GeForce MX330 のベンチマークとゲームフレームレート

更新日:2020年2月28日

2020年2月にNVIDIAから追加されたノートPC向けエントリーグラフィックス「GeForce MX330」のベンチマークを計測しました。事前情報では、Core i7-1065G7に内蔵されたIris Plus グラフィックスよりも最大で約2倍の性能と言われていましたが、その実力はいかに?

 

 

結果概要

お忙しい方のために、3DMark Night Raidのベンチマークスコア結果を先に掲載します。思ったほどの性能は出ず、Intel Iris Plus グラフィックスの約1.5倍のスコアで、GeForce MX250よりわずかに高い程度のベンチマークスコアでした。なお、1台でのみ計測した結果となります。他のPCでは少し違った結果が出る可能性もあるため、ご了承下さい。

3DMark Night Raid
GeForce GTX 1050 25325
GeForce MX330 16714
GeForce MX250 15406
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
11084
Intel UHD
(Core i5-10210U)
5800

 

 

GeForce MX330 の仕様

GeForce MX330の仕様は下表のようになっています。GP108 14nmプロセスで製造され、Direct 12.0をサポートしています。GeForce MX230と比較すると、CUDAコアが増えクロックもやや上がっていますが、GeForce MX250と比較するとクロックがやや上がった程度で、性能は微増といったところです。

グラフィックカードの仕様
  GeForce
MX330
GeForce
MX250
GeForce
MX230
アーキテクチャ Pascal Pascal Pascal
CUDAコア 384 基 384 基 256 基
ベースクロック 1531 MHz 1519 MHz 1519 MHz
ブーストクロック 1594 MHz 1582 MHz 1582 MHz
メモリ容量 2GB 2GB 2GB
メモリタイプ GDDR5 GDDR5 GDDR5

 

 

テストに使用したノートPC

今回ベンチマークを計測するにあたり使用したノートPCは、2月27日発売のMSIのModern 15となります。おそらく現時点(2020年2月28日)で、日本で発売されている唯一のGeForce MX330搭載PCだと思います。GPU-Zで確認した仕様は次のようになっています。

 

 

3D Markのスコア

3DMarkのスコアを掲載します。前述した通り、GeForce MX250よりもややスコアが上がった程度で、GeForce GTX 1050にはまだ遠く及ばないスコアです。

3D Mark Time Spy
GeForce MX330
他のグラフィックスとの比較(Graphics score )
RTX 2080 Max-Q 8068
RTX 2070 7778
RTX 2070 Max-Q 7216
RTX 2060 5686
GTX 1660Ti 5667
GTX 1650 3494
GTX 1050Ti 2201
GTX 1050 1689
GeForce MX330 1168
GeForce MX250 1056
3DMark Night Raid
GeForce MX330
他のグラフィックスとの比較(Graphics score )
GeForce GTX 1050 25325
GeForce MX330 16714
GeForce MX250 15406
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
11084
Radeon Vega 8
(Ryzen 5 3500U)
10014
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
9188
Intel UHD
(Core i7-10710U)
6010
Intel UHD
(Core i5-10210U)
5800
Intel UHD 620
(Core i5-8265U)
5274

 

 

ゲームベンチマーク

次にゲームのベンチマークスコアおよびフレームレートを下表に掲載します。目安として、おおよそ60 fpsを超えていれば、快適に動作すると思って下さい。PUGB LITEやドラクエX レベルの軽さのタイトルなら快適にゲームができます。FF14もグラフィック品質設定を落とせば、平均フレームレートが60fpsに届きます。後日、もう少し検証するタイトルを試してみたいと思います。

重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
1920x1080 軽量品質 2727 / 27 fps
標準品質 未計測
高品質 未計測
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
1920x1080 最低 28 fps
未計測
最高 未計測
中程度の重さのゲーム
ファークライ ニュードーン
1920x1080 低品質 28 fps
高品質 21 fps
最高品質 20 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高品質)
RTX 2080 Max-Q 91 fps
RTX 2070 84 fps
RTX 2070 Max-Q 83 fps
RTX 2060 78 fps
GTX 1660Ti 75 fps
GTX 1650 54 fps
GTX 1650 Max-Q 43 fps
GeForce MX330 20 fps
※ノート用グラフィックスのみで比較
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
1920x1080 標準(ノート) 9083 / 61 fps
高(ノート) 5920 / 40 fps
最高品質 4044 / 27 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高品質)
RTX 2080 Max-Q 117 fps
RTX 2070 110 fps
RTX 2070 Max-Q 98 fps
RTX 2060 95 fps
GTX 1660Ti 95 fps
GTX 1650 63 fps
GeForce MX330 27 fps
※ノート用グラフィックスのみで比較
軽い部類のゲーム
PUBG LITE
1920x1080 非常に低い 155 fps
102 fps
ウルトラ 49 fps
※トレーニングモードで計測
他のグラフィックスとの比較(1920x1080、非常に低い)
GeForce MX330 155 fps
GeForce MX250 120 fps
AMD Radeon Vega 8 82 fps
Intel Iris Plus 80 fps
Intel UHD 620 45 fps
※ノート用グラフィックスのみで比較
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
1920x1080 最高品質 12947(すごく快適)
※約5500で60fps
他のグラフィックスとの比較(1920x1080、最高品質
GTX 1050 19146
GeForce MX330 12947
GeForce MX250 11900
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
7968
Radeon Vega 8
(Ryzen 5 3500U)
6368
Intel UHD
(Core i7-10710U)
5984
Intel UHD
(Core i5-1035G1)
5655
Intel UHD
(Core i5-10210U)
5234
Intel UHD 620
(Core i5-8265U)
4655
※ノート用グラフィックスのみで比較

 

 

クリエイターソフトの処理時間

実際のクリエイター向けソフトで計測した各種処理時間を掲載します。簡易的な動画編集なら使えると思います。ただし、NVENCには対応してないのでご注意下さい。

Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

Premiere Proによる書き出し時、GeForce MX330の使用率は100%になりボトルネックになっています。ただし、GeForce MX250より約90%の時間で処理が終わり、Intel Iris Plusの内蔵グラフィックスと比べると約半分の時間で処理が終わっています。

編集作業自体も、多少遅さは感じる処理もあるものの、FHD解像度の動画について、カット編集&テロップ入れ&トランジション挿入くらいの簡単な作業なら、十分使えるのではないかと思います。

Core i7-9750H/16GB
RTX 2070 Max-Q
42秒
Core i7-9750H/16GB
GTX 1660Ti
47秒
Core i7-10710U/16GB
GTX 1650 Max-Q
84秒
Core i5-9300H/8GB
GTX 1650
103秒
Core i7-10510U/16GB
GeForce MX330
146秒
Core i7-10510U/16GB
GeForce MX250
161秒
Core i7-1065G7/16GB
Intel Iris Plus
265秒
Core i7-10510U/16GB
Intel UHD
416秒
※ 4K動画(約2分)に、「テキスト(ブラー付)」+「RGBカーブ補正」+「シャープ」+「自然な彩度」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 1080p HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
TMPGEnc 7 によるNVENC エンコード時間

GeForce MX330は、NVENCには非対応です。

 

 

まとめ

上記の通り、GeForce MX330の性能は、GeForce MX250を10%くらい良くした程度の性能です。期待したほどの性能ではありませんでした。

クリエイターやゲーマーがメインPCで使うには物足りないスペックであるものの、外出先で、ちょっとゲームをしたり、動画編集をしたりする用途でならいいと思います。1kg前後の軽量ノートパソコンに搭載されれば嬉しいです。

ただし、NVENCには対応していないのでご注意下さい。

なお、今回、1台のPCのみ計測した結果となります。他のPCでは少し違った結果が出る可能性もあるため、ご了承下さい。

 

関連ページ