デル Inspiron 17 3000(3780)の実機レビュー

更新日:2019年4月8日
CPU Core i5-8265U
Core i7-8565U
メモリ 8GB
ストレージ HDD
PCIe SSD + HDD
液晶サイズ 17.3型
液晶種類 FHD IPS非光沢
質量 約2.79kg
バッテリー 42Wh
価格[税込] 8万円台~
17.3型の大画面液晶を搭載したコスパの高いノートPC

Inspiron 17 3000(3780)は、17.3型の大画面液晶を搭載したノートパソコンです。

「老眼が始まってPCのパソコンが見づらくなってきたな~」とか、「ノートがいいけど大きな画面で作業したいな~」といった方に最適です。

スペックも十分ですので、一般的なユーザーが行うような作業であれば、困ることはないでしょう。

また、Core i5、SSD + HDDという構成でも9万円台で購入することができ、コストパフォーマンスは高いと思います。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。

レビュー機の構成

Core i5-8265U、Radeon 520、8GBメモリ、128GB PCIe SSD + 1TB HDD

目次

お忙しい方は、「Inspiron 17 3000(3780)」のみお読みください。

 

Inspiron 17 3000(3780)の特徴

17.3型の大画面液晶

Inspiron 17 3000(3780)は、17.3型の大画面液晶を搭載したノートパソコンです。

一般的なノートパソコンよりも文字が大きくなるので見やすくなります。特に近くのものが見えづらくなってきている40代、50代以降の方におすすめです。

IPSパネルを搭載し視野角も良く、当サイトの計測では色域も比較的広いです。ただ、若干ギラつき(画面が虹色にキラキラして見える現象)があります。

17.3型の大画面液晶

 

光学ドライブを搭載

Inspiron 17 3000(3780)は、最近では除かれることが多くなった光学ドライブを搭載しています。CDをレンタルするような方におすすめです。

光学ドライブを搭載

 

Core i5、SSD+HDDの構成で9万円台

Inspiron 17 3000(3780)は、第8世代Coreプロセッサーを搭載し処理性能は十分で、ストレージには高速なSSDを搭載することも可能です。また、Core i5-8265U、128GB M.2 PCIe SSD + 1TB HDDといった構成でも、9万円台からと比較的安い価格で購入可能です。

 

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイのチェックです。

今回搭載されていたパネルの型番は「B173HAN」となっていました。なお、必ずこのパネルが搭載されるとは限りません。

最大輝度は、当サイトの計測で、331cd/m2とやや高めです。

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

 

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線は下図のようになっています。比較的自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

 

色域は比較的広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率が92.2%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

 

画素形状です。下の画像からは分かりづらいですが、ややギラつきを感じます。気にならないユーザーも多いと思いますが、筆者はやや気になります。

画面拡大

 

非光沢液晶であるため、画面への映り込みは低減されています。

画面への映り込み

 

少し輝度を下げて(正確には覚えておらず申し訳ないですが輝度設定60%くらい)撮影した限りでは、フリッカーはありませんでした。

フリッカーのテスト
※カメラのシャッタースピードを1/800秒にして撮影したときの画面

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

他のInspironシリーズと共通化されたキーボードを搭載しています。実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18mm、キーストロークは1mm強です。もう少し、キーストロークが深ければ良かったとは思いますが、軽いタッチで、打つ方には良いかもしれません。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

一つの穴に、2つのキーが入っているところがあり、やや格好悪いです。また、「Backspace」や「Enter」の下側のキー幅が狭い点がやや気になります。ただ、普通に打てる範囲のキーボードだと思います。

キー配列

 

タッチパッドは操作しやすいです。タッチパッド一体型のクリックボタンはやや硬めです。ただ、この機種はサイズが大きく持ち運びには適さないことから、マウスを使う方がほとんどだと思うので、あまり気にしなくてもいいです。

タッチパッド

 

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

CPU

CPUは、第8世代Coreプロセッサー(Whiskey Lake-U)を搭載しています。スタンダードなCPUです。一般的な作業なら性能不足に感じることはないでしょう。動画編集やゲームには適しません。

CPU性能の目安
~ CINEBENCH R15 マルチコア ~
Core i7-8750H 1100
Core i5-8300H 830
Core i7-8565U 602
Core i5-8265U 542
同上
[レビュー機で計測]
530
Core i3-8145U 340
Core i3-8130U 313
Celeron N4100 229
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です

 

グラフィックス

Radeon 520のグラフィックスを搭載していますが、CPU内蔵のIntel UHD グラフィックス 620の性能とほぼ変わりません。そのため、このグラフィックスを搭載しても、グラフィックで消費されるメインメモリをやや抑えられる程度の効果しかありません。搭載していても、していなくても、どちらでもいいと思います。

グラフィックス性能の目安
~ 3D Mark Time Spy - Graphics score ~
GTX 1050Ti 2310
GTX 1050 1787
GeForce MX 150 1074
Radeon 520
[レビュー機で計測]
402
Intel UHD 620 380
※緑色のバーが、本製品で選べるグラフィックスです
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です

 

ストレージ

ストレージは、HDDまたは、PCIe SSD + HDDが搭載されます。HDDに比べてPCIe SSDは体感速度が大分上がるので、是非、PCIe SSD + HDDの構成をおすすめします。

ストレージ性能の目安
~ CrystalDiskMark Seq Q32T1 Read [MB/s] ~
PCIe SSD
[レビュー機で計測]
1050
SATA SSD 550
HDD
[レビュー機で計測]
130
※緑色のバーが、本製品で選べるストレージです
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です

 

レビュー機で計測したベンチマーク

以下、レビュー機で計測したベンチマーク結果を掲載します。

CINEBENCH R15
~ CPU性能の評価 ~
Core i5-8265U
CINEBENCH R20
~ CPU性能の評価 ~
Core i5-8265U
3DMark
~ グラフィックス(ゲーム向け)の評価 ~
Radeon 520
CrystalDiskMark 6(SSD)
~ 内蔵ストレージ性能の評価 ~
128GB PCIe SSD
CrystalDiskMark 6(HDD)
~ 内蔵ストレージ性能の評価 ~
1TB HDD

 

実際のソフトで計測した処理時間

次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。

TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるエンコード時間
  エンコード時間
x265でエンコード (※1) 32分58秒
NVENCでエンコード (※2)
QSVでエンコード (※3) 3分37秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
x265でのエンコード時間
Core i7-8700 12分27秒
Core i7-8750H 16分40秒
Core i7-8565U 30分10秒
Core i5-8265U
[レビュー機で計測]
32分58秒
Core i3-8130U 45分24秒
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です

 


 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時もわずかに音が聞こえます。その他の状態はやや低めの騒音値です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:動画再生時(解像度:720x480で実行)
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

エンコード時のCPU温度がやや高めです。

各パーツの温度
測定環境:室内温度 約26℃、 測定ソフト:HWMonitor
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

今回は、操作に支障のない温度です。ただし、右下にHDDが搭載されていますが、PCIe SSDを搭載しない構成だと、この部分が熱くなることが予想されます。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

やや低めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

外観のチェックをします。

いたってシンプルなデザインです。

 

パームレスト部分には、下図のような模様が入っており、写真では分かりづらいですが、やや凹凸があります。

 

天板はシルバーです。

 

スピーカーは底面に配置されています。音質は普通で、勝手に点数をつけると、10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

 

液晶が傾く最大の角度です。

 

側面は次の通りで、主要なポート類は揃っています。USB Type-Cポートはありませんが、モバイルPCではないためPowerDeliveryの必要性もあまりなく、Thunderboltを使うようなユーザー層の製品ではないため、困らないユーザーがほとんどだと思います。

 

底面もシルバーになっています。

 

底面カバーを開けたときの画像です。HDDは自分で交換できそうです。CPUとグラフィックスは、1本のヒートパイプで冷却しています。

 

メモリは2スロットあり、増設、換装もできそうです。

 

M.2 SSDも換装できると思います。

 

ACアダプターは65Wで、小型です。

 

まとめ

以上が、Inspiron 17 3000(3780)のレビューです。

17.3型の大画面液晶を搭載したノートパソコンです。ややギラつきを感じるものの、視野角・色域とも広い液晶です。

スペックは十分で、光学ドライブも搭載されており、一般ユーザーにはちょうどいいスペックかと思います。価格も比較的安いです。

17.3型液晶を搭載したノートパソコンはかなり少なく、特にエントリー向けの製品は少ないので、安い大画面ノートPCが欲しい方にはおすすめです。

 

17.3型の大画面ノート

Inspiron 17 3000(3780)

特徴

  • 17.3型の大画面液晶を搭載
  • 光学ドライブ搭載
  • SSD + HDDのダブルストレージ構成が可能
  • 比較的安い

こんなあなたに

  • 安くて大きな画面のノートPCが欲しい方
  • 価格8万円台[税別]~
  • 一言ギラつきがもったいない
公式サイトはこちら

 

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