプレビューボタンと撮影機能ダイヤルが配置されます。左側にはデジタルズーム用のスライダーがあります。両手で持ったときにちょうど両方の手の親指で操作しやすいボタン配置になっています。 縦位置でもボタン配置は自動的に回転して左右に配置されます。
ピントを合わせたい部分にタッチするとフォーカス位置に黄色い四角枠が表示されてオートフォーカスが働きます。何もしなくても自動的に近くの被写体にピントを合わせてくれます。また黄色い四角枠のそばに表示される太陽マークを上下にスライドさせると、撮影前に明るさを調整することも可能です。
標準カメラアプリの撮影画面
iPadシリーズは標準カメラで設定変更できる項目はあまりありません。設定メニューでもビデオ撮影やスローモーション撮影の撮影サイズやグリッド表示のオン・オフを切り替えられる程度です。その代わりカメラ自体の基本性能はタブレットの中ではかなり高いです。またApp Storeには様々な機能を備えたカメラアプリがたくさん揃っていて、本格的な動画撮影や画像処理が可能なアプリもあります。
写真は1,200万画素あり、動画は4K撮影も可能です。画面構成にもよりますが、写真は1枚あたり約2MB。4K動画は1分間で約350MB のファイルサイズになります。撮影頻度が高い場合や4K動画も撮ってみたい場合などは、なるべくストレージ容量の大きなモデルを選ぶことをお勧めします。
標準カメラの設定項目はあまりない
動画は撮影設定でファイルサイズが大きく変わる
バッテリー駆動時間のチェック
10.5インチiPad Proのバッテリ―駆動時間をアプリ「バッテリー」でチェックしました。100%充電した状態でのバッテリー駆動時間の目安は次の通りでした。ちなみにiPadシリーズのバッテリー駆動時間は、基本的にどのモデルもメーカー公表値で約10時間となっています。
バッテリー駆動時間の目安
重量のチェック
10.5インチiPad Pro (Wi-Fi+Cellularモデル)の重量を測ったところ約477gとメーカー公表値と一致しました。Smart Coverをつけた状態では約576gになりました。
本体の重量測定結果
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし表面温度が高すぎると、スマートフォンを持つ手が熱くなり不快になります。
本体の裏面を計測した結果、今回のテスト条件ではほとんど温度上昇はありませんでした。
外観のチェック
外観です。今回のレビューで使用したのはSIMフリーモデルのスペースグレーです。
表面は黒いベゼルに囲まれ、その周囲はエッジがついた光沢感のあるシルバーで縁取られています。本体下部分中央にTouch IDを兼ねたホームボタンがあり、わずかにくぼんでいます。他の部分はフラットです。
表側の全体像
ホームボタン
上部中央にはフロントカメラを配置。また左端と右端に見えづらいですが、センサーらしきものがあります。出っ張りはありません。
フロントカメラ
裏面はつや消しのグレーシルバーで覆われていて、きめ細かなざらつきのある手触りです。アップルのロゴだけが鏡面仕上げになっています。この部分はやや指紋が目立ちやすいです。
裏面全体
Appleのロゴマーク
上部分中央付近にはアンテナ部分を示す枠があり、小さなマイク穴が中央にあります。
裏面の上部中央付近
裏面上部の左側にリアカメラがあり、その下にLEDフラッシュがあります。リアカメラ部分は1mmほど出っ張っています。そのため平らな場所に置いた場合、水平にはなりません。
リアカメラとLEDフラッシュ
リアカメラの分だけ本体が浮いてしまう
上側面の中央にもマイク穴があり、左右にスピーカーがあります。さらに右端にヘッドホン端子、左端に電源ボタンが配置してあります。
上側面
下側面の中央にLightning端子があり、その左右にはスピーカーがあります。スピーカーは合計4基あり、タブレットとしては立体感のある本格的な音が楽しめます。
下側面
右側面の下側にnanoSIMスロットがあります。上側には音量ボタンがあります。
右側面下側にあるnanoSIMスロット
右側面の上側にある音量ボタン
左側面の中央にはSmart Keyboardなどを接続して給電するためのSmart Connectorがあります。左側面はSmart Coverが取り付けられるように磁石になっています。そのためSIMピンなどを近づけてもくっつきます。
左側面のSmart Connector
各側面の一覧です。
各側面の配置
付属品はLightning-USBケーブルとAC電源アダプターです。電源アダプターの出力は12Wです。
付属品
まとめ
以上が10.5インチiPad Proのレビューでした。
パッと見では一回りディスプレイが大きくなっただけに思えますが、手にした印象はそのままに表示画面だけが大きく、見やすくなった感じです。また搭載されている機能自体は旧モデルとあまり変わりませんが、スペックはかなりアップしています。
2017年秋頃公開予定の次期iOS11はノートパソコンに匹敵する操作性やAR(拡張現実)アプリに対応し、大幅にアップデートされる見通しです。従来モデルでもiOS11にアップデート自体は可能ですが、スペックが足りない端末では機能が制限される可能性もあります。最新機能をストレスなく使いたい場合は、10.5インチiPad Proを選んでおくほうが確実です。
逆にWebや動画視聴、SNSなどの利用がメインで、Apple PencilやSmart Keyboardを使わないのであれば、無印のiPadも選択肢に入ると思います。
公式販売サイト:Apple Store |