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ドスパラ Altair VH-AD3Sの実機レビュー
CPU | Celeron N3350 |
---|---|
メモリ | 4GB |
ストレージ | 64GB eMMC |
液晶サイズ | 14.1型 |
液晶種類 | FHD 広視野角 非光沢 |
質量 | 1.37kg |
バッテリー | 約8.8時間(38Wh) |
価格[税別] | 29,980円 |
約3万円で広視野角フルHD液晶を搭載
ドスパラ Altair VH-AD3Sは、約3万円(税別)と低価格でありながら、見やすい液晶を搭載したノートパソコンです。
この価格帯のPCは、視野角の悪い(斜めから見ると色が変わる)HD(1366x768)の液晶を搭載していることが多いですが、本製品は視野角の良いフルHD(1920x1080)を搭載しており、Web閲覧やオフィスソフトの使用などがやりやすいです。
質量も1.37kgと比較的軽く、外出先へ持ち運んで使うことも可能です。
CPU性能が良くないため、多くのユーザーにおすすめできる製品ではありません。しかし、用途を限定した使い方であれば、使える製品だと思います。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Celeron N3350、4GBメモリ、64GB eMMC
目次
お忙しい方は、「Altair VH-AD3Sの特徴」のみお読みください。
Altair VH-AD3Sの特徴
29,980円と低価格
Altair VH-AD3Sは、29,980円と価格が非常に安い点が大きな特徴です。
安くても液晶は見やすい
29,980円と安いPCは、HD(1366x768)のTNパネルが搭載されることが多いですが、本製品はフルHD(1920x1080)の広視野角パネルが搭載されています。
フリッカーを感じる点や、色域が広くないという欠点はありますが、Web閲覧やYouTubeを観る程度なら、十分な性能の液晶で、この価格帯のPCの中では見やすい画面だと思います。
M.2 SSDを増設可能
Altair VH-AD3Sは、ネジを2つ外して小さなカバーを外すだけで、M.2 SSDを増設できます。標準では64GBの容量しかないので、ストレージを簡単に増設できるのは嬉しいです。
端に触るとわずかに痛い
Altair VH-AD3Sの側面はダイヤモンドカットされていて美しい見た目ですが、ここの端がやや尖っていて、手の平を置くと、触ると少し痛いです。ただ、幸いタッチパッドは広めなので、タイピング中に手の平が端に乗ることはありません。
CPUは低性能
本製品は、Celeron N3350を搭載しており、CPU性能は良くありません。Passmarkのベンチマークでは、過去に19,800円で販売されていたドンキのMUGAストイックPCのAtom x5-Z8350よりも劣ります。実際に使ってみても、動作はややもっさりしています。
例えば、YouTubeを再生(480p)すると、CPU使用率はしばらく100%が続き、その後落ち着いても40%以上で推移しています。YouTubeを観ながら、他の作業をしようとすると、かなりモッサリ感があります。
ただ、電源ボタンを押してから、デスクトップ画面が表示されるまでの時間は約40秒と、こちらは我慢できないほどではないです。
用途を限定して、できるだけ他の作業をしなければ、使用できないこともないです。このCPUの性能を理解していて、「Web閲覧用」や「動画鑑賞用」、「何かのクライアント端末」などと限定した使い方をするならアリだと思います。ただし、PCで色々なことをしてみたい方には適しません。
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイの詳細なチェックです。
視野角は広いです。
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、色が大きくズレているわけではなく、比較的見やすいと思います。
色域は狭いです。
画素形状です。ギラつきはそれほど感じません。
非光沢液晶ですので、映り込みは低減されています。
肉眼ではほぼ気づかないですが、フリッカー(ちらつき)が発生しています。長時間使っているとやや眼が疲れたりするかもしれません。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18.5mmと十分な間隔です。キーストロークは約2mmとこちらも十分な深さです。押しやすさは普通です。
ただ、キー配列はやや特殊です。まず、Enterキーが英語キーボードのように横長で、縦方向の長さが無いので、このキーの上側を打つ方は押し間違える可能性があります。また、「む(閉じ括弧など)」や「ろ(アンダーバー、円マーク)」も通常とは異なる位置にあります。
また、電源ボタンが右上にあり、「Delete」キーを打つときに間違ってこのボタンを押してしまう可能性もあります。
タッチパッドについては、ややクリックボタンが硬いですが、普通の操作感だと思います。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
CPU性能はかなり低いです。
~ CINEBENCH R15 マルチコア ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
グラフィックス性能も良くありません。
~ 3D Mark Time Spy - Graphics score ~
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
※RTXシリーズは、デスクトップPCで計測したスコアです
ストレージ
ストレージにはeMMC を搭載しています。シーケンシャルアクセスはHDD並みですが、ランダムアクセスに関してはHDDより速いです。ただし、SSDほど速くはありません。
ドスパラ Altair VH-AD3Sで計測したベンチマーク
以下、レビュー機で計測したベンチマーク結果を掲載します。
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトには「約1.37kg」とあり、当サイトによる計測値もほぼ同じです。
質量 | |
PC本体 | 1.373kg |
ACアダプター | 276g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
本機のバッテリー容量は38Whです。当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。Celeron N3350の場合、低めの負荷も高めの負荷も、大きく消費電力が変わることは無いので、どんな作業をしていても、このくらいの時間になると思います。
駆動時間 | |
動画再生時 ※1 | 5時間24分 |
PCMark 8 Work テスト ※2 | 5時間19分 |
※1 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
ファンレスですので無音です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
普通の温度です。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
エンコード時はパームレストが暖かく感じますが、それ以外は問題ありません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
やや低めの消費電力です。
外観のチェック
Altair VH-AD3Sの外観のチェックです。
メタリックな質感のボディで安っぽくは見えません。タッチパッドが黒くなっている点が斬新です。
スピーカーはキーボードの上部あたりにあります。音質はやや悪いです。ノートPC基準で、10点満点で採点すると4点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
天板です。何もロゴが入っていないので、好きなステッカーを貼りやすいと思います。
電源ボタンは、キーボードの一部になっています。
インターフェースです。USB Type-Cポートはありません。HDMIは、microHDMIポートとなります。
microSDカードを挿入したときの画像です。奥まで入っているので、カバンに入れたときに自然に飛び出す可能性は少ないと思います。
液晶が開く最大の角度です。
底面です。
ACアダプターは大きいです。もう少し小さいものでも良かったと思います。
ACアダプターの詳細は以下の通りで、42Wとなっています。
まとめ
以上が、Altair VH-AD3Sのレビューです。
29,980円という価格で、広視野角のフルHD液晶を搭載している点が特徴です。
CPUは、Celeron N3350を搭載しており、性能はよくありません。実際に使ってみても、動作はもっさりとしています。
「Web閲覧用」、「動画鑑賞用」など用途を限定し、さらにそれ以外の作業はしないような使い方なら、アリだと思います。逆に「色々なことをやってみたい!」といった方には適さない製品です。
29,980円で広視野角フルHD搭載のノートPC
ドスパラ Altair VH-AD3S
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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