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Lenovo LOQ Tower 17IRR9の実機レビュー
サイズ | ミニタワー |
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CPU | Core i5-14400F Core i7-14700F |
GPU | RTX 3050 RTX 4060 RTX 4060 Ti 8GB |
メモリ | 16 / 32GB(DDR5) |
1st SSD | 512B / 1TB NVMe SSD |
2nd HDD | 1TB / 2TB HDD |
価格[税込] | 11万円台~ ※ |
※2024年7月10日時点の価格
Lenovo LOQ Tower 17IRR9は、フロントパネルのLEDライトバーが特徴的なデザインのゲーミングPCです。
また、一般的なミニタワーよりも一回り小さいケースを採用し、省スペースなので、狭いデスクにも設置が可能です。
Core i5-14400F+RTX 3050のエントリークラスなら11万円台、Core i7-14700F+RTX 4060のミドルクラス構成でも16万円台からと、かなり高いコストパフォーマンスです。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-14700F、GeForce RTX 4060、メモリ16GB
セール情報
以下のページで、レノボのパソコンのセールを実施中です。
目次
お忙しい方は、「Lenovo LOQ Tower 17IRR9の特徴」のみお読みください。
Lenovo LOQ Tower 17IRR9 の特徴
非常に安いゲーミングPC
Lenovo LOQ Tower 17IRR9は、Core i5-14400F + RTX 3050のエントリー構成で11万円台、Core i5-14400F + RTX 4060のミドルロー構成で15万円台と、Core i7-14700F + RTX 4060 Ti 8GBのミドル構成でも18万円台と、非常にコストパフォーマンスの高いゲーミングデスクトップPCです。
下表は、Core i5-14400F + RTX 4060の構成の各社のゲーミングPCについて、価格を比較したものです。ケース内部の構成や電源など異なるので、一概にどれがいいというわけではありませんが、Lenovo LOQ Tower 17IRR9は、安さで言えば群を抜いています。
価格 | |
Lenovo LOQ Tower 17IRR9 | 152,790円 |
ドスパラ GALLERIA RM5C-R46 | 167,979円 |
パソコン工房 LEVEL-M17M-144F-RL1X-BLACK | 175,700円 |
フロンティア FRGAMLB760M/SG1 | 189,800円 |
マウス G-Tune DG-I5G60 | 229,900円 |
スリムでデスク上に設置しやすい
Lenovo LOQ Tower 17IRR9は、筐体サイズが約 幅170 mm x 奥行279 mmx高さ376 mmと、一般的なミニタワーより一回り小さいのが特徴です。
特に幅と奥行が小さいので、狭いデスクでも設置しやすく、圧迫感もありません。Wi-Fi 6にも対応しているので、有線LANがない場所にも設置しやすいです。
ゲーミングPCは欲しいけど大きいケースは嫌だという方におすすめです。
小さくてもスタイリッシュ
Lenovo LOQ Tower 17IRR9は、ケース自体はややチープさはあるものの、フロントパネル中央にはLEDライトバーが真っ直ぐ伸び、とても特徴的なデザインです。
このLEDライトバー部分は切り込みを入れたように凹んでおり、通気口と合わせることで、エアフロー効率とデザイン性を統合した美しい見た目を実現しています。
ただ、LEDライトバーの点灯パターンは変更できますが、色は変更できません。
拡張性は低い
Lenovo LOQ Tower 17IRR9は、ミニタワーよりも一回り小さいケースを採用しているため、拡張性は低いです。M.2 SSD用の空きのスロットはなく、ドライブベイも1つしかありません。
このドライブベイに、2ndストレージとして、HDDを搭載することができますが、速度が遅いのであまりおすすめできません。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
Lenovo LOQ Tower 17IRR9は、「Lenovo Vantage」というレノボ提供の管理アプリから、サーマル・モード設定を変更することができます。ここでは、デフォルトの「バランス・モード」と、高いパフォーマンスが出る「パフォーマンス・モード」で各種ベンチマークを計測しています。
また、今回CPUにはインテル第14世代「Core i7-14700F」を搭載しています。このCPUの仕様上のプロセッサー・ベース・パワー(PBP)は65W、最大ターボパワー(MTP)は219Wです。
本製品の設定値を確認したところ、「バランス・モード」のPBP(PL1)は標準の65W、「パフォーマンス・モード」のPBP(PL1)は107Wに設定されていました。
CPU
本製品には最新のインテル第14世代の「Core i5-14400F」または「Core i7-14700F」を搭載することができます。レビュー機では性能の高い「Core i7-14700F」を搭載しています。
CINEBENCH R23のスコアは下の通りです。
マルチコア、シングルコアともにスコアが非常に高く、ゲームもクリエイターソフトも快適に動作する性能です。
また、「パフォーマンス・モード」にすることでマルチコア性能がアップします。ゲームをするだけなら「バランス・モード」でも十分ですが、ソフトウェアエンコードなどをするときは、「パフォーマンス・モード」にしてもいいでしょう。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
グラフィックス
グラフィックスには、GeForce RTX 3050、RTX 4060またはRTX 4060 Ti 8GBを搭載することができます。今回、グラフィックスにはミドルロークラスのRTX 4060を搭載しており、FHD解像度なら、最新のゲームも最高設定で快適に動作する性能です。
なお、「パフォーマンス・モード」の方がややスコアが上がりますが、大きな差はありません。
メモリ
Core i5搭載モデルでは16GBのDDR5-4800メモリが、Core i7搭載モデルでは16GBまたは32GBのDDR5-5600メモリが搭載されています。本製品では16GBのDDR5-5600メモリが搭載されており、帯域幅は想定よりやや狭かったですが、それでも十分な広さです。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のデスクトップPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません
ストレージ
ストレージには、標準で512GBのPCIe Gen4 SSDを搭載しており、アクセス速度もまずまずです。カスタマイズでは最大1TBのSSDを選択できるほか、最大2TB HDDの2ndストレージを選択することもできます。複数のゲームをインストールする場合は、1TB SSDを選択することをおすすめします。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ゲームベンチマーク
ゲームに付属のベンチマーク機能のスコア、または実際にゲームをプレイし、Afterburnerで計測したフレームレートを掲載します。ここでは「パフォーマンス・モード」にして、ゲームのフレームレートを計測しています。
今回、グラフィックスにはミドルロークラスのGeForce RTX 4060を搭載しており、FHD解像度なら、「ゴースト・オブ・ツシマ」などの負荷の重い最新のゲームも快適に動作する性能です。DLSSやフレーム生成に対応したゲームであれば、更にフレームレートを底上げすることも可能です。
中程度の重さのオンラインゲームや軽めのゲームでは、FHD解像度でも高いフレームレートが狙え、WQHD解像度でも60 fps以上で動作するタイトルも多いです。
FHD解像度で軽めのゲームしかプレイしない場合はRTX 3050でもいいですが、幅広くゲームをプレイしたい場合は、RTX 4060以上をおすすめします。
重い部類のゲーム
Ghost of Tsushima Director's Cut(ゴースト・オブ・ツシマ)
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解像度 | 品質 | 平均 fps |
1920x1080 | 非常に低い | 106 fps |
非常に高い | 63 fps(87 fps) | |
2560x1440 | 非常に低い | 70 fps |
非常に高い | 47 fps(75 fps) |
重い部類のゲーム
パルワールド(DX11)
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解像度 | 品質 | 平均 fps |
1920x1080 | 最高 | 80 fps |
2560x1440 | 60 fps |
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(アップデート 2.1)
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解像度 | 品質 | 平均 fps |
1920x1080 | ウルトラ | 95 fps |
レイトレ:ウルトラ | 63 fps(106 fps) | |
2560x1440 | ウルトラ | 55 fps(93 fps) |
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
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解像度 | 品質 | 平均 fps |
1920x1080 | 高品質 | 107 fps |
2560x1440 | 76 fps |
中程度の重さのゲーム
STREET FIGHTER 6(ストリートファイター6)
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解像度 | 品質 | FIGHTING GROUND | WORLD TOUR |
1920x1080 | HIGHEST | 60 fps(最大) | 120 fps(最大) |
2560x1440 | 60 fps(最大) | 100 fps |
中程度の重さのゲーム
ブループロトコル
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解像度 | 品質 | 平均 fps |
1920x1080 | 最高 | 140 fps |
2560x1440 | 93 fps |
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
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解像度 | 品質 | 平均 fps |
1920x1080 | 最高 | 149 fps |
2560x1440 | 96 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 黄金のレガシー
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解像度 | 品質 | 平均 fps |
1920x1080 | 最高 | 124 fps |
2560x1440 | 79 fps |
中程度の重さのゲーム
フォートナイト [チャプター5 シーズン1]
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解像度 | 品質 | 平均 fps |
1920x1080 | 最高設定 | 55 fps |
2560x1440 | 33 fps |
※テンポラルスーパー解像度:ネイティブ
※バトルロワイヤル ソロで計測
解像度 | その他設定 | 平均 fps |
1920x1080 | 3D解像度:100% メッシュ:高 描画距離:最高 |
332 fps |
2560x1440 | 320 fps |
軽い部類のゲーム
Apex Legends
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解像度 | 品質 | 平均 fps |
1920x1080 | 最高 | 207 fps |
2560x1440 | 152 fps |
軽い部類のゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
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解像度 | 品質 | 平均 fps |
1920x1080 | ウルトラ | 222 fps |
2560x1440 | 145 fps |
軽い部類のゲーム
VALORANT
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解像度 | 品質 | 平均 fps |
1920x1080 | 高設定 | 650 fps |
2560x1440 | 450 fps |
その他のゲームのベンチマーク
上に掲載した以外のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。
クリエイターソフトの処理時間
各クリエイターソフトの処理速度を計測したときの結果を掲載します。ここでも、「パフォーマンス・モード」にしてゲームのフレームレートを計測しています。高いスペックなので、いずれも高速です。クリエイターソフトも使用する場合は、「Core i7-14700F」を選択するといいでしょう。
ソフトウェアエンコードは高速です。
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
Premiere Proの書き出し時間は、上位のグラボを搭載したPCと比べると遅いですが、十分実用的な範囲の速度です。
※ グラフィックスは全てデスクトップPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Lightroomの書き出しも、下の表の中では遅いですが、実用面では十分な速さです。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。
「バランス・モード」でのPL1は65Wですが、CPU電力は58W前後とやや低めで推移し、CPU温度は65℃付近で、問題ない温度です。
「パフォーマンス・モード」でのPL1は107Wですが、こちらはCPU電力は107Wから徐々に下がってしまっており、最終的には79W前後で推移しています。その分、CPU温度は70℃付近で、問題ない温度です。
- バランス・モード
- パフォーマンス・モード
ゲーム時のCPU、GPU温度
続いて、ファイナルファンタジー15のゲームベンチマーク実行中のCPUおよびGPU温度を計測しました。
どちらのモードも問題ない温度です。安心してゲームができます。
- バランス・モード
- パフォーマンス・モード
静音性のチェック
本機の動作音(静音性)のチェックです。
アイドル時はどちらのモードも低めの騒音値です。「バランス・モード」では、小さいケースにしては高負荷時も低めの騒音値ですが、「パフォーマンス・モード」になると高めの騒音値になります。ファンの音を抑えてゲームをプレイするなら、「バランス・モード」でもいいと思います。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。なお、LEDはオンで計測しています。
今回、Core i7-14700F+RTX 4060と低いスペックではないので、消費電力はやや高いです。
外観のチェック
外観は、グレーとブラックのツートンカラーです。電源を入れるとフロントパネル中央のLEDライトバーが点灯します。
「LOQ」ロゴ部分は光りません。
トップパネルはフラットです。
正面と背面です。映像端子は搭載するグラボによって変わります。フロントパネルのインターフェースにはUSB 3.2 Type-Aが2ポート、USB 3.2 Type-Cが1ポートあります。背面にはUSB 2.0が4ポートあります。
側面です。左側面には通気口が設けられています。
底面はこのようになっています。ゴム足は小さめです。
左サイドパネルを取り外すことで、内部にアクセスできます。
ケース内部のチェック
ケース内部はご覧のようになっています。
小さいケースですが、縦に長いです。裏面配線にはなっていません。
CPUクーラーは小型の空冷ファンです。Core i7-14700F搭載モデルでは、もう少し大型のクーラーを搭載しても良かったと思います。
メモリは2スロットです。また、Samsung製のメモリが搭載されていました。
M.2 SSDにはSK hynix製のものが搭載されていました。ヒートシンクは装着されていません。
グラフィックボードはサポートステーで補強されています。
このサポートステーは、下記の画像のように簡単に取り外すことができます。
今回搭載されていたGeForce RTX 4060です。メーカーは不明です。クロックなどは標準です。なお、「バランス・モード」と「パフォーマンス・モード」どちらのモードも、クロックは同じ数値です。
底面には電源ユニットと3.5インチドライブベイがあります。電源ユニットはAcBel製で容量は500Wです。
電源ユニットと向かい合うように、フロントファンが搭載されています。8cmのファンなので小さいです。
斜めから見たケース内部
斜めから見た画像はご覧のようになっています。
まとめ
以上が、Lenovo LOQ Tower 17IRR9のレビューです。
流行りのピラーレスやガラスサイドパネルで中身を見せるようなかっこいいPCケースではなく、ケース自体はやや安っぽさがあり、また裏面配線もされていませんが、その代わり価格はかなり安いゲーミングPCです。Core i5-14400F+RTX 3050のエントリークラスなら11万円台から購入可能です。
「Switchからの乗り換えで、ゲーミングPCが欲しいけれど、高いものは買えない」といったような方におすすめです。
フロントパネルのLEDライトバーが特徴的で、極端にダサいデザインではなく、ゲーミングPCらしさを感じます。
省スペース設計で、狭いデスクにも設置しやすく、圧迫感も少ないです。
Lenovo LOQ Tower 17IRR9
格安ゲーミングPC
特徴
- 価格が非常に安い
- フロントパネルのLEDライトバーが特徴的
- 省スペースでデスク上に設置しやすい
こんなあなたに
- とにかく安いゲーミングPCが欲しい方
- 価格11万円台[税込]~
三度の飯よりゲームが好き。 面白ければどんなゲームもプレイするが、中でも好きなジャンルは2D格闘ゲーム。2009年からSteamでPCゲーム漁りを始めてからゲーミングPCに興味を持ち、ライター業を経てレビュアーへ。これまで300台以上のゲーミングPCを実機でテストし、レビュー記事を執筆。おじいちゃんになってもPCゲーマーでありたい。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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