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富士通 ESPRIMO WF-G/E3の実機レビュー

更新日:2020年10月28日
CPU Ryzen 7 4700U
GPU Radeon RX5300M
メモリ 8~32GB
ストレージ PCIe SSD /
PCIe SSD + HDD
液晶サイズ 23.8型
液晶種類 4K 非光沢
価格[税込] 16万円台~
11月中旬発売予定
入門クリエイターに適した液晶一体型PC

ESPRIMO WF-G/E3は、4K液晶と、少し高めのスペック構成で、エントリークラスのクリエイターに適した一体型デスクトップPCです。

4K液晶は、高解像度、かつ当サイト計測でsRGBカバー率100%の広色域なので、写真や動画の編集作業などを含む、クリエイティブな作業に適しています。

AMDのノートPC用プロセッサーとGPUを搭載し、少し高めの処理性能でありつつも、価格が抑えられてるのもポイントです。また、ソフトもある程度揃っており、このPCだけでパソコンでのクリエイティブな作業を始めることも可能です。

プロ向けではありませんが、趣味レベルだけどパソコンで色々やってみたい方に合った機種だと思います。

2020年11月中旬ごろ発売予定です。

公式サイトはこちら

 

今回使用しているレビュー機は、メーカーからお借りした試作機です。そのため、ベンチマークなどは計測しておりません。

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目次

お忙しい方は、「ESPRIMO WF-G/E3の特徴」のみお読みください。

 

ESPRIMO WF-G/E3の特徴

クリエイター向けオールインワンPC

ESPRIMO WF-G/E3は、クリエイター向けのオールインワン型デスクトップPCです。

広色域の4K液晶を搭載し、クリエイティブな作業を快適にこなせる性能を持ち、画像・動画編集ソフトがプレインストールされている点が特徴となっています。

本格的なプロのクリエイター向けという訳ではなく、一般的なPCでは物足りなさを感じている方や、これから趣味レベルのクリエイティブワークの幅を広げていきたい方にちょうどいい、エントリークラスのクリエイター向けオールインワン型デスクトップPCです。

クリエイティブな作業に使えるオールインワン型PC

 

広色域の4K液晶搭載

ESPRIMO WF-G/E3は、4K IPS液晶を搭載しています。サイズは23.8型なので、ノートPCよりも広く、作業がしやすいです。高解像度の写真や、4K動画を鮮やかに表示することができます。また、視野角が広く、非光沢表面なので映り込みが少ないので、見やすく、作業に集中しやすいです。

当サイトの計測では、sRGBカバー率100%と色域が広く、ファミリームービーや、ウェブコンテンツなの画像・映像の編集作業に適したディスプレイです。

広色域の4K液晶搭載

 

AMD製のプロセッサーとGPUを搭載

ESPRIMO WF-G/E3は、プロセッサーにAMD Ryzen 7 4700U、外部グラフィックスにAMD Radeon RX 5300Mを搭載しています。どちらもノートPC用なので、デスクトップ用のプロセッサーやGPUほどの性能ではありません。

それでも、決して処理性能が低いわけではなく、エントリークラスのクリエイター向けPCとしては十分な処理性能を備えてます。ライトにゲームもできるレベルではあります。

ノートPCよりも筐体にゆとりがあり、放熱性に優れている分、プロセッサーとGPUの性能を十分に発揮できるのではないかと思います。また、このようにAMD製のプロセッサーとGPUを採用することで、処理性能の割に、価格がやや抑えられるというメリットもあります。

 

クリエイティブな作業がすぐ行える環境

ESPRIMO WF-G/E3は、クリエイティブな作業に対応できるハードウェアを備えているだけでなく、下の画像に表されるソフトなどがプレインストールされており、別途ソフトを購入しなくても、写真・画像の編集や、イラスト・アート作品の作成などを行えます。

また、ワコム製のペンタブレットの動作確認が行われており、ペンタブレットをつなげばすぐにペンでのドローイングなども行うことができます。

さらに、プロのクリエイターも使用する、Adobe Photoshop、Lightroom、Premiere Pro、Acrobat Pro DCといったソフトを使いたい場合は、FMV専用サイトからダウンロードすることで、1か月無料で体験することもできます。

プレインストールされているソフト(一部のみを紹介)

 

省スペースで設置しやすい

ESPRIMO WF-G/E3は、下の写真のように、横幅が狭いので、省スペースで設置しやすいです。

ノートPCよりも大画面で作業がしやすく、セパレート型のデスクトップPCよりも狭いスペースにも配置できるのも特徴の1つです。

省スペースで設置しやすい

 

デュアルストレージも選択可能

ESPRIMO WF-G/E3は、PCIe SSD + HDDのデュアルストレージを選択できます。最大では、1TB PCIe SSD + 2TB HDDの大容量ストレージ構成が可能です。高解像度の写真や、動画などをしっかり保存することができます。

 

顔認証でのログインが可能

ESPRIMO WF-G/E3は、Windows Hello対応のウェブカメラを搭載しており、顔認証でのWindowsへのログインが可能です。デスクトップPCですが、簡単にログインでき、日常的に使う場合、とても便利だと思います。

顔認証でログイン可能

 

TVチューナー・HDMI入力は非対応

ESPRIMO WF-G/E3のような一体型のボードPCでは、TVチューナーを搭載可能で、テレビ兼PCとして使用できる場合が多いですが、ESPRIMO WF-G/E3は、TVチューナーは選択できません。

また、HDMI入力にも対応していないので、Blu-rayレコーダーや、ゲーム機などを接続して4Kディスプレイとして使用することもできません。

 

兄弟機種との比較

ESPRIMO WF-G/E3と基本的に同じボディを採用した、FHシリーズの兄弟機種と比較を行いました。異なっている部分を中心にして、下表にまとめています。

比較してみると、ESPRIMO WF-G/E3は、やはりクリエイティブな用途に特化した構成となっています。なお、価格は割引クーポン適用前の価格なので、実売価格はもう少し安くなると思います。

一般的な用途のPCとしてであれば、AMDモデルのWFB/E3は処理性能が高い割に、価格はリーズナブルですし、ゲーム機などを接続してディスプレイとしても使用できます。

テレビも見たい場合は、インテルモデルのWF1/E3一択となります。こちらも、最新の第11世代Coreプロセッサーを搭載しておりおすすめです。

同じシリーズでもモデルによって、出来ることが大きく異なるので、使用目的を考えて、適したモデルを選択してください。

FHシリーズのラインナップの比較
  [本機器]
WF-G/E3
[AMDモデル]
WFB/E3
[インテルモデル]
WF1/E3
CPU Ryzen 7 4700U Ryzen 7 4700U
Ryzen 5 4500U
Core i7-1165G7
GPU RX 5300M Radeon
(CPU内蔵)
Iris Xe
(CPU内蔵)
液晶種類 4K FHD FHD
HDMI入力 ×
TVチューナー × × 選択可能
光学ドライブ なし あり あり
カラー ブラック ブラック
ホワイト
ブラック
ホワイト
価格[税込] 219,780円~
(11月発売予定)
133,471円~ 166,438円~

 

液晶ディスプレイのチェック

ESPRIMO WF-G/E3のディスプレイのチェックです。

4Kの高解像度で、視野角も広く、色域も広いです。最大輝度は、当サイトの計測では394cd/m2と高めです。 Webコンテンツの作成に適した液晶だと思います。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

色域は広めです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は100%、Adobe RGBカバー率は78.6%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、どの色も概ね揃っており、自然な発色となっています。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

画素形状です。ギラつきはあまり感じません。

画面拡大

非光沢液晶なので、映り込みは抑えられています。

画面への映り込み

輝度を下げるとPWM調光によるフリッカーが発生していました。長時間作業をすると、体質によっては目が疲れやすく感じるかもしれません。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびマウスのチェック

キーボードとマウスのチェックです。

メーカー仕様表にある通り、キーピッチが約19.0mmのフルサイズキーボードです。キーストロークは約3.0mmと深めで、しっかりとした打鍵感があり、打ちやすいです。また、テンキーも搭載されており、数字も打ちやすいです。

キーの拡大図からも分かるように、各キーのサイドはプリズムクリアとなっています。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

下の画像のような、電池式のホイールマウスが付属しています。

付属マウス

 

パフォーマンスのチェック

ESPRIMO WF-G/E3のパフォーマンスのチェックです。

ただし、今回使用しているレビュー機は、メーカーからお借りした試作機であるため、ベンチマークなどは計測しておりません。そのため、他のPCで計測した代表的なベンチマークスコアをご紹介します。

CPU

本製品は、Ryzen 7 4700Uを搭載しています。

最新の第11世代Core i7-1165G7や、6コアのCore i7-10710Uを超え、Core i7-10750Hに迫るCPU性能を示しており、一般的なノートPCに搭載されるプロセッサーとしては、かなり高めの処理性能を備えています。

ただし、デスクトップ用プロセッサーと比較すると、そこまで高い処理性能ではありません。

デスクトップPC並みの処理性能を求めている方には適していませんが、標準的なクリエイター向けノートPCと同程度の処理性能は備えていると考えてよさそうです。

CPU性能の比較 ~ CINEBENCH R20 マルチコア ~
Ryzen 7 3700X
[デスクトップPC用]
4922
Core i7-10700
[デスクトップPC用]
4777
Core i9-9900K
[デスクトップPC用]
4323
Ryzen 9 4900HS 4250
Ryzen 7 4800H 3944
Core i9-10980HK 3860
Core i7-9700K
[デスクトップPC用]
3731
Ryzen 5 3600X
[デスクトップPC用]
3558
Core i7-10875H 3557
Ryzen 5 3600
[デスクトップPC用]
3436
Ryzen 5 4600H 3260
Core i5-10400F
[デスクトップPC用]
3197
Core i7-10750H 2965
Ryzen 7 4700U 2908
Core i7-10710U 2211
Ryzen 5 4500U 2180
Core i5-10300H 2113
Core i7-1165G7 1839
Core i7-1065G7 1484
Core i5-1035G1 1424
 :本製品で選択できるプロセッサー
※スコアはいずれも他のPCで計測した代表値

 

グラフィックス

グラフィックスには、AMD Radeon RX 5300Mを搭載しています。VRAMは3GBで、こちらもノートPC用の外部グラフィックスとなります。

ベンチマークのスコアでは、エントリークラスのゲーミングPCが搭載するGeForce GTX 1650と同程度の処理性能となっています。本格的な動画編集やゲームには向きませんが、ライトにゲームを楽しんだり、複雑なものでなければ4K動画の編集をしたりすることができるでしょう。

グラフィックス性能の目安
~ 3DMark Time Spy - Graphics score ~
RTX 2080Ti
[デスクトップPC用]
12388
RTX 2080
[デスクトップPC用]
10674
RTX 2080 9456
RTX 2070
[デスクトップPC用]
8605
RTX 2080 Max-Q 8068
RTX 2070 7778
RTX 2060
[デスクトップPC用]
7417
RTX 2070 Max-Q 7216
RTX 2060 5821
GTX 1660Ti 5708
GTX 1660Ti Max-Q 5030
Radeon RX 5500M 4129
GTX 1650Ti 3700
Radeon RX 5300M 3566
GTX 1650 3523
GTX 1050Ti 2201
GTX 1050 1689
 :本製品で選択できるプロセッサー
※スコアはいずれも他のPCで計測した代表値

 

外観のチェック

外観の画像を掲載します。

ボディカラーはブラックです。デザイン性も高く、人目が付く場所に置いても、恥ずかしくありません。

 

スタンドは、きれいな曲線を描いており、見た目もいいです。

 

白枠で囲っている部分にステレオスピーカーを搭載しています。音は、ややこもった感じがしました。ノートPC基準で点数をつけると、10点満点で5~6点の音質です(普通が5点で、筆者の独断の評価です)。

 

本体を最も立てた状態です。

 

本体を最も倒した状態です。角度調整の幅はそれほど広くありません。

 

背面です。背面中央のカバーを外すと、簡単にメモリにアクセスできます。自己責任とはなりますが、メモリの換装はしやすいです。

 

インターフェイスは下の写真のとおりです。

背面にLANポート、HDMI出力、USB 3.2 x2、右側面にSDカードリーダー、USB 3.2、USB-C(映像出力非対応)を備えています。右側面のインターフェイスがやや奥まった位置にあるので、USBやSDカードなどの抜き差しがしにくいです。

左側面には、ポート類は配置されていません。

 

電源スイッチは、右上部に配置されています。なお、キーボードにも電源ボタンがあります。

 

ACアダプターは170Wで、やや大きめです。

 

まとめ

以上が、富士通 ESPRIMO WF-G/E3のレビューです。

広色域の4K液晶、Ryzen 7 4700U、Radeon RX 5300Mという、少し高めの構成が特徴です。プリインストールされているソフトも多く、これから画像・動画編集を含むクリエイティブな作業をやってみたい、という方に特に適した機種だと思います。

ハードウェア的には少し性能高めのノートPCレベルなので、プロのクリエイター向けという訳ではありません。それでも、画面が大きくて作業がしやすく、省スペースで設置できるのもメリットとなっています。また、デザイン性も高いです。

ただ、ポート類の抜き差しがしにくいことと、TVチューナーを選択できず、HDMI入力もないのがやや残念な部分です。

入門クリエイター向け一体型デスクトップPC

ESPRIMO WF-G/E3

特徴

  • sRGBカバー率100%の広色域4K液晶搭載
  • AMDで固めたプロセッサーとGPU
  • 豊富なソフト類

こんなあなたに

  • 写真や動画の編集などを始めたい方
  • テレビチューナーやHDMI入力は不要な方
公式サイトはこちら

 

 

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