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レノボ ThinkPad X1 Tablet (3rd Gen、2018モデル)の実機レビュー

CPU | 第8世代Core (U) |
---|---|
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | SATA / PCIe SSD |
液晶サイズ | 13.0型 |
液晶種類 | 3K (3000x2000) |
質量 | 本体:890g~ 本体+キー:1.27kg~ |
バッテリー | 本体:最大約11時間 |
LTE | 対応 |
価格[税別] | 19万円台~ |
ThinkPad X1 Tablet(2018)は、Surfaceタイプの2 in 1 PCです。
特徴の1つは、打ちやすいThinkPadキーボードカバーを搭載している点でしょう。仕事がはかどります。
また、LTEやペンにも対応している点もメリットです。外出先でもインターネットに接続することができます。
CPUには第8世代のCoreプロセッサーを搭載し、普通のラップトップPCと変わらぬ性能です。
ディスプレイのアスペクト比が3:2となっており、13.0型とサイズも大きく、解像度も高く、仕事がしやすいと思います。
外出先でインターネット通信でき、タブレットにもなり、ペンも使えるため、営業職などに適していると思います。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。
レビュー機の構成
Core i7-8550U、16GBメモリ、256GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「ThinkPad X1 Tabletの特徴」のみお読みください。
ThinkPad X1 Tablet (2018)の特徴
第8世代インテルCoreプロセッサーを採用し、大幅性能UP
従来のThinkPad X1 Tablet (2017)は、「Yシリーズ」のCore i5-7Y54を搭載していましたが、新しいThinkPad X1 Tablet (2018)では、「Uシリーズ」の第8世代インテルCoreプロセッサーを搭載し、大幅に性能がアップしています。
ただし、「パフォーマンスのチェック」で掲載しますが、長い時間、CPU使用率が100%になるような処理をかけると、サーマルスロットリングが発生し、CPUクロックがやや落ち、処理に時間がかかります。エンコードや、動画編集(の書き出し)のように時間のかかる処理を行うのであれば、別のPCがいいと思います。
打ちやすいキーボード
ThinkPad X1 Tablet (2018)には、薄型キーボードが付属します。ThinkPadシリーズのキーボードは打ちやすさに定評がありますが、付属するキーボードも例外ではありません。タブレット形状で使用でき、ThinkPadのキーボードも使用できるというのは大きな魅力でしょう。

写真にあるように、キーボードは、傾斜がついた打ちやすい状態で使用可能です。

また、薄型のキーボードなので、本体に装着して折りたたんだ状態でも、厚みが15.1mmととても薄くなっています。

角度調節可能なキックスタンド
ThinkPad X1 Tablet (2018)は、角度調節可能なキックスタンドを備えています。2017年モデルのキックスタンドと比較すると、スタンドが開く仕組みが変わっており、Surfaceなどと同じような開き方になっています。従来のモデルは、レバーを引いてスタンドを出さなくてはならなかったため、新モデルのほうがスタンドは出しやすいと思います。


LTEにも対応
ThinkPad X1 Tablet (2018)は、LTEにも対応しています。最新世代のSurface Pro 6はまだLTEに対応していないので、大きなアドバンテージです。なお、今回の貸出機は、LTE搭載モデルではないため、テストはしていませんが、今発売中のモデルは全てLTEが内蔵されているようです。
頑丈なセパレート型2 in 1 PC
ThinkPad X1 Tablet (2018)は、他のThinkPadシリーズのPCと同じく、12のMIL基準テストと、200以上の品質チェックが行われ、砂漠や無重力環境などの厳しい状況でも安心して使用できる堅牢性を誇っています。大きなディスプレイには、強度の高いGorillaガラスが使用されています。安心して持ち運び、ビジネスシーンで活躍できるタブレット形状PCと言えるでしょう。
Lenovo Pen Proが使用可能
ThinkPad X1 Tablet (2018)は、4,096段階の筆圧感知が可能なLenovo Pen Proが使用可能です。また、タブレット本体に、ペンホルダーを取り付けることも可能です。

従来あったオプションモジュールは使用不可に
ThinkPad X1 Tabletと言えば、バッテリーなどを増設できるモジュールが特徴の1つでした。しかし、2018モデルのThinkPad X1 Tabletではこのモジュールは使用できなくなりました。取り換えが割と面倒だったので、あまり使用する人がいなかったのかもしれません。ただ、バッテリー駆動時間を延長するモジュールは便利だと思っていたので、やや残念です。

Surface Proとの簡易比較
ライバル機種と言えるSurface Proと簡易的に比較します。ThinkPad X1 Tabletは、液晶が大きく、解像度も高く、キーボードも打ちやすい上にバックライトも搭載し、LTEにも対応しています。作業はX1 Tabletのほうがしやすいと思います。また、USB Type-C(Thunderbolt 3兼用)を搭載しているので、ドックなどを接続する場合はX1 Tabletのほうが便利です。
一方、Surface Pro 6は軽くて、バッテリー駆動時間も長く、サイズも小さく持ち運びに適しています。また、価格が安い点もメリットです。
ThinkPad X1 Tablet | Surface Pro 6 | |
CPU性能(CINEBENCH R15) | 540 (Core i7-8550U) |
584 (Core i5-8250U) |
液晶 | 13.0型 3000 x 2000 |
12.3型 2736 x 1824 |
キーボードバックライト | 搭載 | 非搭載 |
LTE | 対応 | 非対応 |
USB Type-C | あり | なし |
バッテリー駆動時間(当サイト計測) | 4時間35分 | 7時間11分 |
質量(タブレット本体) | 890g~ | 770g~ |
質量(キーボード付き) | 1.27kg | 1.1kg弱 |
価格(税込) | 23万円台~ | 12万円台~ |
液晶ディスプレイのチェック
液晶のチェックです。
液晶の型番は「LP130QP1-SPA1」でした。最大輝度は、当サイトの計測では383cd/m2とやや高めです。
液晶は13.0型、3000 x 2000となっており、Surface Pro 6よりもサイズおよび解像度とも大きいです。
その他の特性については、下のタブをクリックして下さい。
- 視野角
- RGB
発色特性 - 色域
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
視野角は広いです。

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。どの線もまずまず揃っていて、比較的自然な発色であることが分かります。

色域は比較的広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は100%、Adobe RGBカバー率は76.8%でした。

画素形状です。ギラつきはありません。

光沢液晶であるため、画面への映り込みがあります。

少し輝度を下げて(正確には覚えておらず申し訳ないですが輝度設定60%くらい)撮影した限りでは、フリッカーはありませんでした。

※カメラのシャッタースピードを1/800秒にして撮影したときの画面
キーボードおよびタッチパッドのチェック
ThinkPad X1 Tabletのキーボードのチェックです。
ThinkPadシリーズのノートパソコンと同じキーボードを搭載しており、打ちやすいです。


キーボードにはバックライトも搭載しています。キーボードカバーで、バックライトを搭載しているのは珍しいです。

パフォーマンスのチェック
ThinkPad X1 Tabletのパフォーマンスのチェックです。
CPU
タブレット型のPCですが、一般的なノートPCと同じCPUを搭載しているため、快適に動作します。
~ CINEBENCH R15 ~

※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
ストレージ
ストレージは、PCIe SSDを搭載しており高速です。
~ CrystalDiskMark ~

※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
その他のベンチマークスコア
次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。
CPU使用率が100%になるようなエンコード処理は、やや時間がかかっていました。
エンコード時間 | |
x265でエンコード (※1) | 37分34秒 |
QSVでエンコード (※2) | 3分56秒 |
NVENCでエンコード (※3) | ― |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
CPUクロックをみると、約1分後に大きくクロックダウンしているのが分かります。その後もクロックが上がったり下がったりを繰り返しています。

エンコード中の温度を確認すると、ターボブースト時は90℃台にまで温度が上がっています。その後、クロックが下がり70℃前後で推移しています。
カードリーダー/ライターのチェック
内蔵カードリーダー/ライターのチェックです。
microSDカードのみ対応しています。スロットタイプなので挿入後の出っ張りはありませんが、取り出すには先のとがったPINが必要です。

SDカードリーダー/ライターの速度は普通です。なお、UHS-Ⅱのカードを挿入すると逆に速度が下がります。

USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト
USB Type-Cポートを利用して、純正品以外の充電器やドックが使えるか試した結果を、下表に掲載します。
Thunderbolt 3 に対応しており、ドック類が使えるので便利です。
充電できるか? | 外部モニター / 有線LANの拡張 |
||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | 〇 | 〇 |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | 〇 | 〇 | |
PD充電器 ※1 |
ZHOULX 充電器(65W) | 〇 | ― |
AUKEY 充電器(46W) | 〇 | ― | |
cheero 充電器(18W) | × | ― | |
5V充電器 ※2 |
ANKER 充電器(5V/2.4A) | × | ― |
AUKEY 充電器(5V/2.4A) | × | ― | |
その他 | USB C-DPケーブルで外部モニター接続 | ― | 〇 |
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器
質量のチェック
質量のチェックです。
タブレットのみだと、一般的なタブレットと比較するとやや重いと思います。
キーボードカバー付きの質量は、一般的なモバイルノートと比較すると普通の質量だと思います。
質量 | |
タブレット本体 | 894g |
タブレット+キーボードカバー | 1,273g |
45W ACアダプター | 243g |
バッテリー駆動時間のチェック
ThinkPad X1 Tabletのバッテリー容量は42Whです。
バッテリー駆動時間は下表のようになっています。液晶解像度が3000 x 2000と高いため、バッテリー駆動時間はやや短めです。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0測定方法 ※1 | 最大 約11時間 |
(2) 動画再生時 ※2 | 5時間42分 |
(3) PCMark 8 Work テスト ※3 | 4時間35分 |
※1 メーカー公表値
※2 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※3 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
外観のチェック
ThinkPad X1 Tabletの外観です。
液晶のベゼルがもう少し細いとかっこよかったと思います。
スピーカーは正面側の両サイドに配置されており、音質は悪くありませんが、最大音量が小さめです。勝手に点数をつけると、10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

背面の画像です。

キーボードカバーを外したときの画像です。割と薄く出来ていると思います。

キックスタンドは、かなりの角度まで広げることができます。ペンを使うときに便利でしょう。

インターフェースは少なめですが、ThunderBolt 3ポートが2つ搭載されているので、多くのことに対応可能です。

ACアダプターは、ThinkPadシリーズによく搭載される45Wのものです。

まとめ
ThinkPad X1 Tabletは、Surface タイプの2 in 1 PCです。
ライバル機種のSurface Pro 6よりも優位な点は、打ちやすいThinkPadシリーズのキーボードカバーが搭載されている点でしょう。また、画面サイズ・解像度も高く、LTEにも対応しています。
ただし、タブレット本体の質量がやや重く、バッテリー駆動時間も長くありません。また、価格が21万円以上もします。
ノートPCと変わらぬ性能を持っており、ペンにも対応し、タブレットにもなり、LTEに対応することで、色々な使い方ができるため、営業職のような方に最適な1台ではないかと思います。
キーボードが打ちやすいSurfceタイプの2 in 1 PC
ThinkPad X1 Tablet

特徴
- タブレットにもなる2 in 1 PC
- 打ちやすいキーボードカバー
- LTE対応でどこでもインターネット通信可能
- ペン対応
こんなあなたに
- お客様に説明することの多い営業職
- 価格21万円台[税込]~
- Web広告限定ストアこっちのほうが
安く買える場合も - 一言価格が高い

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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