※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
ノートPC向けZen4ベースのAPU「Ryzen 7040」シリーズなどが発表

2023年1月5日(日本時間)、CES 2023のAMD基調講演にて、「Zen 4」アーキテクチャを採用する「Ryzen 7000」シリーズにおいて、以下の新製品を発表しました。
■ノートPC向けAPU「Ryzen 7040」シリーズ
■ノートPC向けハイエンドAPU「Ryzen 7045HX」シリーズ
■ノートPC向けGPU「Radeon RX 7000M」シリーズ
■「3D V-Cache」備えた「Ryzen 7000」シリーズ
ここでは、「AMD at CES 2023」にて発表された主な内容をまとめています。
ノートPC向けAPU「Ryzen 7040」シリーズ
今回発表された「Zen 4」ベースのノートPC向けAPU「Ryzen 7040」シリーズは、4nmプロセス、最大8コア/14スレッド、「RDNA 3」ベースのグラフィックスを採用し、同時に4つのAIストリームを処理できる「Ryzen AI」を搭載。
最上位モデルである「Ryzen 9 7940HS」は、マルチコアではApple M1チップと比較して最大34%、AI処理能力ではApple M2チップと比較して最大20%、ゲーミング性能ではCore i7-1280Pと比較して最大21%向上しているそうです。さらに、最大30時間を超えるバッテリーライフを持ち、省電力機能にも優れています。



Ryzen 9 7940HS | Ryzen 7 7840HS | Ryzen 5 7640HS | |
コア / スレッド | 8 / 16 | 6 / 12 | |
ブーストクロック | 5.2 GHz | 5.1 GHz | 5.0 GHz |
ベースクロック | 4.0 GHz | 3.8 GHz | 4.3 GHz |
L2+L3キャッシュ | 24MB | 22MB | |
TDP | 35-45W |
ノートPC向けハイエンドAPU「Ryzen 7045HX」シリーズ
ノートPC向けのフラッグシップAPUとなる「Ryzen 7045HX」シリーズも同時に発表されています。
ゲーミングやクリエイターなど、ハイエンド向けとなる「Ryzen 7045HX」シリーズは、「Zen 4」ベースなものの、デスクトップ版のRyzen 7000シリーズを踏襲した形で、製造プロセスは5nm、最大16コア32スレッド、「RDNA 2」ベースのグラフィックスを採用。さらに、L2キャッシュとL3キャッシュ合わせて80MBもの大容量キャッシュメモリを搭載しているのが特徴です。
ブーストクロックは5.4 GHz、TDPは55W以上。APU単体でのゲーミング性能は、前世代の「Ryzen 9 6900HX」と比較して平均24%向上、最大で41%向上。クリエイティブ性能は、Core i9-12900HXと比較して最大169%も向上しているそうです。



Ryzen 9 7945HX | Ryzen 9 7845HX | Ryzen 7 7745HX | Ryzen 5 7645HX | |
コア / スレッド | 16 / 32 | 12 / 24 | 8 / 16 | 6 / 12 |
ブーストクロック | 5.4 GHz | 5.2 GHz | 5.1 GHz | 5.0 GHz |
ベースクロック | 2.5 GHz | 3.0 GHz | 3.6 GHz | 4.0 GHz |
L2+L3キャッシュ | 80MB | 76MB | 40MB | 38MB |
TDP | 55-75W+ | 45-75W+ |
ノートPC向けGPU「Radeon RX 7000M」シリーズ
「RDNA 3」ベースとなるノートPC向け単体GPU「Radeon RX 7000M」シリーズも発表されています。最上位モデルの「Radeon RX 7600M XT」では、動作クロックは2300MHz、L3キャッシュは32MB、グラフィックスメモリにはDDR6の8GB、TDPは75W-120Wとされています。
競合他社製品のGeForce RTX 3060 6GBと比較して、1080p環境で平均26%高いフレームレートだそうです。なお、「Ryzen 7045HX」シリーズと「Radeon RX 7000M」シリーズを搭載したゲーミングノートPCは2023年2月登場予定です。



Radeon RX 7600M XT |
Radeon RX 7600M |
Radeon RX 7700S |
Radeon RX 7600S |
|
CU | 32基 | 28基 | 32基 | 28基 |
動作クロック | 2300MHz | 2070MHz | 2200MHs | 1865MHs |
L3キャッシュ | 32MB | |||
VRAM | 8GB(GDDR6 128bit) | |||
TDP | 75-120W | 50-90W | 75-100W | 50-75W |
「3D V-Cache」備えた「Ryzen 7000」シリーズ
デスクトップPC向けCPUでは、「3D V-Cache」備えた「Ryzen 7000」シリーズが発表されています。AMD独自の「3D V-Cache」技術は、キャッシュ用メモリをCPUダイの上に積むことで、さらにゲームのパフォーマンスを伸ばそうというもの。
「Ryzen 7 7800X3D」では、L2キャッシュとL3キャッシュを合わせて104MBの大容量キャッシュメモリを搭載しており、前世代の「Ryzen 7 5800X3D」よりも平均15%高いゲームパフォーマンスを発揮できるそうです。
さらに最上位の「Ryzen 9 7950X3D」では、144MBもの巨大キャッシュを搭載しており、競合他社製品の「Core i9-13900K」と比較して、幅広いゲームにおいてより高速であることをアピールしました。
製品ラインナップは以下の3製品で、2023年2月発売予定だそうです。また、これらの製品以外にも、TDPを65Wに抑えた低電力版「Ryzen 7000」シリーズも登場予定とのこと。



Ryzen 9 7950X3D | Ryzen 9 7900X3D | Ryzen 7 7800X3D | |
コア / スレッド | 16 / 32 | 12 / 24 | 8 / 16 |
ブーストクロック | 5.7 GHz | 5.6 GHz | 5.0 GHz |
L2+L3キャッシュ | 144MB | 140MB | 104MB |
TDP | 120W |
「AMD at CES 2023」主な発表内容まとめ

ノートPC向けAPU「Ryzen 7000」
- ノートPC向けAPU「Ryzen 7040」シリーズ
- ハイエンドAPU「Ryzen 7045HX」シリーズ
ノートPC向けGPU「Radeon RX 7000M」
- Radeon RX 7600M XT/RX 7600M
- Radeon RX 7700S/RX 7600S
「3D V-Cache」搭載「Ryzen 7000」シリーズ
- Ryzen 9 7950X3D/7900X3D/Ryzen 7 7800X3D
- 2月発売予定

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ