AMD Ryzen 6000/7000シリーズなど、ノート/デスク向けCPU/GPUをCES 2022で発表
2022年1月5日、AMDは世界最大のテクノロジー見本市「CES 2022」イベントにて、以下を発表しました。
■ノートPC向けAPU「Ryzen 6000シリーズ」
■ノートPC向けGPU「Radeon RX 6850M XT」など
■デスクトップ向けGPU「Radeon RX 6500 XT」
■デスクトップ向けCPU「Ryzen 7 5800X3D」、「Ryzen 7000シリーズ」
ここでは、「AMD 2022 Product Premiere」で発表された主な内容をまとめています。
ノートPC向けAPU「AMD Ryzen 6000」
前世代よりも平均1.3倍高速に
本日発表されたノートPC向けの新APUとなる「Ryzen 6000シリーズモバイル」は、Ryzen 5000H/Uシリーズの後継モデルで、製造プロセスはTSMCの7nmから6nmへとさらに微細化し、アーキテクチャは「Zen 3」の改善版となる「Zen 3+」としています。
ブーストクロックは最大5GHzで、前世代のRyzen 5000シリーズよりも平均1.3倍高速に。Cinebench R23のシングルコアでは11%、マルチコアでは28%スコアが向上し、全体的なパフォーマンスでは28%向上しているとのこと。
さらにDDR5/LPDDR5メモリに対応し、USB 4やWi-Fi 6E、Bluetooth LE 5.2などの最先端インターフェースにも対応しています。
統合型グラフィックス性能はおよそ2倍に
統合型グラフィックスも「RDNA 2」ベースへと進化しており、性能は前世代と比べておよそ2倍に。動画編集では最大69%、3Dレンダリング速度や1080pのゲームでは2倍以上高速になり、大幅に性能アップしています。
Ryzen 7 6800Uの場合、トリプルAタイトルである『Farcry 6』のベンチマークでは、1080p、「Fidelity FX SuperResolution(FSRモード)」をクオリティ設定時で平均59 fpsと、前世代よりも50%以上ものスコアアップが見られたと発表しています。
そのほか、『CoD:Vanguard』や『Godfall』などの大型タイトルもFSRモードを有効にすることで、統合型グラフィックスでも1080p/60 fps付近でプレイが可能とのこと。Ryzen 6000なら、外部GPUを搭載しない薄型ノートPCでも、1080pで快適にゲームがプレイできるかもしれません。Ryzen 6000シリーズを搭載したノートPCは2月頃から発売開始。
ノートPC向けGPUに新たなラインナップを追加
計3つのモデルがラインナップされる
ノートPC向けグラフィックスには既に「Radeon RX 6800M / 6700M / 6600M」がありますが、AMDはさらに電力効率を最適化したリファイン版「Radeon RX 6800S / 6700S / 6600S」に加え、
「Radeon RX 6850M XT / 6650M XT / 6650M / 6500M / 6300M」のモデルを追加しました。
デスクトップ向けGPU「Radeon RX 6500 XT」
199ドルから1月19日より発売
AMDは、デスクトップ向けの新たなエントリークラスのグラフィックボードとして「Radeon RX 6500 XT」を発表しました。Radeon RX 6600よりも下位となる人気のエントリー向けグラフィックスとなります。
トリプルAタイトルではGTX 1650、RX 570と比較して最大59%高速になっており、FSRモードを有効にすることにより、『Farcry 6』では59 fpsから84fpsまでフレームレートは向上するそうです。
価格は199ドルから1月19日より発売開始。
3D V-Cache搭載CPU「Ryzen 7 5800X3D」
世界で最も優れたゲーミングCPUになるか
AMDは、デスクトップPC向けCPUとして「3D V-Cache」備えた「Ryzen 7 5800X3D」を発表しました。3D V-Cache技術はキャッシュ用メモリをCPUダイの上に積むことで、さらに性能を伸ばそうというもの。
主なスペックは8コア16スレッドのベースクロック3.4GHz、ブーストクロックが4.5GHz、TDP 105Wで、32MBの2Dキャッシュに64MBの3D V-Cacheを加えて、L3キャッシュ計96MBという大容量のキャッシュメモリが搭載されています。マザーボードは既存のAMD 400 / 500シリーズに対応とのこと。
12コア32スレッドのRyzen 9 5900Xと比較すると、ゲームパフォーマンスは大幅に向上しており、96MBという大容量キャッシュメモリは性能向上に大きく貢献しているようです。
さらに、現状最高のゲーミングプロセッサである16コア24スレッドの「Core i9-12900K」よりも平均15%性能は上回るとのこと。「Ryzen 7 5800X3D」は、世界で最も優れたゲーミングCPUになるかもしれません。2022年春から発売開始予定。
Zen 4ベースのデスクトップ向け「Ryzen 7000」
2022年後半に登場予定
AMDは次世代のデスクトップPC向けCPUとして、Zen 4ベースの「Ryzen 7000」シリーズを発表しました。Zen 4は、5nmのプロセスで製造され、PCI Express 5.0、DDR5メモリにも対応し、CPUソケットが全く新しいAM5へと移行するとのこと。
今回は発表のみで詳しい情報は公開されませんでしたが、2022年後半には発売する予定だそうです。続報に期待です。
CES 2022 AMD主な発表内容まとめ
ノートPC向けAPU「Ryzen 6000」
- 前世代よりも平均1.3倍、グラフィックス性能は2倍に
- 2月頃から発売開始
ノートPC向けGPUに2種のモデルを追加
- Radeon RX 6800S / 6700S / 6600S
- Radeon RX 6850M XT / 6650M XT / 6650M / 6500M / 6300M
ノートPC向けGPU「Radeon RX 6500 XT」
- 人気のエントリー向けデスクトップGPU
- 199ドルから1月19日より発売
3D V-Cache備えた「Ryzen 7 5800X3D」
- 「Core i9-12900K」よりも高いゲーミング性能
- 2022年春から発売開始予定
Zen 4ベースの「Ryzen 7000」
- 5nm製造プロセスで、CPUソケットはAM5へ
- 2022年後半に登場予定
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