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MacBook Pro 13インチ(2019)の実機レビュー

CPU | Core i5-8279U Core i5-8257U |
---|---|
GPU | Iris Plus 655 Iris Plus 645 |
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 13.3型 |
液晶種類 | 2560x1600 IPS |
質量 | 1.37kg |
バッテリー | 58.0 / 58.2Wh |
LTE | 非対応 |
価格 | 13万円台~(税抜) |
MacBook Proは、色域の広い液晶と、モバイルノートにしては性能の高いCPUを搭載し、クリエイティブワークもこなせるモバイルノートです。
ただし、すごく高い性能というわけではなく、一般的なモバイルノートよりもやや高いといった程度なので、本格的には向きません。ライトにクリエイティブワークを行う方や、通常は一般的な作業を行い、たまに編集作業をするといった方に適した製品だと思います。
ブランド力が非常に高いので、外で使っていても恥ずかしくない、むしろドヤ顔できる点も大きなメリットです。
今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i5-8257U、8GBメモリ、128GB PCIe SSD
MacBook Proは、次の記事を書くために、日本HP様からお借りしました。こちらの記事も合わせてご覧ください。HPのノートノートは非常にコスパが高いです。

Radeon内蔵のRyzenプロセッサーを搭載したENVY x360 13と、Iris Plus 内蔵のCoreプロセッサーを搭載したMacBook Proの比較。
目次
お忙しい方は、「MacBook Proの特徴」をお読みください。
MacBook Proの特徴
広色域液晶を搭載
MacBook Proは、2560 x 1600の高い解像度で、P3をカバーする広い色域の液晶を搭載している点が特徴の1つです。Windowsの13型クラスのモバイルノートで、このような高解像度・広色域の液晶を搭載した製品はごく一部しかありません。
さらに、16:10のアスペクト比になっており、より下までコンテンツを表示することができ、Webページや文書ファイルが見やすいです。マルチペインのクリエイター向けソフトも使いやすくなります。
液晶の品質に気を使う方におすすめです。

Iris Plus グラフィックス内蔵
MacBook Proは、Intel Iris Plusのグラフィックスを搭載している点も特徴です。
通常のインテルCPU内蔵のグラフィックスよりも高い性能で、GPU支援が使えるクリエイター向けソフトを使うときに効果を発揮します。ただし、GeForce MX250ほどの性能はないため、高解像度コンテンツや複雑な編集などには向きません。CPU性能もそこまで高いわけではないため、ライトにクリエイティブワークができればいいという方に適していると思います。
指紋認証センサーを搭載
MacBook ProはTouch ID センサーによる指紋認証に対応しています。ロックを解除するときや、iTunes Storeなどで買い物するときの認証に便利です。

高い剛性と圧倒的なブランドデザイン
MacBook Proは、メタリックな剛性の高いボディで、ねじっても歪んだりしません。質感もよく美しいデザインです。
またブランド力が高く、アップルマークが付いているだけで「あ、MacBookだ」と気づかれ、外で使うときに自慢げに使えます。

スマホ向け充電器でも充電可能
MacBook Proに、5V/2.4A出力のスマートフォン向け充電器を接続してみたところ、充電することができました。テストに使った充電器は、「AUKEY USB充電器 ACアダプター 2ポート 超小型」です。かなり小型の充電器で、カバンに常時入れておいても邪魔にならないため便利です。ただし、5V充電器だと充電時間が遅いので、17W前後のPD充電器を使うのが無難だと思います。

インターフェースはUSB Type-Cとヘッドフォンのみ
MacBook Pro 13インチは、インターフェースが非常に少なく、USB Type-C(Thunderbolt 対応)とヘッドフォン端子のみとなっています。USBメモリや、SDカードなどを使いたい方、有線LANで高速通信したい方などは不便です。
なお、MacBook Pro 13インチの下位モデルは、USB Type-Cポートが2つしかありませんが、上位モデルは4つあります。充電中は1つのUSB Type-Cポートを占有するので、複数の周辺機器を接続する可能性がある場合は、上位モデルのほうがいいと思います。

LTEには非対応
MacBook Proは、というかMacBookのノートPC全般は、LTEに対応していません。最近のWindowsパソコンは、VAIO、ThinkPad、NEC LAVIE Direct PMなどLTEに対応しているパソコンが増えたので、LTEに対応していないのは残念です。
ライバル機種との比較
ここでは、Windowsのクリエイター向けモバイルノート「DAIV-GN4300」と比較します。
MacBook Proは、液晶の色域が広く、CPU性能もやや良いため、画像編集・RAW現像ソフトなどを使う場合に適しています。
一方、DAIV-NG4300は、GeForce MX250の外部グラフィックスを搭載し、グラフィックス性能が高いです。Premiere Proなどは外部グラフィックスとCPU内蔵グラフィックスの両方を使って書き出しを行えるので、MacBook Pro 13インチよりも処理が高速なケースが多いです。それでも動画編集をするにはスペック不足感はありますが、MacBook Pro 13インチよりは快適だと思います。また、軽さはDAIV-NG4300のほうが優れています。
MacBook Pro 13インチ | DAIV-NG4300 | |
画像 | ![]() |
![]() |
CPU | Core i5-8279U Core i5-8257U |
Core i7-8565U |
GPU | Iris Plus 655 Iris Plus 645 |
GeForce MX250 |
メモリ | 8GB / 16GB | 8GB / 16GB |
液晶 | 13.3型 2560x1600 IPS 光沢 P3カバー |
14.0型 1920x1080 広視野角 非光沢 sRGB 約100% |
質量 | 約1.37kg | 約 1.13kg |
バッテリー | 58.0 / 58.2Wh | 46.74Wh |
価格 | 13万円台~ | 12万円台~ |
各用途の快適度
MacBook Pro 13インチの各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによって快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | スペックは十分で、液晶は16:10のアスペクト比で、より下まで表示できるので、とても快適に作業できます。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | スペックは十分で、スピーカーの音も比較的良いので、快適に視聴できます。 |
RAW現像 画像編集 |
◎ | 色域が広いため画像編集に適しています。ただし、CPU性能もUシリーズCoreプロセッサーの中では高めの性能です。ただしHシリーズのCoreプロセッサーと比べると、やや時間のかかる処理もあります。メモリは16GBを搭載したほうがいいでしょう。 |
動画編集 | ○ | 液晶の色域は十分です。Intel Iris Plusのグラフィックスを内蔵しているため簡単な動画編集ならなんとか出来ます。ただし、そこまで高いグラフィック性能ではないため、本格的にやるなら、もう少し高性能のPCがいいと思います。 |
ゲーム | △ | 軽い3Dゲームや、2Dゲームならできますが、普通の重さの3Dゲームはかなりグラフィック品質設定を下げる必要があります。放熱性もいいわけではないため、ゲームをするなら別機種がおすすめです。 |
液晶ディスプレイのチェック
MacBook Proの液晶ディスプレイのチェックです。
前述の通り、高解像度・広色域で、アスペクト比は16:10と見やすい液晶です。最大輝度は、実測で457cd/m2と高い輝度です。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
色域は比較的広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は100%、Adobe RGBカバー率は88.7%でした。

下図より、やや青色と緑色が強めに発色していることが分かりますが、わずかですので、それほど気にはならないです。

視野角は広いです。

画素形状です。ギラつきはありません。

光沢液晶ですので映り込みがあります。ただし、やや反射が抑えられているように感じました。

正確な確認方法ではありませんが、カメラのシャッタースピードを高めにし撮影した限りでは、フリッカーは確認できませんでした。

※カメラのシャッタースピードを1/2000秒にして撮影したときの画面
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
Windowsパソコンのキーボードはパンタグラフ構造が多いですが、MacBook Proのキーボードは、バタフライ構造となっています。2016年頃のMacBook Proのバタフライキーボードは、ホコリが入ると取り除くのが難しく故障の原因となりましたが、現在は(静音性の改善という名目で)シリコン膜が追加され、ホコリが入りづらくなっています。
キーボードの打ちやすさのほうは、キーストロークが非常に浅いものの、しっかりとした打鍵感があり、打ちづらさは感じません。ただ、底付きの衝撃が強めなため、指がやや痛くなりやすく、疲れやすい印象はあります。
タッチパッドは広大で指も動かしやすく、非常に操作しやすいです。また、クリックボタンも軽い力で押せて使いやすいです。


キーボードバックライトも搭載しています。

パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
Core i5-8265UなどのUシリーズCoreプロセッサーと比較すると、MacBook Pro 13インチで搭載できるCPUは高めの性能です。クリエイティブワークをするなら、上位のCore i5-8279Uの搭載をおすすめします。
~ Geekbench 4 ~

※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
~ Geekbench 5 ~

※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
MacBook Pro 13インチのIris Plus 645は、UHD 620よりも高いスコアです。Iris Plus 655であればさらに1~2割スコアが高くなると思われます。ただし、GeForce MX250には及ばないスコアです。
~ Geekbench 5 - Compute (Open CL)~

※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
ストレージ
ストレージは、PCIe SSDを搭載しており高速です。
~ AmorphousDiskMark ~

※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
USB Type-C 充電器の動作テスト
USB Type-Cポートを利用して、純正以外の充電器が使えるかを試しました。
前述した通り、5V充電器も利用できました。低いワットのPD充電器も利用できます。
ただし、ちょっと試しただけなので、細かいチェックはしていません。長期間使ったりすると不具合があるかもしれません。また、純正品以外の充電器で充電し、故障しても当サイトでは責任をとれません。ご了承下さい。
充電できるか? | ||
PD充電器 ※1 |
ZHOULX 充電器(65W) | 〇 |
AUKEY 充電器(46W) | 〇 | |
スマホ向け 充電器 ※2 |
ANKER 充電器(5V/2.4A) | 〇 |
AUKEY 充電器(5V/2.4A) | 〇 | |
UGREEN 充電器(5V/3A) | 〇 |
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器
質量のチェック
MacBook Proの質量のチェックです。
最近の13型クラスのモバイルノートとしては、どちらかといえば重い部類に入ります。ただ、十分持ち運べる範囲の質量です。
質量 | |
PC本体 | 1.363kg |
ACアダプター(電源ケーブル含む) | 263g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
58.0Whもしくは58.2Whの大容量バッテリーを搭載しています。
メーカーの仕様表では、バッテリー駆動時間について「最大10時間のワイヤレスインターネット閲覧」、「最大10時間のiTunesムービー再生」と書かれています。
当サイトで計測したバッテリー駆動時間を下に掲載します。今回、ローカルに保存した動画を、iTunesで連続再生したときのバッテリー駆動時間を計測しました。長いバッテリー駆動時間です。
バッテリー駆動時間 | |
動画再生時 ※1 | 9時間53分 |
※1 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
また、付属のACアダプターを使ったアイドル時の充電速度は次の通りです。1時間で何パーセント充電できたかを計測しています。普通の速度です。
充電容量 | |
アイドル時 | 66% |
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時や低負荷時はほぼ無音です。Premiere Proを操作していてもかなり静かでした。

部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:動画再生時(解像度:720x480で実行)
左から3番目:Adobe Rushの編集画面でエフェクトを追加しプレビュー再生
左から4番目:Mac OS標準の機能でエンコード(4K動画を1080pへ変換)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
パーツの温度は高めです。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
表面温度もやや高めです。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
低負荷字は低めの消費電力です。高負荷時はやや高めの消費電力です。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
MacBook Proの外観写真を掲載します。
ボディにはリサイクル効率の高いアルミニウムを使用しており、見た目が美しいだけでなく、環境にも優しくなっています。ベゼルも比較的狭いです。

天板です。アップルマークは光りません。

スピーカーは、ノートパソコンにしてはいい音質だと思います。勝手に点数をつけると、10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

液晶は、下図の角度まで開きます。

インターフェースは、次の通り、少ないです。

底面に吸気口などはありません。美しい外観ですが、その代わり放熱性がやや悪いです。

ACアダプターです。


まとめ
以上が、新型 MacBook Pro 2019のレビューです。
液晶の色域が広く、解像度も高く、アスペクト比も3:2となっており、モバイルノートの中でも、トップクラスの見やすさです。
また、Iris Plus グラフィックス内蔵のCPUを搭載しており、一般的なモバイルノートよりもやや高性能です。
品質の高い液晶と、比較的高い性能のCPUを搭載していることから、クリエイター向きの製品となっています。
ただし、CPUおよびグラフィックス性能がかなり高いというわけではないため、「ライトにクリエイティブワークをする」、「普段はWeb閲覧、メール作成など一般業務を行い、たまにクリエイティブワーク」を行うといった方に適していると思います。
また、キーボードを長時間打つと、強くタイピングする方は指が痛くなるかもしれません。また、インターフェースが少ない点、LTEには対応していない点もご注意下さい。
ライトにクリエイティブワークもできるモバイルノート
MacBook Pro 2019

特徴
- 圧倒的なブランド力と美しいデザイン
- 見やすい液晶画面
- ロングバッテリー
- CPUの性能は低め
こんなあなたに
- ブランド力のある製品が欲しい方
- バッテリー状態で長く使う方
- 価格13万円台[税別]~
- 一言やや重いか

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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