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ASUS ZenBook 14(UM425IA)の実機レビュー

CPU | Ryzen 7 4700U |
---|---|
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 14.0型 |
液晶種類 | FHD IPS |
質量 | 約1.25kg |
バッテリー | 67Wh |
LTE | 非対応 |
価格[税込] | 12万円台~ |
Ryzen搭載のロングバッテリーモバイルノート
ZenBook 14(UM425IA)は、Ryzenプロセッサーを搭載したモバイルノートです。
ボディは薄型・コンパクトで、さらにバッテリー容量が67Wもありバッテリー駆動時間が長く、モバイルノートとして優秀です。
質量は約1.25kgとそこまで軽いわけではありませんが、Ryzenプロセッサー搭載PCの中では軽い部類です。高性能プロセッサー搭載PCを持ち運ぶことが出来ると思えば、この質量でも十分妥協できるのではないかと思います。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 7 4700U、16GBメモリ、512GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「ZenBook 14(UM425IA)の特徴」のみお読みください。
ZenBook 14(UM425IA)の特徴
薄型・コンパクト
ZenBook 14(UM425IA)は、画面占有率90%とベゼルが狭く、それゆえコンパクトで、薄さも14.3mmしかないボディです。質量はそこまで軽くはありませんが、カバンの中に収納しやすい製品だと思います。



ロングバッテリー
ZenBook 14(UM425IA)は、67Whものバッテリーを搭載しており、非常に長いバッテリー駆動時間です。通常のモバイルノートは40Wh台であることが多いため、その容量の多さが分かると思います。バッテリー駆動状態で長く使う方におすすめです。

貴重なRyzen 4000搭載モバイルノート
第10世代Coreプロセッサー Uシリーズよりも性能が高いRyzen 4000 Uシリーズ プロセッサーですが、このプロセッサーを搭載したモバイルノート(持ち運びも考慮した軽量ノート)は選択肢があまりありません。
ZenBook 14(UM425IA)は、数少ないRyzen 4000 Uシリーズを搭載したモバイルノートで、高い性能のノートPCを、外出先へ持ち運ぶことが可能です。
質量は約1.25kgと、最近のモバイルノートとしては決して軽い部類ではありませんが、十分持ち運べる質量ではあると思います。

Ryzen 7 4700U搭載モバイルノートとしては安い
ZenBook 14(UM425IA)は、Ryzen 7 4700Uを搭載したモバイルノートとしては、価格が安いと思います。特に、Microsoft Office Home and Business 2019を搭載したモデルが、118,000円(税別)というのはかなり安いのではないかと思います。

5~20V充電器・モバイルバッテリーが使える
ZenBook 14(UM425IA)は、Power Deliveryに対応しており、他の充電器で充電することも可能です。5Vの充電器にも対応していますが、当サイトで試した2つの充電器では、良くても「5V - 0.8A」の出力しか出なかったのでPCを使用中に充電するとバッテリー残量が減っていきます。可能なら18W以上の充電器を使う方が無難だと思います。

各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 快適に動作します。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | ディスプレイが見やすく、スピーカー音もまずまずですので、動画も見やすいです。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | 当サイトの計測ではsRGBカバー率が96.3%であったため、Web掲載用のRAW現像、画像編集などには使えるでしょう。 |
動画編集 | △ | FHD動画の簡易的な動画編集ならできますが、4K動画は極端に書き出しが遅くなるので止めたほうがいいです。できれば、外部グラフィックスを搭載したノートPCをおすすめします。 |
ゲーム | △ | プロセッサー内蔵のグラフィクスとしては性能が高いので、グラフィック品質設定を下げれば高めのフレームレートが出るゲームもあります。ただし、外部グラフィックスを搭載したPCのほうがおすすめです。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイのチェックです。
色域が比較的広く、視野角も広く、見やすいディスプレイです。最大輝度は、当サイトの計測では259cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
色域は比較的広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は96.3%でした。

ガンマ補正曲線をするすると、明部になると緑と青がやや強めに出ますが、わずかですのでほぼ気にならないでしょう。

視野角は広いです。

画素形状です。ギラつきはありません。

非光沢液晶であるため、画面への映り込みは低減されています。

正確な確認方法ではありませんが、輝度を下げても、調光によるフリッカーは確認できませんでした。

※カメラのシャッタースピードを1/2000秒にして撮影したときの画面
キーボードおよびタッチパッドのチェック
ZenBook 14(UM425IA)のキーボードのチェックです。
実測で、キーピッチは、メーカー公表値で横:19.05mmとなっています。縦方向のキーピッチは実測で18mm弱です。キーストロークはメーカー公表値で約1.4mmです。キートップは0.15mm湾曲しており、やや指のフィット感が良くなっています。
Enterキーの右横にもキーがありますが、Enterキー、Backspaceキーは十分大きくなっているため、タイプミスすることは少ないでしょう。
タッチパッドの操作性は普通です。ただ、タッチパッドが非常に大きく中央にあるため、右手がタッチパッドにやや被ってしまい、左と右の手の平の感触が違って、違和感があります。


キーボードバックライトも搭載しています。

パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
ZenBook 14(UM425IA)はRyzen 7 4700Uのプロセッサーを搭載しており高い性能です。一般的なユーザーが行うような作業なら、快適に使えることでしょう。
~ CPU性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
メモリは LPDDR4x-3733 のデュアルチャネルで、高速です。

グラフィックス
グラフィックスについては、プロセッサーの内蔵グラフィックスとしては高い性能です。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe SSDを搭載しており高速です。PCIe SSDにしてはそこまで速くもありませんでしたが、体感速度はそれほど変わらないでしょう。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
micro SDカードスロットを搭載しています。速度は普通です。
~ SDカードスロット性能 ~


エンコード時間
以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。エンコード時間は比較的速いです。
エンコード時間 | |
x265でエンコード (※1) | 16分28秒 |
VCEでエンコード (※2) | 1分08秒 |
NVENCでエンコード (※3) | ― |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 プロセッサー内蔵のハードウェアエンコーダー
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー

その他のベンチマーク
その他のベンチマーク、LightroomやPremiere Proの書き出し時間、フォートナイトやPUBG Liteなどのフレームレートなどについては、下のリンク先をご覧ください。他の機種で計測したスコアではありますが、ほぼ変わらないので参考になると思います。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートの動作のチェック結果は下表の通りです。充電に関しては5~20Vに対応しています。ただ、5V充電器では充電がかなり遅かったので、18W以上の充電器の利用をおすすめします。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | 〇 | 〇 | 〇 |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | × | × | |
PD充電器 ※1 |
65W ZHOULX充電器 | 〇 | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | 〇 | ― | ― | |
30W RAVPower充電器 | 〇 | ― | ― | |
18W cheero充電器 | 〇 | ― | ― | |
5V充電器 ※2 | 5V/2.4A ANKER充電器 | △ | ― | ― |
5V/2.4A AUKEY充電器 | △ | ― | ― | |
モバイル バッテリー |
18W Anker 10000 PD | 〇 | ― | ― |
18W TNTOR TN-10PD | 〇 | ― | ― | |
5V/2A TNTOR WT-H340 | × | ― | ― | |
モニター ※3 |
EIZO ColorEdge CS2740 | 〇 | 〇 | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | 〇 | 〇 | 〇 |
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器
※3Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、YCbCr444で出力できていました。

質量のチェック
ZenBook 14(UM425IA)の質量のチェックです。
メーカーサイトには「約1.25kg」とあります。当サイトの計測値は下表の通りです。最近のモバイルノートPCとしてはそこまで軽くはありませんが、十分持ち運び出る質量です。
質量 | |
PC本体 | 1.257kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 214g |
バッテリー駆動時間のチェック
ZenBook 14(UM425IA)バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は67Whと非常に多いです。当サイトによるバッテリー駆動時間の計測結果は次の通りで、一日仕事でバッテリー駆動状態で使っていても大丈夫なバッテリー駆動時間です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約18.6時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 12時間35分 |
(3) 動画再生時 | 8時間54分 |
(4) PCMark 8 Work | 8時間30分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
バッテリー駆動時のCINEBENCH R20のスコアです。デフォルトでは、バッテリー駆動時の電源モードは「より良いパフォーマンス」となっていますが、他のノートPCは「高パフォーマンス」になっていることが多いので、この両方で計測しました。どちらもそれほど変わらぬスコアで、さらに電源接続時と大きくパフォーマンスが変わることはありませんでした。


:バッテリー駆動時のスコア
急速充電に対応しており、49分で約60%まで充電することが可能となっています。当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。1時間で約44Whも充電出来ています。
カメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラの解像度は1280x720で、画質は標準的です。


スピーカー
スピーカーは底面に配置されています。ノートPCとしては音質はやや良く、10点満点で5~6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は大きく変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。高い負荷がかかった場合は普通の動作音です。

部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
なお、本製品はファンモードが用意されており、デフォルトから「ウィスパーモード」へ変更できます。エンコード時にウィスパーモードに変更してみたところ、約30dBまで騒音値が下がりました。

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

パーツの温度のチェック
ここでは、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時の温度のみを掲載します。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
(CPUクロックが落ち着き)温度が安定してからは、60℃台で推移しており問題ない温度です。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
エンコードのような高い負荷をかけるとキーボード上部などが熱くなりますが、少しの負荷であれば問題ありません。快適に使えます。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
TDPが低いプロセッサーですので、消費電力も高くありません。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています
CPU負荷が100%になるエンコード中の電力の推移は次のようになっています。最初は35Wの電力となりますが、しばらくすると14~15Wに落ち着きます。

外観のチェック
ZenBook 14(UM425IA)の外観のチェックです。
「パイングレー」というのやや青みのあるグレーで、オールメタルデザインとなっており素敵です。ボディはMIL規格に準拠し、堅牢性も高いです。

天板には、ZenBook特有の同心円状の模様が入っています。

IRカメラを搭載し、顔認証ログインも可能です。ただし、コロナ禍で外出先ではマスクをしていることが多いため、顔認証だけでなく指紋認証にも対応していると良かったです。

薄いボディです。

側面のポート類です。USB Type-Cポートが2つ搭載されているのは嬉しいです。USB Type-Aも搭載されています。HDMIが端にあり、ACアダプターをここに接続しそうになるので気を付けましょう。


ヘッドホン端子がない代わりに、USB Type-Cポートに接続するオーディオジャックのドングルが同梱されています。また、他にはUSB-A - 有線LANのドングルも付属しています。

液晶が開く最大の角度は下図のようになっています。

底面は次のようになっています。

ACアダプターは、65Wです。小さく軽いので持ち運びに便利です。


まとめ
ZenBook 14(UM425IA)は、Ryzen 4000 Uシリーズを搭載した数少ない貴重なモバイルノートです。高い性能のノートPCを持ち運ぶことができます。
質量は約1.25kgと最近のノートPCとしては軽い部類ではありませんが、ボディはコンパクトで薄く、さらにバッテリー駆動時間が非常に長いため、携帯するノートPCとしては便利なのではないかと思います。また低出力の充電器、モバイルバッテリーが使える点もメリットです。
ディスプレイの色域も比較的広いので、外出先でRAW現像をしたいといったような方にもいいと思います。
もう少し軽ければという感じがしますが、その他の部分は優秀なので、妥協できる範囲でしょう。また、欲を言えば指紋認証およびLTEに対応していれば良かったなと思います。
Ryzenプロセッサー搭載でロングバッテリー
ZenBook 14(UM425IA)

特徴
- Ryzen 7 4700U搭載のモバイルノート
- 薄型・コンパクト
- ロングバッテリー & 5~20Vの充電器に対応
こんなあなたに
- 高めの性能のノートを持ち運びたい方
- 価格12万円台[税込]~

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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