EPSON Direct Endeavor Pro5000 の実機レビュー(2)

更新日:2011年7月20日
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  目次  

静音性のチェック

次は、本機の動作音の静かさ(静音性)のチェック結果です。

テストは下記の3つの状態のときに、騒音値を測定しました。

(1)アイドル時
(2)バイオハザード5ベンチマーク実行時(解像度:1280x720、テストA)
(3)TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時(x264、解像度1280x720でエンコード)

テストの結果は、Radeon HD 6970を搭載していることもあり、全体的に動作音は大きいです。

計測した騒音値は次の図の通りです。私の部屋を極力無音にしても40.4dBあり、この値を基準にすると(1)で+6.3dB、(2)で+7.7dB、(3)で+6.8dBでした。

また、バイオハザード5程度の負荷では、GPUの処理能力に余裕があるので、ファイナルファンタジー XIVのベンチマークテストをHIGH:1920x1080で実行してみたところ、騒音値は最大で+17.5dB(騒音値は57.9dB)にもなりました。

尚、無反響室で測定したわけではないので、騒音値は正確な値ではありません。値は参考程度にしてください。


Endeavor Pro5000の騒音値

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

テストの結果は、バイオハザード5実行時はGPUの温度が高くなり、エンコード時はCPUの温度が高くなります。ただし、他のPCと比べて温度は変わらないです。標準的だと思います。

Endeavor Pro5000 の内部温度。HWMonitorで測定

消費電力のチェック

Core i7-2600、Radeon HD 6970搭載の本機の消費電力をチェックしました。

テストの結果は、高性能なGPU、CPUを搭載しているだけあって消費電力は高めです。尚、ファイナルファンタジー XIVベンチマークを実行したときの消費電力は約300Wでした。


Endeavor Pro5000の消費電力。各状態においてワットチェッカーで測定

外観をチェック

Endeavor Pro5000の外観です。


フロントにUSB3.0ポートが搭載されている点が嬉しいです。

 

本体下部は、給気口になっており、ハードディスクを冷やします。

 

 

本体の上部には、小物を置けるように凹みがあります。また取っ手がついており、持ち運びが便利です。本機は重いので、この取っ手は助かります。

 

背面と側面です(下図)。

最近では珍しくパラレルポートが搭載されています。業務などで古いプリンタを使わなければならないときなど便利です。シリアルポートが搭載されている点も珍しく、モデムや企業用L2/L3スイッチ、特殊な機器などの接続も可能です。また、PS/2ポートも搭載されているため、PS/2用キーボードやマウスを現在お使いの場合でも、そのまま流用することが可能です。

また、こういったレガシーインターフェイスだけでなく、USB3.0のような最新インターフェイスも搭載しており、新・旧、様々な外付け機器を接続することが可能です。

 

ケースの内部とエアフローのチェック

Endeavor Pro5000のケース内部です。PCI/PCI Express カードを固定するボードロックブラケットが搭載されているため、大きくて重いグラフィックカードを搭載しても安心です。

エアフローは、背面の排気ファンによって作られます。オーソドックスなタイプです。

 

背面側の内部の画像です。

 

前面側の内部の画像です。

 

PCI系のスロットは沢山あります。PCI Express だけでなく、PCIスロットも搭載しているため、どうしてもPCIカードで接続しなければならない機器を所持している場合にも対応できます。

PCI Express x4スロットもあるので、ここにPCI Express x4接続のSSDを搭載するのも面白いと思います。

パーツの選び方

ここでは、2011/7/17の時点で選択できるパーツの選び方を考察します。ただし、時期が経つと選択できるパーツは異なります。

CPU

Endeavor Pro5000は、ローエンドからハイエンドのCPUを選択可能です。CPUは変更しづらいパーツですし、Endeavor Pro5000のようなハイエンドモデルのPCを買うなら、中途半端なことはせずCore i7-2600が良いと思います。Core i7-2600は、Core i5と価格差はそれほどありませんが、性能差は大きいです。

2011/7/17時点で選択可能なCPU
仕様 Core i7-2600 Core i5-2500 Core i5-2400 Core i3-2100
コア数 4 4 4 2
スレッド数 8 4 4 4
動作周波数 3.4GHz 3.3GHz 3.1GHz 3.1GHz
Turbo Boost時周波数 3.8GHz 3.7GHz 3.4GHz
キャッシュ 8MB 6MB 6MB 3MB
消費電力 95W 95W 95W 65W
PassMark CPU ベンチ 8,909 6,493 6,041 3,830
※ベンチの値は日々更新されています

グラフィックス

グラフィックスも、ローエンドなものからハイエンドなものまで幅広く搭載可能です。

下記の表ではGeForce、RadeonのGPUのみ掲載していますが、このほかにもQuadro 2000などの3D制作者向けGPUを搭載することも可能です。

ゲームをするなら、GTX 580、GTX480、Radeon HD 6970あたりが良いです。動画編集をするなら、対応しているソフトが多いGeForce系のGPUがいいです。動画再生程度しかしないなら、GTS 450で十分です。

2011/7/17時点で選択可能なグラフィックカード
仕様 GeForce
GTX 580
Radeon
HD 6970
GeForce
GTX 480
GeForce
GTX 460
GeForce
GTS 450
Radeon
HD 5450
シェーダープロセッサ数 512基 1536基 480基 336基 192基 48基
グラフィッククロック 772MHz 880MHz 700MHz 675MHz 783MHz 625MHz
メモリ 1536MB
GDDR5
2GB
GDDR5
1536MB
GDDR5
1GB
GDDR5
1GB
GDDR5
512MB
DDR3
メモリインターフェイス 384bit 256bit 384bit 256bit 128bit 128bit
対応DirectX 11.0 11.0 11.0 11.0 11.0 10.1
PassMark GPU ベンチ 3,861 3,142 3,530 2,354 1,441 314
※メーカーHPにはメモリの仕様以外は書かれていないため、他の仕様は異なる可能性があります

まとめ

以上が、EPSON Direct Endeavor Pro5000 のレビューでした。

ネジなど取り外さなくても、パーツ交換や、内部の掃除ができるツールフリー構造を採用しメンテナンス性が高いPCです。

性能面は申し分なく、ハイエンドのCPU、GPUを搭載可能です。またローエンドのCPU、GPUを搭載することも可能なので、用途によって柔軟に構成を組むことが可能です。

サポートに定評のあるEPSON Directの5年保守サービスも魅力です。

ただ、高性能GPUなどを搭載することの多い本機は、動作音が大きくなるので、その点は妥協してください。

価格は、他社よりも高くなることが多いですが、高い品質のパソコンとサポートを重視するなら、本機は良い選択でしょう。

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Endeavor Pro5000