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HP Spectre x360(2017年11月モデル)の実機レビュー

更新日:2017年12月14日

デザインが良く実用性も高い2 in 1 モバイルPC

HP Spectre x360(2017年11月モデル)は、デザイン性の高い 2 in 1 モバイルノートPCです。

アルミニウムの削り出しボディに、随所にダイヤモンドカット加工を施し、カラーも大人向け配色で、素敵なボディです。新モデルでは、新に「ローズゴールド」のカラーも追加されています。

新モデルでは、「プライバシーモード」を新たに採用し、電車やカフェなどで、周囲の人から画面を覗き見されにくくなりました。この機能をONにすると、斜めからみたときに画面が極端に見づらくなります。

バッテリー駆動時間も比較的長く、第8世代Coreプロセッサーを搭載することで性能も高いです。

質量も、旧モデルよりも若干軽くなり、モバイルノートパソコンとしての性能も改善されました。

CPU Core i7-8550U
Core i5-8250U
メモリ 8G / 16GB
ストレージ PCIe 256GB ~ 1TB
液晶サイズ 13.3型ワイド
液晶種類 FHD IPS タッチ
4K IPS タッチ
質量 約1.29kg
バッテリー 約16時間45分 (FHD)
約10時間 (4K)
LTE 非対応
本体サイズ 約307[W] x 218[D]
x13.6~15.5mm[H]
価格 13万円台~

 

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。

  • Core i5-8250U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD

目次

お忙しい方は、「1」の特徴のみお読みください。

HP Spectre x360(2017年11月モデル)の特徴

美しいデザイン

HP Spectre x360は、美しいデザインが特徴のモバイルノートパソコンです。

ボディは、アルミニウムのCNC削り出しで、継ぎ目が少なく高級感があり、特にアッシュブラックのカラーは、ゴールドもあしらった大人向けのデザインで、見る人を魅了します。






美しいデザイン

 

また、新型のHP Spectre x360では、ローズゴールドのカラーが追加されました。女性に合うデザインになっています。


カラーバリエーション。ローズゴールドも追加

 

液晶には、ナローベゼルを採用しています。ただし、左右のベゼルは幅が狭いですが、上下のベゼルはそんなに狭くないため、サイズはそこまで小さくなっていません。


左右のベゼルは狭い

 

様々なスタイルで使用できる2 in 1 パソコン

HP Spectre x360は、様々なスタイルで使用できる 2 in 1 パソコンとなっています。

普段はノートパソコン形状、タッチ操作をするときはテント形状、動画を観るときはL字形状、持つときはタブレット形状と、場面によって形を変えることができます。


2 in 1 パソコン

 

隣の人から画面を覗き見されないプライバシーモードを搭載

新型のHP Spectre x360では、「プライバシーモード」が搭載されました。この機能は、斜めから見たときに、画面が見づらくなる機能で、電車やカフェなどで使っているときに、周囲の人から覗き見されるのを防ぎます。

HPの法人向けPCの一部のモデルには実装されている機能ですが、今回、個人向けモデルのHP Spectre x360にも搭載されることになりました。

最近のモバイルノートPCは、視野角の良いものばかりなので、隣や真上から画面の内容が丸見えですが、この機能をONにすることで、個人情報の流出を防ぐことができます。

この機能をONにして正面から見た場合、多少画面が青白くなり、四隅がやや見えにくくなるものの、十分作業できる見やすさです。

なお、このプライバシーモードは、「アッシュブラック」のカラーでのみ選択可能です。他のカラーのPCでは選択できないため、ご注意下さい。


プライバシーモード


プライバシーモードの体験動画

 

第8世代インテルCoreプロセッサーを搭載

新型のHP Spectre x360では、CPUが第7世代から第8世代のインテルCoreプロセッサーになり、1.5倍以上もベンチマークスコアが向上しています。クリエイティブな作業もするなら、第8世代CPU搭載PCがおすすめです。

なお、Core i5-8250UとCore i7-8550Uを選択できますが、ほとんどベンチマークスコアは変わらないため、筆者はCore i5-8250Uでも十分だと思います。

アクティブペンに対応

HP Spectre x360は、アクティブペンにも対応しています。ペン方式は従来通りMicrosoft Penプロトコルとなっており、Surface Proのペンも使えます。筆圧検知は1024段階で、傾き検知には対応していないため、イラスト制作をバリバリする方にはあまり向いていませんが、手書きでメモをとったり、簡単な図を書く程度なら、本製品のペンでも問題ありません。

なお、アクティブペンはオプションで販売されていますが、一部のモデルには同梱されているため、間違って2本購入してしまわないようにお気を付けください。

今回、純正ペンは同梱していないモデルだったため、Surface Penで描いてみましたが、特に問題なくスムーズに書くことができました。ただ、ノートPC形状だと画面がかなり揺れて書きづらいので、タブレット形状にするか、下図のようにテント形状にして画面を固定したほうがいいです。


アクティブペンに対応。Surface Penも使用可能

 

クアッドスピーカー搭載

HP Spectre x360は、キーボード面の上部に2つ、底面に2つ、合計4つスピーカーを搭載しています。場所を変えて4つ搭載することにより、ノートPC形状、タブレット形状、スタンドモード形状、テントモード形状のいずれのスタイルでも音が聞きやすくなっています。

実際に音を聴いてみましたが、ノートパソコンとしては抜群に良いサウンドでした。サブウーファーは無いため低音部分の迫力は欠けるものの、中~高音にかけては明瞭で伸びがあり、臨場感あるサウンドでした。



クアッドスピーカーで臨場感あるサウンド

 

microSDカードスロットが追加された

旧モデルのHP Spectre x360では、メモリカード系のスロットがありませんでしたが、新モデルではmicroSDカードスロットが搭載されました。フルサイズのSDカードスロットではないのが残念ですが、用途の幅はやや広がったと思います。


microSDカードスロットが追加

 

タッチパネル搭載PCとしてはバッテリー駆動時間も比較的長い

HP Spectre x360はバッテリー駆動時間も比較的長いです。フルHD(1,920×1,080)液晶で約16時間45分となっています。ただし、4K(3,840×2,160)液晶の場合は、約10時間のバッテリー駆動時間となり、かなり短くなります。13.3型液晶に4Kを搭載しても、そこまで見やすくなるわけではないため、用途にもよりますが、一般的なユーザーならフルHDのほうがおすすめです。当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は、ページ下の「バッテリー駆動時間のチェック」の章をご覧ください。

価格はHPにしてはやや高め

HPのパソコンは、基本的にどれも安いですが、「Spectre」ブランドのPCは、他のHP製品に比べるとやや高く、一番安い「ベーシックモデル」でも139,800円(税抜)~となっています。ただし、この価格に見合うだけの高級なボディ素材を採用し、スペックも高くなっていると思います。

LTEには非対応

LTEに対応していない点がデメリットとして挙げられます。ただし、他の2 in 1 パソコンの多くもLTEに対応していないのが現状です。

旧モデルとの比較

今回発売された2017年11月モデルと、2017年2月に発売された旧モデルとを比較したものが下表です。スペックが同じ部分は省略しています。

今までの解説で触れていないところを挙げると、わずかに奥行きと高さが短くなり、質量もわずかに軽くなっています。従来からの特徴を継承しつつ、全体的にスペックアップしている印象です。

欲を言えば、もう少し軽くなればよかったかなと思います。

旧モデルとの比較
  2017年11月モデル 2017年2月モデル
カラー アッシュブラック
ナチュラルシルバー
ローズゴールド
アッシュブラック
ナチュラルシルバー
CPU 第8世代CPU 第7世代CPU
幅 x 奥行 307 × 218mm 307 × 219mm
薄さ 13.6mm 13.9-14.9mm
質量 約 1.29kg 約1.31kg
インターフェース USB A 3.1 ×1
USB Type-C 3.1 ×2
microSD x1
USB A 3.1 ×1
USB Type-C 3.1 ×2
バッテリー 約16時間45分 (FHD)
約10時間 (4K)
約15時間 (FHD)
約9時間 (4K)
指紋認証 あり なし
プライバシーモニター あり なし

 

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイのチェックです。

液晶型番は「M133NVF3 R0」です。

視野角は良好です。


視野角(斜めから見たときの見やすさ)

 

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。どの色も1:1の直線に近く、自然な発色になっていることが分かります。


 

色域もノートパソコンとしては、やや広めです。


ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

 

画素形状は下図の通りです。斜めに線が見えると思いますが、おそらくタッチパネルの電極です。この電極の影響で若干ギラついているようにも見えますが、ほとんど気にはなりません。


画素の拡大図

 

光沢液晶であるため、 画面への映り込みがあります。


画面への映り込み

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

メーカーの仕様表を確認すると、キーピッチ:約18.7×18.7mm、キーストローク:約1.3mmとあります。最近のノートパソコンとして標準的なスペックでしょう。普通の打ちやすさです。

ただし、「home」や「pg up」が端にあり、この点は好まない方も多いと思います。


キーボード全体図


キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しています。


キーボードバックライト

 

タッチパッドは面積が広く、指を動かしやすく、ジェスチャー操作もしやすいです。クリックボタンは、普通の力で押せます。ただ、横に長いため、見ないでクリックすると、右クリックしたつもりが、左クリックになることがたまにあります。


タッチパッド

パフォーマンスのチェック

Spectre x360のパフォーマンスのチェックです。

CPU

Uシリーズの第8世代インテルCoreプロセッサーを搭載しており高性能です。


CPUの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません

ストレージ

ストレージは、非常に高速なPCIe-NVMe SSDを搭載しています。


ストレージの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません

Spectre x360で計測したベンチマーク

以下、実機で計測したベンチマークスコアを掲載します。

CINEBENCH R15
(CPU性能の評価)

Core i5-8250U
PassMark Performance Test 9.0 CPU MARK
(CPU性能の評価)

Core i5-8250U
3DMark
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)

Core i5-8250U、インテル UHD グラフィックス 620
TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
  Core i5-8250U
x265でエンコード (※1) 33分37秒
NVENCでエンコード (※2)
QSVでエンコード (※3) 4分01秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
CrystalDiskMark
(ストレージの評価)

256GB PCIe SSD(SAMSUNG MZVLW256HEHP-000H1)

USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト

USB Type-Cポートを利用して、他の充電器やドックで充電などができるかを試しました。

メーカー仕様表を確認すると、Spectre x360のUSB Type-Cポートは、PC本体の充電、映像出力、Thunderbolt 3にも対応していると記載されています。

当サイトにて、充電器やドックを接続したときの結果は次の通りです。試した機器は全て充電も拡張もできました。

USB Type-C/Thunderbolt充電器/ドックとの互換性
  充電できるか? 外部ディスプレイ、
LANの拡張
ThinkPad USB Type-C ドック OK OK
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック OK OK
Helper 充電器(60W) OK
ZHOULX 充電器(65W) OK

 

ただし、どの機器を接続しても、下図のような警告メッセージが表示されます。他メーカーの機器を使用して故障しても保証してくれないと思うので、自己責任で使用しましょう。


充電器を接続したときの警告メッセージ

カードリーダー/ライターのチェック

内蔵カードリーダー/ライターのチェックです。

SDカード挿入後の少ししか出っ張りはありません。ただし、わずかに出てはいるため、カバンの中に入れているときに強く押されると、飛び出てくる可能性があります(ただし、出ることはまず無いと思います)。


カード挿入後のでっぱり具合

 

速度はそれほど速くないです。


UHS-Ⅰ対応のSDカード

質量のチェック

Spectre x360の質量のチェックです。

メーカー仕様表では、約1.29kgとなっています。

当サイトで計測した結果は次の通りで、PC本体が1.288kgと、仕様値とほぼ一緒でした。一般的なモバイルノートPCと比較して、普通の質量だと思います。

ACアダプターは、電源コードまたはダックヘッド(ウォールマウントプラグ)のどちらからを接続して使います。電源ケーブルを接続すると、遠くのコンセントに接続できますが、質量は重くなります。



質量の計測結果

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

容量は62Whとなっており、一般的なモバイルノートPCと比較すると、多めのバッテリー容量です。

当サイトで計測したバッテリー駆動時間は、下の表の通りです。タッチパネルを搭載したPCは質量がやや重くなりますが、Spectre x360は大容量バッテリーを搭載することで、比較的長めのバッテリー駆動時間を実現しています。

バッテリー駆動時間
  Core i5-8250U
PCMark 8 Home テスト ※1 5時間25分
PCMark 8 Work テスト ※2 6時間25分
動画再生時 ※3 8時間35分
※画面輝度を約120cd/m2に調整して計測
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行

※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生

 

 


 

 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

静音性のチェック

Spectre x360の動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。負荷をかけたときの騒音値は"やや静か~普通"といったところです。


騒音値の計測結果
計測機器:リオン NL-42K、部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB

騒音値の計測結果

パーツの温度のチェック

Spectre x360の温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

普通の温度です。


表面温度のチェック

表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

キーボード面は問題ない温度です。使っていて不快になることはないでしょう。裏面は高い負荷をかけると40度を超える部分があるため、膝の上に置いて作業をしない方がいいでしょう。低負荷のときは問題ない温度です。


消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

やや低めの消費電力です。


外観のチェック

外観のチェックです。

前述しましたが、高級感のある美しいデザインです。

 

L字形状やテント形状に変形させたときの画像です。

 

タブレット形状時に横から見たときの画像です。

 

天板です。

 

液晶を閉じたときの画像です。

 

背面に排気口があります。

 

前述した通り、4つのスピーカーを搭載し、臨場感あるサウンドを楽しめます。最大音量も大きく、音を大きくしても音割れが起きにくいです。モバイルノートパソコンの中では最高水準の音質だと思います。ノートPC基準で点数をつけると、10点満点で7点の音質です(普通が5点で、筆者の独断の評価です)。

 

排気口は背面側にあります。

 

左側面です。フルサイズのUSBポート、microSDカードスロットなどが搭載されています。

 

右側面です。USB Type-Cポート、指紋認証装置などが搭載されています。

 

底面です。

 

ACアダプターの画像です。

 

ACアダプターと電源コード画像です。

 

ACアダプターとダックヘッド画像です。

まとめ

以上が、HP Spectre x360のレビューです。

デザインに力を入れている多くのモバイルパソコンは、Mac Book Airのようなくさび型の形状で、アルミやマグネシウム合金などを使ったパソコンが多いです。ただ、どれも同じようなデザインになってしまい個性がなくなってきている気がします。

一方、Spectre x360は、アッシュブラック&ゴールドの珍しい配色で、他にはないカラーリングになっています。高級感があり、大人に合うデザインです。新色のローズゴールドのカラーも上品で高貴な女性によく合いそうです。

また、変形できる 2 in 1 PCとなっており、アクティブペンにも対応し、バッテリー駆動時間も長く実用性も高いです。CPUには第8世代インテルCoreプロセッサーを搭載し性能も高いです。

新しく搭載されたプライバシーモードは、カフェや電車などで使用しているときに、周りの人から覗き見られることを防ぐことができます。

デザインもよく、性能も高く、多機能なモバイルパソコンだと思います。

ただし、キーボードのEnterキーが端になく、「pg Up」などのキーが端にあるのは、好まない人もいるでしょう。また、micro SDカードスロットが搭載されたとは言え、カメラユーザーはフルサイズのSDカードを使うことが多いため、やや不便でしょう。

詳細・購入はこちら

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