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レノボ ThinkPad L14 の特徴レビュー
CPU | 第10世代Core (U) Ryzen PRO 4000 (U) |
---|---|
GPU | CPU内蔵 / Radeon 625 |
メモリ | 最大64GB |
ストレージ | HDD / SSD |
液晶サイズ | 14.0インチ |
液晶種類 | HD TN / FHD IPS / FHD IPS タッチ |
質量 | 約1.61kg~ |
バッテリー | Intel : 最大 約12時間 AMD : 最大 約15.8時間 |
価格[税込] | 9万円台~ |
ThinkPad L14は、法人向けのノートPCとして人気が高いThinkPad Lシリーズの最新機種です。
ThinkPadシリーズの中では質量が重めで、サイズもやや大きくなりますが、処理性能は十分な製品を安い価格で手に入れることができます。
重めといっても、家から会社に持ち運ぶこともできる質量ではあるので、在宅でのテレワークメインで、時々出社するという、コロナウイルスの拡大によって増えてきた新しいワークスタイルに適した14型ノートPCとなっています。
Intelモデルの他に、AMD Ryzen PROプロセッサーを搭載したモデルも特徴的で、よりコストパフォーマンスに優れています。
その他、LTEを選択できたり、Wi-Fi 6に対応していたりと、通信周りの性能も十分です。
ThinkPad L14の特徴
テレワークを意識したノートPC
ThinkPad L14は、ThinkPad L490の後継機種です。前機種と同様に、法人ユーザー向けのノートPCとして人気の機種になると思われます。
特に、ThinkPadシリーズの中でも、オフィス内モバイルや、在宅でのテレワーク用PCとしての使用に適した機種となっています。
下表では、14型液晶を搭載したThinkPadシリーズのサイズ、質量、価格(割引前)の比較を行っています。14型のThinkPadシリーズの中では、質量が重く、サイズも大きいです。約1.61kg~とモバイル用として使うには軽くはないので、宅内やオフィス内での使用が適切ですが、持ち出し頻度が低く、移動中に外で使用することがあまり無ければ、この質量でもなんとか大丈夫だと思います。そのため、基本在宅でのテレワークに使用し、時々出社するときに持っていく、といった使い方ができます。
また、ThinkPadシリーズの中では、価格が抑えられているのもポイントです。
[本製品] L14 |
E14 | T14 | T14s | X1
Carbon Gen8 |
約1.61kg~ | 約1.59kg~ | 約1.46kg~ | 約1.24kg~ | 約1.09kg~ |
[幅] 331 [奥行] 235 [高さ] 19.1~ |
[幅] 324 [奥行] 220 [高さ] 17.9~ |
[幅] 329 [奥行] 227 [高さ] 18.9 |
[幅] 328.8~ [奥行] 225.8~ [高さ] 16.1~ |
[幅] 323 [奥行] 217 [高さ] 14.95 |
11万円台~ | 11万円台~ | 14万円台~ | 17万円台~ | 23万円台~ |
IntelモデルとAMDモデル
最新のThinkPadシリーズでは、積極的にAMDプロセッサー搭載モデルが投入されており、ThinkPad L14にも、Intelモデルに加えて、AMDモデルがあります。
下表では、Intelモデル、AMDモデルの詳細な仕様を比較しています。
Intelモデル | AMDモデル | |
CPU | Core i7-10610U Core i7-10510U Core i5-10310U Core i5-10210U Core i3-10110U |
Ryzen 7 PRO 4750U Ryzen 5 PRO 4650U Ryzen 3 PRO 4450U Ryzen 5 4500U |
GPU | CPU内蔵 / Radeon 625 | Radeon グラフィックス |
ストレージ | HDD 最大2TB / SSD 最大1TB | SSD 最大1TB |
メモリ | 最大64GB(スロット数:2) | |
液晶サイズ | 14.0型 | |
液晶種類 | HD TN
非光沢 FHD IPS 非光沢 FHD IPS タッチ 非光沢 |
|
インターフェイス | USB 3.1 Type-C x2 (Video-out対応) USB 3.1 x2 HDMI LAN microSDカードリーダー |
|
質量 | 樹脂ボディ:約1.61kg アルミボディ:約1.73kg |
約1.61kg |
サイズ | [幅] 331 [奥行] 235 [高さ] 19.1(アルミ)20.4(樹脂) |
[幅] 331 [奥行] 235 [高さ] 20.4 |
バッテリー | 最大 約12時間 | 最大 約15.8時間 |
以下ではプロセッサーの違いを含めて、ThinkPad L14の特徴を、さらに詳しく紹介していきます。
[Intelモデル] Comet Lake搭載
ThinkPad L14 [Intelモデル]は、第10世代 Comet Lakeを搭載します。
下のグラフに、CPUの処理性能の目安を示しています。緑のバーで表示しているのが、ThinkPad L14で選択できるCPUです。
最高でCore i7-10610Uを選択できます。これは、2020年5月に発売されたばかりの新しいCPUですが、スペック仕様を見ると、Core i7-10510Uと基本的に違いがないので、処理性能もそれほど差がないと思われます。
Core i7-10710Uだと、コア数、スレッド数が増え、パフォーマンスもグンとアップするのですが、このCPUが選択できないのは、パフォーマンスを重視する場合、少し残念です。
ただし、一般的なテレワークであれば、Core i5で十分快適に作業できると思います。
[AMDモデル] AMD Ryzen 4000Uシリーズ搭載
ThinkPad L14 [AMDモデル]では、Ryzen Pro 4000 Uシリーズ、または、Ryzen 5 4500Uを選択可能です。
第3世代となる、Ryzen 4000 Uシリーズのプロセッサーとなり、パフォーマンスが大きく向上している点が特徴です。下表のRyzenプロセッサー仕様比較を見ると、Ryzen 5 PRO 4650Uでも6コア・12スレッドとなっており、高性能のCore i7-10710Uと同じコア数・スレッド数です。また、Ryzen 7 PRO 4750Uでは、8コア・16スレッドとさらにアップしているため、高い処理性能が期待できます。
AMDが公開しているRyzen 7 PRO 4750Uと、Ryzen 5 PRO 4650Uの性能比較では、どちらのプロセッサーも、処理性能、グラフィックス性能ともに、非常に高い性能を示しています。実使用でここまでの差が出るかはわかりませんが、高い処理性能を、コストを抑えて入手できるのは、大きなメリットとなりそうです。
なお、PROプロセッサーは、主に法人向けPCに搭載されるプロセッサーです。簡単に言うと、IT管理者による管理が容易になったり、システム・メモリーのリアルタイム暗号化が可能で、PCの紛失・盗難など万一の時でもデータを物理的攻撃から保護することができます。加えて、マルチスレッディングを備えており、より高速な処理が可能ともなっています。
Ryzen PROプロセッサーについての詳細については、AMDサイトをご覧ください。
Ryzen 7 PRO 4750U |
Ryzen 5 PRO 4650U |
Ryzen 3 PRO 4450U |
Ryzen 5 4500U | |
CPUコア数 | 8 | 6 | 4 | 6 |
スレッド数 | 16 | 12 | 8 | 6 |
最大ブースト クロック |
4.1GHz | 4.0GHz | 3.7GHz | 4.0GHz |
基本クロック | 1.7GHz | 2.1GHz | 2.5GHz | 2.3GHz |
外部GPUとしてRadeon 625を選択可能
ThinkPad L14 [インテルモデル]では、外部グラフィックスとしてRadeon 625を選択できるようです。
ベンチマークスコアなどは公開されていないようですが、Radeon 625はかなりローエンドの外部GPUです。Radeonシリーズには、エントリークラスのGeForce MX150に近い性能のRadeon RX 640という外部GPUがありますが、これよりもさらに低い性能なので、ほとんどの場合Radeon 625を選択する必要はないと思います。
液晶はFHD IPSがおすすめ
ThinkPad L14では、HD TN、FHD IPS、FHD IPS タッチの3種類の液晶を選択できます。
見やすさや、作業効率のよさを考慮すると、FHD IPS液晶がおすすめです。なお、ラップトップ形状のノートPCでタッチ操作をするということは少ないと思うので、通常はタッチ液晶でなくていいと思います。
下の画像のように、液晶ベゼルは意外と太めです。特に、上下のベゼル幅はしっかりあります。そのため、他機種に比べるとやや野暮ったい感じがするのは、ちょっと残念な部分です。
なお、液晶はフラットになるように180度倒すことができます。見やすい角度に調整しやすいですし、仕事でなどで対面する相手に画面を見せるときも便利です。
打ちやすいキーボード
ThinkPad L14は、ThinkPad特有の、キートップが湾曲した打ちやすさに定評があるキーボードを搭載しているようです。仕事でタイプする機会が多い方も、快適にキー入力できます。
キーボードのバックライトは、カスタマイズでの選択が可能となっています。薄暗い場所でもタイプしやすくなるので、バックライト付きキーボードをおすすめします。
また、トラックポイント、ThinkPadクリックパッドも健在で、マウス操作もしやすいです。
オンライン会議にも便利なファンクションキー
ThinkPad L14では、F9~F11のファンクションキーに受話、終話などの機能が割り当てられています。
そのため、オンライン会議の着信時や終了時に物理ボタンで対応でき、便利です。
LTEとWi-Fi 6にも対応
ThinkPad L14は、LTE搭載を選択できますし、無線規格はWi-Fi 6に対応しています。
LTE対応モデルを選択すると、格安SIMなどを挿すことで、外でもネットに接続することが可能となります。搭載するLTEモジュールは、Fibocom L850-GLだと思われます。
ただし、ThinkPad L14は、重めで、サイズもやや大きいため、モバイルPCとしての適性は高くはありません。LTE接続を使用するのであれば、予算が許せば、ThinkPad X1 Carbonや、ThinkPad T14sなどのモバイル機種を選択した方がいいと思います。
Wi-Fi 6に対応していることで、対応している無線ルーターを使用すると、より高速、かつ安定した接続が可能になります。混雑にも強いので、職場などでも快適に接続できるようになります。
メモリを最大64GB搭載可能
ThinkPad L14は、最大で64GBのメモリを搭載可能となっています。
ThinkPadシリーズの上位機種でも最大16GB、または48GBとなっているので、64GBは、ノートPCとしてはかなりの大容量です。
実際に64GBものメモリを搭載することは少ないかもしれませんが、複数のウインドウを同時に開いて、並行して作業を行う場合や、ブラウザのタブを沢山開く場合などでも、大きめのメモリを搭載することで、PCの快適な動作が可能となります。
急速充電に対応
ThinkPad L14は、急速充電に対応しており、65W ACアダプターを使用すると、1時間で約80%までの充電が可能です。
モバイルノートPCではありませんが、充電速度が速いことはメリットになります。
例えば、テレワークの場合、午前中の作業をリビングで行い、昼食中に充電して、午後からも作業を続ける、といった使い方ができ、使用中にACアダプターをつなぐ必要がないので、楽に在宅ワークのためのセットや収納が行えます。
ドッキングステーションも使用可能
ThinkPad L14は、下の画像のように、インターフェイスも充実しており、USB-C x2、USB 3.1、HDMI、LAN、microSDカードリーダーなどを備えています。USB-Cポートは、PCへの給電やVideo-outにも対応しており、USB-C接続の外部ディスプレイであれば、ケーブル1本で本体への給電と外部ディスプレイへの接続ができて、便利です。
さらに、ドッキングコネクターがあるので、ThinkPad用のドッキングステーションも使用できると思われます。ドッキングステーションを使用すると、PCを持ち出すときに、外部ディスプレイやマウスなどの周辺機器を一つずつ取り外す必要がなくなるので、非常に便利です。
同じく価格を抑えたThinkPad Eシリーズでは、ドッキングコネクタがないので、このあたりがThinkPad E14との違いとなります。
[Intelモデル]には2種類のボディ
ThinkPad L14の[Intelモデル]には、2種類のボディ構成があるようです。
樹脂製で質量が約1.61kgのボディと、アルミ製で約1.73kgのボディです。軽さを優先するなら樹脂ボディ、質感と堅牢性を重視するならアルミ製ボディを選ぶとよさそうです。ただし、全てのモデルでボディ素材を選択できるのかは不明です。
なお、仕様表を見る限りでは、[AMDモデル]には、樹脂製ボディしかないようです。
まとめ
ThinkPad L14は、持ち出し頻度の少ないテレワーク用途にフォーカスした、14型ノートPCです。
同じ14型のThinkPadシリーズの中では、質量も重く、サイズも大きいですが、快適に使用できる機能とスペックを備えつつ、価格が高くないのも大きなポイントとなっています。
これまでは、ビジネスPCの中でも、ThinkPad Lシリーズは法人向けの色が濃かったですが、テレワークに適したノートPCとして、法人以外からの注目も集めそうです。
Intelモデルと、AMDモデルがあります。特に、AMD Ryzen 4000 Uシリーズのプロセッサー搭載モデルは、高い処理性能を比較的安く入手できるでしょう。
まだまだ、新しい生活様式が続き、主に自宅で作業をし、たまに持ち出すというテレワークスタイルであれば、ThinkPad L14の導入を検討してもいいかもしれません。
後日、実機レビュー予定
後日、実機でのレビューを予定しています。記事公開後、通知しますので、よろしければブックマークや、twitter、facebookでのフォローをしていただけると、嬉しいです。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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