富士通 FMV LOOX WL1/Gの実機レビュー

更新日:
CPU Core i5-1230U
Core i7-1250U
メモリ 8GB / 16GB LPDDR4X
ストレージ 最大約1TB PCIe SSD
液晶サイズ 13.3インチ
液晶種類 FHD 有機EL
質量 本体のみ:約599g~
スタンド装着時:約742g~
バッテリー 約12時間 (35Wh)
価格[税込] 14万円台~
1台あると超便利!

FMV LOOX WL1/Gは、13.3型の大型ディスプレイを搭載しつつ、軽量・薄型のWindowsタブレットPCです。片手で持てる軽さなので、立ったままでも気軽に使えます。

また、スタンドカバーとキーボードを装着すれば、モバイルノートPCとしても使えます。性能も十分で、キーボードも打ちやすいです。

また、外部ディスプレイとして使うことも出来ます。

このように様々なシーンでマルチに活用できる、1台あったらとても便利な製品です。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。先行機機となるため、ベンチマークなどは製品版と異なる可能性があります。ご了承下さい。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i7-1250U、16GBメモリ、512GB PCIe SSD

 

目次

お忙しい方は、「FMV LOOX WL1/Gの特徴」のみお読みください。

 

製品の特徴

世界最薄・最軽量のタブレットPC

FMV LOOXの特徴の1つは、13.3型ワイドのWindowsタブレットとしては、世界最薄・最軽量となっている点でしょう。

厚みは約7.2mm、質量は約599gとなっており、非常に薄くて軽いです。ちなみに、12.9インチのiPad Proが682gなので、かなり軽いことが分かると思います。実際に持ってみても非常に軽かったです。このくらいの軽さであれば、片手でも軽々持てます。

非常に薄くて軽い

 

また、高強度アルミニウムからの削り出しボディで、防滴、防塵設計にもなっているので、安心して持ち歩くことができます。

防滴、防塵設計

 

スタンドを装着すれば自立可能

付属のキックスタンドを装着すれば、本体を自立させることが可能です。動画を視聴するときなどに便利です。

自立可能なスタンド

 

キックスタンド付きのタブレットと言えば、Surface Pro 8を思い浮かべる方も多いと思いますが、スタンドを装着したFMV LOOXのほうが、Surface Pro 8よりも軽くなっています。また、キーボード装着時においても、FMV LOOXのほうが軽いです。

また、Surface Pro 8はスタンドを取り外せないため、片手で持って使うにはちょっと重いますが、FMV LOOXはスタンドを取り外せば、片手で持って操作できる重さです。タブレット状態で使うことが多い方には、FMV LOOXのほうがいいでしょう。

ただし、FMV LOOXのほうがバッテリー容量は少なめです。当サイトの計測では、動画の連続再生で7時間32分のバッテリー駆動時間でした。使い方にもよりますが、Officeソフトを使用するようなケースでは、5時間前後のバッテリー駆動時間になるかと思います。

Surface Pro 8との比較
  FMV LOOX Surface Pro 8
画像
タブレット(+スタンド)の質量 約742g 約891g
キーボードも含めた質量 ※ 約1022g 約1187g
バッテリー容量 約35Wh 51.5Wh
※当サイトの計測値

 

有機ELディスプレイを搭載

FMV LOOXは、有機ELディスプレイを搭載しているのも特徴で、コントラスト比の高い、鮮やかな画像を映し出すことができます。有機EL特有のサブピクセル配列による文字の見にくさについては、画面が大きくないので、そんなに気になりませんでした。

解像度はFHD(1920x1080)となっています。せっかくの有機ELなので、もっと高い解像度のディスプレイを望んでいた方も多いと思います。ただ、これ以上解像度を高くすると、ただでさえバッテリー容量が少ないので、もっとバッテリー駆動時間が少なくなってしまいます。今回の製品は、軽さと薄さを重視しバッテリー容量を削っていると思われるので、ここは諦めましょう。

色域はDCI-P3を100%カバーするほど広いですが、色域変換機能は無さそうでした。

気になったのは、背景を白にすると、タッチパネルの電極線がやや目立つ点です。Windowsのタッチパネル対応のノートPCは、ほとんどこの現象が出ますが、本製品もやや気になりました。ただ、ユーザーの声を聞いても、これが気になる方はあまりいないみたいなので、そこまで心配する必要はないかと思います。

有機ELパネルを採用

 

Wacom Linear Penを世界初採用

FMV LOOXはペンにも対応しており、次世代AESペンとなるWacom Linear Pen技術を、世界で初めて採用しています。

FMV LOOXペンはオプションとなっており、4096段階の筆圧検知および傾き検知に対応しています。ペンは電池式ではなく、充電式です。

FMV LOOXペン

 

ペンには、替え芯も付いてくるのが嬉しいです。

替え芯付き

 

追従性も比較的よく、視差も少ないです。ペン先は固く、割とツルツル滑り、iPad Proと似たような感触です。

ゆっくり斜めの線を描くとジッターは発生しますが、従来よりもやや揺れが少なくなった気もします(・・・やっぱり、あんまり変わらないかな・・?)。

ジッターはあるが、他と比べると程度は少ない気がする

 

従来のAESのペン&タブレットと比較すると、なんとなく描きやすくなった気もしますが、筆者の画力レベルだとそこまで大きく変わったような感じはありませんでした。プロレベルの方が使うと、変化を感じるのかもしれません。

少し気になるのは、ファンレス&薄型ボディであることも影響し、画面に手を置いてペンで描いていると、手がやや熱くなってくる点です。ただ、他のWindowsタブレットも結構熱くなることが多いです。

FMV LOOXペンで模写

 

タイピングしやすいキーボード

FMV LOOXに取り付けられる純正のキーボード(別売り)が、非常にタイピングしやすいのも特徴です。普通のノートPCよりも打ちやすいと思います。

実際にタイピングしてみて、筆者が持っている2世代前のLIFEBOOK UHシリーズよりも、クリック感は増しているのに、それほど力を入れなくてもタイピングできるような感じがします。

Surface のように、キーボードの奥側が持ち上がらず、テーブルにピッタリと付けて使うキーボードですが、その分、キーボード全体が下にたわむこともありません。

FMV LOOXキーボード

 

また、以下のようなBluetooth対応のFMV Mobile Keyboardも、別売りで販売されています。こちらは、FMV LOOXから離して使うことができるため、例えば、ペン入力しながら、キーボードでショートカットキーを使う場合などに便利です。

FMV Mobile Keyboard

 

他のPCの外部ディスプレイになる

FMV LOOXは、色々と特徴の多い機種ですが、個人的に便利だと思ったのが、外部ディスプレイとして使える点です。

やり方は簡単で、FMV LOOXと、画面を拡張したいメインPCに、事前に「クリエイティブコネクト」というアプリをインストールしておきます。

あとは、付属のUSB-Cケーブルを、FMV LOOXとメインPCに接続するだけで準備OKです。

 

さらに、メインPC側にACアダプターをつなげておけば、メインPCからFMV LOOXへ給電もされます。なお、下図ではノートPCに接続していますが、デスクトップPCへ接続することも可能です。

 

次に、下の画面でモードを選びます。

他のパソコンの画面を、FMV LOOXに複製または拡張する場合、下図のボタンをクリックします。

 

「拡張する」のボタンを押すと、パソコンの画面が、FMV LOOXに拡張され、デュアルディスプレイとして使うことができます。

例えば、出張先で、お客様先ではFMV LOOXをタブレットとして使い、ホテルではデュアルディスプレイとして使う、といったことが可能です。

 

「複製する」のボタンを押せば、パソコンの画面がFMV LOOXの画面へ複製されます。画像編集ソフトを使ったレタッチなどをするときに便利でしょう。ただ、なお、クリエイティブコネクトで他のPCと接続しているときは、FMV LOOXペンは1024段階の筆圧検知となります。そのため、イラスト制作用としては、不向きかなと思います。

 

FMV LOOXの画面を拡張することも可能

逆に、FMV LOOXの画面を、パソコンの画面に拡張することもできます。FMV LOOXのほうをメインPCとして使うときに役立つかもしれませんが、使う機会は少ないかもしれません。

 

1つのキーボードで2台のPCを操作できる

メインPCのキーボードのみで、メインPCとFMV LOOXを併用して使うこともできます。その場合、次の「デュアルPCモード」をクリックします。

 

これで、メインPCのキーボードを使って、メインPCだけでなくFMV LOOXも操作することができます。外出時に2台持っていく場合、FMV LOOXのキーボードは持って行かなくてもいいので便利です。

 

FMV LOOXのOSを操作するときは、メインPCのマウスポインターを、FMV LOOXのほうへ移動させるだけです。マウスポインタ―が端までくると、自動でFMV LOOXのマウスポインターが動き始めます。

 

PC間のファイルのコピーも簡単です。メインPCでファイルをドラッグし、そのままでマウスポインタ―をFMV LOOXの画面へ持って行って、ドロップします。これだけでファイルがコピーされます。逆のコピーも可能です。USBメモリやNASなどを経由してコピーする必要がないので便利です。

 

CPU性能は高くはないが低くもない

プロセッサーには、インテル第12世代のCore i7-1250UまたはCore i5-1230Uを搭載しています。ただ、第12世代と言っても、一般的なノートPCに採用されているベースパワーが28Wや15Wのプロセッサーではなく、9Wと低めのプロセッサーとなっています。

そのため、Core i7-1280PやCore i7-1255Uといった第12世代Coreと比べると、処理性能は落ちます。ただし、第11世代のCore i5-1135G7とほぼ同じスコアが出ており、それほど低い性能というわけでもありません。ビジネスパーソンが多く利用するようなアプリであれば、ストレスなく動くと思います。

CINEBENCH R23(マルチコア)
Core i7-1280P (28W) 11801
Core i7-1255U (15W) 8300
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
Core i7-1250U (9W) 4327

 

ファンレスなのでほぼ無音

CPU性能がそこまで高くない変わりに、FMV LOOXはファンレス構造になっているため、動作音がしません。静かな場所で使うときでも、人目を気にせず使えます。出先で使うときでも、排気熱がお客様に飛んでいないかを心配する必要がありません。

 

カスタムメイドモデルでは5Gも選択可能

FMV LOOX WL1/Gには、5Gモデルもあります。5G対応であれば、外でも簡単にネット接続を利用できるので、非常に便利です。ただし、5G対応モデルは価格が高くなります。

 

ディスプレイのチェック

FMV LOOX WL1/Gのディスプレイのチェックです。

有機ELパネルを搭載しており、色域が非常に広く、コントラスト比も高く、色鮮やかに表示できるディスプレイです。ただし、プロファイルが埋め込まれていない画像を表示したり、カラーマネージメントに対応していないアプリを使ったりすると、色がおかしく表示されるのでご注意下さい。色域変換機能はありません。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域・
    最大輝度
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は下記の通り広いです。

最大輝度は、当サイトの計測では362cd/m2とやや高めです。

  カバー率
sRGBカバー率 100%
DCI-P3カバー率 100%
Adobe RGBカバー率 96.7%
ガモット図
※ i1 Display PlusでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色も揃っており直線的です。ほぼ補正されておらず、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

光沢液晶であるため、画面への映り込みがあります。ギラつきはほとんど感じませんが、タッチパネルの電極線がやや目立ちます。

画面への映り込み

フリッカー(ちらつき)はあります。輝度設定が0から42のときは484hz、43~100のときは59Hzと低い周波数なので、体質によっては目が疲れやすく感じるかもしれません。

輝度0~42
輝度43~100
PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

FMV LOOX WL1/Gのキーボードのチェックです。

実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mmです。キーストロークは約1.5mmです。キートップはわずかに湾曲しています。前述しましたが、打ちやすいキーボードです。

タッチパッドはやや小さいところは気になりますが、クリックボタンは独立しており、押しやすいです。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

パフォーマンスのチェック

FMV LOOX WL1/Gのパフォーマンスのチェックです。

 

CPU

FMV LOOX WL1/GのCPUは、前述しましたが、ベースパワーが9WのCore i7-1250UまたはCore i5-1230Uを搭載しています。

15W以上の第12世代CoreプロセッサーやZen 3のRyzenプロセッサーと比べるとやや見劣りしますが、第11世代のCore i5-1135G7と同等程度の性能が出ており、性能は低いわけではありません。Microsoft Office、ブラウザなど、一般的なユーザーが使うアプリであれば、問題なく動くでしょう。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i7-1250U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-12900H 19223
Core i7-12700H 14546
Ryzen 7 6800H 13999
Core i7-1280P 11801
Ryzen 7 5825U 10040
Ryzen 7 5800U 9429
Ryzen 7 5700U 9288
Core i7-1260P 9032
Ryzen 5 5600U 8491
Core i5-1240P 8409
Core i7-1255U 8300
Ryzen 5 5625U 8107
Core i5-1235U 7589
Ryzen 5 5500U 6250
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
Core i7-1250U 4327
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-12900H 1920
Core i7-12700H 1823
Core i7-1260P 1802
Core i7-1255U 1776
Core i7-1280P 1751
Core i5-1235U 1675
Ryzen 7 6800H 1522
Core i5-1240P 1483
Ryzen 7 5825U 1460
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 5800U 1429
Ryzen 5 5625U 1383
Ryzen 5 5600U 1369
Core i7-1250U 1346
Core i5-1135G7 1294
Ryzen 7 5700U 1268
Ryzen 5 5500U 1185
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。

 

メモリ

メモリはLPDDR4X-4267を搭載しており高速です。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
16GB(8GBx2)メモリ
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR4X-4267
デュアルチャネル
51.65GB/s
48.46GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

グラフィックス性能についても、最新CPUと比較するとやや見劣りしますが、Core i5-1135G7とほぼ変わらない性能は出ています。動画再生やマルチディスプレイといった用途なら、問題なく出来るグラフィック性能です。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Core i7-1250U
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425
Core i7-1195G7
メモリLPDDR4X-4266
22853
Core i7-1280P
メモリDDR4-3200
21606
Core i7-1260P
メモリDDR5-4800
20478
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
18718
Ryzen 7 5800U
メモリLPDDR4X-4266
17020
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
16093
Ryzen 7 5800U
メモリDDR4-3200
15531
Core i5-1155G7
メモリDDR4-3200
14917
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
14368
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Core i5-1235U
メモリDDR4-3200
13877
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Core i7-1250U
メモリLPDDR4X-4266
12858
Ryzen 5 5500U
メモリDDR4-3200
12154
Core i3-1115G4
メモリDDR4-3200
11487
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しています。やや書き込みが遅いですが、普通の用途であれば、特に問題ないでしょう。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
512GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
 PCIe Gen3 SSD 3500
2445
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

Lightroomの書き出し時間はあまり速くありません。

Core i9-12900H
32GBメモリ
37秒
Core i7-12700H
16GBメモリ
46秒
Core i7-1280P
16GBメモリ
47秒
Core i7-1260P
16GBメモリ
56秒
Core i5-1240P
8GBメモリ
72秒
Core i7-1165G7
16GBメモリ
89秒
Ryzen 7 5800U
16GBメモリ
95秒
Ryzen 7 5700U
16GBメモリ
100秒
Core i7-1250U
16GBメモリ
116秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
新計測法

次は、現像項目を追加し、少し負荷を高めにしたときの書き出し時間を掲載します。こちらも、やや時間がかかっています。

スライダーを動かして調整すると、CPU負荷が非常に高くなります。ただ、スライダーを動かしたときに、ほぼタイムラグなくプレビュー画面には反映され、そこまでストレスはありません。たまに使う程度なら、使ってもいいのではないかと思います。ただ、メモリは16GBにしましょう。

Core i7-12700H 61秒
Core i7-1280P 64秒
Core i7-12700H
RTX 3060
66秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Ryzen 7 6800H
RTX 3060
68秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-1260P 81秒
Ryzen 7 6800H 84秒
Core i7-1250U 231秒
※2022年6月より、GPUを使用した書き出しも出来るようになったので、この機能が使えるPCは、機能をONにしたときの書き出し時間も掲載しています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Photoshop CCによる各種処理時間

比較的重い機能を実行しましたが、こちらも遅いです。ただ、こういった重いエフェクトではなく、一般的によく使われるような編集であれば、そこまでストレスなく動きます。こちらもたまに使う程度なら、活用してもいいのではないかと思います。頻繁に使う用なら、別のCPUを搭載した機種をおすすめします。

  処理時間
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) 約4秒
ニューラルフィルター(スーパーズーム(x2)) 約8分26秒
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) 約4分38秒
スーパー解像度 実行できず
※ 6000x4000のRAWデータを編集

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

FMV LOOX WL1/GはThunderbolt 4に対応しており、以下のUSB-C機器が使えました。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
61W RAVPower GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower GaN充電器
18W cheero充電器 ○ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速充電ケーブルであるとの警告が表示

 

HDMIの動作チェック

HDMIポートは搭載されていません。

 

質量のチェック

FMV LOOX WL1/Gの質量について、メーカーの仕様値と当サイトの実測値を掲載します。

タブレットのみの場合、13.3型ディスプレイを搭載している割にはとても軽いです。スタンドを装着しても、片手で持てる重さです。キーボードも装着すると1kgを超えてしまいますが、一般的なモバイルノートと同等程度の重さです。

質量
  メーカー仕様値 当サイト実測値
タブレット本体のみ 約599g 592g
スタンド装着時 約742g 734g
スタンド+FMV LOOXキーボード装着時 1022g
ACアダプター+電源ケーブル 245g
※Wi-Fiモデルの質量

 

バッテリー駆動時間のチェック

FMV LOOX WL1/Gのバッテリー駆動時間のチェックします。

バッテリー容量は35Whとなっています。最近のモバイルノートPCは50Wh前後搭載している場合が多いので、少なめのバッテリー容量です。

バッテリー容量

 

バッテリー駆動時間は下の通りです。9WクラスのCPUとは言え、バッテリー駆動時間はそこまで長くはありません。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 約12.0時間
(2) 動画再生時 7時間32分
(3) FF14ベンチ
※画面輝度は約120cd/m2
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) FF14ベンチをループ実行

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラはフロントカメラとリアカメラがありあす。フロントカメラはFHD(約207万画素)で一般的なノートPCよりも高い解像度です。

リアカメラは4K(約1258万画素)とさらに高い解像度になっており、仕事中に何か撮影したいときに便利です。

フロントカメラ
リアカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

スピーカー

スピーカーは、タブレットの左右に合計4つ搭載しています。音質を勝手に採点すると、ノートPC基準で10点満点で5~6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

温度のチェック

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

CPU電力は、ベースパワー通り、約9Wで推移しています。ファンレス構造だからといって、パフォーマンスが落ちることはありません。このときのCPU温度は55℃前後で推移しており、こちらも問題ない温度です。

表面温度については、低負荷だと気になりませんが、高い負荷をかけると結構熱くなります。また、ペンでイラストを描いていると、手のひらがやや熱く感じてきます。

CPU電力&CPU温度

 

外観のチェック

FMV LOOX WL1/Gの外観のチェックです。

狭額縁で、非常に薄く、スタイリッシュなタブレットです。

 

背面はこんな感じです。リアカメラは出っ張っていますが、液晶面を上にしてテーブルに置いても、それほどグラつきません。

 

上側面には、電源ボタンと音量ボタンがあります。

 

左側面にはThunderbolt 4のポートが1つと、USB3.2 Gen 2 Type-Cポートがあります。右側面には何もありません。

 

下側面には、キーボードを装着するためのマグネットがあります。

 

スタンドカバーはこちらです。

 

タブレット本体にマグネットで装着することができます。

 

スタンドを開くことで、タブレットを自立させることができます。

 

ただ、曲がる部分がやや出っ張っているせいで、スタンドカバーを装着したまま、ペンでイラストなどを描いていると、画面がグラつきます。この出っ張りは無くして欲しかったです。

 

スタンドは最大で下の角度まで広げることができます。ペン入力するときは、この状態がやりやすいと思います。

 

続いて、FMV LOOXキーボードを装着したときの画像はご覧の通りです。

 

タブレットを使わない時は、キーボードを上にたたんで、机のスペースを広げることができます。

 

スタンドカバーおよびキーボードを装着し、全てたたんだ時の画像は次の通りです。これでも結構薄いと思います。

 

ACアダプターは、45WのノートPCと同じものが付属していました。

 

まとめ

以上が、FMV LOOX WL1/Gのレビューです。

世界最薄・最軽量で、純粋にタブレットとして使いやすいです。大きめのタブレットを片手で持ちながら操作したい方におすすめです。

ベースパワーが低めのCPUですが、従来の第11世代のCore i5と同じくらいの性能があり、一般的なユーザーが使いそうなアプリは快適に動きます。タイピングがしやすいキーボードをオプションで買えば、普通にモバイルノートPCとしても使えます。モバイルノートPCとしても、タブレットとしても、快適に使えるので、かなり利用範囲の広いデバイスになると思います。

また、個人的には外部ディスプレイとして使える点も嬉しいです。外出先や寝室ではタブレットとして使い、部屋ではメインPCの外部ディスプレイとして使えます。

ペンも描きやすかったですが、従来のワコムAESと比べて劇的に変わったかといえばそうでもなく、若干描きやすくなったかな程度に感じました。ただ、プロ絵師さんが使うと、評価は変わってくるのかもしれません。

全体的によく仕上がっている製品だと思いますが、タブレットとしては、バッテリー駆動時間がやや短めかなと思います。午前中のみ、もしくは午後のみバッテリーが持てば十分という方に適していると思います。あとは、PowerDelivery対応のThunderbolt4ポートがあるので、PD充電器を使って、バッテリーが無くなりそうになったら、カフェなどで充電するといいでしょう。

 

1台あると超便利! 

FMV LOOX WL1/G

特徴

  • 世界最薄・最軽量の13.3インチWindowsタブレット
  • 有機EL搭載
  • ペン対応
  • 外部ディスプレイとしても使える

こんなあなたに

  • タブレットとして、PCとして、マルチに使いたい方
  • ペン入力もする方
  • 価格14万円台[税込]~
公式サイトはこちら

 

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