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レノボ Legion C730 の実機レビュー
CPU | Core i9-9900K |
---|---|
GPU | GeForce RTX 2080 |
メモリ | 32GB |
価格 | 24万円台(税別)~ |
レノボ Legion C730は、斬新でクールなデザインのコンパクトゲーミングPCです。
天面が透過パネルになっており、電源を入れると1680万色LEDが内部を照らします。ハンドル+無線LAN内蔵で持ち運びが可能なので、屋内での移動やLANパーティーイベントなどにもおすすめの製品です。
コンパクトながらも、CPUには「Core i9-9900K」、グラフィックスには「GeForce RTX 2080」を搭載したハイエンドモデルです。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i9-9900K、GeForce RTX 2080 8GB、メモリ32GB、1TB M.2 SSD + 2TB HDD
目次
お忙しい方は、「Legion C730の特徴」のみお読みください。
Legion C730の特徴
コンパクト型でもクールで斬新なデザインを実現
コンパクト型ゲーミングPCとなると、その小さなキューブ型BOXにゲーミング性能を詰め込むのが精一杯で、見た目は二の次になり、地味なデザインのものが多いのですが、Legion C730はクールで斬新なデザインです。
同じデザインの筐体にLegion C530がありますが、本機は高性能パーツを搭載した上位モデルとなります。Legion C530のLEDは赤色にしか点灯しませんが、本機のC730では1680万色のライティングに対応しています。
Legion C530 | Legion C730 | |
CPU | Core i5-8400 ~ Core i7-9700 | Core i9-9900K |
GPU | GTX 1050Ti ~ GTX 1660Ti | GeForce RTX 2080 |
メモリ | 8GB / 16GB | 32GB |
内部LED | 赤色のみ | 1680万色のライティング |
価格 | 9万円台(税別)~ | 24万円台(税別)~ |
LEDライティングに対応した透過トップパネル
外観は一見シンプルに見えますが、トップは内部が見える透過パネルになっており、電源を入れるとLEDが内部を照らし、とてもかっこいいです。コンパクトでありながらもゲーミングPCらしい細工が施されています。
また前述の通り、Legion C730では1680万色のライティングに対応しています。下の画像のようにライティングは左サイドと右サイドで分かれており、それぞれ好きな色を設定することができます。
LEDライティングの設定にはシステムツールである「Lenovo VANTAGE」から行います。このLenovo VANTAGEは新UIになってから見やすくなりました。
左サイドと右サイドでそれぞれ好きな色を設定できるほか、ブレスやウェーブ、CPU温度などに呼応するパターン点灯も用意されています。
コンパクトモデルなのでデスク上に置いてもすっきり
本来ゲーミングPCは排熱効率重視のため、大きいケースが主流となっており、デスク上に置くとかなりのスペースを占めますが、コンパクト型のLegion C730は、デスク上に置いてもすっきりしています。デザインもかっこいいので見た目も良いです。
下の写真は幅120cm、奥行70cmのデスクに24インチの液晶モニターを配置し、実際に本機を設置してみたときの様子です。デスク上が非常にすっきりしているのがわかると思います。
デスク下に設置することも可能ですが、Legion C730のUSBポートは下の方に配置されているため、デスク下に設置するとUSBを抜き差しする際に厳しい姿勢を強いられることになります。
ハンドル+無線LAN内蔵で持ち運びが可能
Legion C730には天面に持ち運び用のハンドル(取っ手)がついており、筐体サイズもコンパクトなので、片手で持ち上げて楽に運ぶことができます。
またワイヤレスLAN(IEEE 802.11ac/a/b/g/n)を内蔵しているので、LANケーブルが届かない場所でも、無線WiFiに接続してのインターネット接続が可能です。特に屋内で移動して使用する方や、毎年開催されている「C4 LAN」などの、LANパーティーイベントに持って行くのにもおすすめのゲーミングPCです。
ツールレスで内部にアクセスが可能
Legion C730はツールレスで内部にアクセスすることが可能です。ただし、ツールレスなのは左側のみで、電源とストレージがある右側にはネジ2つを取り外す必要があります。
内部のアクセス方法は下記の写真のように、赤いレバーを引っ張るとロックが外れるので、そのままサイドパネルを引っ張ることで、簡単に取り外すことができます。
電源とストレージがある右側のサイドパネルはネジ2つを外すことでアクセスが可能。
ゲームベンチマーク
Legion C730は、GeForce RTX 2080を搭載しています。リアルタイムレイトレーシングとDLSSに対応し、負荷の高いゲームも60fpsでプレイできるハイクラスのグラフィックスです。
ただ、7月に後継となるGeForce RTX 2080 SUPERが登場したので、このグラフィックスを選べないのは残念です。
当サイトでレビューした、ベンチマークスコアは以下の通りです。
コンパクトモデルということもあり、発熱により性能が落ちているためか、負荷の高い一部のゲームでは、他のRTX 2080搭載PCより低いスコアが見られました。その他は高いスコアが出ています。
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
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解像度 | 品質 | Core i9-9900K | |
RTX 2080 | ||
1920 x 1080 |
軽量品質 | 166 fps |
標準品質 | 126 fps | |
高品質 | 97 fps | |
2560 x 1440 |
軽量品質 | 119 fps |
標準品質 | 89 fps | |
高品質 | 72 fps | |
3840 x 2160 |
軽量品質 | 69 fps |
標準品質 | 50 fps | |
高品質 | 42 fps |
※灰色のバーは、他の製品で計測した参考値です
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
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---|---|---|
解像度 | 品質 | Core i9-9900K | |
RTX 2080 | ||
1920 x 1080 |
最低 | 165 fps |
中 | 133 fps | |
最高 | 115 fps | |
2560 x 1440 |
最低 | 142 fps |
中 | 94 fps | |
最高 | 79 fps | |
3840 x 2160 |
最低 | 81 fps |
中 | 54 fps | |
最高 | 43 fps |
重い部類のゲーム
ゴーストリコン ワイルドランズ
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | Core i9-9900K | |
RTX 2080 | ||
1920 x 1080 |
低 | 165 fps |
高 | 114 fps | |
ウルトラ | 66 fps | |
2560 x 1440 |
低 | 115 fps |
高 | 84 fps | |
ウルトラ | 52 fps | |
3840 x 2160 |
低 | 73 fps |
高 | 51 fps | |
ウルトラ | 33 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | Core i9-9900K | |
RTX 2080 | ||
1920 x 1080 |
標準(デスク) | 211 fps |
高(デスク) |
147 fps | |
最高品質 | 138 fps | |
2560 x 1440 |
標準(デスク) | 163 fps |
高(デスク) |
119 fps | |
最高品質 | 106 fps | |
3840 x 2160 |
標準(デスク) | 118 fps |
高(デスク) |
63 fps | |
最高品質 | 54 fps |
中程度の重さのゲーム
ファークライ ニュードーン
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | Core i9-9900K | |
RTX 2080 | ||
1920 x 1080 |
低品質 | 145 fps |
高品質 | 124 fps | |
最高品質 | 109 fps | |
2560 x 1440 |
低品質 | 119 fps |
高品質 | 102 fps | |
最高品質 | 94 fps | |
3840 x 2160 |
低品質 | 68 fps |
高品質 | 58 fps | |
最高品質 | 55 fps |
軽い部類のゲーム
Apex Legends
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解像度 | Core i9-9900K |
RTX 2080 | |
1920x1080 | 200 fps |
2560x1440 | 144 fps |
3840x2160 | 80 fps |
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
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解像度 | Core i9-9900K |
RTX 2080 | |
1920x1080 | 23715 |
3840x2160 | 23353 |
※約5500で60fps
上に掲載した以外のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
本製品で選択できるCPUはCore i9-9900Kのみになります。他のPCで計測したときよりも、やや低めのスコアです。
~ CINEBENCH R15 マルチコア ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
※一部、The Guru3D.comのサイトから引用しています
グラフィックス
本製品で選択できるグラフィックスは、今のところGeForce RTX 2080のみになります。重いゲームも最高設定でプレイできる高性能グラフィックスです。ただし、こちらもRTX 2080にしてはやや低めのスコアです。
~ 3D Mark Time Spy - Graphics score ~
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
本製品のGeForce RTX 2080のスペックは次の通りで、普通の仕様です。
ストレージ
PCIe-NVMe SSD搭載時のスコアです。最大3,500MB/sを超えており高速です。
~ CrystalDiskMark Seq Q32T1 Read [MB/s] ~
(SAMSUNG MZVLB1T0HBLR-000L7)
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
その他のベンチマークスコア
以下、その他のベンチマーク結果を掲載します。
- SPECviewperf 13
- CINEBENCH R20
- その他 3D Mark
実際のソフトで計測した処理時間
実際のソフトで計測した処理時間です。
電源設定 | エンコード時間 |
---|---|
x265でエンコード (※1) | 10分16秒 |
NVENCでエンコード (※2) | 53秒 |
QSVでエンコード (※3) | ー |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
以下、静音性、パーツの温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
本機の動作音(静音性)のチェックです。もし動作音が大きいと、ゲーム等に集中しづらいです。
高性能グラフィックスを搭載したコンパクトモデルにしては、やや低めの騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
CPU温度とGPU温度ともに"普通~やや高め"です。
エンコード時の温度の詳細
下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。80℃前後で推移しており、"普通~やや高め"の温度です。
FF XIVベンチ(fps制限なし)実行時の温度の詳細
下図は、FF XIVベンチマーク(fps制限なし)実行時のGPU温度の詳細です。80℃前半で推移しており、"普通~やや高め"の温度です。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
CPU、GPUともに高性能なパーツを搭載しているので、高めの省電力です。
外観のチェック
外観のチェックです。
シンプルなキューブ型ですが、穴あき加工のフロントパネルがかっこいいです。
正面です。
内部はメッシュ上になっており、スタイリッシュです。
天面は内部の見える透過パネルになっており、電源を入れるとLEDが点灯します。
電源スイッチです。透過パネルの奥はメッシュ状になっています。
天面には持ち運び用のハンドルがあり、しっかりした作りで片手で持ち上げても頑丈です。
側面です。
底面です。
背面の画像です。
電源辺りにはケーブル類をまとめることができるゴムバンドがあります。USBケーブルなどがあちこち行かないよう、すっきりまとめることができます。
ケースの内部のチェック
右側のケース内部のチェックです。電源とストレージがあります。
3.5インチシャドウベイはラッチを上げて手前に引っ張ることで、アクセスできる構造になっています。とても便利です。ただし、コンパクト型なので仕方がないですが、ドライブベイは2つしかありません。
左側のケース内部です。グラフィックカードは上に配置されています。
今回搭載されていたLenovo独自のマザーボードです。CPUクーラーはトップフロー型です。メモリスロットは2つです。
1TBのM.2 SSD搭載時は大きめのヒートシンクが貼られているので、発熱にも安心です。
ケースファンはフロントにはなく、リアのみになります。
搭載されていたGeForce RTX 2080のグラフィックスカードです。背面の基盤はメタルプレートで保護されています。メーカーは不明です。
搭載されていた電源は500Wです。Core i9、RTX 2080というスペックの割に、電源容量は小さいかなと思います。
斜めから見た画像
斜めから見たケース内部の画像です。
反対側の斜めから見た画像です。
まとめ
以上が、レノボ Legion C730のレビューです。
コンパクトながらもゲーミングPCらしいクールなデザインです。ハンドル付きで無線LANを内蔵しているので、持ち運びでの使用が可能なのも特徴です。何よりコンパクト型なので、置き場所に困らないのは大きいと思います。
ツールレスでアクセスできたり、内部構造がしっかりしていてメンテナンス性も良いです。
CPUにはCore i9-9900K、グラフィックスにはGeForce RTX 2080と、高性能で発熱の高いパーツを搭載しています。
ただし、高負荷なゲームは長時間プレイすると発熱により、パフォーマンスが下がることもあったので、ハイエンドなゲーミングPCを求めるならエアフロー効率の良いタワー型の方をおすすめします。
本機のようなコンパクトモデルの場合、下位モデルであるLegion C530のような、ミドルクラスのパーツを搭載したPCが一番バランスが良いと思います。
ただし、Legion C530の場合はLEDライティングシステムは未搭載です。
取っ手が付いて持ち運びしやすいゲーミングPC
Legion C730
特徴
- Core i9-9900K、RTX 2080の高性能スペック
- ハンドル付で持ち運びしやすい
- 高い性能の割にはコンパクト
こんなあなたに
- PCを移動することがある方
- 高性能PCを狭い場所に設置したい方
- 価格23万円台[税別]~
三度の飯よりゲームが好き。 面白ければどんなゲームもプレイするが、中でも好きなジャンルは2D格闘ゲーム。2009年からSteamでPCゲーム漁りを始めてからゲーミングPCに興味を持ち、ライター業を経てレビュアーへ。これまで300台以上のゲーミングPCを実機でテストし、レビュー記事を執筆。おじいちゃんになってもPCゲーマーでありたい。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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