富士通 LIFEBOOK WAB/D1の実機レビュー

更新日:2019年5月15日
CPU Ryzen 3-2300U
Ryzen 7-2700U
メモリ 4GB / 8GB
ストレージ HDD / SSD
光学ドライブ DVDスーパーマルチ
/ ブルーレイ
液晶サイズ 15.6型
液晶種類 HD / FHD 光沢
質量 約2.3kg
バッテリー 約8.6~8.9時間
価格[税別] 9万円台~
コスパが比較的高く、キーボードも打ちやすい富士通PC

LIFEBOOK WAB/D1は、Ryzenプロセッサーを搭載することでコスパが高くなっており、しかも、初心者も安心できる富士通製のノートPCです。

おすすめは、Ryzen 7搭載モデルで、Core i7、GeForce MX150相当の性能を持っています。

Ryzen 7 を選択すると、液晶はフルHDになり、視野角も良く見やすい液晶になります。

また、キーボードの配列が理想的で、キー自体も押しやすく、非常にタイピングしやすいのも大きな特徴です。仕事を早く終わらせることができます。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Ryzen 7-2700U、8GBメモリ、約256GB SATA SSD、FHD液晶

目次

お忙しい方は、「LIFEBOOK WAB/D1の特徴」のみお読みください。

 

LIFEBOOK WAB/D1の特徴

充実のマニュアル、最大5年保証の富士通製PC

多くの海外メーカーのパソコンはコストパフォーマンスが高いですが、紙のマニュアル類がほとんど入っていなかったり、電話対応が外国人であったりするケースがあり、初心者向きとは言えません。

一方、富士通のパソコンは、充実した紙のマニュアルが同梱し、もちろん電話対応は日本人です。また、カスタムメイドモデルなら、会員登録をするだけで3年間の無償メーカー保証が付帯されます。さらに最大で5年のメーカー保証が約1万円(価格は変わる可能性があります)で追加できます。初心者でも安心して購入することができるでしょう。

最大5年の延長保証

 

キーボードが打ちやすい

LIFEBOOK WAB/D1は、タイピングしやすいキーボードを搭載しています。キー配列は素直ですし、キー自体も押しやすく、また下図のように指によってキーの重さが異なるようになっています。例えば、力の弱い小指で打つキーは、軽い力で反応するようになっています。

指によって重さが異なる3段階押下圧

 

光学ドライブを搭載

最近は、光学ドライブを搭載していない15.6型ノートが増えてきましたが、LIFEBOOK WAB/D1は光学ドライブを搭載しています。ネット配信が盛んになったことで、光学ドライブが必要なシーンは少なくなってきましたが、レンタル店でCDなどを借りることがある方は、あると便利だと思います。

光学ドライブを搭載

 

天板を好きなデザインへ変更できる

LIFEBOOK WAB/D1は、天板を好きなデザインへ変更することができます。個人であれば自分の大好きなペット、家族などを、企業であればコーポレートロゴなどを天板に印刷することが可能です。

ただし、著作権などを侵害するようなもの(アニメのキャラクターなど)の印刷はできないようです。

デザイン例

 

AMDプロセッサー搭載で富士通にしては価格が安い

初心者に優しい富士通のパソコンですが、外資メーカーに比べると価格が高いです。しかし、今回レビューしているLIFEBOOK WAB/D1は、AMDプロセッサーを搭載することで、税込みで10万円台(税抜きで9万円台)から購入することが可能になっています。

Ryzen 7、8GBメモリ、約256GB SSD、FHD液晶といった筆者のおすすめの構成だと、税込みで13万円台(税抜きで12万円台)となります。Ryzen 7は、当サイトでベンチマークを計測してみたところ、「Core i7、GeForce MX150」と同等程度の性能でした。「Core i7、GeForce MX150」構成の海外メーカーのノートPCと比べると、まだ若干高いかなと感じますが、かなり価格差は小さいです。上で挙げたようなメリットも考慮すると、十分価値の高い製品だと思います。

AMDプロセッサーを搭載し比較的安い

 

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイの詳細なチェックです。

本製品は、Ryzen 3を選択するとHD液晶が、Ryzen 7を搭載するとFHD液晶が搭載されます。

今回は、FHD液晶の特性について記載します。

最大輝度は、当サイトの計測では270cd/m2で、普通です。

光沢液晶である点は好みが分かれますが、視野角は広いので比較的見やすいと思います。詳細は以下のタブをクリックして下さい。

  • 視野角
  • RGB
    発色特性
  • 色域
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、明部になるにつれやや青色が強調されているのが分かりますが、わずかですのでほとんど気になりません。比較的自然な発色だと思います。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

色域はやや狭いです。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

画素形状です。ギラつきはありません。

画面拡大

光沢液晶なので、映り込みがあります。

画面への映り込み

フリッカー(ちらつき)は発生していません。

フリッカーのテスト
※カメラのシャッタースピードを1/800秒にして撮影したときの画面

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

LIFEBOOK WAB/D1のキーボードとタッチパッドのチェックです。

キーピッチは約18.4x18.4mmと標準的です。テンキーのキーピッチも同じなので打ちやすいです。キーストロークは約2.5mmもあり、最近のノートPCの中では深く、十分な打鍵感を得られます。キー配列も理想的です。また前述したように、キーによって重さが変わります。

タッチパッドの指の動かしやすさは普通です。クリックボタンは独立していますがやや固いです。

キーボード全体図
キーの拡大図

パフォーマンスのチェック

LIFEBOOK WAB/D1のパフォーマンスのチェックです。

CPU

CPUには、Ryzen7-2700Uを搭載しており、ベンチマークスコアを見ると、Core i7-8565Uとほぼ同等です。一般ユーザーであれば十分な性能です。

CPU性能
~ CINEBENCH R15 ~
Ryzen7-2700U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i7-8750H 1100
Core i5-8300H 830
Ryzen7-2700U
[レビュー機で計測]
632
Core i7-8565U 602
Core i5-8265U 542
Core i3-8145U 340
Celeron N4100 229
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です

 

グラフィックス

グラフィックスは、3DMark Cloud Gateのスコアを見ると、GeForce MX150と同じ性能です。アプリのGPU支援機能がRadeonに対応していれば、処理が高速化することもあります。ただ、Radeonには対応していないケースも多いです。また、グラフィックメモリが1GBしかないため、ゲームには向かないかなとも思います。

グラフィックス性能
~ 3DMark Cloud Gate ~
Radeon RX Vega 10 Graphics
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GTX 1060 80337
GTX 1050Ti 47000
GeForce MX 150 20470
Radeon RX Vega 10
[レビュー機で計測]
18985
Intel UHD 620 11808
※緑色のバーが、本製品で選べるグラフィックスです
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です

 

ストレージ

ストレージは、HDDまたはSATA SSDを搭載できます。体感速度が全然違うため、できればSSDを搭載するようおすすめします。

ストレージ性能
~ CrystalDiskMark ~
約256GB SATA SSD
他のストレージとの比較(Seq Q32T1 Read [MB/s] )
高速PCIe SSD 1500~3500
SATA SSD
[レビュー機で計測]
418
HDD 135
※緑色のバーが、本製品で選べるストレージです
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です

 

その他のベンチマークスコア

以下、その他のベンチマーク結果を掲載します。

  • TMPGEnc
  • CINEBENCH
    R20
  • Passmark
    9.0
  • CrystalDisk 6
    (SDカード)
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるエンコード時間
  エンコード時間
x265でエンコード (※1) 31分16秒
VCEでエンコード (※2) 2分21秒
NVENCでエンコード (※3)
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 AMD APU内蔵のハードウェアエンコーダー(AMD Media SDK)
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
x265でのエンコード時間
Core i7-8700 12分27秒
Core i7-8750H 16分40秒
Core i7-8565U 31分03秒
Ryzen7-2700U
[レビュー機で計測]
31分16秒
Core i5-8265U 32分07秒
Core i3-8130U 45分24秒
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
CINEBENCH R20
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen7-2700U
PassMark Performance Test 9.0
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen7-2700U
CrystalDiskMark 6(SDカード)
~ SDカードスロット性能の評価 ~

SDカードスロットの速度は速いです。

最大280MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

質量のチェック

質量のチェックです。

当サイトで計測した質量は次の通りです。PC本体は普通の質量です。ACアダプターは15.6型ノートとしてはやや軽いかなと思います。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 2.171kg
ACアダプター 242g

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間チェックです。

バッテリーに書かれた容量を確認すると、45Whと普通の容量でした。バッテリー駆動時間も普通です。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
JEITA 2.0 測定方法 ※1 約8.6~8.9時間
動画再生時 ※2 4時間37分
PCMark 8 Work テスト ※3
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
※1 メーカー公表値
※2 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※3 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行

 

 


 

 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

普通の騒音値です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:動画再生時(解像度:720x480で実行)
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

普通の温度です。

各パーツの温度
測定環境:室内温度 約26℃、 測定ソフト:HWMonitor
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

高めの負荷をかけても、表面温度はそれほど上がらず比較的快適に使えます。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

やや低めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

外観のチェック

LIFEBOOK WAB/D1の外観のチェックです。

狭額ベゼルの液晶ではありません。パームレスト部分はマットな質感で、指紋などが目立ちにくく実用的です。

 

天板は光沢です。前述したように、オプションで自分の好きな天板にカスタマイズできます。

 

スピーカーはキーボードの上部に配置されており、音質は普通です。ノートPC基準で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

 

インターフェースは、充実しています。光学ドライブ、フルサイズのSDカードスロット、USB Type-C、LANなどがあります。

 

液晶が開く最大の角度です。このくらい開けば、実用上は十分でしょう。

 

底面です。

 

上部のカバーはネジを1つ外すだけで開けることができ、メモリの換装が簡単にできます。

 

ACアダプターは普通のサイズです。電源ケーブルは細いです。

 

まとめ

LIFEBOOK WAB/D1のまとめです。

Ryzenプロセッサーを搭載しており、Ryzen 7なら、Core i7、GeForce MX150相当の性能です。

Ryzen 7選択時はフルHD液晶が搭載されます。さらにカスタマイズでSSDを搭載すればかなり快適に使用できると思います。

海外メーカーのCore i7、GeForce MX150搭載PCと比べたらまだ高いとは思いますが、それでもその差はわずかで、マニュアルや保証の手厚い富士通のメーカーであることを考慮すれば、十分"買い"の製品ではないかと思います。

さらに、キーボードが打ちやすいのも大きな特徴です。仕事がはかどると思います。

個人的には、液晶が非光沢であれば嬉しかったです。

コスパが高くキーボードも打ちやすいノートPC

富士通 LIFEBOOK WAB/D1

特徴

  • Ryzenプロセッサー搭載で富士通にしては安い
  • キーボードが打ちやすい
  • マニュアルがしっかりしていて、保証も手厚い

こんなあなたに

  • 安心できるメーカーのPCが欲しい方
  • タイピングすることが多い方
公式サイトはこちら

 

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