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NEC LAVIE Direct N15(R)の実機レビュー

CPU | Ryzen 7 EE ※1 Ryzen 7 4700U Ryzen 5 4500U |
---|---|
メモリ | 8GB ~ 32GB |
ストレージ | SSD / HDD / SSD+HDD |
画面サイズ | 15.6インチ |
画面種類 | FHD / FHD IPS 広視野角 |
質量 | 約2.2kg~ |
バッテリー | 最大 約6.3時間 |
価格[税込] | 10万円台~ |
※EE:Extreme Edition
※価格はクーポン適用後
LAVIE N15(R)は、国内に軸足を置いたPCメーカーとしては珍しく、AMD 第3世代Ryzen 4000 Uシリーズを搭載したスタンダードノートパソコンです。
最上位のモデルでは、NEC向けにカスタマイズされたRyzen 7 Extreme Editionというプロセッサーを搭載することができます。TDP 15Wのプロセッサーとしては最上位クラスの性能となっています。
また、最近のノートパソコンにはあまりない光学ドライブも搭載しています。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 7 Extreme Edition、16GBメモリ、1TB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「LAVIE Direct N15(R)の特徴」のみお読みください。
LAVIE Direct N15(R)の特徴
Ryzen 7 Extreme Edition プロセッサーを搭載可能
LAVIE Direct N15(R)は、Ryzen 7 Extreme Editionというプロセッサーを搭載しています。このプロセッサーと他のRyzen 7 4000 Uシリーズとを比較したのが下表の通りです。Ryzen 7 4800Uとそれほど仕様は変わりませんが、最大ブーストクロックが4.3GHzとわずかに高くなっています。
Ryzen 7 Extreme Edition |
Ryzen 7 4800U |
Ryzen 7 4700U |
|
CPUコア数 | 8 | 8 | 8 |
スレッド数 | 16 | 16 | 8 |
最大ブーストクロック | 4.3GHz | 4.2GHz | 4.1 GHz |
基本クロック | 1.8GHz | 1.8GHz | 2.0 GHz |
L2 | 4MB | 4MB | 4MB |
L3 | 8MB | 8MB | 8MB |
Shader | 512 | 512 | 448 |
グラフィックス周波数 | 1750 MHz | 1750 MHz | 1600 MHz |
メモリタイプ | DDR4-3200 / LPDDR4-4266 | ||
TDP | 15W |

Ryzen 7 4800Uはテストしたことがないため、Ryzen 7 4700UとCINEBENCH R20のマルチコアのスコアを比較すると、Ryzen 7 Extreme Editionは約1.3倍も高かったです。
ただし、約20分くらいかかったエンコードの場合、CPUクロックが大きく上下し、Ryzen 7 4700Uよりもかなり時間がかかっていました(※CINEBENCH R20 マルチコアのベンチマークは、1分30秒程度で終わります)。
LAVIE N15の筐体では、高いCPUクロックを維持するのは難しく、短時間で終わる処理は速いけど、長時間かかる処理は苦手のようです。
光学ドライブを搭載
NEC LAVIE Direct N15(R)は、最近の最新ノートPCとしては珍しく光学ドライブを搭載しています。クラウドサービスなどの普及で、光学ドライブの使用機会は大分減りましたが、CDやDVDをレンタルしたり、CDをダビングしたり、データを保存したりなど、まだ光学ドライブを使用している方は一定数いると思います。そんな方には嬉しいのではないかと思います。

ディスプレイのチェック
ディスプレイのチェックです。
液晶は次の2種類あり、Ryzen 7 Extreme Edition搭載モデルのみ(1)で、他のモデルは(2)になるようです。(2)は広視野角と書かれていないので、視野角が狭いのだと思います。Ryzen 5 4500Uに(1)液晶を搭載したモデルがあっても良かったと思います。
液晶の種類
(1) 15.6型ワイド スーパーシャインビューLED IPS液晶 (広視野角)(Full HD)
(2) 15.6型ワイド スーパーシャインビューLED液晶 (Full HD)
今回は、上の(1)の液晶の特性について記載します。
視野角は広いですが色域は狭いです。最大輝度は、当サイトの計測では290cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
色域は狭いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は61.8%でした。色鮮やかさに欠ける画面です。

ガンマ補正曲線を確認すると、やや寒色系の画面になっていることが分かります。色域が狭いと画面が黄色っぽく見えるので、少し青みが強く出ているこの設定のほうがバランスはいいと思います。

視野角は広いです。

画素形状です。ギラつきはありません。

光沢液晶であるため、画面への映り込みがあります。

正確な確認方法ではありませんが、輝度を0に下げてもフリッカーは確認できませんでした。

※カメラのシャッタースピードを1/2000秒にして撮影したときの画面
キーボードおよびタッチパッドのチェック
LAVIE Direct N15(R)のキーボードのチェックです。
十分なキーピッチで、配列も素直で、比較的打ちやすいキーボードだと思います。


パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
高い性能の薄型ノートPC用「Ryzen 4000 Uシリーズ」を搭載しています。一般ユーザーならRyzen 5 4500Uでも十分です。
~ CPU性能の評価 ~

※[レビュー機で計測]と書かれていないCPUは、他のPCで計測した代表値です
メモリ
メモリはデュアルチャネルですが、DDR4-3200ではなくDDR4-2666です。

グラフィックス
内蔵グラフィックスにしては高い性能です。
~ グラフィックス性能の評価 ~

※[レビュー機で計測]と書かれていないグラフィックスは、他のPCで計測した代表値です
※いずれもノートPC用のグラフィックスです
GPU-Zで確認した内蔵グラフィックスの情報は次の通りです。

ストレージ
ストレージは、SSDとHDDが選択できます。SSD+HDDにすることも可能です。SSDはPCIe接続で非常に高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~

※[レビュー機で計測]と書かれていないストレージは、他のPCで計測した代表値です
クリエイターソフトの処理時間
エンコード時間は、前述の通り、そこまで速くなかったです。
エンコード時間 | |
x265でエンコード (※1) | 19分31秒 |
QSVでエンコード (※2) | 1分01秒 |
NVENCでエンコード (※3) | ― |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー

USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cポートは、Thunderbolt 3、Power Delivery、映像出力には対応していません。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | × | × | 〇 |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | × | × | × | |
PD充電器 ※1 |
65W ZHOULX充電器 | × | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | × | ― | ― | |
30W RAVPower充電器 | × | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― | |
5V充電器 ※2 | 5V/2.4A ANKER充電器 | × | ― | ― |
5V/2.4A AUKEY充電器 | × | ― | ― | |
モニター ※3 |
EIZO ColorEdge CS2740 | × | × | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | × | × | 〇 |
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器
※3Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続すると、4K、YCbCr444、60Hzで表示できていました。

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は大きく変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時でも動作音が聞こえます。エンコード時は他のノートPCと比較して普通の騒音値です。

部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

パーツの温度のチェック
ここでは、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時の温度のみを掲載します。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
90度後半まで上がると、CPUクロックが一気に落ちて40度台まで下がり、また90度台後半まで上がるというのを繰り返しています。LAVIE Direct N15の冷却性能では、Ryzen 7 Extreme Editionを冷やしきれなかったのかなという印象です。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
やや低めの温度です。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
TDP 15Wのプロセッサーであるため、消費電力はそれほど高くありません。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から、確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
外観のチェックです。
パールホワイト、パールブラック、カームレッド、ネイビーブルーのカラーラインナップです。今回は、ネイビーブルーのカラーとなっています。液晶周りはブラックで、プラスチック感があります。


天板の画像です。

スピーカーは左右のパームレストの端にあります。最大音量は大きいですが、音質は普通です。ノートPC基準で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

ボディはやや薄いです。

側面のインターフェースです。光学ドライブを搭載してる点が特徴です。1000BASE-T対応の有線LANポートも搭載しています。Wi-Fi 6にも対応しています。


液晶が開く最大の角度です。

底面です。

ACアダプターは、45Wです。

まとめ
LAVIE Direct N15(R)は、Ryzen 4000 Uシリーズを搭載したスタンダードなノートPCです。
このノートPCにしかない「Ryzen 7 Extreme Edition」を搭載できる点が特徴で、かなり高い性能です。ただし、3分くらいで終わる処理は非常に速いですが、数十分かかる処理は、CPUクロックが大きくダウンしまた戻るのを繰り返し、そこまで速くはありませんでした。
光学ドライブを搭載しているのはメリットです。
また、キーボードも比較的打ちやすいと思います。
液晶は、Ryzen 7 Extreme Editionモデルならまずまずの見やすさです。他のプロセッサーを搭載したモデルは視野角が悪くなるようなので、見やすさは落ちてしまいます。10万円以上する安くはない製品なので、どのモデルも視野角の広い液晶を選択できたら良かったです。
Ryzen 7 Extreme Editionを搭載可能
LAVIE Direct N15(R)

特徴
- Ryzen 7 Extreme Editionを搭載可能
- 光学ドライブを搭載
- キーボードが比較的打ちやすい
こんなあなたに
- 国内で知名度の高いメーカーがいい方
- プロセッサー性能の高い製品が欲しい方
- 価格10万円台[税込]~

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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