Core i7-8750Hのベンチマーク

更新日:2018年5月12日

 

このページでは、Core i7-8750Hのベンチマークスコアを掲載します。

【結果概要】旧CPUより約1.6倍速い!

結果の概要だけ先に紹介します。

「CINEBENCH R15」のマルチコアのベンチマーク結果を確認すると、Core i7-8750Hは、旧世代のCore i7-7700HQよりも約1.6倍スコアが上昇していました。かなりの性能UPです。

驚いたことに、ちょっと前まで、デスクトップPCによく搭載されていたCore i7-7700Kよりもスコアが高いです。

CPUパワーを使うような編集系の作業でも快適に行えることでしょう。ゲーミングノートPCの用途にも最適です。

CINEBENCH R15(マルチコア)

 

Core i7-8750Hの仕様

Core i7-8750Hは、Coffee Lakeこと第8世代 インテルCoreプロセッサーで、主にゲーミングノートPCや、クリエイティブ向けノートPCに採用されるノート用CPUです。

旧世代は4コアでしたが、今回から6コアとなり、2コアも増えています。ベースクロックは下がっているものの、ターボブースト時のクロックは上がっています。

Core i7-8750HとCore i7-7700HQの仕様比較
  第8世代プロセッサー 第7世代プロセッサー
Core i7-8750H Core i7-7700HQ
開発コード名 Coffee Lake Kaby Lake
コア数 / スレッド数 6 / 12 4 / 8
ベースクロック 2.20 GHz 2.80 GHz
ターボブースト時 4.10 GHz 3.80 GHz
キャッシュ 9MB 6MB
内蔵グラフィックス Intel UHD
Graphics 630
Intel HD
Graphics 630
TDP 45W 45W

 

Core i7-8750Hの主なベンチマークスコア

Core i7-8750Hの主なベンチマークスコアを掲載します。

計測したPCは、ドスパラ GALLERIA GCF1070GFで、メモリはデュアルチャンネルの8GB、SATA SSDを搭載しています。

ドスパラ GALLERIA GCF1070GF

Core i7-8750HとGeForce GTX 1070を搭載し、120Hz駆動のディスプレイにも対応した15.6型のゲーミングノートPC。

 

CINEBENCH R15(マルチコア)は、約1.6倍スコアUP

Core i7-8750HのCINEBENCH(マルチコア)のスコアは「1133」でした。他の機種で計測したCore i7-7700HQのスコアは690であったため、旧世代CPUより約1.6倍はスコアが伸びたことになります。

また、シングルコアのスコアは約1.1倍伸びていました。ほとんど変わりませんが、スコアが悪くなっていないだけで、一安心です。躊躇なく、Core i7-8750Hを選べます。

CINEBENCH R15

 

Passmark(CPU Mark)は、約1.3倍スコアUP

Core i7-8750HのPassmark(CPU Mark)スコアは「12422」でした。他の機種で計測したCore i7-7700HQのスコアは約9872であったため、旧世代CPUより約1.3倍はスコアが伸びたことになります。

PassMark Performance Test 9.0 CPU MARK

 

TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間

次は、ベンチマークソフトではなく、市販のソフトウェア「TMPGEnc Video Mastering Works 6」を使ってエンコードにかかった時間を計測します。テストでは、XAVC Sの動画をH.265/HEVCへ変換する処理を実行しています。

Core i7-8750Hのエンコード時間は「17分40秒」でした。Core i7-7700HQは、22分12秒かかったため、旧世代CPUより2割ほど速くエンコードが終わっています。

TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間 (x265)

 

エンコード中のクロック周波数は下図のようになりました。数十秒間は4.0GHz前後で駆動しますが、それ以降は落ち着いて、2.8GHz前後で推移しているのが分かります。落ち着いた状態でも、Core i7-7700HQのベースクロックくらいは出ています。

エンコード中のCPUクロック

ベンチマークスコアのまとめ

最後に、上で掲載したベンチマークスコアを含め、今回計測したベンチマークスコアをすべて掲載します。

旧世代の「Core i7-7700HQ」のスコアも合わせて掲載します。

CPU処理性能の比較

Core i7-8750Hは、マルチコアでのベンチマークスコアがかなり向上しています。シングルコアもCore i7-7700HQと同等以上あり、マルチコアの対応が不十分なソフトも安心して使えます。

Core i7-8750HとCore i7-7700HQの比較(CPU)
テスト内容 Core i7-8750H Core i7-7700HQ
Passmark - CPU Mark 12422 9872
CINEBENCH R15 - CPU (Multi-Core) 1103 cb 690 cb
CINEBENCH R15 - CPU (Single-Core) 176 cb 160 cb
Geekbench 4 - CPU (Multi-Core) 20060 13625
Geekbench 4 - CPU (Single-Core) 4897 4633
x265でH.265/HEVCエンコード 17分40秒 22分12秒

グラフィック性能の比較

Core i7-8750Hのグラフィック性能については、Core i7-7700HQとほぼ変わりません。向上したスコアもあれば、下回ったスコアもあります。

ただ、Core i7-8750Hを搭載したハイエンド向けPCは、外部グラフィックスも搭載されることがほとんどなので、その場合、このスコアはあまり気にしなくても良いです。

Core i7-8750HとCore i7-7700HQの比較(GPU)
テスト内容 Core i7-8750H Core i7-7700HQ
3DMark Sky Diver - Graphics score 4084 4431
3DMark Cloud Gate - Graphics score 8981 9913
CINEBENCH R15 - OpenGL 53.63 fps 54.91 fps
ドラゴンクエスト X (1280x720) 10171 8961
QSVでH.265/HEVCエンコード 3分17秒 3分9秒

Core i7-8750H 搭載パソコンの紹介

Core i7-8750Hは、現時点で、ゲーミングノートPCに搭載されることが多いです。

2018年5月12日時点で、ドスパラのGALLERIAノートPCや、デルのALIENWAREシリーズ、ASUSのROGシリーズなどに搭載されているのを確認しています。

今後は、マウスコンピューターなどからも、このCPUを搭載したパソコンが登場することでしょう。

まとめ

Core i7-8750Hは、「CINEBENCH R15」のマルチコアで、旧世代CPUに比べて約1.6倍もスコアが向上しました。

CPUパワーを使う編集系の作業やゲームも、高速・快適に動作するでしょう。

これからのハイエンドPCに搭載されるスタンダードなCPUになると思われます。