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Core i7-9750Hのベンチマーク
このページでは、ハイクラスのノートPC向け、第9世代インテルCoreプロセッサーのCore i7-9750Hのベンチマークスコアを掲載します。
【結果概要】旧CPUより微増
結果の概要だけ先に紹介します。
「CINEBENCH R15」のマルチコアのベンチマーク結果を確認すると、Core i7-9750Hは、旧世代のCore i7-8750Hよりも約7%スコアが上昇していました。ただ、製品によってはほとんど違いがなかったり、逆転することもあり、微増といったところです。
Coffee Lakeのリフレッシュ版ということで、それほど大きな性能アップはありませんでしたが、今後のゲーミングノートPCでは主流のCPUになってくるでしょう。
Core i7-9750H の仕様
Core i7-9750Hは、Coffee Lakeこと第8世代 インテルCoreプロセッサーのリフレッシュ版で、コードネームはそのまま「Coffee Lake Refresh」となっています。
従来のCore i7-8750Hと比べて、コア数とスレッド数は同じなものの、ベースクロックとブーストクロックがやや引き上げられています。また、キャッシュも9MBから12MBへと増えています。
最新CPUと言っても、あくまでリフレッシュ版なので、それほど大きな差はありません。
Core i7-9750H | Core i7-8750H | |
世代 | モバイル用 第9世代 | モバイル用 第8世代 |
プロセス | 14nm++ | |
コードネーム | Coffee Lake R | Coffee Lake |
コア数 | 6 | |
スレッド数 | 12 | |
ベースクロック | 2.6Ghz | 2.2Ghz |
ブーストクロック | 4.5Ghz | 4.1Ghz |
キャッシュ | 12MB | 9MB |
内蔵GPU | Intel UHD 630 | |
TDP | 45 W |
Core i7-9750Hの主なベンチマークスコア
Core i7-9750Hの主なベンチマークスコアを掲載します。
計測したPCは、ドスパラ GALLERIA GCR1660TGFで、メモリはデュアルチャンネルの8GB、NVMe SSDを搭載しています。
Core i7-9750HとGeForce GTX 1660Tiを搭載し、120Hz駆動のディスプレイにも対応した15.6型のゲーミングノートPC。
なお、計測に用いたPCはメーカーからの貸出機です。以下に各種ベンチマークスコアを掲載しますが、本製品以外のPCで計測した場合、ベンチマークスコアが大きく異なる可能性もあります。
CINEBENCH R15
まずはCINEBENCH R15の結果です。Core i7-9750HのCINEBENCHのマルチコアのスコアは「1212」、シングルコアのスコアは「186」でした。前述した通り、Core i7-9750Hは、Core i7-8750Hよりマルチコアが約7%上昇していましたが、製品によってはCore i7-8750Hでも「1212」のスコアを上回ることがあり、大きな違いはありません。
CINEBENCH R20
続いて、上で掲載したCINEBENCH R20の結果です。Core i7-9750HのCINEBENCHのマルチコアのスコアは「2708」、シングルコアのスコアは「448」でした。こちらのマルチコアのスコアは、Core i7-8750Hより約14%伸びていました。ただ、こちらも製品次第で、優劣は逆転することもあります。
PassMark Performance Test 9.0
続いて、Core i7-9750HのPassMark Performance Test 9.0のCPU Markのスコアは「13476」でした。こちらは、旧CPUと比べて約8%の伸びでした。
TMPGEnc Video Mastering Works 7によるエンコード時間
次は、実際のソフトウェア「TMPGEnc Video Mastering Works 7」を使ってエンコードにかかった時間を掲載します。ここでは、x265エンコーダーを用い、4KのXAVC Sの動画をH.265/HEVCへ変換する処理を実行しています。
旧世代と比べると約9%速くなっています。
Geekbench 4
続いて、Geekbench 4です。Core i7-9750Hのマルチコアのスコアは「21795」で、旧CPUより約8%スコアが高かったです。
ベンチマークスコアまとめ
最後に、上で掲載したベンチマークスコアを含め、今回計測したベンチマークスコアをすべて掲載します。
旧世代の「Core i7-8750H」のスコアも合わせて掲載します。
CPU処理性能の比較
Core i7-9750Hは、マルチコア、シングルコアのベンチマークスコアが少し向上しています。
Core i7-9750H | Core i7-8750H | ||
Passmark - CPU Mark | 13476 | 12422 | |
CINEBENCH R15 | CPU (Multi-Core) | 1212 cb | 1133 cb |
CPU (Single-Core) | 186 cb | 176 cb | |
CINEBENCH R20 | CPU (Multi-Core) | 2608 cb | 2374 cb |
CPU (Single-Core) | 448 cb | 413 cb | |
Geekbench 4 | CPU (Multi-Core) | 21795 | 20060 |
CPU (Single-Core) | 5108 | 4897 | |
x265でH.265/HEVCエンコード | 14分55秒 | 16分24秒 |
グラフィック性能の比較
今までは、CPU関連の性能を示すベンチマークを実行してきましたが、次は、インテル UHD グラフィックス 630のグラフィック関連のスコアを掲載します。なお、グラフィックス最大動的周波数は、Core i7-9750Hが1.15GHzであるのに対し、Core i7-8750Hは1.10GHzとなっており、Core i7-9750Hのほうがやや上です。
実際に計測したベンチマークスコアも、Core i7-9750Hの方がやや高いです。
ただ、Core i7-9750Hを搭載したハイエンド向けPCは、外部グラフィックスも搭載されることがほとんどなので、その場合、このスコアはあまり気にしなくても良いです。
Core i7-9750H | Core i7-8750H | |
3DMark 3DMark Sky Diver
(Graphics score) |
4590 | 4084 |
3DMark Cloud Gate (Graphics score) |
11247 | 8981 |
CINEBENCH R15 (OpenGL) |
58.52 fps | 53.63 fps |
ドラゴンクエスト X (1280x720、標準) |
11852 (すごく快適) |
10171 (すごく快適) |
エンコード時間 (QSV) |
2分57秒 | 3分17秒 |
Core i7-9750H搭載のおすすめPC
2019年5月11日の執筆時点で、Core i7-9750Hを搭載したゲーミングPCを紹介します。
Core i7-9750H搭載したゲーミングPCが、いくつか発売されています。価格が比較的安いため、コストパフォーマンス重視の方におすすめです。
Core i7-9750H搭載したゲーミングPCが、数多く発売されています。高性能PC、2.0kgを切るような軽量PCなど、数多くのラインナップがあります。やや高くても高級志向の製品が欲しいならおすすめです。
ギガバイトからは、2kg以下のAERO 15と、冷却性を重視したAORUS 15が発売されました。どちらも240Hz駆動のIGZOパネルを搭載したモデルがあります。こちらも、後日、レビュー記事を掲載します。
まとめ
今後のゲーミングノートPCには「Core i7-9750H」が主流に
Core i7-9750Hは、「CINEBENCH R15」のマルチコアで、旧世代CPUに比べて数%スコアが向上していました。性能が大きく向上したわけではありませんが、これからのハイエンドPCに搭載されるスタンダードなCPUになると思われます。
CPUパワーを使う編集系の作業やゲームも、高速・快適に動作するでしょう。
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1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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