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レノボ ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)の実機レビュー

更新日:
CPU Ryzen 3 7330U
Ryzen 5 7530U
Ryzen 7 7730U
メモリ 8GB ~ 32GB
(現状は16GBまで)
ストレージ 256GB ~ 1TB SSD
液晶サイズ 14インチ 16:10
液晶種類 1920x1200, 45% NTSC
2240x1400, 100% sRGB
質量 約1.38kg~
バッテリー 最大 約15時間
価格[税込] 7万円台~
より作業しやすくなった高コスパノートPC

ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)は、宅内でも外でも作業がしやすく、コスパも高い14型ノートPCです。

画面比16:10の液晶を搭載するようになり、キーボードも改善し、作業性がアップしました。

特に、「2.2K、100% sRGB 液晶」は、マルチウィンドウでの作業にも、画像・動画の閲覧にも適しており、おすすめです。

十分な処理性能と、充実のポート類を備えていますし、メモリやストレージの交換・増設も可能です。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Ryzen 5 7530U、16GBメモリ(16GB x1)、512GB SSD、1920x1200液晶

 

セール情報

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目次

お忙しい方は、「ThinkBook 14 Gen 6 (AMD) の特徴」のみお読みください。

 

ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)の特徴

作業がしやすい画面比16:10の液晶を搭載

ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)は、作業がしやすい、画面比16:10の14型液晶を搭載しています。

ThinkBook 14シリーズの従来機種は、画面比16:9のFHD(1920x1080)液晶を搭載していましたが、最新機種では画面比16:10の液晶に変化しました。

今回は、WUXGA(1920x1200)液晶を搭載したモデルをチェックしましたが、縦方向に少し表示領域が広くなったため、ウェブページを少し下の方まで表示することができ見やすいです。また、Officeソフトでの作業も少ししやすくなりました。

画面比16:10の液晶を搭載

 

100% sRGBの2.2K液晶も選べる

ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)では、WUXGA(1920x1080)液晶の他に、2.2K(2240x1400)液晶も選択することができます。

今回レビューしているWUXGA液晶は色域が狭いですが、2.2K液晶は100% sRGBカバー率の色域で、色の表現できる範囲が広くなっています。

実際のものに近い色で写真や動画を見たい方は、「2.2K液晶」を搭載したモデルを選ぶといいです。

WUXGA液晶は色鮮やかさにやや欠ける

 

さらに、2.2K(2240x1400)と解像度も少し高めです。100%スケールで表示しても、そこまで文字は小さく感じませんし、1画面を少し広く使うことができます。複数のウィンドウを並べて使うなど、効率よく作業したい方にも、2.2K液晶はおすすめです。

 

高めのコストパフォーマンス

ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)は、Ryzen 3 7330U搭載モデルであれば7万円台(税込)~、Ryzen 7 7730U、16GBメモリ、1TB SSD、2.2Kの上位モデルでも9万円台(税込)で購入することができます。

コスパが高く、作業がしやすいノートPCを探しているのであれば、ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)はいい候補になるでしょう。

なお、今回は、Ryzen 5 7530U搭載モデルをチェックしましたが、一般用途に十分の処理性能でした。そこまで高い処理性能を求めていないのであれば、Ryzen 5 7530U搭載モデルでいいと思います。Ryzen 5モデルであれば、8万円台(税込)から購入することができます。

高めのコストパフォーマンス

 

用途によってはメモリのカスタマイズをおすすめ

ThinkBook 14シリーズの従来機種では、オンボード + スロットのメモリ構成でしたが、新しいThinkBook 14 Gen 6 (AMD)では、スロットメモリ x2の構成に変化しています。自分でメモリの増設・換装を行いたいユーザーには、嬉しい変化です。

ただし、用途によっては、購入時にメモリ構成を確認しておくことをおすすめします。なぜならば、現在販売中のモデルは全て、メモリ1枚挿しのシングルチャネル構成がデフォルトになっているからです。今回チェックしているモデルも16GBメモリ搭載ですが、16GB x1で、もう一つのメモリスロットは空きになっていました。

メモリ1枚挿しのシングルチャネル構成

 

メモリが1枚挿しのシングルチャネル構成だと、メモリ帯域が狭くなり、プロセッサー内蔵グラフィックスの性能も低くなります(下のグラフを参照)。メモリを2枚挿しのデュアルチャネル構成にすると、メモリ帯域が広くなるので、本来のグラフィックス性能を発揮することができます。

3DMark Night Raid Graphics score
Ryzen 7 7730U
メモリDDR4-3200
デュアルチャネル
17237 [ThinkBook 16 Gen 6 (AMD)で計測]
Ryzen 7 7730U
メモリDDR4-3200
シングルチャネル
9850 [ThinkBook 16 Gen 6 (AMD)で計測]

 

画像・FHD動画のライトな編集もしたい方など、グラフィックス性能が求められる作業にも使う予定のユーザーは、メモリをデュアルチャネル構成にすることをおすすめします。

ノートPCのパーツ交換ができる方は、底面カバーを開けて、自分でメモリを増設してもいいでしょう(ただし、パーツ交換は補書対象外となるため、自己責任となります)。

一方、自分でメモリの増設を行うのが不安な方は、カスタマイズモデルで、メモリ構成をカスタマイズして購入するといいです。下図の赤枠で囲っている「2 x 8GB」のような表記があると、2枚挿しのデュアルチャネル構成となります。

カスタマイズモデルでは「2 x 8GB」のデュアルチャネル構成を選択できる

 

空きのM.2スロットがある

ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)では、メインストレージにM.2 SSDを搭載していますが、もう一つ空きのM.2スロットがあります。

メインストレージ
空きのM.2スロット

 

空きのM.2スロットに、手持ちの「WD_BLACK SN770 NVMe SSD(読み出し:最大5,150MB/sec)」を増設してみましたが、正常に認識され、デュアルSSDとして正常に動作しました。

ただし、今のところ、カスタマイズモデルでも、デュアルSSD構成を選択して、購入することはできませんでした。そのため、デュアルSSDにするためには、購入した後に自分でM.2 SSDを増設する必要があります(自己責任です)。

なお、増設したM.2 SSDでは、思ったほどの速度は出ませんでした。そのため、増設するSSDは、価格が安めのPCIe Gen3 SSDでもいいかなと思います。

空きスロットにType 2280 M.2 SSDを増設
速度はやや控えめ

 

充実したインターフェイス

ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)は、下図のようなインターフェイスを備えています。

USB-Cポートは、Thunderboltには非対応ですが、Power Deliveryと、DisplayPortに対応していますし、LANポートや、フルサイズのSDカードリーダーもあります。

ポート類が充実しており、外でも不足を感じることはほとんどないと思います。

充実のインターフェイス

 

ThinkPad E14 Gen 5 AMDとの比較

Thinkシリーズには、本機器のライバルになりそうな、ThinkPad E14 Gen 5 AMDという機種もあります。

ここでは、ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)と、ThinkPad E14 Gen 5 AMDの簡単に比較を行います。

基本的な仕様は、下表のとおりです。

ThinkPad E14 Gen 5 AMDは、打ちやすさに定評があるキーボードと、操作しやすいトラックポイントを搭載していることが大きな特徴です。タイピングすることが多い方は、こちらも検討してみるといいと思います。事務作業向けの構成であれば、価格もそれほど変わりません。また、16GBメモリの場合は、全てデュアルチャネル構成になっているのもポイントです。

一方、ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)は、全体的に価格が少し安いです。また、メモリが2つともスロット式であるため、メモリ交換も可能です。HDMI出力性能や、SDカードリーダーを搭載している点なども、ThinkPad E14 Gen 5 AMDより優れています。

どちらも作業がしやすく、コスパの高い機種なので、予算、好み、重視するポイントなどを考えて、比較検討するといいでしょう。

ThinkPad E14 Gen 5 AMDとの比較
  [本機器]
ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)
ThinkPad E14 Gen 5 AMD
CPU Ryzen 3 7330U
Ryzen 5 7530U
Ryzen 7 7730U
メモリ 8GB / 16GB / 32GB
(スロット x2)
8GB / 16GB / 24GB
(オンボード + スロット)
SSD 256GB ~ 2TB
(空きM.2スロット有)
 256GB ~ 1TB
(空きM.2スロット有)
液晶 14型 16:10
1920x1200,45% NTSC
2240x1400,100% sRGB
14型 16:10
1920x1200,45% NTSC
1920x1200, タッチ, 45% NTSC
2240x1400,100% sRGB
USB-A USB3.2 Gen1 x2
USB-C USB3.2 Gen2 x2 USB3.2 Gen1
USB3.2 Gen2
その他
インターフェース
HDMI 2.1
(最大4K@60Hz)
LAN
SDカードリーダー
HDMI 1.4b
(最大4K@30Hz)
LAN
バッテリー 45Wh 47Wh
質量 約1.38kg~ 約1.41kg~
価格[税込] 7万円台~ 8万円台~
事務作業向けおすすめ構成
  [本機器]
ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)
ThinkPad E14 Gen 5 AMD
CPU Ryzen 5 7530U
メモリ 16GB
(シングルチャネル)
16GB
(デュアルチャネル)
ストレージ 512GB PCIe SSD
液晶 1920x1200,45% NTSC
その他 バックライト付き日本語キーボード
価格[税込] 84,700円 89,870円
2240x1400液晶構成
  [本機器]
ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)
ThinkPad E14 Gen 5 AMD
CPU Ryzen 7 7730U
メモリ 16GB
(シングルチャネル)
16GB
(デュアルチャネル)
ストレージ 1TB PCIe SSD
液晶 2240x1400,100% sRGB
その他 バックライト付き日本語キーボード
価格[税込] 99,990円 109,890円
※2023年12月1日現在の価格

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
Web閲覧やOffice作業には十分な処理性能です。画面比16:10の14型液晶を搭載して、宅内でも外でも、作業などがしやすいです。さらに、2.2K(2240x1400)液晶であれば、ウィンドウを並べるなどして、効率よく作業することができます。
オンライン会議 マイク、FHDカメラ、スピーカーを搭載しており、オンライン会議を普通に行うことができます。
動画鑑賞 動画鑑賞には、2.2K、100% sRGBの液晶がおすすめです。色鮮やかな映像で動画を視聴することができます。
RAW現像
画像編集
2.2K液晶を搭載したモデルであれば、RAW現像や画像編集用途にも適しています。ただし、この用途に使用する場合は、メモリをデュアルチャネル構成にすることをおすすめします。
動画編集 △~○ Ryzen 5以上、デュアルチャネル構成のメモリであれば、FHD動画のカット編集のようなライトな作業には、対応できると思います。ただし、本格的に動画編集を行うのであれば、GeForce RTXシリーズの外部グラフィックスを搭載したPCのほうがおすすめです。
ゲーム ゲームに適した製品ではありません。ゲームメインで使うなら、「ゲーミングノートPC」で紹介しているPCがおすすめです。

 

ディスプレイのチェック

ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)のディスプレイのチェックです。

執筆時点では、以下のような2種類のディスプレイを選択することができました。

どちらも、画面比16:10の14型液晶ですが、解像度と、色域の広さが異なっています。

(1)は、標準的な液晶で、Web閲覧、Officeソフトの使用、事務作業などにちょうどいい液晶です。(2)の液晶は、2240x1400と解像度が少し高く、色域も広めです。100%スケールで表示すると、画面を広く使うことができるので、マルチウィンドウでの作業がしやすいです。また、色鮮やかな表示が可能なので、画像や映像をオリジナルに近い色で見ることができます。

ディスプレイの種類

(1) WUXGA(1920 x 1200)、IPS、光沢なし、45% NTSC

(2) 2.2K(2240 x 1400)、IPS、光沢なし、100% sRGB

 

今回は、(1)のWUXGA液晶を搭載したモデルをチェックしました。一般的なFHD(1920x1080)液晶よりも、表示面積が縦に少し広く、作業がしやすいです。非光沢で、フリッカーも発生していなかったので、長時間の作業にも使いやすいです。ただし、色域が狭いです。

詳しい特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は狭いです。当サイトの計測では、sRGBカバー率61.0%でした。なお、最大輝度は、当サイトの計測では247cd/m2と普通です。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、赤と緑がやや強めに発色していますが、そこまで違和感はありませんでした。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶なので、映り込みが低減されています。ギラつきもほとんど感じません。

画面への映り込み

輝度を下げても、PWM調光によるフリッカー(ちらつき)は検出されませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)のキーボードのチェックです。

ThinkBook 14シリーズの従来機からは、キーボードも少し変化しています。

実測で、キーピッチは、横:約19mm、縦:約18.5mm、キーストロークは約1.6mmでした。キーサイズがわずかに大きくなり、キートップが少しカーブしたことで、打ちやすさが向上したように感じます。ファンクションキーのサイズも少し大きくなりましたし、「Delete」キーが押しやすくなりました。主要なキーのサイズが揃っていますし、「半角/全角」キーのサイズが少し大きくなったので、日本語入力の切り替えがしやすいです。ただし、「Enter」キーはややスリムになりました。

タッチパッドの使いやすさや、クリックボタンの押しやすさも普通です。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しています。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)のパフォーマンスをチェックします。

本製品では、「Lenovo Vantage」の「電源およびパフォーマンス」で動作モードを変更することができます。

今回は、デフォルトの「インテリジェント・クーリング」と、高いパフォーマンスが出る「エクストリーム・パフォーマンス」で、各種ベンチマークスコアを計測しました。

電源およびパフォーマンス

 

CPU

ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)が搭載するプロセッサーは、AMD Ryzen 7000シリーズです。「Zen 3」世代、デフォルトTDP:15Wのプロセッサーで、Ryzen 3 7330U、Ryzen 5 7530U、Ryzen 7 7730Uを選択することができます。

今回は、Ryzen 5 7530Uを搭載したモデルをチェックしており、スコアは以下の通りです。

マルチコアでは、Core i7-1355Uの代表的なスコアを超える数値が出ています。シングルコアのスコアは高くありませんが、「Zen 3」世代のRyzenでは、このぐらいの数値が普通だと思います。

一般ノートPCの中では、比較的高めの処理性能を備えています。Ryzen 5 7530U搭載モデルで十分というユーザーも多いでしょう。

なお、動作モードを「エクストリーム・パフォーマンス」にすると、「インテリジェント・クーリング」と比べて、マルチコアのスコアが1割程アップしました。ただし、CPU温度が高くなるので、少しでも高い処理性能が必要という場合以外は、「インテリジェント・クーリング」で使用するといいと思います。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen 5 7530U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-13980HX 28398
Core i9-13950HX 27983
Core i9-13900HX 23754
Core i7-13700H 17622
Core i7-13620H 15109
Ryzen 7 7735HS 14068
Ryzen 7 6800H 13999
Core i5-13500H 11610
Ryzen 5 6600H 10470
Ryzen 7 7735U 10122
Ryzen 7 7730U 10051
Core i7-1360P 9720
Core i5-1340P 9688
Ryzen 5 7530U 8954 [エクストリーム・パフォーマンス]
8403
8196 [インテリジェント・クーリング]
Core i7-1255U 8300
Core i7-1355U 7729
Core i5-1235U 7589
Core i7-1250U 7435
Core i5-1230U 6273
Core i3-1215U 4969
Ryzen 3 7320U 4887
Core i7-1165G7 4720
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-13950HX 2097
Core i9-13980HX 2061
Core i9-13900HX 2011
Core i7-13700H 1898
Core i7-1360P 1826
Core i7-1355U 1811
Core i7-1255U 1776
Core i5-1340P 1722
Core i7-13620H 1718
Core i5-13500H 1698
Core i5-1235U 1675
Core i3-1215U 1592
Core i5-1230U 1532
Ryzen 7 6800H 1522
Core i7-1250U 1495
Ryzen 7 7735U 1476
Ryzen 5 6600H 1476
Ryzen 5 7530U 1449 [エクストリーム・パフォーマンス]
1447 [インテリジェント・クーリング]
1439
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 7730U 1440
Ryzen 3 7320U 1115
 :本製品で選択できるプロセッサー(Ryzen 3 7330Uは使ったことがないので非掲載)
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

メモリ

メモリはDDR4-3200です。チェックしているのは、16GBメモリ搭載モデルですが、1枚挿しのシングルチャネル構成なので、メモリ帯域は狭いです。メモリの換装・増設を行い、8GB x2、もしくは、16GB x2のデュアルチャネル構成にするとメモリ帯域が広くなります。

SiSoftware Sandra 2021
~メモリ性能の評価 ~
16GBメモリ(シングルチャネル)
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
LPDDR5-6000
デュアルチャネル
64.52GB/s
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
LPDDR5-4800
デュアルチャネル
54GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
DDR4-3200
シングルチャネル
15.63GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)のグラフィックス性能のチェックです。

グラフィックスは、Ryzenプロセッサー内蔵のグラフィックスで、ベンチマークの結果は以下のような結果となりました。

内蔵グラフィックスの性能は、メモリの帯域幅の広さによって変化します。今回は、シングルチャネルのメモリ構成で、帯域幅が狭いため、グラフィックススコアは低かったです。デュアルチャネル構成にすると、スコアがアップし、標準的な数値になるはずです。

写真・動画のライトな編集作業や、軽くゲームをプレイするなど、グラフィックス性能が求められる用途にも使いたい場合は、デュアルチャネルのメモリ構成がおすすめです。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Ryzen 7 7730U(シングルチャネルメモリ)
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce RTX 3050 52196
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX550 35717
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
30319
Ryzen 7 7735U
メモリLPDDR5-6400
28714
Core i7-1260P
メモリLPDDR5-5200
23149
Core i7-1360P
メモリLPDDR5-4800
21897
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i7-1355U
メモリDDR4-3200
18235
Core i5-1340P
メモリLPDDR5-4800
17774
Ryzen 7 7730U
メモリLPDDR4X-4266
17524
Ryzen 5 7530U
メモリLPDDR4X-4266
16389
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
16093
Ryzen 7 5825U
メモリDDR4-3200
15728
Core i5-1335U
メモリDDR4-3200
14720
Core i5-1235U
メモリDDR4-3200
13877
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
Ryzen 5 7530U
メモリDDR4-3200
シングルチャネル
10137 [エクストリーム・パフォーマンス]
10128 [インテリジェント・クーリング]
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しています。

ただし、チップセット側がPCIe Gen3までの対応となっているので、PCIe Gen4 SSDとしてはそこまで速くはありません。それでも、一般用途においては十分な速度です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
512GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
3725
 PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

フルサイズのSDカードスロットを搭載しており、アクセス速度は普通です。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)は、USB3.2 Gen2 Type-Cポートを2つ備えています。

動作チェックの結果は下表のようになりました。

Power Deliveryと、DisplayPortに対応しています。PD充電器での充電では、30W出力のPD充電器だと「低速ケーブル」の警告が表示されました。PD充電器を使用する場合は、45W以上の出力のものを選ぶといいでしょう。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック × ×
PD充電器
※1
100W Anker PowerPort III
65W Lenovo GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower GaN充電器 △ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルであるとの警告が表示されるものの充電は可能

 

HDMIの動作チェック

4KモニターへHDMIで接続したときの詳細は次の通りで、4K、8ビット、60Hz、YCbCr444で表示できていました。

4Kモニター(BenQ EX3210U)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)の質量は、仕様値で「1.38kg~」となっています。当サイトでの実測値はご覧の通りです。14型ノートPCとしては、特別軽いわけではありませんが、15インチクラスのノートPCよりも軽く、扱いやすいです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.423kg
ACアダプター+電源ケーブル 288g

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は45Whと普通の容量です。仕様を見ると60Whバッテリーもあるようですが、現在販売されているものの中には、60Whバッテリーを搭載しているモデルは見当たりませんでした。

バッテリー容量

 

バッテリー駆動時間は、下表の通りです。バッテリー容量は普通ですが、比較的長めのバッテリー駆動が可能です。動画再生ぐらいの軽い負荷の作業であれば、(2)のような駆動時間になります。Officeソフトを使った作業など、少し負荷のかかる作業を連続して行うと、(3)ぐらいの駆動時間になると思います。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 最大 約15時間
(2) 動画再生時 14時間27分
(3) CPU16%、GPU7%の負荷 6時間3分
※画面輝度は約120cd/m2
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき

 

今回、付属のACアダプターの充電速度を計測してみましたが、割と速いです。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
71%(約32Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラには、プライバシーシャッターが付いています。今回は、Windows Helloの顔認証には非対応のカメラでした。仕様を確認すると、IRカメラ付きでWindows Helloの顔認証に対応したWebカメラもあるようですが、現時点で販売されているモデルは全て、IRカメラなしのWebカメラを搭載していました。

解像度は1080pで、ノートPCのWebカメラとしては、高めの解像度なので、画像に粗さを感じません。色味も自然で、Webミーティングなどに、普通に使用することができると思います。ただし、広角気味なので、背景が大きく映り込みます。気になる場合は、バーチャル背景などを使用するといいです。

なお、モデルによっては、異なるWebカメラを搭載している可能性もあります。

Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

スピーカー

2W x2のステレオスピーカーが、底面の左右に配置されています。音質は普通です。ノートPC基準で勝手に採点すると、10点満点で5点くらいの音質です(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

「インテリジェント・クーリング」では、CPU電力は約28Wで動作し、CPU温度は概ね80℃前後で推移しています。心配なく使用することができる温度だと思います。

「エクストリーム・パフォーマンス」では、CPU電力が約38Wと高くなるため、CPU温度も上がり、95℃前後と高めの温度になっています。

「少しでも高い処理性能で作業をしたい」というような場合でなければ、通常は「インテリジェント・クーリング」モードで使用するといいと思います。

  • インテリジェント・クーリング時
  • エクストリーム・パフォーマンス時
CPU電力&CPUクロック
CPU温度
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CPU温度

 

静音性のチェック

ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)の動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。低負荷時も少し動作音は聞こえますが静かです。エンコードのような高い負荷がかかる場合でも、低めの騒音値です。動作音をほとんど気にすることなく、作業を行うことができます。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Premiere Proでプレビュー再生(320pの低画質動画)
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。

負荷がかかると、キーボード部分の温度が少し上がりますが、全体的に低めの温度に保たれています。パームレスト部分の温度もほとんど変化していないので、タイピング時に不快に感じることはありませんでした。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

モバイルノートPC向けのプロセッサーなので、低めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)の外観のチェックです。

ベゼルの幅が狭い、画面比16:10の液晶を搭載しており、最新のノートPCらしい見た目です。

アルミボディなので、耐久性も高く、質感もいいです。ボディカラーは、ThinkBookシリーズらしい、アークティックグレーです。

 

天板はデュアルトーンになっており、「ThinkBook」のロゴが入っています。

 

高さは、約16.9mmと、スリムです。

 

液晶面の中央部が少し出っ張っているので、指をかけて開きやすくなっています。この出っ張り部分にも、「THINKBOOK」の文字が入っています。

 

インターフェースはご覧の通りです。USB3.2 Gen1 Type-A x2、USB3.2 Gen2 Type-C(Power Delivery、DisplayPort対応)x2、HDMI、SDカードスロット、LANポートを備えています。ポート類の数・種類ともに揃っており、使いやすいです。

また、電源ボタンには指紋センサーが付いており、Windows Helloの指紋認証が使用できます。

 

ディスプレイは、下図のようにほぼフラットになります。角度の調整がしやすいですし、対面の相手に画面を見せることもできます。

 

底面です。底面にもアルミニウム素材が使用されています。

 

裏蓋を開けると、内部はこのようになっています。大きめの冷却ファン1つと、2本のヒートパイプでCPUを冷却しています。

 

メモリは、スロット式です。今回は、16GBメモリのモデルですが、1枚挿しのシングルチャネル構成となっており、2つあるメモリスロットのうち1つは空いていました。スロットメモリなので、メモリの増設・換装が可能です。

 

ストレージには、Type 2242 M.2 SSDを搭載していました。

 

空きのM.2スロットが1つあります。

 

試しに、手持ちの「WD_BLACK SN770 NVMe SSD」を増設してみました。正常に認識され、デュアルSSD構成で使用することができました。ただし、「特徴」部分でも記していますが、速度はそれほど速くありませんでした。

 

ACアダプターは65Wです。

 

まとめ

以上が、ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)のレビューです。

ThinkBook 14シリーズは、もともとバランスが良く、コスパも高いノートPCですが、最新機種では画面比16:10の液晶を搭載するようになり、キーボードも改善され、一層作業がしやすくなりました。

ディスプレイには、WUXGA(1920x1200)液晶と、2.2K(2240x1400)液晶を選択することができます。一般的な事務作業などには、WUXGA(1920x1200)液晶で十分ですが、予算があれば2.2K液晶もおすすめです。少し高めの解像度で、100% sRGBクラスと広めの色域なので、マルチウィンドウで作業をしたり、色鮮やかな表示で写真・動画を視聴したいというユーザーに適しています。

メモリは、スロットメモリ x2の構成でした。最近は、オンボードメモリの機種が増えてきましたが、スロットメモリ x2の構成であれば、メモリの交換ができます。ただし、現在販売されていたモデルは、デフォルトだと全て1枚挿しのシングルチャネル構成になっていたので、画像・FHD動画のライトな編集なども行いたい場合などは、カスタマイズモデルでデュアルチャネル構成のメモリにするか、購入後に自分でメモリを増設して、デュアルチャネル構成にするといいでしょう。

内部には、空きのM.2スロットがありました。底面カバーを開けられる方であればSSDを増設し、デュアルSSDで運用することができます(メモリ・ストレージのカスタマイズは自己責任で行ってください)。

その他、ポート類も揃っていますし、宅内でも、外でも快適に作業を行うことができる機種で、コストパフォーマンスが高めなのもポイントです。

 

より作業しやすくなった高コスパノートPC

ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)

特徴

  • 画面比16:10の14型液晶を搭載
  • 2240x1400、100% sRGBの液晶が選択できる
  • メモリ・ストレージの換装・増設が可能

こんなあなたに

  • 作業がしやすいノートPCが欲しい方
  • メモリやストレージの容量を自分でアップさせたい方
公式サイトはこちら

 

 

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