Apple iPad mini 4の実機レビュー

更新日:2015年9月22日

正常進化したiPad mini

Apple iPad mini 4は、従来モデルよりもさらに薄型・軽量化した7.9インチタブレットです。

CPUの処理性能もアップし、メモリも1GBから2GBへと大幅アップしています。一般的な作業ならサクサク動くでしょう。

指紋認証センサー「Touch ID」も追加されています。

外出先からインターネットへ接続できるSIMフリーモデル(Wi-Fi + Cellularモデル)もあります。

タブレットとしては、スペック・デザインともに完成度の高い製品です。

公式サイトApple Store

※レビュー機は当サイトでの購入品です

目次

主な仕様

下表に仕様を掲載します。

比較のために、従来モデルのiPad mini 2 の仕様も掲載します。

iPad mini 3は販売停止となったため掲載を省略します。なお、iPad mini 3 は iPad mini 2にTouch ID機能を付けただけですので、ほとんど仕様は変わりません。

iPad mini 4と iPad mini 2の主な仕様
  iPad mini 4 iPad mini 2
OS iOS 9 iOS 7
液晶 7.9インチ (2048x1536ピクセル, 326ppi) 7.9インチ (2048x1536ピクセル, 326ppi)
プロセッサー 第2世代A8チップ 64ビットアーキテクチャ搭載A7チップ
メモリ 2GB 1GB
内部ストレージ 16、64、128GB 16、32GB
バッテリー 約10時間 約10時間
カメラ 静止画:800万画素の写真
ビデオ:1080p HDビデオ撮影
静止画:500万画素の写真
ビデオ:1080p HDビデオ撮影
防水 / 防塵 なし なし
主なスロット Lightningコネクタ
ヘッドフォンミニジャック
Lightningコネクタ
ヘッドフォンミニジャック
重量 Wi-Fiモデル:約298.8g
Wi-Fi+Cellularモデル:約304g
Wi-Fiモデル:約331g
Wi-Fi+Cellularモデル:約341g
厚さ 6.1mm 7.5mm
Touch ID 搭載 非搭載
LTE対応バンド バンド1、2、3、4、5、7、8、13、
17、18、19、20、25、26、28、29、
38、39、40、41
バンド1、2、3、4、5、7、8、13、
17、18、19、20、25、26

特徴1 - さらに薄く・軽くなったボディ

従来のモデルも十分薄型・軽量のボディでしたが、iPad mini 4はさらに薄型・軽量化しています(詳細な数値は上の仕様表をご覧下さい)。

薄さを実測した結果は下図の通りでした。なお、iPad Air 2と同じ薄さです。


厚さの実測値


iPad Air 2と同じ厚さ

 

重量の実測値は下図の通りでした。実際に持ってみてもかなり軽く、片手でも余裕で持てます。立ちながら持っていても気にならないでしょう。なお、今回のレビュー機は、「Wi-Fi+Cellularモデル」となっています。「Wi-Fiモデル」の場合は、もう少し軽くなります。


重量のチェック

特徴2 - 低反射&タッチパネルの厚みを感じない液晶

iPad mini 4は、iPad Air 2と同じく、「反射防止コーティング」が施された「フルラミネーションディスプレイ」を採用しています。

「フルラミネーションディスプレイ」とは、液晶パネルとガラスの間にあった隙間をなくす技術で、画面が前面に近づくため見やすくなり、タッチ操作もしやすくなります。


反射が抑えられた液晶


タッチパネル表面から液晶パネルまでの距離が短い

特徴3 - 指紋認証センサー(Touch ID)

iPad Air 2 や iPad mini 3 で採用されているTouch ID(指紋認証センサー)も、もちろん搭載されています。

ロック解除やApple Store、iTuneでの商品購入時に、パスワードの代わりに利用することが可能です。


指紋センサー Touch ID

特徴4 - CPUやメモリも性能UP

下表の通り、iPad mini 4は、iPad mini 2 や 3 と比べて、CPUとメモリもスペックアップしています。

ただし、iPad Air 2 やこれから発売予定のiPad Pro と比較すると、処理性能は落ちます。特にグラフィック性能が落ちるため、負荷のかかる3Dゲームをした場合は、iPad Air 2 やiPad Pro に比べて滑らかに動かないこともあるかもしれません。

とは言っても、重い3Dゲーム以外の通常の作業では、特に困ることはないでしょう。

iPadシリーズのスペック比較
  iPad mini 2 / mini 3 iPad mini 4 iPad Air 2 iPad Pro
チップ A7 A8
CPU:1.3倍高速
グラフィックス:1.6倍高速
A8X
CPU:1.4倍高速
グラフィックス:2.5倍高速
A9X
CPU:2.5倍高速
グラフィックス:5倍高速
メモリ 1GB 2GB 2GB 4GB

特徴5 - 選べるSIMフリーモデル

iPad mini 4も、SIMフリーモデル(Wi-Fi + Cellularモデル)が発売されています。

主要なバンドにも対応していますし、iPad mini 2では対応していなかった、今度展開されていくバンド 28にも対応しています。

MVNOの格安SIMを利用すれば、安価にモバイルデータ通信を行うことが可能です。格安SIMプランの一覧については、「SIMカードの比較」のページをご覧ください。


SIMフリー版(Wi-Fi+Cellularモデル)あり

Webページ、電子書籍を閲覧する

Webページや電子書籍閲覧時の快適性のチェックです。

解像度が2048x1536と高いため、縦位置で表示(タブレットを縦長にして表示)させても、文字がつぶれず綺麗に表示されます。ただし、文字は小さいため、老眼の方や小さい文字が苦手な人は、一回り大きいiPad Air 2 のほうが見やすいと思います。


Webサイトを表示

当サイト「the比較」の一部を拡大

 

マンガであれば、見開きでも難なく読めます。文字の小さい雑誌も縦位置で表示(タブレットを縦長にして表示)させれば問題なく読めます。また、アスペクト比が4:3と書籍のそれに近く、画面いっぱいに表示されるため見やすいです。


電子書籍を表示

 

以下は、ブラウザのベンチマークスコアです。高いスコアが出ました。

ブラウザベンチマークのスコア
  JetStream 1.1 Octane 2.0
Safari 73.367 9919

テレビや動画配信を観る

テレビのライブ視聴や動画配信サービスを視聴できるかのチェックです。

nasneを使ってテレビ視聴

ソニー製「nasne」のライブ視聴を試しましたが、問題ありませんでした。

動画配信サービスを確認

HuludTVバンダイチャンネルを試してみましたが、いずれも問題ありませんでした。

なお、iPad mini 4の画面アスペクト比は4:3であるため、16:9などの動画を再生すると、上下にやや余黒ができます。

カメラのチェック

リアカメラとフロントカメラのチェックです。

Exifで表示された各カメラのスペックは次の通りでした。ちなみに動画の場合は1080pのHDビデオで撮影できます。

カメラのスペック
スペック フロントカメラ リアカメラ
ファイル形式 jpeg jpeg
画像サイズ 1280×960px 3264×2448px
最小絞り f2.2 f2.4
35mm換算焦点距離 31mm 31mm
※撮影ファイルをmacのプレビューでExif表示したデータに基づく

 

標準で搭載されているカメラアプリの撮影機能には、バーストモード、タイマー、HDR、タイムラプス、パノラマなどがあります。AppleStoreにはカメラアプリも豊富にラインナップされていますが、標準カメラだけでも十分に使える機能が揃っています。


iPad mini 4のカメラ撮影画面

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイのチェックです。

視野角は広いです。


視野角(斜めから見たときの見やすさ)

 

ガンマ補正曲線は下図の通りです。自然な発色だと思います。


ガンマ補正曲線
※i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120cd/m2、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2
※Air Display 3 を使用

 

色域は十分な広さです。

なお、今回は、Air Display 3 でMacの画面を、iPad mini 4へミラーして計測しているため、誤差があると思います。数回計測したところ、ガンマ補正曲線はそれほど変わりませんが、色域は計測の度に結構変わりました。そのため参考程度に見て下さい。


ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
※Air Display 3 を使用

 

画素の拡大図です。ギラつきは感じません。


画面表面の拡大図

パフォーマンスのチェック

各種ベンチマークスコアは次の通りです。やや高めのスコアです。


PassMark PerformanceTest Mobile


AnTuTu Benchmark

Geekbench 3 - Processor Benchmark

3DMark

3DMark - Sling Shot using ES 3.0

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、タブレットを持つ手が熱くなり不快になります。

特に問題ありません。


バッテリー駆動時間のチェック

iPad mini 4のバッテリ―駆動時間は、メーカー公表で約10時間となっています。

当サイトにて、T.T.Videoという動画再生アプリを使用し、720x480の動画をリピート再生させたときのバッテリー駆動時間は下表の通りです。

バッテリー駆動時間
負荷内容 バッテリー駆動時間
動画再生時 ※1 13時間02分
※1 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※ T.T.Videoの動画再生アプリを使用

スリープ時のバッテリー残量の変化

スリープ状態で24時間経過後のバッテリー残量を、「バッテリー HD」のアプリで確認したのが下図です。スリープ状態ではほとんどバッテリー消費がなく、省電力性能はかなり高いです。ただし、通信機能のON/OFFやバックグラウンドで動作しているアプリなどによっても結果は変わってきます。

また、「バッテリー HD」のアプリでは、各種作業をしたときのバッテリー駆動時間の目安(下図)も表示されています。参考にして下さい。


24時間スリープした後の「バッテリー HD」アプリの表示

外観のチェック

外観です。

シンプルで洗練されたデザインです。

 

側面はダイヤモンドカットで滑らかなエッジがつけられています。引っかかりもなく、手になじみます。

 

裏面です。今回は、「スペースグレイ」のボディカラーで購入しています。

SIMフリーモデル(Wi-Fi + Cellularモデル)の場合は、裏面上部に黒色のユニット部分が追加されます。本体がゴールドの場合は、ホワイトのユニットになります。

カメラです。

 

各側面です。非常に薄いのが分かります。

 

オプションのSmart Coverです。今回はREDのカラーです。

まとめ

以上がApple iPad mini 4のレビューでした。

従来モデルと比較すると、さらに薄型・軽量化し、CPU・メモリなどもスペックアップしています。非常に完成度の高いタブレットです。

iPad全般に言えることですが、画面アスペクト比が4:3で、書籍のそれに近く、電子書籍の表示に適していると思います。ただし、動画はもっと横長であるため、iPad mini 4で表示すると上下に余黒ができます。

Webページの閲覧は、7~8インチクラスのタブレットの中では見やすいと思います。画面アスペクト比が4:3であるため、縦位置表示にしたときは横幅が広く、文字が大きくなります。ただ、それでも、まだ文字は小さめであると感じます。小さい文字が苦手の方でWeb閲覧を主にするなら、iPad Air 2のほうが良いと思います。

格安SIMが使える「Wi-Fi+Cellularモデル」もあります。SIMカードの比較ページも用意していますので、興味のある方は「SIMカードの比較」のページもご覧ください。

詳細はこちら
公式サイト:Apple Store

 

このタブレットで使用できるSIMカードは、下のページをご覧ください。

SIMカード比較