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レノボ ThinkPad L15 Gen 3 (AMD) の実機レビュー

APU | Ryzen 3 PRO 5475U Ryzen 5 PRO 5675U Ryzen 7 PRO 5875U |
---|---|
メモリ | 8GB ~ 32GB |
ストレージ | PCIe NVMe SSD |
液晶サイズ | 15.6インチ |
液晶種類 | FHD IPS 非光沢 FHD IPS 非光沢 タッチ |
質量 | 約 1.76kg~ |
バッテリー | 最大 約14.9時間(57Whr) |
価格[税込] | 19万円台~ |
ThinkPad L15 Gen 3は、法人向けのスタンダードな15.6型ノートPCです。
直販だと、199,100円と高いですが、代理店やSIerなどを通して大量に注文すれば、おそらく安くなるのではないかと思います。
スペック面では、一般的なビジネスシーンで使う分には、十分な性能です。
ただし、個人で購入するには価格が高いです。値下がりすることを期待します。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 5 PRO 5675U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD
セール情報
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目次
お忙しい方は、「ThinkPad L15 Gen 3 (AMD) の特徴」のみお読みください。
ThinkPad L15 Gen 3 (AMD)の特徴
Ryzen Proシリーズを搭載
ThinkPad L15 Gen 3は、企業向けのRyzen Proシリーズを搭載しており、システムのリモート管理や、機密データの保護など、企業向けのビジネスノートPCに必要な機能に対応しています。
Officeの使用や、メールチェック、独自の業務アプリなどを動かす程度であれば、性能面も十分です。
ただし、2022年の春に発売された新モデルなのに、Ryzen Pro 6000シリーズではなく、5000シリーズであったのは残念です。

1080pのWebカメラを選択可能
ThinkPad L15 Gen 3 (AMD)は、1080pのWebカメラを選択することができるようになりました。オンライン会議ソフトは、720pくらいで配信されることが多いので、この用途で使うなら720pのカメラでも問題ないと思いますが、1080pで配信するようなことがあるのなら、1080pのWebカメラを選択するといいでしょう。ちなみに、オンライン会議で画質をよくしたいなら、解像度を上げるより、部屋の明るさを上げたり、顔に照明が当たるようにしたほうが効果的です。
なお、1080pのカメラはThinkPad X1 Carbon Gen10と同じものだと思うので、画質については、そちらのレビュー記事を参考にして下さい。

タイピングしやすいテンキー
ThinkPad L15 Gen 3 (AMD)は、タイピングしやすいテンキーを搭載しているのも特徴です。
ノートパソコンの場合、テンキーが付いていても、3列しかなく配置が変則的だったり、キーピッチが狭かったり、15~16インチサイズのPCでもテンキーが無かったりすることが多いです。
一方、本製品は、十分なキーピッチで、配列も標準的なテンキーが搭載されており、数値の入力がしやすいです。ビジネスシーンだと、数字を打つことが多いと思うので、テンキーが打ちやすいのは大きなメリットだと思います。

見やすいIPS液晶
ThinkPad L15 Gen 3 (AMD)のディスプレイは、見やすいIPSパネルです。色域はそれほど広くありませんが、一般的なビジネス用途であれば、十分な品質でしょう。
なお、タッチパネル液晶も選択できますが、2 in 1 でもないPCで、タッチパネルを使うことはあまりないので、不要でしょう。
ただ、他のThinkPadシリーズは、ほとんど16:10の画面比になったのに、この製品は16:9の画面比のままなのが残念です。その代わり、ボディの横幅が長めなので、テンキーなどが窮屈にならないというメリットはあります。

直販モデルの価格は高い
ThinkPad L15 Gen 3 (AMD)をウェブ上から購入しようとすると、Ryzen 5 Pro 5675U、8GBメモリのモデルが199,100円と非常に高いです。
法人の窓口で大量注文したり、代理店やSIerから購入すれば、おそらくかなりの割引率で購入できると思いますが、個人や個人事業主が数台のみ買う場合は、ちょっと高いです。直販モデルも、もっと安くなることを期待したいです。
なお、個人で購入するなら、似たような機種のThinkPad E15 Gen 3のほうがいいでしょう。
ディスプレイのチェック
ThinkPad L15 Gen 3 (AMD)のディスプレイは、IPSパネルの非光沢液晶となっています。視野角が広いので見やすいです。ただし、色域は狭いので、画像や動画を扱うクリエイティブワークには適していません。当サイトの計測では、最大輝度は230cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
色域は狭いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は67.3%でした。

ガンマ補正曲線を確認すると、グリーンがやや強めに発色していることがわかります。ただ、そこまで気にはなりません。

視野角は広いです。

非光沢液晶なので、映り込みは抑えられています。ギラつきはほとんど感じません。

フリッカー(ちらつき)もありませんでした。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
キーボードおよびタッチパッドのチェック
ThinkPad L15 Gen 3 (AMD)のキーボードのチェックです。
前述したようにテンキーが打ちやすいです。また、キートップが湾曲しており、指のフィット感も良く、アルファベットキーも打ちやすいです。ただし、Enterの左側の一部のキーが小さくなっています。個人的には割とすぐ慣れましたが、キーにこだわる方はご注意下さい。
トラックポイントは使いやすいですし、タッチパッドも使いやすいです。

※画像をクリックすると拡大できます

パフォーマンスのチェック
ThinkPad L15 Gen 3 (AMD)のパフォーマンスのチェックです。
CPU
CPU性能を評価するCINEBENCH R23は、デフォルトの「高パフォーマンス」モードと、最も高い性能が出る「最も高いパフォーマンス」モードでテストしています。
今回、Ryzen 5 PRO 5675Uを搭載しており、シングルコア性能はそこまで高くありませんが、マルチコア性能は十分高いと思います。一般的な作業なら、ストレスを感じることなくできるでしょう。
~ CPU性能の評価 ~


:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
グラフィックス
グラフィックス性能は、今回メモリがシングルチャネルだったこともあり、そこまで高くありません。なお、現在、直販モデルは、4GB x2のデュアルチャネルとなっているようです。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、Gen3のPCIe SSDを搭載しており、十分な速度です。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
microSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は普通です。
~ SDカードスロット性能 ~


USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートの動作チェック結果は、下表の通りです。
ThinkPad L15 Gen 3 (AMD)のUSB-Cポートは、Power Deliveryと、DisplayPortに対応しています。ただし、Thunderboltには対応していません。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
18W cheero充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | ○ | ○ | ○ |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルであるとの警告が表示されるものの充電は可能
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、8ビット、YCbCr444、60Hzで表示できています。

Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラにはプライバシーシャッターが付いています。

前述した通り、720pのカメラと1080pのカメラがありますが、今回のテスト機は720pのカメラです。
解像度が低いので粗さはありますが、露出は高く、見やすい画像/映像です。

※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
スピーカー
スピーカーの音質は普通で、ノートPC基準で10点満点で4~5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度は、50℃台で推移しており、問題ないです。なお、今回は、デフォルトの設定でのみ計測しています。

静音性のチェック
ThinkPad L15 Gen 3 (AMD)の動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。それ以外のときも、比較的静かだと思います。

部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
全体的に低めの温度です。不快感は少なく作業ができるでしょう。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
モバイル向けのプロセッサー搭載なので、低めの消費電力です。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
ThinkPad L15 Gen 3 (AMD) の外観は、ブラックですが、やや灰色に近いブラックです。


高さは、19.93mmとなっており、比較的薄いです。

側面には、micro SDカードスロット、 USB-Cが2つ、USB 3.2 Gen1 (Powered USB) x1、USB 3.2 Gen1 x1、HDMI、そしてLANを備えています。


電源ボタンと指紋センサーは一体となっており、指紋認証でログインを行うことが出来ます。

ヒンジは、約180度回転します。対面の人に画面を見せるときや、床にPCを置いて作業をするときなどに便利です。

底面は凹凸はなくフラットになっています。

まとめ
以上が、ThinkPad L15 Gen 3 (AMD)のレビューです。
プロセッサーに、企業向けのRyzen Proシリーズを搭載し、メモリやストレージなど標準的なスペックのビジネスノートPCです。
Officeの使用や、メールチェック、重くない業務アプリなどを動かしても、ストレスなく使えるでしょう。
ノートPCにしては珍しく打ちやすいテンキーが付いているので、数値入力が多い方におすすめです。アルファベットキーもタイピングしやすいです。
ただし、法人で大量注文などすれば安くなると思いますが、直販サイトで買おうとすると、価格が高いです。値下がりすることを期待します。
なお、個人で購入するなら、ThinkPad E15 Gen 3のほうがいいでしょう。

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ
<p>なお、個人で購入するなら、<a href="https://thehikaku.net/pc/lenovo/21ThinkPad-E15-Gen3.html">ThinkPad E15 Gen 3</a>のほうがいいでしょう。</p>