Core m3-8100Yのベンチマーク
更新日:2020年5月13日
Surface Go 2に搭載されていた第8世代Coreプロセッサー(Amber Lake Y)のCore m3-8100Yのベンチマークスコアを掲載 します。高い性能ではありませんが、Web閲覧、動画視聴、Officeソフトの使用などの軽作業であれば、大きなストレスは感じず使えると思います。ただし、バックグラウンドで大きめの処理が流れていたりすると、ややもたつきを感じるときもあります。
Core m3-8100Yの仕様
Core m3-8100Yは、開発コードネーム「Amber Lake Y」と呼ばれる第8世代Coreプロセッサーとなります。小型のPC、低価格PC、ファンレスPCなどに搭載されるCPUで、一般的なノートPCに採用されているCPUよりはスペックは劣ります。
基本スペックを確認すると、コア数は2つと少なめですが、ハイパースレッディングに対応しスレッド数は4つとなっています。ベース動作周波数は低めですが、ターボブースト時の最大周波数が高めなので、短時間で終わる処理に関しては、割と速く終わるでしょう。
Core m3-8100Yの仕様
Core m3-8100Y
開発コード名
Amber Lake Y
製造プロセス
14nm
コア / スレッド数
2 / 4
ベース動作周波数
1.1 GHz
ターボ・ブースト利用時の最大周波数
3.4 GHz
キャッシュ
4MB
TDP
5W
メモリ
LPDDR3-1866
内蔵GPU
UHD Graphics 615
Core m3-8100Yのベンチマークスコア
CINEBENCH R20
まずは、CINEBENCH R20の結果です。Core m3-8100Yのマルチスコアのスコアは、Core i3-10110Uと比較すると半分くらいのスコアで、4コアのCeleron N4100とほぼ同じくらいのスコアになっています。
シングルコアのスコアを確認すると、意外と高く、マルチコアのスコアで劣っていたPentium Gold 5405Uよりも高いスコアになっています。
CINEBENCH R20
Core m3-8100Y
他CPUとの比較(マルチコア)
Core i9-10980HK
3643
Core i7-10875H
3557
Core i7-10750H
2777
Core i7-10710U
2211
Core i7-10510U
1459
Core i5-10210U
1418
Core i3-10110U
922
Ryzen 3 3200U
751
Pentium Gold 5405U
516
Celeron N4100
459
Core m3-8100Y
434
Pentium Gold 4425Y
360
Celeron 4205U
304
A4-9125
260
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i7-10750H
451
Core i7-9750H
448
Core i5-10210U
423
Core i3-10110U
413
Ryzen 3 3200U
318
Core m3-8100Y
243
Pentium Gold 5405U
202
Celeron 4205U
159
Celeron N4100
153
A4-9125
154
PassMark Performance Test 9.0
PassMark Performance Test 9.0についても、CINEBENCH R20と同様の傾向で、Core m3-8100Yは、Core i3-10110Uの半分くらいのスコアで、Celeron N4100とほぼ同等のスコアでした。
PassMark Performance Test 9.0(CPU MARK)
Core m3-8100Y
他CPUとの比較
Core i7-10750H
15379
Core i7-10710U
14408
Core i5-10210U
10234
Core i3-10110U
5562
Core m3-8100Y
2668
Celeron N4100
2611
Pentium Gold 4425Y
2223
Celeron 4205U
1995
PassMark Performance Test 10.0
PassMark Performance Test 10.0の結果は次の通りです。他のCPUであまり計測したことが無いので、ここではCore m3-8100Yのスコアだけ掲載しておきます。
PassMark Performance Test 10.0(CPU MARK)
Core m3-8100Y
Geekbench 5
Geekbench 5については、比較的高めのスコアでした。Core i3-10110Uの4分の3くらいのスコアで、Celeron N4100より約37%もスコアが高かったです。
Geekbench 5
Core m3-8100Y
他CPUとの比較(Multi-Core)
Core i7-10750H
6030
Core i7-10710U
5602
Core i5-10210U
3821
Core i3-10110U
2136
Core m3-8100Y
1586
Celeron N4100
1160
Pentium Gold 4425Y
886
Celeron 4205U
865
TMPGEnc Video Mastering Works 7によるエンコード時間
次は、ベンチマークソフトではなく実際のソフトウェアの「TMPGEnc Video Mastering Works 7」を使ってエンコードにかかった時間を掲載します。ここでは、x265エンコーダーを用い、4KのXAVC Sの動画をH.265/HEVCへ変換する処理を実行しています。
エンコードのように長時間かかる処理は苦手で時間がかかっています。このような処理には向いていないと思います。
TMPGEnc Video Mastering Works 7によるエンコード時間 (x265)
※XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間(x265のエンコーダーを使用)
他CPUとの比較
Core i7-10875H
11分54秒
Core i7-10750H
14分37秒
Core i7-10710U
21分43秒
Core i5-10210U
28分33秒
Core i3-10110U
42分20秒
Core m3-8100Y
1時間24分25秒
エンコード時のCPUクロックの推移は次のようになっています。ターボブーストが働き、一瞬だけ3.4GHzになった後、徐々にCPUクロックが下がります。2~3分で終わる処理なら意外と早めに終わりますが、それ以上かかる処理は待たされることでしょう。
エンコード時のCPUクロック
グラフィックス関連のベンチマークスコア
次はグラフィックス関連のベンチマークスコアを掲載します。
Core m3-8100Yに内蔵されるグラフィックス「Intel UHD 615 Graphics」は、第10世代CoreプロセッサーのComet Lakeに搭載されている「Intel UHD Graphics」に比べると、ベンチマークスコアは半分くらいにまで落ちます。
動画再生程度なら問題なく実行できますが、ゲームやクリエイティブワークには適しません。
3DMark Night Raid - Graphics score
GeForce MX250
15406
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
9530
Intel UHD
(Core i5-1035G1)
7248
Intel UHD
(Core i7-10750H)
6261
Intel UHD
(Core i7-10710U)
6010
Intel UHD
(Core i5-10210U)
5800
Intel UHD 620
(Core i5-8265U)
5274
Intel UHD 615
(Core m3-8100Y)
3099
Intel UHD 610
(Celeron 4205U)
2763
Radeon R3
(A4-9125)
2118
TMPGEnc 7によるエンコード時間(内蔵GPUによるエンコード)
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
1分43秒
Intel UHD
(Core i5-1035G1)
2分13秒
Intel UHD
(Core i7-10750H)
2分48秒
Intel UHD
(Core i7-10710U)
3分02秒
Intel UHD
(Core i5-10210U)
3分06秒
Intel UHD 620
(Core i5-8265U)
3分17秒
Intel UHD 615
(Core m3-8100Y)
7分21秒
ドラゴンクエスト 10(1920×1080、最高品質)
GTX 1650
19246
GeForce MX250
11900
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
7968
Intel UHD
(Core i7-10750H)
6120
Intel UHD
(Core i7-10710U)
5984
Intel UHD
(Core i5-1035G1)
5655
Intel UHD
(Core i5-10210U)
5234
Intel UHD 620
(Core i5-8265U)
4655
Intel UHD 615
(Core m3-8100Y)
2848 (評価:やや重い)
PUBG LITE(1920×1080、非常に低い)
GeForce MX250
120 fps
AMD Radeon Vega 8
82 fps
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
80 fps
Intel UHD
(Core i7-10750H)
55 fps
Intel UHD 620
(Core i5-8265U)
45 fps
Intel UHD 615
(Core m3-8100Y)
35 fps
トレーニングモードで計測
著者
櫻庭 尚良 (the比較 管理人)
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。 毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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約15年間にわたり、年間100機種以上、パソコンを細かくチェックしている筆者がおすすめするノートパソコン。