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セキュリティソフトの軽さの比較

更新日:2018年5月9日

パソコンを重くしにくいソフトはどれ?

セキュリティソフトをインストールしたら、パソコンが重たくなってイライラしたことはありませんか? セキュリティソフトは、PCや情報を守る重要なソフトではありますが、作業が便利になったり快適になったりするソフトではありません。逆にPCが重たくなって、作業の快適性が損なわれてしまいます。しかし、パソコンにセキュリティソフトをインストールしないわけにはいきませんので、できるだけPCに負荷のかからないソフトを選びたいものです。

ここでは、10社のセキュリティソフトにおいて、スキャン時間や、PC負荷等をテストし比較しました。

軽いセキュリティソフト

まず結果から書くと、今回の当サイトによるテストにおいて総合的に軽いセキュリティソフトは次のソフトでした。

※ただし、他のテスト環境・方法によって結果は変わります。

ESET セキュリティソフト

どのテストもまんべんなく良く、ストレスが感じにくいセキュリティソフトです。スキャンエンジンの設計が良いため、動作が非常に軽くなっています。

ZERO ウイルスセキュリティ

Webサイトの表示はやや遅く、パソコンの再起動時間もやや遅いですが、それ以外のテストは非常に優秀でした。

テスト内容

動作の軽さのテストは、次の内容を実施しました。

尚、テストに用いたパソコンは、Windows 10 April 2018 Update、Core i7-6500U、8GBメモリ、120GB SSD、Windows 10、Office 2016といった構成です。テストは2018年5月に実施しました。

パソコンやテスト内容が変われば、結果も異なります。ここでは、"当サイトの限定された環境"での結果となりますので、ご了承ください。

テスト結果一覧

まず、全てのテスト結果の一覧を、下の表にまとめます。各テストにおいて、上位3つのセキュリティソフトの結果をピンク色のセルにし、下位3つのセキュリティソフトの結果を灰色にしています(3位の数値が同じである場合、3位は複数あります)。

数年前と比較すると、どのセキュリティソフトも非常に軽くなってきており、差は少なくなってきていますが、今回のテストにおいて、総合的に判断して最も軽いと言えるのは、ESETセキュリティソフトでした。次がZERO ウイルスセキュリティで、ノートンも比較的軽めでした。

逆に、G DATAはやや重いと言える結果となりました。

動作の軽さの比較
セキュリティソフト名 Cドライブスキャン時間
(2回目)
外付けHDDのスキャン時間と
PC負荷(平均値)
OS再起動時間 メモリ使用量 Webサイト(10サイト)の起動時間 圧縮ファイルの
解凍時間
NW越しのファイルコピー PC Mark 8 スコア ピンク色のセル -灰色のセルの数
時間 CPU ディスク
ESET 1分59秒 9分33秒 24.5% 40.0MB/s 45秒 1.75GB 22秒 48秒 1分6秒 2450 +5
ノートン 6分7秒 4分44秒 34.1% 29.3MB/s 41秒 1.83GB 27秒 48秒 1分32秒 2427 +3
ウイルスバスター 3分38秒 1分28秒 39.1% 24.6MB/s 42秒 1.92GB 31秒 1分2秒 1分8秒 2335 +1
カスペルスキー 2分8秒 10分43秒 50.4% 56.9MB/s 47秒 1.99GB 25秒 48秒 1分37秒 2412 -2
マカフィー 14分11秒 7分24秒 68.9% 23.8MB/s 45秒 1.97GB 27秒 1分19秒 1分15秒 2407 -2
G DATA 8分56秒 7分20秒 70.2% 70.1MB/s 44秒 2.49GB 32秒 1分43秒 1分14秒 2276 -5
アバスト 10分31秒 13分58秒 25.4% 35.3MB/s 51秒 1.90GB 38秒 48秒 1分4秒 2361 -3
AVG 1分2秒 11分12秒 22.2% 27.4MB/s 1分0秒 2.07GB 37秒 47秒 1分23秒 2428 ± 0
ZERO スーパーセキュリティ 18秒 10分14秒 42.9% 48.1MB/s 50秒 2.42GB 23秒 53秒 1分0秒 2409 +1
ZERO ウイルスセキュリティ 16秒 4分42秒 23.5% 43.8MB/s 57秒 1.79GB 53秒 53秒 52秒 2492 +4
※上位3つのセキュリティソフトをピンク色のセルにしています。
※下位3つのセキュリティソフトを灰色のセルにしています。

テスト1 - Cドライブスキャン時間

Cドライブのスキャン時間の計測結果です。

いくつかのセキュリティソフトは、インストールすると、初期スキャンが自動で始まってしまいます。また、2回目以降のスキャンは、差分ファイルや信頼済み以外のファイルのみスキャンするため、1回目よりも早く終わるセキュリティソフトもあります。

そのため、ここでは、2回目のスキャン時間を計測することにしました。具体的には、初期スキャンが開始するソフトは終わるのを待ち、その後、すべてのソフトでまずCドライブのフルスキャンを実行します。スキャン完了後再起動し、もう1度、Cドライブのスキャンし、このときの時間を計測しました。

ここでのテストでは、ZERO ウイルスセキュリティと、ZEROスーパーセキュリティのスキャン時間が短く、軽いと言える結果となりました。

Cドライブのスキャン時間(2回目)

 

テスト2 - 外付けHDDスキャン時間とPC負荷

ここでは、セキュリティソフトが1番最初にファイルをスキャンするときにかかる時間を比較します。

具体的には、Cドライブには入っていないファイルを、事前に外付けHDDに保存しておき、スキャンする直前まで、PCに接続しないでおきます。外付けHDDに入っているファイルの容量は合計約30GBで、実行ファイルや、Word、Excel、画像、動画ファイルなど様々な種類が入っています。

PCに負荷がかかっていないことを確認した後、外付けHDDを接続し、外付けHDDのスキャン時間と、そのときのCPU、ディスクの負荷を計測しました。

スキャン時間

外付けHDD(初めてスキャンするファイル)のスキャン時間に関しては、ウイルスバスターが最も速く、軽いと言える結果となりました。

他のセキュリティソフトと時間が違いすぎるため、本当にスキャンしているのか心配になるくらいです。

外付けHDDスキャン中のスキャン時間

CPUの負荷

スキャン中のCPUの負荷の結果は次の通りです。ソフトが多いので、グラフを2つに分けています。

ESETはスキャン時間はそこまで短くありませんでしたが、CPU使用率が低く、他の作業の邪魔になりにくいです。ZEROウイルスセキュリティは、スキャン時間も短めで、CPU負荷も低く軽かったです。

一方、G DATAとマカフィーはスキャン中のCPU使用率が高く、他の作業に支障が出やすいと言えます。

外付けHDDスキャン中のCPU使用率 [%]

 

ディスクの負荷

スキャン中のディスクの負荷の結果は次の通りです。

ウイルスバスター、マカフィー、AVG、ノートンのディスク負荷が低かったです。遅いストレージ(例えばノート用HDDなど)を搭載している場合、このようなソフトが良いと思います。

一方、G DATAはディスク負荷が非常に高かったです。G DATAはCPU負荷も高くスキャン中の負荷は高いと言えます。

外付けHDDスキャン中のディスク負荷 [MB/s]

 

なお、セキュリティソフトによっては、アイドルスキャン(PCを操作していないときのみ実行するスキャン)機能を搭載しています。作業中に負荷をかけたくない場合、この機能をオンにするのも良いでしょう。そうすればスキャン時間は長くなりますが、CPUやストレージの負荷は減ります。

テスト3 - OS再起動時間

PassMark Rebooterのソフトを用い、OSの再起動時間を計測した結果です。5回連続で再起動を実施し、1回あたりの平均再起動時間を求めています。

再起動時間は、ノートン セキュリティが短く、軽いと言える結果となりました。電源投入後すぐに作業を始めたい方、シャットダウン開始後、すぐにPCが切れてほしい方などにおすすめです。

一方、AVG インターネットセキュリティとZERO ウイルスセキュリティは、再起動時間が長めでした。

OS再起動時間

 

テスト4 - メモリ使用量の比較

OS起動後の約10分間、メモリ使用量を計測した結果です。

落ち着いた頃のメモリ使用量は、ESETセキュリティが最も低く、軽いと言える結果となりました。4GBなどメモリの少ないパソコンを使う際は、ESETがおすすめです。

一方、G DATAはメモリ使用量が極端に多く、メモリの少ないPCにはおすすめしません。

メモリ使用量

テスト5 - Webサイトの表示時間

FireFoxのブラウザにて、タブグループに登録した10個のサイトを一度に開き、その時間を計測しました。サイトを表示する前に、キャッシュは全てクリアしています。

結果は、ESETセキュリティソフトとZERO スーパーセキュリティの起動時間が短かったです。Webサイトを頻繁に閲覧する方は、このようなソフトがおすすめです。

一方、ZERO ウイルスセキュリティは、Webサイトの表示時間がかなり長かったです。このソフトは、他のテストでは優秀な結果ですが、このテストのみ極端に悪かったのが残念です。Webサイトをよく見る方は、やや重いと感じることがあるかもしれません。

ブラウザで10サイトをタブで開く時間

 

テスト6 - 圧縮ファイルの解凍時間

圧縮ファイル(約1.73GB)の解凍時間を計測した結果は次の通りです。

G DATA インターネットセキュリティの解凍時間が極端に遅い結果となりました。また、マカフィーも遅かったです。

他のソフトはそれほど大きな違いはありませんでした。

圧縮ファイルの解凍時間

 

テスト7 - ネットワーク越しのファイルコピー時間

LAN内に設置したNASからファイルをコピーするテストを実施しました。ファイルは実行ファイルやテキストファイルなど、様々なファイルで構成され、容量は合計で2.67GBとなります。1Gbpsの有線LANを経由してコピーさせています。

こちらは、ZERO ウイルスセキュリティやZEROスーパーセキュリティが速く、軽いと言える結果でした。NASへファイルを保存して使用している方は、これらのセキュリティソフトがおすすめです。

一方、カスペルスキーやノートンはやや遅い結果となりました。

ネットワーク越しのファイルコピー時間

 

テスト8 - PC Mark 8(Applications)のスコア

PC Mark 8のベンチマークを実行し、どのセキュリティソフトをインストールしているときの結果が最も良いかをテストしました。なお、PC Mark 8 には色々なテストが用意されていますが、ここでは、Office(Word、Excel、PowerPoint)のパフォーマンスを測る「Applications」というテストを実施しました。

どのソフトもそれほど違いはありませんでしたが、ZERO ウイルスセキュリティやESETセキュリティが最も高いスコアでした。Officeソフトを少しでも快適に使いたいなら、これらのソフトが良いと思います。

一方、G DATAは他よりもスコアが良くありませんでした。

PC Mark 8 Applications - Microsoft Office

 

最後に

今回の当サイトのテストでは、ESETセキュリティソフトと、ZEROウイルスセキュリティソフトが、軽いと言える結果となりました。

ただし、異なるテスト方法だと結果は変わってきます。現に第3者機関のAV-TESTの結果を見ると、今回良かったESETの"Performance"のテスト結果はそれほど良くありません。逆に、今回それほど良くなかったカスペルスキーやマカフィーは、AV-TESTでは高評価であったりします。AV-Comparativesのテストもまた異なってきます。

第3者機関でのテスト結果については、「動作の軽さの評価 - セキュリティソフトの比較」のページに記載していますので、ご覧下さい。

また、セキュリティソフトは、軽さだけで決めるものではありません。性能とのバランスが重要です。性能面も含めた比較については、下のリンク先をご覧ください。

関連リンク

セキュリティソフトの比較