10月モデル

VAIO SX12(2022年7月モデル)の実機レビュー

更新日:
CPU Celeron 7305
Core i3-1215U
Core i5-1240P
Core i7-1260P
Core i7-1280P
メモリ 8GB ~ 32GB
ストレージ 128GB ~ 2TB SSD
液晶サイズ 12.5型
液晶種類 FHD 非光沢
質量 約899g~950g
バッテリー 最大 約26時間(53Wh)
WWAN オプションで5G対応
価格[税込] 16万円台~ ※

※VAIOストアでの価格

希少な小型のモバイルノート

VAIO SX12は、12.5型の小さいディスプレイを搭載したモバイルノートPCです。

12型クラスのノートPCはかなり数が少ないため、小型のノートPCが欲しい方に、とてもおすすめです。

小さめのカバンにも入りやすく、質量も「899g~」と軽いため持ち運びしやすいです。

小型でも、フルサイズキーボードを搭載し、パフォーマンスも高く、作業がしにくいといったこともありません。

また、5Gモジュールを選択することも可能です。

公式サイトはこちら

 

レビュー機はメーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i7-1260P、32GBメモリ、256GB PCIe SSD

 

目次

お忙しい方は、「VAIO SX12の特徴」のみお読みください。

 

VAIO SX12の特徴

数少ない12型クラスのノートPC

最近のモバイルノートPCは、ディスプレイが大型化し、14型を搭載する機種が増えてきました。

そんな中、VAIO SX12は数少ない12.5型ディスプレイを搭載し、ボディが小さいモバイルノートPCです。

下の表のように、14型のノートPCと比較すると、大分サイズが小さいことが分かります。

14インチノートよりも大分小さい

 

ボディが小さいメリットとしては、小さめのバッグにも入る点です。ボディバッグにも、少し大きめのサイズなら入ります。

大きめのボディバッグなら入れることができる

 

質量も非常に軽く、「約899g~」となっており、片手で簡単に持つことができます。頻繁に外に持ち歩く方におすすめです。

持ち運びやすい質量

 

また、VAIO SX12は、ディスプレイを開くと、ヒンジがボディの下に回り込み、下側が出っ張るような仕組みになっています。片手で持つときに、この出っ張りに指をひっかけやすく、持ちやすいです。また、底面に吸気口が無いので、手で吸気口を塞ぐ心配がありません。エンジニアの方などは、片手で持って使う場合に便利です。

また、ヒンジがボディの下に回り込むことで、底面が少し浮くので、膝の上にパソコンを置いて作業をしたときに、普通のノートPCよりも熱さをやや感じにくいというメリットもあります。

片手で持ちやすい

 

小さくてもフルサイズキーボードを搭載

小型のPCは、キーボードが全体的に小さくなり、タイピングしにくくなる機種がありますが、VAIO SX12は、ボディの端のギリギリまでキーボードを配置することで、19mmのキーピッチを実現しています。

実際にタイピングしてみると、筆者のように手が大きいと、手のひらがパームレストからややはみ出るものの、そこまで気にはならず、比較的タイピングしやすいキーボードでした。

小型ボディでもフルサイズキーボードを搭載

 

最大でCore i7-1280Pが搭載可能

小さいボディのノートPCは、CeleronやeMMCを搭載するなど、パフォーマンスが犠牲になっている機種も少なくありませんが、VAIO SX12は、最大でCore i7-1280Pの高性能プロセッサーを搭載することが出来ます。

モバイルノートPCに搭載される最新インテルCPUは、大きく分けると28W、15W、9Wのものがありますが、VAIO SX14では、その中で最もパフォーマンスに優れた28Wの「Pシリーズ」を搭載しています。さらに、Core i7-1280Pは「Pシリーズ」の中でも最上位のプロセッサーです。

下の図は、最新のインテルCPUの性能を比較したものです。VAIO SX14で計測した結果ではありますが、Core i7-1280Pは非常に高いベンチマークスコアです。

なお、今回、VAIO SX12では、1つ下の性能のCore i7-1260Pを搭載していますが、小型PCだからといって、パフォーマンスが出ないということもなく、高いベンチマークスコアが出ていました。

CINEBENCH R23 ~ マルチコアスコア ~
Core i7-1280P 28W 9416 [VAIO SX14で計測]
Core i7-1260P 28W 8677
Core i5-1240P 28W 8409
Core i7-1255U 15W 8300
Core i5-1235U 15W 7589
Core i7-1250U 9W 7435
Core i5-1230U 9W 6273
 :本製品で選択できるプロセッサー(この他、Celeron 7305も選択可能)
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

5Gモジュールを選択することが可能

VAIO SX12は、5Gモジュールを選択することが出来ます。

以前は、4G LTEでしたが、2022年10月4日から5Gモジュールに切り替わりました。今回は5Gモジュールは搭載していないので試していませんが、5Gエリア内であれば、非常に速い速度が出ます。

なお、LTEは16,500円で追加できましたが、5Gは49,500円になりました。ただし、12月1日までは25,000円で追加することができます。

2022年10月4日 10:00から、5Gが選択可能
LTEモジュールだったときの価格

 

豊富なカラーバリエーション

VAIO SX12は、カラーバリエーションが豊富です。

ファインブラック、ブライトシルバー、ファインホワイトといった無難なカラーに加え、オシャレなアーバンブロンズ、女性が喜びそうなローズゴールドといったカラーもあります。

さらに、ロゴまでブラックになった特別感のあるALL BLACK EDITIONも用意されています。

カラーバリエーション
ALL BLACK EDITION

 

その他の特徴

その他、VAIO SX14のレビュー記事でも記載しましたが、シャットダウン時から指紋認証でログインできる機能や、人感センサーによる自動ロック機能なども特徴です。さらに、純正のACアダプターが軽くて小型なので、持ち運ぶときに便利です。

有線LANやHDMIといったポートも搭載し、充実したインターフェースですが、SDカードスロットが無いのは残念です。

豊富なポート類

 

各用途の快適度

VAIO SX12の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
画面は小さいものの、見やすいディスプレイで、ウェブ閲覧などもしやすいです。フルサイズキーボードを搭載しているので、Office作業も快適にできるでしょう。
動画鑑賞 画面サイズは小さいものの、画面比が16:9なので動画視聴向きです。スピーカーは、最大音量は大きいですが、音質は普通です。
オンライン会議 必要な機能は揃っており、ノイズキャンセリング機能も搭載して、オンライン会議をすぐに実施することができます。スピーカーおよびウェブカメラの品質は普通です。
RAW現像
画像編集
sRGB 100%クラスのディスプレイを搭載しており、RAW現像などの用途にも使えます。ただし、SDカードスロットが無いので、カメラから画像を取り込むときは、別途アダプターなどが必要です。
動画編集 △~○ 動画編集向きのPCではありませんが、Core i5-1240P以上のプロセッサーなら、FHD/30pの簡易的な動画編集ならできるでしょう。4K動画の編集を行うなら、外部GPUを搭載したノートPCがいいと思います。
ゲーム 性能が高めのCPUを選択すれば、軽いゲームならできなくもありませんが、ゲーム向けのPCではありません。ゲームをするなら、外部GPUを搭載した別のPCがおすすめです。

 

ディスプレイのチェック

VAIO SX12のディスプレイは、比較的見やすいと思います。

画面比は16:9で、解像度はフルHDです。当サイトの計測では、最大輝度は377cd/m2でした。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

当サイトの計測で、sRGBカバー率は98.8%でした。画像を映像を観ているときに、色がくすんで見えたり、薄く感じたりすることはありません。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色も直線的で、ほぼ補正されていないことが分かります。自然な色味で表示されているということです。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いので、ちょっとしたディスプレイの角度によって、画面が白っぽく見えたり、黒っぽく見えたりすることがありません。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢のパネルなので、画面が黒くなったときに自分の顔が映り込んだり、照明が映り込んで画面が見にくくなったりすることはありません。ギラつきはそれほど感じません。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)が無いかをオシロスコープで確認してみましたが、フリッカーはありませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

小型ボディの割に、VAIO SX12のキーボードは打ちやすいと思います。

キーピッチは、実測で、横:19mm、縦:18.5mmと十分広い間隔です。キーストロークは、実測で約1.5mmで、こちらも十分な数値です。よく使うキーは同じ大きさで、キートップもわずかに湾曲しており、タイピングしやすいです。

パームレストが小さいため、手が大きいと手のひらがパームレストからややはみ出ますが、少し手のひらを上の方に置けば、それほど気にはなりません。

タッチパッドはやや小さめですが、そこまで気になりません。クリックボタンは独立しているので、押しやすいです。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しています。なお、デフォルトでは、バッテリー駆動時はキーボードライトが付かないように設定されています。バッテリー駆動時もONにしたい場合は、「VAIOの設定」のアプリから、設定を変更する必要があります。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

VAIO SX12のパフォーマンスのチェックです。

なお、「VAIOの設定」のアプリで動作モードを変更できます。デフォルトの「標準」から「パフォーマンス優先」へ変更することで、処理性能がやや上がります。

動作モードの設定

 

CPU

CPU性能は、搭載するCPUにもよりますが、上位のCPUを選択すれば、高い性能が出ます。

今回は、Core i7-1260Pを搭載していますが、小型PCの割に、十分な性能が出ていると思います。また、「パフォーマンス優先」にすることにより、パフォーマンスが上がります。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i7-1260P
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-12900HX 21233
Core i9-12900H 19223
Core i7-12800HX 17492
Core i7-12700H 14546
Ryzen 7 6800H 13999
Core i5-12500H 13213
Ryzen 7 5800H 12604
Ryzen 7 6800U 10830
Ryzen 5 6600H 10470
Ryzen 7 5825U 10040
Ryzen 7 5800U 9429
Core i7-1280P 9416 [VAIO SX14で計測]
Ryzen 7 5700U 9288
Ryzen 5 5600H 9255
Core i7-1260P 9032
8677 [パフォーマンス優先]
7178 [標準]
Core i5-11400H 8514
Ryzen 5 5600U 8491
Core i5-1240P 8409
Core i7-1255U 8300
Ryzen 5 5625U 8107
Core i5-1235U 7589
Core i7-1250U 7435
Core i7-1195G7 6594
Core i5-1230U 6273
Ryzen 5 5500U 6250
Core i7-1185G7 6229
Core i3-1215U 4969
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-12900H 1920
Core i9-12900HX 1916
Core i7-12700H 1823
Core i7-1260P 1802
1683 [パフォーマンス優先]
1667 [標準]
Core i7-1255U 1776
Core i9-12800HX 1760
Core i5-12500H 1727
Core i5-1235U 1675
Core i7-1280P 1667 [VAIO SX14で計測]
Core i7-1195G7 1634
Core i3-1215U 1592
Core i5-1230U 1532
Ryzen 7 6800H 1522
Core i7-1185G7 1517
Ryzen 7 6800U 1504
Core i7-1250U 1495
Core i5-1240P 1483
Ryzen 5 6600H 1476
Ryzen 7 5825U 1460
Core i7-1165G7 1447
Core i5-11400H 1442
Ryzen 7 5800H 1435
Ryzen 7 5800U 1429
Ryzen 5 5625U 1383
Ryzen 5 5600U 1369
Core i5-1135G7 1294
Ryzen 7 5700U 1268
Ryzen 5 5500U 1185
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。

 

メモリ

メモリは、「LPDDR4X」を搭載しています。SiSoftware Sandra 2020による計測では、広い帯域でした。なお、今回はLPDDR4X-4266のメモリでしたが、Celeronモデルの場合は異なるかもしれません。1世代前のVAIO SX12では、CeleronモデルのメモリはLPDDR4X-3733でした。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
32GB(16GBx2)メモリ
他のメモリとの比較(帯域)
LPDDR5-6000
デュアルチャネル
64.52GB/s
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
LPDDR5-5200
デュアルチャネル
58.49GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR5-4800
デュアルチャネル
51.68GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
52.51GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア

 

グラフィックス

グラフィックス性能は、CPU内蔵のものにしては高い性能です。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Core i7-1260P
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
30319
Core i7-1280P
メモリLPDDR5-5600
23333
Core i7-1260P
メモリLPDDR5-5200
23149
Core i7-1195G7
メモリLPDDR4X-4266
22853
Core i7-1280P
メモリLPDDR4X-4266
22620 [VAIO SX14で計測]
Core i7-1260P
メモリLPDDR4X-4266
22105 [パフォーマンス優先]
19601 [標準]
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
18718
Ryzen 7 5800U
メモリLPDDR4X-4266
17020
GeForce MX330 16714
GeForce MX250 15406
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
14368
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Ryzen 5 5500U
メモリDDR4-3200
12154
Celeron 6305
LPDDR4X-3733
12121
Core i3-1115G4
メモリDDR4-3200
11487
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージは、PCIe Gen4またはPCIe Gen3のSSDを搭載しています。今回は、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、下図のようなアクセス速度になっており高速です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
256GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
6430
PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

 

クリエイターソフトの処理時間

次に、クリエイターソフトを使って、重い処理を実行したときにかかった時間を掲載します。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

十分速い書き出し時間です。メモリを16GB以上にすれば、Lightroomも快適に使えると思います。

Core i9-12900HX
RTX 3080 Ti (175W)
32秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-12900HX 47秒
Core i7-12800HX
RTX 3070 Ti (150W)
52秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H
RTX 3060 (130W)
53秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i5-12500H
RTX 3060 (140W)
58秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H
RTX 3050 (65W)
59秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H 60秒
Core i7-1280P 64秒
Core i5-12500H 69秒
Core i7-1260P 79秒
Core i7-1260P 81秒
Ryzen 7 6800U 89秒
Core i7-1255U 112秒
Ryzen 7 5825U 151秒
※2022年6月より、GPUを使用した書き出しも出来るようになったので、この機能が使えるPCは、機能をONにしたときの書き出し時間も掲載しています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Photoshop CCによる各種処理時間

ニューラルフィルターという重い処理を実行してみたところ、外部GPUを搭載していないので、スーパーズームは遅かったですが、それ以外は十分速いです。

一般的によく使われるフィルター処理なら1~2秒で終わります。メモリさえ多めに積んでおけば、Photoshopも使えます。LightroomとPhotoshopを同時に起動する場合は、グラフィックスにメインメモリも使われるので、メモリは32GBあったほうがいいかもしれません。

  本製品 参考
Core i7-1260P
GTX 1650
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) 約3秒 約2秒
ニューラルフィルター(スーパーズーム(x2)) 約4分10秒 約1分36秒
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) 約2分35秒 約2分32秒
※ 6000x4000のRAWデータを編集
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

Premiere ProによるFHD動画の書き出しも、比較的速かったです。簡単な編集作業であれば、特にストレスなく可能です。ただし、本格的に動画編集したい場合や、4K動画の編集を行いたい場合は、外部グラフィックスを搭載したノートPCがおすすめです。

FHD動画の書き出し
Core i7-1185G7
GTX 1650 Max-Q
2分10秒
Core i7-1185G7
MX450
2分28秒
Core i7-1280P
Intel Iris Xe
2分40秒
Core i7-1260P
Intel Iris Xe
3分04秒
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
3分05秒
Core i7-1185G7
Intel Iris Xe
3分33秒
Core i7-1260P
Intel Iris Xe
3分38秒
Core i7-1255U
Intel Iris Xe
3分56秒
Core i5-1240P
Intel Iris Xe
4分1秒
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
4分6秒
Core i5-1145G7
Intel Iris Xe
4分40秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
4分41秒
Core i7-1065G7
Intel Iris Plus
7分41秒
Core i7-10510U
Intel UHD
16分54秒
※ FHD/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

VAIOのSX14のUSB-Cポートは、Thunderbolt4、USB Power Delivery 、USB4、USB 3.1、DisplayPort 1.4の機能をサポートしています。下表のように試した周辺機器は、いずれも使用することができました。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
61W RAVPower GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower GaN充電器
18W cheero充電器
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続すると、4K、8ビット、RGB、60Hzで出力できていました。

4Kテレビ(ビエラ TH-55CX800)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

VAIO SX12の質量は、1kgを切っており軽いです。

メーカー仕様表を確認すると、通常モデルは「約899g~940g」、ALL BLACK EDITIONは「約929g~950g」となっています。

今回は通常モデルを使ってテストしていますが、916gとなっていました。非常に軽いので持ち運びに便利です。

ACアダプターの質量も、非常に軽いです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 916g
ACアダプター+電源ケーブル 161g

 

バッテリー駆動時間のチェック

VAIO SX12のバッテリー容量は53Whです。小型のノートPCはスペースが狭いため、小さな容量のバッテリーが搭載されることもありますが、VAIO SX12は大きな容量のバッテリーです。

バッテリー容量

 

バッテリー駆動時間は下の通りです。(2)動画連続再生なら、かなり長い時間、バッテリーで駆動することができます。

当サイトでは、常時CPU8%、GPU7%の負荷がかかる処理を実行し、バッテリー駆動時間を計測してみましたが、4時間49分でした。やや負荷のかかる作業をした場合は、このくらいのバッテリー駆動時間になると思います。

バッテリー駆動時間
  フルHD液晶
(1) JEITA2.0 約24.8~26.0時間
(2) 動画連続再生 (VAIO調べ) 約13.8~15.0時間
(3) CPU8%、GPU7%の負荷 4時間49分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) メーカー公表値。1920x1080動画再生時
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

デフォルトでは、207万画素のFull HDカメラを搭載しています。なお、オプションで92万画素のHDカメラを選択し、価格を下げることも可能です。今回はFull HDカメラを搭載していますが、やや彩度が低い画質でした。

なお、カメラにはプライバシーシャッターが搭載されており、レバーをスライドさせることで、物理的に撮影を遮断することができます。

本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
Webカメラとシャッター

 

スピーカー

スピーカーは、底面の正面側に配置されています。キーボードを使っていると、腕で塞がれるような位置にスピーカーがあるのはデメリットです。最大音量は大きいですが、音質は普通です。音質を勝手に評価すると、ノートPC基準で10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。オンライン会議程度の用途であれば、問題なく使えます。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

処理開始からしばらく経った持続可能状態でのCPU電力は、「標準」モードだと15W程度ですが、「パフォーマンス優先」だと22W前後まで上がります。ただ、PBP値の28Wまでは届いていませんでしたが、十分高いCPU電力で動作していると思います。

このときの温度ですが、「標準」モードだと70℃前後と低めです。「パフォーマンス優先」にすると80℃前後まで上昇しますが、それでも問題ない範囲だと思います。

  • 標準時
  • パフォーマンス優先時
CPU電力&CPUクロック
CPU温度
CPU電力&CPUクロック
CPU温度

 

静音性のチェック

VAIO SX12の動作音(静音性)のチェック結果です。

「パフォーマンス優先」にして高い負荷をかけると高めの騒音値ですが、アイドル時はほぼ無音です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。

高い負荷をかけても、キーボードの表面温度は低めなので、タイピングしていても、手のひらが熱く感じてくることは無いでしょう。底面もそれほど温度は上がらないのと、リフトアップヒンジによって、ボディがやや浮くので、熱さは低減されています。ただ、それでもやや熱さは感じるので低温火傷にはご注意下さい。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

モバイル向けのプロセッサーなので消費電力は低めです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

VAIO SX12の外観のチェックです。

カラーバリエーションが豊富なノートPCですが、今回は、アーバンブロンズのカラーです。ブラックやシルバーの色ではつまらないという方にいいと思います。木目のテーブルにも合いますし、ご年配の方にも合うカラーだと思います。

 

天板はロゴや下の部分が、丸みを帯びて輝いており、アクセサリーの様で、女性にも合うのではないかと思います。

 

高さは15~17.9mmとなっており、薄いボディです。

 

パームレスト部分にはヘアライン加工が施されています。ブラックのカラーほど、指紋は目立ちません。

 

側面には下図のようなポート類が搭載されています。有線LANポートやHDMIポートがあるのが特徴的です。USB Type-Cポートも2つあります。ただし、右側面にポート類が集中しており、ケーブルをたくさん挿すと、マウスの操作の邪魔になるかもしれません。

 

ディスプレイは180度開き、テーブルとほぼフラットになります。

 

キーボード側から吸気するので、底面に吸気口はありません。

 

ACアダプターは65Wと、モバイルノートとしてはやや大きめの容量ですが、小型で軽いです。純製品なので、ACアダプターが原因でPCが故障する心配もないでしょう。もし問題が見つかれば、リコールがかかって、無償で交換してくれると思います。

 

まとめ

以上がVAIO SX12のレビューです。

小型で軽い点が大きな特徴のモバイルノートPCです。小さなカバンにも入りますし、片手で持って操作するときも楽に行えます。

小型のPCは小さめのキーボードが搭載されることもありますが、VAIO SX12はフルサイズのキーボードを搭載し、タイピングもしやすいです。

さらに小型でも、28Wクラスのインテル第12世代Coreプロセッサーを選択することが可能で、パフォーマンスも高いです。

2022年10月4日からは、5Gモジュールも選択できるようになりました。しかも、SIMカードを自社提供しているので相性の問題も安心です。

カラーバリエーションも豊富なので、人とは違ったカラーにしたい方は嬉しいのではないかと思います。

12型クラスの小型のノートPCは貴重なので、小さいPCが好きな方は、第一候補に挙がるのではないかと思います。

ただ、Core i5以上、8GBメモリ、256GB SSDといった標準的な構成にすると、20万円以上になるので、価格はやや高いです。

 

小型で扱いやすいモバイルノート

VAIO SX12(2022年モデル)

特徴

  • 小さいサイズ & 軽量
  • 小型でもフルサイズキーボード
  • 小型でもハイパフォーマンス
  • 5G対応

こんなあなたに

  • 小さいパソコンが欲しい方
  • 価格16万円台[税込]~
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