Core i7-9750Hのベンチマーク

更新日:2019年5月12日

 

このページでは、ハイクラスのノートPC向け、第9世代インテルCoreプロセッサーのCore i7-9750Hのベンチマークスコアを掲載します。

【結果概要】旧CPUより微増

結果の概要だけ先に紹介します。

「CINEBENCH R15」のマルチコアのベンチマーク結果を確認すると、Core i7-9750Hは、旧世代のCore i7-8750Hよりも約7%スコアが上昇していました。ただ、製品によってはほとんど違いがなかったり、逆転することもあり、微増といったところです

Coffee Lakeのリフレッシュ版ということで、それほど大きな性能アップはありませんでしたが、今後のゲーミングノートPCでは主流のCPUになってくるでしょう。

CINEBENCH R15(マルチコア)
Core i9-8950HK 1231
Core i7-9750H
[レビュー機で計測]
1212
Core i7-8750H 1133
Core i5-8300H 830
Core i7-8565U 602
Core i7-8550U 580
Core i5-8265U 542
Core i5-8250U 536
Core i3-8145U 340
Core i3-8130U 313
Celeron N4100 229
※グレーのバーは他のPCで計測した代表値

 

Core i7-9750H の仕様

Core i7-9750Hは、Coffee Lakeこと第8世代 インテルCoreプロセッサーのリフレッシュ版で、コードネームはそのまま「Coffee Lake Refresh」となっています。

従来のCore i7-8750Hと比べて、コア数とスレッド数は同じなものの、ベースクロックとブーストクロックがやや引き上げられています。また、キャッシュも9MBから12MBへと増えています。

最新CPUと言っても、あくまでリフレッシュ版なので、それほど大きな差はありません。

CPUの仕様比較
  Core i7-9750H Core i7-8750H
世代 モバイル用 第9世代 モバイル用 第8世代
プロセス 14nm++
コードネーム Coffee Lake R Coffee Lake
コア数 6
スレッド数 12
ベースクロック 2.6Ghz 2.2Ghz
ブーストクロック 4.5Ghz 4.1Ghz
キャッシュ 12MB 9MB
内蔵GPU Intel UHD 630
TDP 45 W
参照1:インテル公式ページより抜粋

 

Core i7-9750Hの主なベンチマークスコア

Core i7-9750Hの主なベンチマークスコアを掲載します。

計測したPCは、ドスパラ GALLERIA GCR1660TGFで、メモリはデュアルチャンネルの8GB、NVMe SSDを搭載しています。

 

なお、計測に用いたPCはメーカーからの貸出機です。以下に各種ベンチマークスコアを掲載しますが、本製品以外のPCで計測した場合、ベンチマークスコアが大きく異なる可能性もあります。

 

CINEBENCH R15

まずはCINEBENCH R15の結果です。Core i7-9750HのCINEBENCHのマルチコアのスコアは「1212」、シングルコアのスコアは「186」でした。前述した通り、Core i7-9750Hは、Core i7-8750Hよりマルチコアが約7%上昇していましたが、製品によってはCore i7-8750Hでも「1212」のスコアを上回ることがあり、大きな違いはありません。

CINEBENCH R15
他CPUとの比較(マルチコア)
Core i7-9750H 1212
Core i7-8750H 1133
他CPUとの比較(シングルコア)
Core i7-9750H 186
Core i7-8750H 176

 

CINEBENCH R20

続いて、上で掲載したCINEBENCH R20の結果です。Core i7-9750HのCINEBENCHのマルチコアのスコアは「2708」、シングルコアのスコアは「448」でした。こちらのマルチコアのスコアは、Core i7-8750Hより約14%伸びていました。ただ、こちらも製品次第で、優劣は逆転することもあります。

CINEBENCH R20
他CPUとの比較(マルチコア)
Core i7-9750H 2708
Core i7-8750H 2374
他CPUとの比較(シングルコア)
Core i7-9750H 448
Core i7-8750H 413

 

PassMark Performance Test 9.0

続いて、Core i7-9750HのPassMark Performance Test 9.0のCPU Markのスコアは「13476」でした。こちらは、旧CPUと比べて約8%の伸びでした。

PassMark Performance Test 9.0 CPU MARK
他CPUとの比較
Core i7-9750H 13476
Core i7-8750H 12422

 

TMPGEnc Video Mastering Works 7によるエンコード時間

次は、実際のソフトウェア「TMPGEnc Video Mastering Works 7」を使ってエンコードにかかった時間を掲載します。ここでは、x265エンコーダーを用い、4KのXAVC Sの動画をH.265/HEVCへ変換する処理を実行しています。
旧世代と比べると約9%速くなっています。

TMPGEnc Video Mastering Works 7によるエンコード時間 (x265)
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間(x265のエンコーダーを使用)
他CPUとの比較
Core i7-9750H 14分55秒
Core i7-8750H 16分24秒

 

Geekbench 4

続いて、Geekbench 4です。Core i7-9750Hのマルチコアのスコアは「21795」で、旧CPUより約8%スコアが高かったです。

Geekbench 4
他CPUとの比較(Multi-Core)
Core i7-9750H 21795
Core i7-8750H 20060

 

ベンチマークスコアまとめ

最後に、上で掲載したベンチマークスコアを含め、今回計測したベンチマークスコアをすべて掲載します。

旧世代の「Core i7-8750H」のスコアも合わせて掲載します。

CPU処理性能の比較

Core i7-9750Hは、マルチコア、シングルコアのベンチマークスコアが少し向上しています。

CPU関連のベンチマークスコア
  Core i7-9750H Core i7-8750H
Passmark - CPU Mark 13476 12422
CINEBENCH R15 CPU (Multi-Core) 1212 cb 1133 cb
CPU (Single-Core) 186 cb 176 cb
CINEBENCH R20 CPU (Multi-Core) 2608 cb 2374 cb
CPU (Single-Core) 448 cb 413 cb
Geekbench 4 CPU (Multi-Core) 21795 20060
CPU (Single-Core) 5108 4897
x265でH.265/HEVCエンコード 14分55秒 16分24秒

 

グラフィック性能の比較

今までは、CPU関連の性能を示すベンチマークを実行してきましたが、次は、インテル UHD グラフィックス 630のグラフィック関連のスコアを掲載します。なお、グラフィックス最大動的周波数は、Core i7-9750Hが1.15GHzであるのに対し、Core i7-8750Hは1.10GHzとなっており、Core i7-9750Hのほうがやや上です。

実際に計測したベンチマークスコアも、Core i7-9750Hの方がやや高いです。

ただ、Core i7-9750Hを搭載したハイエンド向けPCは、外部グラフィックスも搭載されることがほとんどなので、その場合、このスコアはあまり気にしなくても良いです。

グラフィック関連のベンチマークスコア
  Core i7-9750H Core i7-8750H
3DMark 3DMark Sky Diver
(Graphics score)
4590 4084
3DMark Cloud Gate
(Graphics score)
11247 8981
CINEBENCH R15
(OpenGL)
58.52 fps 53.63 fps
ドラゴンクエスト X
(1280x720、標準)
11852
(すごく快適)
10171
(すごく快適)
エンコード時間
(QSV)
2分57秒 3分17秒

 

Core i7-9750H搭載のおすすめPC

2019年5月11日の執筆時点で、Core i7-9750Hを搭載したゲーミングPCを紹介します。

ドスパラ GALLERIAシリーズ

Core i7-9750H搭載したゲーミングPCが、いくつか発売されています。価格が比較的安いため、コストパフォーマンス重視の方におすすめです。後日、レビュー記事を掲載します。

メーカーサイトこちら
MSI ゲーミングノート

Core i7-9750H搭載したゲーミングPCが、数多く発売されています。高性能PC、2.0kgを切るような軽量PCなど、数多くのラインナップがあります。やや高くても高級志向の製品が欲しいならおすすめです。

メーカーサイトこちら
ギガバイト ゲーミングノート

ギガバイトからは、2kg以下のAERO 15と、冷却性を重視したAORUS 15が発売されました。どちらも240Hz駆動のIGZOパネルを搭載したモデルがあります。こちらも、後日、レビュー記事を掲載します。

メーカーサイトこちら

 

まとめ

今後のゲーミングノートPCには「Core i7-9750H」が主流に

Core i7-9750Hは、「CINEBENCH R15」のマルチコアで、旧世代CPUに比べて数%スコアが向上していました。性能が大きく向上したわけではありませんが、これからのハイエンドPCに搭載されるスタンダードなCPUになると思われます。

CPUパワーを使う編集系の作業やゲームも、高速・快適に動作するでしょう。

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