iiyama ProLite XUB2790HS(XUB2790HS-B1)の実機レビュー

更新日:2014年4月7日

ベゼルフリーの27型IPS液晶

iiyama ProLite XUB2790HSは、ベゼル枠のないフラットデザインを採用した、27型大画面のフルHD液晶ディスプレイです。

発色と視野角の良いAH-IPSパネルに加え、残像を抑えるオーバードライブ機能、コントラスト比を向上させるACR機能を搭載。またスイーベル、昇降機能、ピボット機能を兼ね備えたスタンドにより、使用環境に合わせた自由な位置調整が可能です。

消費電力も低く、ベゼル幅が小さいので、マルチディスプレイ環境などにもぴったりの製品です。

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※レビュー機はメーカーからの貸出機です

基本スペックのチェック

基本スペックのチェックです。

本製品は、ベゼルフリーのフラットパネルを採用した、iiyamaの「ウルトラスリムシリーズ」の27型パーフェクトスタンド(チルト、昇降、スイーベル、ピボット可能なスタンド)モデルです。以前にレビューしたiiyama ProLite XU2390HSと同シリーズのものですが、スタンド部分は本機のほうが高機能です。

基本スペック
製品名 iiyama ProLite XUB2790HS
サイズ 27型ワイド
解像度 1920×1080
表面処理 非光沢
パネル方式 AH-IPS
バックライト ホワイトLED
応答速度 5ms(OD最大時)
コントラスト比 1,000:1(標準)
5,000,000:1(ACR機能時)
入力端子 DVI-D×1
D-sub×1
HDMI×1
スピーカー 2W×2
VESAマウント規格 100×100 mm 対応
位置調節 チルト機能(上20°下4°)
昇降機能(130mm)
スイーベル機能(左右90°)
ピボット機能
消費電力 標準 27W
パワーマネジメントモード時 最大0.5W
輝度 標準:250 cd/m²
重量 6.5kg(スピーカー、スタンド含む)
付属ケーブル D-SUBミニ15ピンケーブル
DVI-Dケーブル
HDMIケーブル
オーディオケーブル
電源コード

画質のチェック

ガンマ補正曲線のチェック

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色もほぼ直線的です。このことから、色再現性は高いことが分かります。


ガンマ補正曲線
※ i1 BASIC PROで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

色域のチェック

色域の広さは標準的です。


ガモット図(a*b*平面)
※ i1 BASIC PROでICCプロファイルを作成後、ICCViewでグラフを作成

画素のチェック

画面をマイクロスコープで拡大した図です。ノングレアの処理面も凹凸が少なく、ギラ付きは感じません。


画素の拡大図 ※マイクロスコープ(FS-SST240 )で撮影

視野角のチェック

本機はAH-IPSパネルを採用しているので、下の写真のように視野角はとても広いです。


正面から見た場合

上下から見た場合

横から見た場合

残像感、動画のチェック

応答速度は速い


応答速度は実測でおよそ5ms

残像感のチェックでは「液晶応答速度&低解像度チェック」というソフトを使って計測しました。本機には応答速度を改善する5段階のオーバードライブ機能を搭載しており、メーカー発表値で最大5msまで改善させることができます。

実際に私が計測したところ、オーバードライブ機能オフで応答速度はおよそ6ms、オーバードライブ機能最大時ではおよそ5msと、メーカー発表値と同じ結果となりました。ただし、あくまで目視での計測であるため、結果に個人差が出る点はご了承ください。

動画の視聴も綺麗


実際にブルーレイディスクを再生して動画を視聴

実際にブルーレイディスクを再生して、映像を視聴してみました。本機は27型の大画面と、発色の良いAH-IPSパネルにより、綺麗で迫力のある映像を楽しむことができます。またベゼル枠のないフラットデザインは、より一層映像に集中することができます。

さらに本機にはゲームや動画の再生時にシーン応じて輝度を変え、コントラスト比を最大500万:1まで向上させるACR機能が搭載されているので、鮮明で引き締まった映像を楽しむことができます。

ゲームの快適度をチェック

FPSをプレイ


PC版「バトルフィールド 4」をプレイ

実際に本機でFPSゲームである、PC版の「バトルフィールド 4」をプレイしてみました。やはり27型の大画面だと、迫力や臨場感が段違いです。また色合いも良く、ベゼル枠のないフラットパネルは、画面への集中力が増すので、ついつい長時間ゲームに没頭してしまいます。

残像は気になりませんが、画面が大きいせいか、オーバードライブ機能が最大だと、強調されるグラフィックの輪郭が少し気になってしまうので、FPSなどのゲームの場合、オーバードライブ機能は+1くらいが一番見やすいと思います。

格闘ゲームをプレイ


「スーパーストリートファイターIV AE」をプレイ

次は格闘ゲームである「スーパーストリートファイターIV AE」をプレイ。27型の大画面ともなると、多少遅延が出るのではと思いましたが、PS3版、XBOX版、PC版と、3機種でプレイしてみたところ、特に気になるような入力遅延は感じられませんでした。

オーバードライブ機能は最大だと、キャラクターの輪郭が強調され、逆に見づらくなることもあったので、格闘ゲームをプレイする際には、+1またはオフに設定した方がいいでしょう。

OSDメニュー及び操作性のチェック


本機のOSD操作ボタン

本機のOSD操作ボタンは右の写真のように、少し奥の方に配置されています。ボタンは押しやすく、パネルを支えるスタンドもしっかりしているので、ボタン操作による揺れはありません。

OSDメニューは下の写真の様に、文字が少し小さく感じますが、27型だと見やすいです。このOSDメニューからは、輝度、コントラスト、色温度、RGBの調整や、オーバードライブの切り替え、ACR機能のオン/オフができます。

iiyama製品従来のi-Style Color(プリセットモード)も用意されており、標準、テキスト、インターネット、ゲーム、ムービー、スポーツの6種類から表示する映像に応じて、最適なモードを選択することができます。


本機のOSDメニュー


その他のOSDメニュー

消費電力のチェック

消費電力はかなり低い


実際にワットチェッカーで輝度ごとに消費電力を計測してみました。本機の輝度は0~100まで一段階ずつ細かな調整が可能です。

測定結果は右の写真の通り、輝度最小時では約14.5W、輝度中間時で約19.0W、輝度最大時では約26.6Wという結果でした。また、120cd/m²での消費電力は中間時と同じ、19.0Wとなっています。

大画面の27型液晶にしては、消費電力は全体的にかなり低い製品となってます。

ワンボタンでECOモードの切り替えが可能


3段階のECOモードを搭載

iiyamaの製品には省エネ・節電機能としてワンボタンで切り替えができるECOモードが搭載されています。本機のECOモードは3段階用意されており、通常(おそらく輝度最大時)よりも輝度を下げ、消費電力をさらに削減してくれます。


  消費電力削減率 年間消費電力量 削減率
通常モード 27W 41.6 kWh
Ecoモード 1 通常より約 15%削減 39.4 kWh 5.3%
Ecoモード 2 通常より約 25%削減 38.5 kWh 7.5%
Ecoモード 3 通常より約 35%削減 37.4 kWh 10.1%
※メーカーホームページより抜粋

外観のチェック

外観のチェックです。

これまで27型のパーフェクトスタンドモデルと言えば、無骨でごつごつしたイメージが強かったのですが、本機は27型という大画面にも関わらず、ベゼル枠のないフラットパネルにより、非常にスリムですっきりとした印象です。スタンドはしっかりしており、台座も大きく非常に安定しているので、キーボードを強く叩いても揺れにくいです。位置調節は硬すぎず、とても調整しやすいです。


全体の写真です。


斜めからの写真です。


ベゼル枠はフラットになっており、幅は12mm、非表示部分は実測で約8mmとなってます。


正面の写真です。


ピボット時の写真です。


背面の写真です。


側面の写真です。
高さ調節幅は最大130mm、チルト調整幅は上20°下4°


スイーベル機能は左右90°


スタンド上部の写真です。


背面はヘアライン調になってます。


液晶下部は光沢、その下はヘアライン調になっています。


スタンド、台座の写真です。


スタンドには穴が空いており、ケーブルをまとめることができます。


入力部分の写真です。


スタンド機構部分の写真です。


台座の写真です。


台座裏面です。ゴム足は6点です。


同梱されているケーブル類です。
詳しいケーブル類は、冒頭部分の基本スペック表をご覧ください。

まとめ

以上がiiyama ProLite XUB2790HSのレビューです。

本機はベゼルフリーのフラットパネルを採用した、「ウルトラスリムシリーズ」の27型パーフェクトスタンドモデルです。
大画面の27型と、発色と視野角の良いAH-IPSパネル、見栄えの良いベゼルフリーのフラットパネル、そして自由な位置調整が可能なパーフェクトスタンドを搭載している点が主な特徴となってます。 現在、ベゼルフリーデザインが主流となりつつありますが、27型でこれほどの機能を兼ね備えた液晶ディスプレイはなかなか無いです。

27型ほどの広さがあれば、WQHD(2560x1440)の解像度でも良いのですが、本製品はフルHD(1920x1080)にすることで、消費電力が低く、価格も安くなっています。もし、WQHD(2560x1440)の解像度を希望するなら、「ProLite XB2779QSの実機レビュー」もご覧ください。

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