※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
Core i5-1035G1のベンチマーク
第10世代Coreプロセッサー「Core i5-1035G1」のベンチマークスコアを掲載します。
結果概要
結果の概要だけ先に記載します。
CPU性能については、CINEBENCH R20のベンチマークスコアを確認すると、Core i7-1065G7に近いスコアで、従来のCore i5-8265UやCore i7-8565Uよりスコアがややアップしていました。
グラフィック性能については、Core i7-1065G7よりは劣るものの、Intel UHD Graphics 620よりは高いスコアでした。
内蔵GPUによるエンコード(H.265/HEVCへの変換)は、Core i7-1065G7には及ばないものの、Intel UHD 620よりは処理時間が大きく改善していました。
Core i5-1035G1の仕様
Core i5-1035G1は、開発コードネーム「Ice Lake」と呼ばれる10nmプロセス製造の第10世代Coreプロセッサーです。第10世代Coreプロセッサーには14nmプロセス製造の「Comet Lake」もありますが、今回レビューする「Ice Lake」は、内蔵グラフィックスが強化されたモデルとなります。
2019年9月21日現在、発表されているUシリーズの「Ice Lake」は次の6種類です。
プロセッサーナンバーの最後に「G○」という文字が付きますが、この○の数字が大きいほど、より内蔵グラフィックスの性能が高いことを意味し、今回試すCore i5-1035G1は、Intel UHD Graphicsを搭載した性能の低い「G1」となっています。
「Ice Lake」についての詳細は、4Gamer.netなどのメディアサイトをご覧ください。
Core i7-1068G7 | Core i7-1065G7 | Core i5-1035G7 | |
開発コード名 | Ice Lake | ||
製造プロセス | 10nm | ||
コア / スレッド数 | 4 / 8 | ||
ベースクロック | 2.3 GHz | 1.3 GHz | 1.2 GHz |
ターボブースト時 | 4.1 GHz | 3.9 GHz | 3.7 GHz |
キャッシュ | 8MB | 8MB | 6MB |
TDP | 28W | 15W | 15W |
内蔵GPU | Intel Iris Plus |
Core i5-1035G4 | Core i5-1035G1 | Core i3-1005G1 | |
開発コード名 | Ice Lake | ||
製造プロセス | 10nm | ||
コア / スレッド数 | 4 / 8 | 4 / 8 | 2 / 4 |
ベースクロック | 1.1 GHz | 1.0 GHz | 1.2 GHz |
ターボブースト時 | 3.7 GHz | 3.6 GHz | 3.4 GHz |
キャッシュ | 6MB | 6MB | 4MB |
TDP | 15W | 15W | 15W |
内蔵GPU | Intel Iris Plus | Intel UHD | Intel UHD |
GPU-Zで確認したCore i5-1035G1内蔵のIntel Iris Plusの仕様は次のようになっています。
CPU関連のベンチマークスコア
まずは、Core i5-1035G1のCPU関連のベンチマークスコアを掲載します。
計測に用いたノートPCは次の通りです。本製品以外のPCで計測した場合、ベンチマークスコアが大きく異なる可能性もありますのでご了承下さい。
Ice Lakeの第10世代インテルCPUを搭載し高性能。価格も比較的安くコスパが高い。ただし、液晶の視野角は悪い。
CINEBENCH R20
まずは、上で掲載したCINEBENCH R20の結果です。Core i7-1065G7に近いスコアが出ています。
CINEBENCH R15
次はCINEBENCH R15の結果です。こちらはあまりスコアが伸びず、Core i7-8565Uより低いスコアでした。
PassMark Performance Test 9.0
PassMark Performance Test 9.0は、Core i7-8565Uよりも大きくスコアが高く、Core i7-1065G7とほぼ同等でした。
TMPGEnc Video Mastering Works 7によるエンコード時間
次は、「TMPGEnc Video Mastering Works 7」を使ってエンコードにかかった時間を掲載します。ここでは、x265エンコーダーを用い、4KのXAVC Sの動画をH.265/HEVCへ変換する処理を実行しています。
Core i7-1065G7と同じくらい(むしろ少し速い)エンコード時間でした。
Geekbench 5
Geekbench 5のスコアです。こちらも、Core i7-1065G7に近いスコアです。
Geekbench 4
Geekbench 4のスコアです。
グラフィックス関連のベンチマークスコア
次はグラフィックス関連のベンチマークスコアを掲載します。
ドラゴンクエスト 10
CPU負荷がそれほど高くなく、主にグラフィックスのパワーを使うドラゴンクエスト 10のスコアです。Core i7-1065G7に内蔵されたIntel Iris Plusよりも大きくスコアが離され、従来CPUに内蔵されたIntel UHD Graphics 620よりもやや良い程度のスコアでした。
3DMark Night Raid
3DMark Night Raidのスコアです。Intel UHD Graphics 620とCore i7-1065G7の内蔵グラフィックスの間くらいのスコアでした。
内蔵GPUによるエンコード時間
次は、「TMPGEnc Video Mastering Works 7」にて、QSVのハードウェアエンコードで、4KのXAVC Sの動画をH.265/HEVCへ変換する処理を実行したときの時間です。
エンコードに関しては、Intel UHD Graphics 620よりもかなり高速化しており、3分の2ほどの時間で終わっていました。ただし、Core i7-1065G7と比べると差がありました。
その他
その他のグラフィックスに関するベンチマークスコアです。
Ice Lake-Uを搭載したノートPC
2019年9月23日現在、第10世代Coreプロセッサー「Ice Lake-U」を搭載しているノートパソコンは次の通りです。今後は、他のメーカーからも随時発表されていくと思います。
New Inspiron 15 3000 (3593)
15.6型 FHD 非光沢
第10世代Core (Ice Lake)
光学ドライブ あり
約2.13kg~
5万円台~
Ice Lakeの第10世代インテルCPUを搭載し高性能。価格も比較的安くコスパが高い。液晶の視野角は悪い。
Inspiron 15 5000 (5593)
15.6型 FHD 広視野角 非光沢
第10世代Core (Ice Lake)
光学ドライブ なし
約1.83kg
7万円台~
Iris Plus グラフィックスを内蔵したCore i7-1065G7を選択可能で高性能。液晶も見やすい。
随時、製品をレビューしていきますので、TOPページもチェックしてみてください。
パソコンの比較TOP
まとめ
下表は、各ベンチマークスコアにおいて、Core i5-8265Uに対してCore i5-1035G1がどのくらいスコアアップしたかを示した表です。Core i5-8265Uに比べて、Core i5-1035G1は、CPU性能は平均で約13%UP、グラフィックス性能は平均で約19%UPしていました。また、内蔵GPUによるエンコード時間については、従来CPUよりも32%も高速化していました。
Core i7-1065G7と比較すると、CPU性能はそれほど変わらないため、グラフィックスの性能を重視していない方は、Core i5-1035G1でいいと思います。ただ、逆に軽くゲームをするといったような方は、Core i7-1065G7のほうがいいでしょう。
Core i5-1035G1 | Core i5-8265U | スコア上昇率 | |
CINEBENCH R20 | 1424 cb | 1252 cb | 14% |
CINEBENCH R15 | 577 cb | 542 cb | 6% |
Passmark(CPU Mark) | 10385 | 8552 | 21% |
Geekbench 5 | 3920 | 3546 | 11% |
Geekbench 4 | 15303 | 13663 | 12% |
平均 | 13% |
Intel Iris Plus | Intel UHD 620 | スコア上昇率 | |
ドラクエ 10 | 5655 | 4655 | 21% |
3DMark Night Raid | 7248 | 5274 | 37% |
CINEBENCH R15(Open GL) | 51.78 fps | 52.63 fps | -2% |
Passmark(3D Mark) | 1706 | 1248 | 37% |
Geekbenck 5(Open CL) | 5763 | 5547 | 4% |
平均 | 19% |
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ
約15年間にわたり、年間100機種以上、パソコンを細かくチェックしている筆者がおすすめするノートパソコン。