ハンドヘルド小型ゲーミングPC Lenovo Legion Goの実機レビュー

更新日:
CPU Ryzen Z1 Extreme
GPU 内蔵GPU
メモリ 16GB LPDDR5X-7500
ストレージ 512GB PCIe NVMe
液晶サイズ 8.8インチ
マルチタッチ対応
液晶種類 WQXGA 144Hz 光沢
質量 約854g
バッテリー 49.2Wh
価格[税込] 13万円台
いつでもどこでもPCゲームを楽しめる!

Lenovo Legion Goは、Ryzen Z1 Extremeプロセッサーに8.8型の大画面液晶を搭載した、ハンドヘルドの小型ゲーミングPCです。

軽めのPCゲームを携帯ゲーム感覚でプレイすることができ、専用ポーチに入れて持ち運び、外出先でもPCゲームを楽しむことができます。

ディスプレイはWQXGA( 2560×1600)、144Hz、10点マルチタッチに対応。

着脱可能なワイヤレスコントローラーに「Windows 11 Home」を搭載しているため、タブレットやノートPCとしても使用が可能です。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Ryzen Z1 Extreme、16GBメモリ、512GB SSD

 

目次

お忙しい方は、「Lenovo Legion Goの特徴」のみお読みください。

 

Lenovo Legion Goの特徴

いつでもどこでもPCゲームを楽しめる

Lenovo Legion Goは、Nintendo Switchのような手に持って遊ぶことができるハンドヘルドの小型WindowsゲーミングPCです。8.8型の大画面液晶に着脱可能なコントローラーを採用し、いつでもどこでもPCゲームを遊ぶことができます。

着脱可能なコントローラー部分は、人間工学に基づいたエルゴノミックデザインを採用しており、コントローラー単体での握り心地はもとより、手に持った時のホールド感が非常に良く、操作感もかなり良好です。

コントローラー背面のボタンも充実しているので、パッド向けに最適化されていないゲームも操作できると思います。

モンスターハンターライズ:サンブレイクをプレイ
背面のボタンも充実

 

高精細な8.8型のWQXGA大画面液晶

液晶に関しても、WQXGA(2560x1600ドット)、IPS方式のグレアパネルを採用しており、144Hzの高リフレッシュレート、10点のマルチタッチにも対応しています。色域も当サイト調べでsRGBカバー率99.4%と、色の表現力が広く、高精細な液晶パネルを搭載しています。

普段何気なく遊んでいるゲームも、Legion Goを通してプレイすることで、「綺麗」と感じることができるでしょう。

Nintendo Switchと比べるとかなり大きく感じる

 

様々な使用スタイル

Legion Goの重さはタブレットとコントローラー合わせて854g。やはり長時間手に持ってゲームをすると手が疲れてきます。そういった場合、Legion Goの背面にあるキックスタンドで画面を立てて、ワイヤレスコントローラーで遊ぶというスタイルもいいでしょう。

右側のコントローラーの底面にはセンサーが内蔵されており、付属のコントローラードックに立てて操作することも可能です。このスタイルは、Legion GoではFPSモードと呼称されていますが、実際にFPSをプレイしてみると違和感があるものの、これはこれで斬新な遊び方。ただ、エイムスピードが求められるFPSゲームではあまり向かない気もします。フライトシミュレーターには良さそうなスタイルです。

右側のコントローラーを立てて使うFPSモード

 

Legion Goは10点のマルチタッチにも対応しているので、コントローラーを取り外して縦画面でタブレットの様に使用することもできます。ただ、タブレットとしては少し重く感じるのと、厚みもあります。縦型シューティングに使えそうですが、背面のキックスタンドが縦置きに対応していないので、別途スタンドが必要となるでしょう。

タブレットモードは縦型シューティングも使えそう

 

いつでも呼び出せるクイックメニュー

Legion Goは、右側コントローラーの黄色いマルで囲まれたボタン「Legion R」を押すことでいつでもクイックメニューを呼び出すことができます。クイックメニューからはパフォーマンスの設定や輝度、音量、画面解像度やリフレッシュレート、コントローラーの設定まで行うことができます。

ゲーム中でもアクセスすることができて非常に便利ですが、コントローラーに慣れ親しんでる方からすれば「スタート」に配置されるボタンなので、慣れるまでは間違って押してしまうかもしれません。

「Legion R」ボタンでいつでもクイックメニューが呼び出せる
クイックメニューからは様々な設定が可能

 

肝心のゲーム性能は?

Legion Goを購入するほとんどの方は「手元でPCゲームを楽しみたい」という方がほとんどだと思うので、肝心のゲーム性能をざっくり説明すると、ほとんどのゲームにおいて、快適にプレイするには画質設定を落とすか、画面解像度を落とす必要があります。

Legion Goは外部グラフィックスを搭載しておらず、Ryzen Z1 Extremeプロセッサーに内蔵される「AMD Radeon Graphics」を利用したものなので、ゲームパフォーマンスはあまり高くありません。

個人的には「ディアブロ4を寝ながらトレハンできたらいいなぁ」程度だったのですが、画面解像度1920×1200、グラフィック設定を最低まで落としても60 fpsにはほど遠く、1280×800解像度まで落としてやっと快適にプレイできる程度でした。

せっかく、WQXGAの高解像度、144Hzの高リフレッシュレート、綺麗で高精細な液晶パネルを搭載しているのに、荒い画質&低フレームレートでプレイするのもなんだかもったいない気もします。

ただ、モンスターハンターライズ:サンブレイクやVALORANTなどのような軽いゲームなら、グラフィック設定を落とすことで高いフレームレートでプレイが可能です。そのほか、2Dゲームやインディーズタイトルも快適にプレイすることができます。最新のゲームには向きませんが、軽いゲームをカジュアルにプレイするだけなら良いと思います。

ディアブロ4をプレイ
Muse Dashのような軽いインディーズゲームなら快適に動作する

 

Steamのリモートプレイを利用すれば重いゲームも遊べる

この寒い時期だと、デスクに座ってPCゲームというのも足元が冷えてしまってじっくり腰を据えてプレイできないもの。可能ならこたつに入ってのんびりPCゲームに勤しみたいところですが、重いゲーミングPCとモニターをせっせと移動させるのはさすがに面倒。

そういう時に個人的に推奨したい使い方が、Steamのリモートプレイです。別の部屋のPCでゲームを起動すれば、WiFiのストリーミングを利用してLegion Goでゲームをプレイすることができます。

これなら負荷の重いゲームも暖かいこたつでじっくり遊べちゃいます。また、Legion Goでゲームを起動するよりはバッテリーの持ちも良いです。

実際にアーマード・コア6をリモートプレイで遊んでみたところ、遅延も全く気にならず、綺麗な映像で快適にプレイできました。遅延に関しては家庭の通信環境にもよりますが、Legion GoはWiFi 6Eに対応しているので、通信速度も申し分ありません。

Steamのリモートプレイ機としても能力を発揮できるLegion Goです。

Steamのリモートプレイでアーマード・コア6をプレイ

 

ディスプレイのチェック

ディスプレイの詳細なチェックです。

WQXGA(2560x1600ドット)、144Hzのハイリフレッシュレートに対応しています。

詳しい特性については、以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域・輝度
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき

色域は広いです。当サイトの計測結果はご覧の通りです。なお、最大輝度は、当サイトの計測では416cd/m2と高いです。

  カバー率
sRGBカバー率 99.4%
DCI-P3カバー率 92.2%
Adobe RGBカバー率 95.4%
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、 やや青色が強く発色していることがわかりますが、ゲーム用途ならこれもアリかなと思います。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

光沢液晶なので、画面への映り込みはあります。

画面への映り込み

 

パフォーマンスのチェック

動作モード

パフォーマンスのチェックです。

本製品では、「クイックメニュー」から、動作モードを変更することができます。

ここでは、最も高いパフォーマンスが出る「パフォーマンス・モード」で計測したベンチマークの結果を掲載します。

なお、ACアダプターに繋いだ状態で計測しています。

クイックメニューから動作モードを変更

 

CPU

Lenovo Legion Goは、8コア/16スレッドのAMD Ryzen Z1Extremeを搭載しています。ハンドヘルドPCに搭載されるプロセッサーとしては最高性能クラスとなります。

ベンチマークの結果は以下の通り、マルチコア、シングルコアともにスコアが高いです。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen Z1 Extreme
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 7945HX 33229
Core i9-13950HX 27983
Core i9-13900HX 24314
Core i9-13900H 19299
Core i7-13700HX 18283
Ryzen 7 7840HS 17922
Core i7-13700H 17622
Core i5-13500H 15302
Core i7-12700H 14546
Core i7-12650H 14189
Ryzen 7 7735HS 14068
Ryzen 7 6800H 13999
Core i5-12500H 13213
Ryzen Z1 Extreme 11437
Ryzen 7 6800U 10830
Core i7-11800H 10593
Ryzen 5 6600H 10470
Ryzen 5 7535HS 10356
Ryzen 7 7735U 10122
Ryzen 7 7730U 10051
Core i7-1360P 9720
Core i5-1340P 9688
Core i5-11400H 8793
Ryzen 5 7535U 8757
Ryzen 5 7530U 8403
Core i7-1255U 8300
Core i5-1335U 8249
Core i5-1235U 7589
Core i7-1250U 7435
Core i5-1230U 6273
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-13950HX 2097
Core i9-13900H 2016
Core i9-13900HX 1968
Ryzen 9 7945HX 1951
Core i7-13700H 1898
Core i7-1360P 1826
Core i7-12700H 1823
Core i7-12650H 1787
Core i5-13500H 1785
Core i7-1255U 1776
Ryzen 7 7840HS 1764
Core i5-12500H 1727
Core i5-1335U 1723
Core i5-1340P 1722
Ryzen Z1 Extreme 1694
Core i5-1235U 1675
Ryzen 7 7735HS 1538
Core i5-1230U 1532
Ryzen 7 6800H 1522
Core i7-11800H 1507
Ryzen 7 6800U 1504
Core i7-1250U 1495
Ryzen 7 7735U 1476
Ryzen 5 6600H 1476
Ryzen 5 7535U 1471
Ryzen 5 7535HS 1463
Core i5-11400H 1460
Ryzen 7 7730U 1440
Ryzen 5 7530U 1439
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。

 

メモリ

メモリには、LPDDR5X-7500を搭載しています。帯域幅は広いです。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
16GBメモリ
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
DDR5-5600
デュアルチャネル
66.34GB/s
LPDDR5-6000
デュアルチャネル
64.52GB/s
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
LPDDR5-5200
デュアルチャネル
58.49GB/s
LPDDR5-4800
デュアルチャネル
54GB/s
LPDDR5X-7500 52.45GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
35.26GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値です。理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

3DMark Night Raidのスコアは以下の通りです。GeForce GTX 1650や、Core Ultra 7 155Hの内蔵グラフィックスよりは低いものの、GeForce MX450の外部グラフィックスとほぼ同等のスコアが出ていました。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Ryzen Z1 Extreme
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce RTX 3050 52196
GeForce RTX 2050 48410
GeForce GTX 1650 45149
Core Ultra 7 155H
Intel Arc GPU
35888
GeForce MX550 35717
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
30319
Ryzen Z1 Extreme
AMD Radeon Graphics
30123
Ryzen 7 7735U
メモリLPDDR5-6400
28714
Core i7-1360P
メモリLPDDR5-4800
21897
Core i5-1340P
メモリLPDDR5-4800
17774
Ryzen 7 7730U
メモリLPDDR4X-4266
17524
Ryzen 5 7530U
メモリLPDDR4X-4266
16389

 

続いて、3DMark Time Spyの結果です。Time Spyの場合、GeForce MX550とほぼ同等のスコアでした。

3DMark Time Spy
~ グラフィックス性能の評価 ~
Ryzen Z1 Extreme
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
RTX 4090 175W 21897
RTX 4080 175W 18822
RTX 3080 Ti 175W 12614
RTX 4070 140W 12254
RTX 4060 140W 10665
RTX 4050 105W 8469
RTX 3060 130W 8302
RTX 3050 Ti 95W 6063
RTX 3050 75W 5102
RTX 3050 65W 4560
GTX 1650   3673
Core Ultra 7 155H   3600
Ryzen Z1 Extreme
AMD Radeon Graphics
  2648
MX550   2644
Core i7-1360P   1660
W(ワット):最大グラフィックスパワー

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、高速でした。容量は512GBです。複数のゲームをインストールすると、すぐに容量がいっぱいになる可能性があります。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
512GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
5058
PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

本体上部にmicroSDカードリーダーを搭載しています。アクセス速度は速いです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

ゲームベンチマーク&フレームレート

いくつかのゲームで計測した平均フレームレートを掲載します。動作モードは「パフォーマンス・モード」で計測したフレームレートを計測しています。まずは、ACアダプターに繋いだときのフレームレートを掲載します。

Ryzen Z1 Extremeプロセッサーに内蔵されたグラフィックス(iGPU)での動作なので、外部グラフィックス(dGPU)と比較するとゲームパフォーマンスはかなり劣りますが、ハンドヘルドPCとしては高いゲームパフォーマンスだと思います。

サイバーパンク2077などの重いゲームではグラフィック設定、解像度を1280×800まで落とすことで、60 fpsでプレイ可能です。

ブループロトコルやFF14などのオンラインゲームでは、1920×1200解像度で設定を落とすことである程度プレイが可能ですが、こちらも1280×800まで解像度を落とした方が、快適にプレイができると思います。

Apex Legendsやモンスターハンターライズ:サンブレイク、VALORANTなどの軽いゲームでは1920×1200解像度でも設定を落とすことで高いフレームレートで動作するので、144Hzの高リフレッシュレートを活かせるでしょう。

そのほか、2Dゲームやインディーズタイトルなど、軽いゲームをカジュアルにプレイするには向いていると思います。

重い部類のゲーム
サイバーパンク2077
解像度 品質 平均 fps
1920x1200 Steam Deck 35 fps
1280x800 54 fps
1920x1200 41 fps
1280x800 64 fps
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 軽量品質 46 fps
1280x720 73 fps
中程度の重さのゲーム
ディアブロ4
解像度 品質 平均 fps
1920x1200 低設定 45 fps
1280x800 84 fps
※NMDで計測
中程度の重さのゲーム
ブループロトコル
解像度 品質 平均 fps
1920x1200 低画質 79 fps
1280x800 117 fps
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
解像度 品質 平均 fps
1920x1200 最低 61 fps
1280x800 87 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ
解像度 品質 平均 fps
1920x1200 標準品質(ノート) 55 fps
1280x800 78 fps
軽い部類のゲーム
Apex Legends
解像度 品質 平均 fps
1920x1200 低設定 98 fps
1280x800 132 fps
※トレーニングモードで計測
軽い部類のゲーム
モンスターハンターライズ:サンブレイク
解像度 品質 平均 fps
1920x1200 低設定 123 fps
高設定 47 fps
軽い部類のゲーム
VALORANT
解像度 品質 平均 fps
1920x1200 低設定 232 fps
高設定 128 fps
※プラクティスモードで計測
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 低品質 11591(すごく快適)
最高品質 8321(とても快適)

 

バッテリー駆動でのフレームレート比較

続いて、バッテリー駆動時でのフレームレートを掲載します。ACアダプター接続時より、1~2割フレームレートが下がります。

中程度の重さのゲーム
ブループロトコル
解像度 品質 平均 fps
1920x1200 低画質 68 fps
1280x800 104 fps
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
解像度 品質 平均 fps
1920x1200 最低 57 fps
1280x800 82 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ
解像度 品質 平均 fps
1920x1200 標準品質(ノート) 46 fps
1280x800 67 fps

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーサイトではタブレット+コントローラーで854g、タブレットのみで639g、コントローラーのみで215gと記載されており、当サイトで計測した質量もほぼ同じでした。ゲーミングPCとして見れば非常に軽いですが、携帯ゲーム機として見るとやや重く感じます。

実際に手に持ってゲームをしてみたところ、開始20分くらいで手が疲れてきます。

タブレット+コントローラー
タブレットのみ
本製品の質量
  質量
本体(タブレット+コントローラー) 851g
タブレットのみ 638g
ACアダプター 177g

 

バッテリー駆動時間のチェック

Lenovo Legion Goのバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は49.2Wh(仕様値)です。ハンドヘルド型ゲームPCとしては多めの容量のバッテリーを搭載しています。

 

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は下表の通りです。パフォーマンス・モードでFF14のベンチマークをループ再生させたときのバッテリー駆動時間は1時間30分でした。もう少し負荷の低いゲームであれば、3時間くらいならもつかもしれません。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
 (1) FF14ベンチマーク(ループ再生) 1時間30分
※画面輝度は約120cd/m2
(1) FF14ベンチ(1920×1200、標準ノート)をループ実行

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。なお、動作モードは「パフォーマンス・モード」で計測しています。

 

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPUクロック、CPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

CPU電力は、最初は32Wで動作するものの、すぐに下がり始め、最終的には23W辺りで動作しています。CPU温度も最初は85℃まで上がるものの、最終的には73℃付近で安定しており、問題ない温度です。

Ryzen Z1 ExtremeはTDP30Wのプロセッサーですが、CPU温度が高くなりすぎない程度の範囲で動作するようです。

CPU電力
CPU温度

 

ゲーム時のCPU温度、GPU温度

ファイナルファンタジー15のゲームベンチマーク実行中の大まかなCPU温度と、GPU温度の推移は下図の通りです。

こちらもCPU電力は徐々に下がっていき、最終的には21W付近で動作しています。CPU温度は最終的に65℃付近で安定しており、問題ない温度です。ゲーム中は背面の通気口辺りが熱くなりますが、コントローラーを握っているとそれほど熱は感じません。

CPU電力
CPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時は、ファンが動作していない時はほぼ無音で、ファンが動作していても、約32dBと静かです。ゲーム中はそれなりにファンの動作音がしますが、小型PC特有の甲高いキーンとした音がなく、耳障り感がありません。また、スピーカーの音である程度かき消されるので、それほど気にならないと思います。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時
左から2番目:FF15 ベンチマーク実行(高品質、1920x1080、ウィンドウ)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

外観のチェック

Lenovo Legion Goの外観のチェックです。

本体カラーはシャドーブラックで、コントローラー部分はマットな質感です。8.8型の大画面液晶がとても綺麗です。

 

コントローラーの取り外しには背面のリリース・ボタンを押しながらパキっと割る感覚で、Nintendo Switchに比べると比較的楽に着脱できます。

 

付属のコントローラードックに立ててFPSモードにする時は、右側コントローラー底面にあるスイッチをオンにします。

 

背面には吸気口があります。

 

上部には音量ボタン、USB4、microSDカードリーダー、マイク/ヘッドホン・コンボジャック、電源ボタンがあります。底面はUSB4のみとなります。ACアダプターの接続は、上部、底面どちらのUSB4でも充電が可能です。また、上部には排気口があり、2x2Wのスピーカーも配置されています。

 

背面には画面を立てることができるキックスタンドがあり、写真の位置まで傾けることができます。

 

ACアダプターの容量は65Wです。小型で軽いので持ち運びしやすいです。

 

持ち運び用の専用ポーチが付属しており、Legion Goとコントローラードックを入れることができます。ACアダプターは入りません。

 

まとめ

以上が、Lenovo Legion Goのレビューです。

小型ゲーミングPCと言えばGPD WINから始まり、Steam DeckやROG Allyが登場したりと、内蔵グラフィックスの性能が年々向上するおかげか、再び注目され始めているジャンルです。

そんな数ある小型ゲーミングPCの中でもLenovoのLegion Goの完成度は非常に高いです。小型ゲーミングPCの場合、本体のサイズと放熱性のバランスを見極める必要がありますが、Legion Goでは常時TDP30Wを維持するのは難しいものの、小型ゲーミングPCとしてはかなり高性能。

ディスプレイには8.8型のWQXGA、144Hz、10点マルチタッチ対応の大画面パネルを採用しており、色域も広く小型ゲーミングPCとしてはかなり贅沢な仕様です。着脱可能なコントローラー部分も握りやすく、操作しやすい設計で、これといった不満点も見当たりません。コントローラーをレバーのように操作するFPSモードという斬新な遊び心もグッドです。

ただ、ゲーム性能では内蔵グラフィックスなので仕方がないものの、ほとんどのPCゲームにおいて、快適にプレイするには画質設定や解像度を落とす必要があります。WQXGA、144Hzの高性能な液晶パネルを搭載しているのに活かしきれないという点はもったいなく感じます。

ですが、モンスターハンターライズ:サンブレイクやAPEX、VALORANTなどの軽いゲームや2Dゲーム、インディーズタイトルなど、軽いゲームをカジュアルにプレイするには良い製品です。

また、外部GPUを搭載したゲーミングPCを持っているなら、Steamのリモートプレイを利用することで、負荷の重いゲームもストリーミングでプレイすることができます。

小型ゲームPC、タブレット、リモートプレイ用デバイスなど、本製品1台で用途は様々です。

 

いつでもどこでもPCゲームを楽しめる!

Lenovo Legion Go

特徴

  • Ryzen Z1 Extremeプロセッサー搭載
  • 8.8型、WQXGA、144Hz、高色域の高性能液晶
  • 着脱可能なワイヤレスコントローラー

こんなあなたに

  • いつでもどこでもPCゲームを楽しみたい方
  • 価格13万円台[税込]
公式サイトはこちら

 

 

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