セキュリティソフトのマルウェア対策性能の評価

更新日:2019年9月6日

ここでは、各セキュリティソフトのマルウェア(ウイルスやスパイウェア、ワーム、トロイの木馬などを含む悪意のある不正なソフトウェア)を防ぐ性能について、世界的に有名な第3者機関の評価を掲載します。

個人でハニーポットを用意してマルウェアを収集しても、限定的な評価になってしまうため、ここではセキュリティソフトの評価を専門に行っている団体のテスト結果を参考にします。

 

【結論】マルウェア対策性能が良いソフト

各第3者機関のテスト結果を見ると、セキュリティソフトの比較ページで紹介している製品の中で、ZERO ウイルスセキュリティ以外は、全て安心して使えるソフトだと思います。ZERO ウイルスセキュリティも、最近はそれほど悪いテスト結果ではなく、ある程度セキュリティに気をつけられる人なら使っても問題ないと思います。

特に高い評価を得ているセキュリティソフトを挙げるとすれば、カスペルスキー、Bitdefender (ZERO スーパーセキュリティで使用しているエンジン)かなと思います。どの第3者機関でも高い評価を得ています。

カスペルスキー セキュリティ

いずれのテストでも高い評価のセキュリティソフトです。すべてが高機能で、万全のセキュリティです。

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ZERO スーパーセキュリティ

非常に高性能なBitdefenderのエンジンを採用しています。開発をソースネクストで行っているわけでありません。更新料が0円とお得です。

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AV-comparatives の評価

ここでは、オーストリアの独立系テスト機関のAV-comparativesによる評価結果を掲載します。Real-World Protection Tests、File Detection Tests、Malware Protection Testの3つのテスト結果について掲載します。

Real-World Protection Tests(実利用環境での保護テスト)

まず、実利用環境での保護テストの結果を掲載します。パターンファイルによるチェックなど一部の機能だけ使ったテストではなく、Web上の脅威について、すべての機能を使って、どこまで保護できるかの評価結果となります。一般的なテストではマルウェアの実行ファイルをスキャンしチェックしますが、このテストでは、Webサイトを閲覧中に、悪意あるサイトのURLをクリックしたとき、脆弱性を突いた攻撃を受けているとき、ファイルをダウンロードしているときなど、あらゆる段階で保護できるかをチェックしています。

過去5回分の結果を掲載します。こちらの結果を見ると、国内主要有料ソフトでは、カスペルスキーとBitdefenderが毎年、星3(ADVANCED+)の高い評価を得ています。

AV-comparatives「Real-World Protection Tests」
  2017年
2~6月
2017年
7~11月
2018年
2~6月
2018年
7~11月
2019年
2~5月
国内主要有料ソフト
ESET ★★ ★★★ ★★ ★★
カスペルスキー ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
ノートン ★★★ ★★ ★★ ★★ ★★
ウイルスバスター ★★ ★★★ ★★ ★★ ★★
マカフィー ★★★ ★★★ ★★★
アバスト ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★
Bitdefender ※1 ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
K7 ※2 不参加 不参加 ★★ ★★★
その他セキュリティソフト
Avira ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
AVG ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★
F-secure ★★ ★★ ★★ ★★ ★★
G DATA 不参加 不参加 不参加 不参加 不参加
Windows ※3 ★★ ★★ ★★ ★★ ★★
※1 ZEROスーパーセキュリティが使用するエンジン
※2 ZEROウイルスセキュリティが使用するエンジン
※3 Windows 10標準のWindows Defender

 

Malware Protection Test(マルウェアからの保護テスト)

このMalware Protection Testでは、マルウェアの"検出率(Detection Rate)"だけでなく、"保護率(Protection Rate)"もチェックします。セキュリティソフトによっては、スキャンによってマルウェアが検出されなくても、マルウェアが実行されたときにはじめてマルウェアを認識してブロックし、PCを保護できる場合もあるためです。

Real-World Protection TestsのWeb閲覧時のテストとは対照的に、本テストでは、ローカルエリアネットワークやUSBメモリ経由での感染シナリオを想定し、テストしています。

また、オフライン(OFFLINE)とオンライン(ONLINE)時でテストすることにより、セキュリティソフトがどれだけクラウドに依存しているかを確認することができます。

2回実施されたテストの結果は下表の通りです。国内主要有料ソフトの中で、オンライン保護率(ONLINE Protection Rate)が高く、誤検出が少なく、「ADVANCED+」の評価を得ていたのは、Bitdefenderでした。

また、オフライン検出率(OFFLINE Detection Rate)が高かったのはBitdefender、アバスト、K7で、オフライン環境でPCを使う方は、これらのソフトが良いと思います。

AV-comparatives「Malware Protection Test 2019年3月」
  OFFLINE
Detection Rate
ONLINE
Detection Rate
ONLINE
Protection Rate
False
Alarms
ONLINE
Protectionの
AWARDS
国内主要有料ソフト
ESET 97.6% 99.86% 1 ★★
カスペルスキー 97.4% 97.8% 99.88% 3 ★★
ノートン 89.3% 99.8% 99.98% 19 ★★
ウイルスバスター 51.1% 98.7% 100% 81
マカフィー 83.7% 99.1% 99.90% 9 ★★
アバスト 98.6% 99.99% 15 ★★
Bitdefender ※1 98.7% 99.99% 6 ★★★
K7 ※2 98.1% 99.95% 44 ★★
その他セキュリティソフト
Avira 95.8% 99.9% 100% 4 ★★★
AVG 98.6% 99.99% 15 ★★
F-secure 95.8% 98.9% 99.87% 17
G DATA 不参加 不参加 不参加 不参加 不参加
Windows ※3 68.5% 88.3% 99.98% 8 ★★★
※1 ZEROスーパーセキュリティが使用するエンジン
※2 ZEROウイルスセキュリティが使用するエンジン
※3 Windows 10標準のWindows Defender

 

AV-TESTの評価

ドイツの独立系テスト機関のAV-TESTのスコアを下に記載します。

ここでは、大きく分けるとProtection、Performance、Usabilityの3つの項目についてテストされます。Protectionはマルウェア全般からの保護能力、PerformanceはPCのスピードへの影響、Usabilityは、誤検知などPCの利便性を損なわないようにする能力です。それぞれの項目は6点満点で、合計すると18点満点です。

ここでは、この3つの項目のTotal Scoreを、過去6回分の結果について掲載します。国内有料ソフトの中では、カスペルスキー、ノートン の評価が高く、マカフィー、アバスト、Bitdefenderの評価も比較的高いです。一方で、K7の評価はあまり良くなりです。

AV-TESTのスコア
  2018
Aug
2018
Oct
2018
Dec
2019
Feb
2019
Apr
2019
Jun
Win 10 Win 10 Win 10 Win 10 Win 10 Win 10
国内主要有料ソフト
ESET 不参加 不参加 不参加 不参加 不参加 不参加
カスペルスキー 18.0 18.0 17.5 17.5 18.0 18.0
ノートン 17.5 18.0 18.0 18.0 18.0 18.0
ウイルスバスター 17.0 17.5 17.5 16.5 17.0 17.5
マカフィー 18.0 17.5 18.0 18.0 18.0 17.0
アバスト 17.5 17.0 17.5 17.5 17.5 17.5
Bitdefender ※1 18.0 18.0 18.0 16.5 18.0 17.5
K7 ※2 16.0 17.0 16.5 17.0 17.0 16.5
その他セキュリティソフト
Avira 18.0 18.0 18.0 17.5 17.5 17.0
AVG 17.5 17.0 17.5 17.0 17.5 17.5
F-secure 16.5 17.5 17.5 18.0 18.0 18.0
G DATA 16.5 16.0 16.0 15.5 17.0 16.5
Windows ※3 17.5 17.0 17.0 17.0 17.5 18.0
※1 ZEROスーパーセキュリティが使用するエンジン
※2 ZEROウイルスセキュリティが使用するエンジン
※3 Windows 10標準のWindows Defender
18.0が満点です
※ ピンクのセルは、Total Scoreが17.5以上のセキュリティソフト
※ グレーのセルは、Total Scoreが9.5以下のセキュリティソフト(今回はなし)

 

MRG Effitasの評価

イギリスの第3者機関であるMRG Effitasの評価結果を下に記載します。

MRG Effitasの「360 Degree Assessment」では、インターネット経由やUSBデバイス経由など実環境を想定し、トロイの木馬、バックドア、ランサムウェア、PUAs(有害アプリ)、金融マルウェアなどから保護できるかをテストしています。

結果を見ると、国内主要有料ソフトの中では、カスペルスキーが、最高評価のLevel 1を取っていることが多く優秀です。次いで、ESET、ノートン、Bitdefenderも優秀です。

MRG Effitas - 360 Degree Assessment
  2018 Q1 2018 Q2 2018 Q3 2018 Q4 2019 Q1 2019 Q2
国内主要有料ソフト
ESET Level 1 Level 1 Level 2 Level 1 Level 1 Level 1
カスペルスキー Level 1 Level 1 Level 1 Level 1 Level 1 Level 1
ノートン Level 2 Level 1 Level 1 Level 1 Level 1 Level 1
ウイルスバスター Failed Level 2 Level 1 Level 1 Failed
マカフィー Level 2 Level 2 Level 2 Level 1 Failed Failed
アバスト Level 2 Level 1 Level 1 Level 1 Level 1 Failed
Bitdefender ※1 Level 1 Level 2 Level 1 Level 1 Level 1 Level 1
K7 ※2
その他セキュリティソフト
Avira Level 1 Level 1 Level 1 Level 1 Level 1 Level 1
AVG Level 2
F-secure Level 1 Level 1 Level 1 Level 1 Level 1 Level 1
G DATA
Webroot Level 2 Level 2 Level 2
Windows ※3 Level 2 Level 2 Level 2 Level 1 Level 1 Level 1
※1 ZEROスーパーセキュリティが使用するエンジン
※2 ZEROウイルスセキュリティが使用するエンジン
※3 Windows 10標準のWindows Defender

 

SE Labsの評価

SE Labs(旧Dennis Technology Lab)の評価結果です。

ここでのテストは、「Protection Rating(保護率)」と「Legitimate Software Rating(正規ソフトウェア評価)」の2つのテストから構成されます。「Protection Rating」では、マルウェアからの保護率をテストし、「Legitimate Software Rating」では正規ソフトウェアと検知できるか(誤検知しないか)をテストしています。

このテストで評価が高いのは、ESET、ノートン、ンとカスペルスキーです。また、ウイルスバスターも比較的高い評価でした。

SE Labs - Home Anti-Malware Protection
  2018
JAN-MAR
2018
APR-JUN
2018
JUL-SEP
2018
OCT-DEC
2019
JAN-MAR
2019
ARP-JUN
国内主要有料ソフト
ESET AAA AAA AAA AAA AAA AAA
カスペルスキー AAA AAA AAA AAA AAA AAA
ノートン AAA AAA AAA AAA AAA AAA
ウイルスバスター AAA AAA AAA AAA AAA A
マカフィー 不参加 AAA AA AAA AAA AAA
アバスト AA AA AA AA AAA AAA
Bitdefender ※1 AAA AAA 不参加 不参加 不参加 不参加
K7 ※2 不参加 不参加 不参加 A B 不参加
その他セキュリティソフト
Avira AAA AA AAA AAA AAA AAA
AVG AAA AA AA AA AAA AA
F-secure AA AA AA AA AAA AAA
G DATA 不参加 不参加 AA AA AA AA
Webroot B B B 不参加 不参加
Windows ※3 B AAA AAA AAA AAA AAA
※1 ZEROスーパーセキュリティが使用するエンジン
※2 ZEROウイルスセキュリティが使用するエンジン
※3 Windows 10標準のWindows Defender

 

VIRUS BULLETIN 100 認定回数

イギリスのVirus Bulletin社のVIRUS BULLETIN 100のテスト結果を掲載します。

既知ウイルスの検出率を示すReactiveと、未知ウイルスの検出率を示すProactiveの両方についてテストし、総合的な検出率を算出したのがRAP overviewです。ここでは、このRAP overviewと、認定結果について掲載します。

参加しているセキュリティソフトメーカー自体が少ないですが、ESET、アバストの評価は毎回高いです。K7(ZEROウイルスセキュリティのエンジン)の評価も最近は高いです。

VIRUS BULLETIN 認定
  2018-12
Win 7/10
2019-02
Win 7/10
2019-04
Win 7/10
2019-06
Win 7/10
2019-08
Win 7/10
国内主要有料ソフト
ESET Passed Passed Passed Passed Passed
カスペルスキー 個人向けソフトは不参加
ノートン 不参加
ウイルスバスター 不参加
マカフィー 不参加
アバスト Passed Passed Passed Passed Passed
Bitdefender ※1 個人向けソフトは不参加
K7 ※2 Passed Passed Passed Passed Passed
その他セキュリティソフト
Avira 不参加
AVG Passed Passed Passed Passed Passed
F-secure 不参加
G DATA 個人向けソフトは不参加
Windows ※3 不参加
※1 ZEROスーパーセキュリティが使用するエンジン
※2 ZEROウイルスセキュリティが使用するエンジン
※3 Windows 10標準のWindows Defender

 

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