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ASUS Vivobook Go 15の実機レビュー
CPU | Ryzen 5 7520U |
---|---|
メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB PCIe SSD |
画面サイズ | 15.6インチ |
画面種類 | FHD 液晶 非光沢 FHD 有機EL 光沢 |
質量 | 約1.63kg |
バッテリー | 42Wh / 50Wh |
価格[税込] | 7万円台~ |
ASUS Vivobook Go 15は、7万円台から購入することができる低価格ノートPCです。
ディスプレイに有機ELを搭載したモデルもあり、色鮮やかな表示が可能です。なお、こちらは8万円台となっています。
プロセッサーは、最新のRyzen 7000シリーズではありますが、Zen2世代なので、そこまで高い性能であるわけではありません。ただ、一般的なアプリであれば、十分快適に動くでしょう。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。一部部材は量産品と違う可能性があります。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 5 7520U、16GBメモリ、512GB SSD
目次
お忙しい方は、「ASUS Vivobook Go 15の特徴」のみお読みください。
製品の特徴
有機ELディスプレイ搭載モデルあり
ASUS Vivobook Go 15は、TFTカラー液晶を搭載したモデルと、有機EL(OLED)を搭載したモデルがあります。有機ELを搭載したモデルであれば、非常に色鮮な表示が可能で、写真や動画などが綺麗に見えることでしょう。
ただし、有機ELモデルは、サブピクセルがペンタイル配列であるため、小さい文字を表示すると、文字に青や赤が混じったように感じます。4KやWQHDなどの高解像度ディスプレイなら気になりませんが、15.6型の大きさでFHDくらいの解像度だと画素が目立って、筆者はやや気になります。ただ、人によってはほとんど気にならない方も多いとは思います。
また、有機ELモデルは光沢ディスプレイなので、周囲のものが映り込みます。事務仕事メインで使う方は、非光沢のTFTカラー液晶のほうが無難かもしれません。
7万円台からと安い
ASUS Vivobook Go 15は、TFTカラー液晶モデルが「7万円台~」、有機ELモデルが「8万円台」となっています。メモリも16GBと多く、ストレージも512GBと十分な容量です。この構成でこの価格は、コストパフォーマンスが高いと思います。
15.6型ノートPCとしては軽い
ASUS Vivobook Go 15は、約1.63kgと、15.6型ノートPCとしては軽いです。外へ持ち運ぶ用途には重いですが、使わないときはどこかへ収納したり、別の部屋へPCを移動して作業したりしやすいと思います。
Ryzen 7000シリーズだけど「Zen 2」世代
ASUS Vivobook Go 15は、最新のRyzen 7000シリーズのプロセッサーを搭載しています。ただ、Ryzen 7000シリーズは、複数の世代のプロセッサーが混じっており、本製品に搭載されているのは、古いZen 2世代です。
Zen 3世代やZen 4世代のプロセッサーと比較すると、処理性能は大分落ちます。ただ、それほど負荷がかかった作業をしないのであれば、ストレスなく使える十分な性能だと思います。
CPU世代 | 開発コードネーム | 製造プロセス | 末尾 | デフォルトTDP | |
Ryzen 7045シリーズ | Zen 4 | Dragon Range | 5nm | HX | 55W |
Ryzen 7040シリーズ | Zen 4 | Phoenix | 4nm | HS | 35-54W |
Ryzen 7035シリーズ | Zen 3+ | Rembrandt-R | 6nm | HS/U | 35-54W/28W |
Ryzen 7030シリーズ | Zen 3 | Barcelo-R | 7nm | U | 15W |
Ryzen 7020シリーズ | Zen 2 | Mendocino | 6nm | U | 15W |
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 問題ありません。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 有機ELディスプレイを搭載したモデルは色鮮やかな映像で動画を視聴できます。スピーカー音も比較的良いです。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | 有機ELディスプレイであれば、画像編集用途にも使えますが、プロセッサー性能がそれほど高くないので、やや遅く感じるときがあるかもしれません。 |
動画編集 | △ | 動画編集をするにはややスペック不足です。 |
ゲーム | △ | ブラウザゲームくらいならできますが、3Dゲームをするなら別のPCのほうがいいです。 |
ディスプレイのチェック
ASUS Vivobook Go 15のディスプレイのチェックです。
FHD解像度のディスプレイを搭載しています。前述した通り、TFTカラー液晶モデルと、有機ELモデルがありますが、今回は後者の特性について紹介します。
前述したように、色鮮やかなディスプレイですが、小さい文字がやや見にくく感じます。なお、(デフォルトの)HDRをオフにした状態の最大輝度は、379cd/m2とやや高めでした。その他の特性については、以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
色域は、DCI-P3をほぼ100%カバーしています。Adobe RGBカバー率も非常に高いです。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 99.9% |
Adobe RGBカバー率 | 98.50% |
キーボードおよびタッチパッドのチェック
ASUS Vivobook Go 15のキーボードのチェックです。
キーピッチおよびキーストロークは十分ありますが、「半角/全角」、「\」などのキーが小さい点く押しにくいです。また、テンキーも搭載されていますが、3列なので「+」などのキーの位置が通常のテンキーとは異なります。
パフォーマンスのチェック
ASUS Vivobook Go 15のパフォーマンスをチェックします。
ASUS Vivobook Go 15では、MyASUSアプリのファンモードから動作モードを変更することができます。ただ、今回は、パフォーマンスモードにしてもスコアがそれほど変わらなかったので、デフォルトの「スタンダードモード」で計測した結果のみ掲載します。
CPU
プロセッサーには、Zen2世代、デフォルトTDPが15WのRyzen 5 7520Uを搭載しています。
下のCINEBENCH R23の結果は次の通りで、最近のノートパソコンとしては、そこまで高いスコアではありません。特にシングルコア性能が低く、場合によっては、ややもたつきを感じるケースがあるかもしれません。ただ、そこまで極端に低い性能ではないので、日常的なタスクは問題なくこなせるでしょう。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリはLPDDR5-5500を搭載していますが、この規格の割には、そこまで広い帯域ではありませんが、一般的な用途には十分です。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値です。理論的な最大値ではありません
グラフィックス
3DMarkのベンチマークスコアは以下の通りで、低めです。ゲームなどグラフィックスに負荷のかかる作業には適していません。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージにはPCIe SSDを搭載していますが、そこまで速くはありません。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
SDカードスロットは搭載していません。
クリエイターソフトの処理時間
各クリエイターソフトの処理時間を下に掲載します。
Zen2世代のRyzenプロセッサーは、Lightroomとの相性が良くなく、書き出し時間が遅いです。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-C機器のテスト結果はご覧の通りです。Thunderbolt、PowerDelivery、映像出力には対応していません。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | × | × | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | × | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | × | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― | |
モニター※2 | EIZO ColorEdge CS2740 | × | × | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルであるとの警告が表示
HDMIの動作チェック
4KモニターへHDMIで接続したときの詳細です。4K、12ビット、60Hz、YCbCr444で出力できていました。
質量のチェック
ASUS Vivobook Go 15の質量のチェックです。
メーカー仕様値では「約1.63kg」となっています。当サイトの計測値は以下の通りで、仕様値よりさらにやや軽く1.554kgでした。15.6型のノートPCとしては軽いです。
ACアダプターも小型で、軽いです。
質量 | |
PC本体 | 1.554kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 167g |
バッテリー駆動時間のチェック
ASUS Vivobook Go 15のバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量はTFT液晶モデルが42Wh、有機ELモデルが50Whです。今回は後者で、バッテリー駆動時間は以下の通りです。TDPの低いプロセッサーということもあり、他のノートPCと比較して、長いバッテリー駆動時間です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 計測中 |
(2) 動画再生時 | 18時間5分 |
(3) CPU16%、GPU11%の負荷 | 8時間9分 |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき
(3) FF14ベンチをループ実行
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
92万画素のウェブカメラを搭載しています。解像度が高いわけではありませんが、画質は自然で悪くないと思います。
また、カメラを物理的に隠すシャッターも搭載しています。
スピーカー
スピーカーは、底面の左右に配置されており、音質は比較的良いです。勝手に点数を付けると、ノートPC基準で10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度などの推移を確認します。
CPU電力は、最初は20W以上出ていますが、徐々に下がっていき、最終的には15Wで安定します。CPU温度は、20W以上出ているときは90℃前後と高めですが、15Wに下がったときは70℃台になっており、問題ありません。
静音性のチェック
ASUS Vivobook Go 15の動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音ですが、負荷をかけたときは、他のノートPCと同等程度の騒音値になります。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
全体的に低めの温度なので、作業中に手が不快に感じることはほとんど無いでしょう。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
TDP:15Wクラスのモバイル向けのプロセッサーを搭載しているため、低めの消費電力です。
外観のチェック
ASUS Vivobook Go 15の外観のチェックです。
パームレスト部分はシルバーのカラーで、指紋などが目立ちにくく実用的です。
天板もシルバーで、「ASUS Vivobook」と書かれた部分のみやや出っ張りがあります。
ボディの高さは18.5~19.0mmとなっており薄型です。
インターフェースはご覧の通りです。
ディスプレイは、ほぼ180度近く開きます。
底面のゴム足がオレンジ色になっている点がおしゃれです。
ACアダプターは65Wです。小型で軽く持ち運びやすいです。
まとめ
以上が、ASUS Vivobook Go 15のレビューです。
日常的に使えるスペックを備えつつ、7万円台から購入できるノートパソコンです。プロセッサーの性能はそこまで高くはありませんが、一般的アプリならストレスなく動きますし、メモリは16GB、ストレージは512GBと余裕のある容量です。
有機ELディスプレイを搭載したモデルもあり、こちらなら色鮮やかに動画や画像を表示することができます。ただ、光沢仕様で映り込みが気になるのと、ペンタイル配列であることから小さ文字がやや見にくいです。作業メインなら非光沢のTFTカラー液晶モデルのほうが無難かもしれません。
また、15.6型ノートPCとしては軽いので、部屋を移動したり、収納したりするときに便利でしょう。
有機ELモデルもある低価格PC
ASUS Vivobook Go 15
特徴
- 7万円台からと低価格
- 16GBメモリ、512GB SSDと余裕のある容量
- 有機ELディスプレイ搭載モデルあり
こんなあなたに
- 動画配信などをよく観る方
- 家庭で使う無難なPCが欲しい方
- 価格7万円台[税込]~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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