ウイルスバスターなどがApp Storeから一時公開停止

更新日:2018年12月14日


2018年9月12日、ウイルスバスターなどのトレンドマイクロ社製のMac OS / iOSアプリが、App Storeから一時公開停止されました。この件について、経緯を時系列順にまとめました。

 

 

(他社製)Adware Doctorというアプリがブラウザ履歴を中国へ送信

Mac向けの(トレンドマイクロとは関係のない)Adware Doctorというアプリが、ユーザーのブラウザ履歴を収集し、中国のサーバーへ送っているのが発覚。

トレンドマイクロ製品にも同機能があることが判明

トレンドマイクロのDr. Cleaner、Dr.Antivirusにも、ブラウザ履歴を収集する機能があることが発覚。

トレンドマイクロ社は同機能はあると認めるが、ユーザーデータを盗んだわけではないと声明

トレンドマイクロは、ブラウザ履歴を収集する機能はあるが、ソフトをインストールする前の24時間分のブラウザ履歴を1回だけ送信しているだけと発表。収集目的は、ユーザーが最近アドウェアやその他の脅威に遭遇したかどうかを分析し、製品およびサービスを改善するかどうかを分析するためとのこと。

同機能が搭載されていたアプリは、Dr. Cleaner、Dr. Cleaner Pro、Dr. Antivirus、Dr. Unarchiver、Dr. Battery、Duplicate Finder。

送信先は中国ではなく、トレンドマイクロが管理する米国のサーバー。また、インストール前に利用規約でユーザーには承諾を得ているとのこと。

このブラウザ履歴を収集する機能は、いくつかのアプリで共通で使われており、顧客の懸念を受け止め同機能の削除を完了。またサーバーに保存されていた全てのログを破棄。

米トレンドマイクロのブログ


しかし、「現在、すべてのアプリはApp Storeで利用できません。」と、App Storeで、アプリが利用停止に。

日本向けアプリの「ライトクリーナー」にも同機能があることが判明

ブラウザ履歴を収集する機能が、日本向けのMac用「ライトクリーナー」「ライトクリーナー LE」にもあることが判明。

共同通信

日本向けのトレンドマイクロ製品がApp Storeから一時公開停止

2018年9月12日、トレンドマイクロ製 Mac OS / iOSアプリがApp Storeから一時公開停止になる。対象アプリは次の通り。

■対象アプリ(個人)
・ウイルスバスター モバイル(iOS版)
・パスワードマネージャー(iOS版)
・ウイルスバスター for Home Network(iOS版)
・ウイルスバスターマルチデバイス月額版(iOS版)
・ウイルスバスターモバイル月額版(iOS版)
・ウイルスバスター+デジタルサポート月額版(iOS版)
・パスワードマネージャー月額版(iOS版)
・フリーWi-Fiプロテクション(iOS版)
・Jewelry Box (iOS版)
・ライトクリーナー/ライトクリーナーLE

■対象アプリ(法人)
・Trend Micro Mobile Security (iOS デバイス)

 

日本のトレンドマイクロの公式サイト

日本のトレンドマイクロのHPにも、米トレンドマイクロブログと同じ内容が掲載

日本のトレンドマイクロのHPにも、米トレンドマイクロブログと同じ内容が掲載。

トレンドマイクロ社のアプリが、App Store上で一時公開停止となっている理由についてはまだ確認中。

なお、Dr. Cleanerの日本国内製品名がライトクリーナーで、Dr. Cleaner Proの日本国内製品名がライトクリーナー LEとのこと。

日本のトレンドマイクロの公式サイト

米トレンドマイクロ、アプリを修正しアップルに再送信中

(App Storeにてアプリが公開停止した件について)アップルの要件を完全に厳守するため、アプリをアップデートし、アップルに再送信中。公開停止の根拠は不明。アップルの決定をさらに理解し、問題に取り組む。

米トレンドマイクロのブログ

App Storeでの公開が再開

2018年11月17日、一部の製品の公開が再開。ブラウザ履歴を収集する機能を持っていた、「ライトクリーナー」「ライトクリーナー LE」については公開停止中。

日本のトレンドマイクロの公式サイト